Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。
やっぱ三日おきの更新が楽ですね。

お気に入り評価ありがとうございます。この二次創作に評価10押してくれた方がいらっしゃってかなり驚きましたし、めっちゃうれしかったです。


武装戦士アキラ君

 アルファの支援は即座に実証された。廊下の奥──天井を突き破って現れた三脚ドローンがアキラを捉え、砲口に青白い光を溜め込む。

 

『右へ二歩。遮蔽一枚。構えて──今!』

 

 指示と同時にアキラは滑り込み、膝を着いてサイトを覗く。一発目が外装を削り、補正角を“わずかに”ずらした二発目がセンサー・コアを貫いた。火花、黒煙。反射のほとんどは無意識だった。さっきまで不可能だった精度──背筋が冷えた。

『アキラの以前の命中率 62 %→87%。サポートが不完全でも、命中率と索敵能力はかなり上がっているでしょ? これが私のサポート補正よ。納得できる?』

 

「……ああ。実力は認める」

 

 だが全幅の信頼には至らない。アキラは呼吸を整えながら言った。

 

「旧世界の遺物も持ち帰りたい、よさそうな物資と案内は可能か?」

『ええ十分に可能よ、アキラの実力と私のサポートを考慮して適切なルート案内と十分な遺物を提供するわ』

 

 

 

 

 ◇     ◇

 

 

《??? :非常シャフト》

 

 暗く静かな遺跡内部で、アルファの場違いに明るいナビゲーションが響く。

 ──と言っても、声が届くのは通路ではなく アキラの脳内。高性能 AI は、あたかも傍らにいるかのごとく遺跡内の反響音を疑似再生し、そのまま情報を送り込んでくる。

 有用性を証明するかのように、アルファは高性能ぶりを容赦なく突きつけていた。

『心拍数と血圧はモニタリング済み。意識レベルもギリギリね。私のサポートなしじゃ辿り着けないわよ? あと二十七段で踊り場だから気をつけて』

 

 アルファは淡々と指示を出す。

 

 アキラは汗を拭いながら階段を駆け下りる。途中、簡易的に武器を点検しリロードを終えるが、安物の情報収集機や粗いマップでは自分の正確な位置は割り出せなかった。

 

「助かるよ。で、あと何メートルで“お宝”にありつける?」

 

『ここから二十六段下、東側の通路を十七メートル進んで。倉庫に旧世界の遺物が眠っているわ。──ただし現代の相場は不明ね』

 

「まさかガラクタを掴まされるんじゃないだろうな?」

 

『性能や用途は推測できるけど、“今”の市場価値は読めないの。正直に言うなら“わからない”。そのほうが誠実でしょ?』

 

「なるほど。相場が読めないなら仕方ないか」

 

(“今の世界”の相場? しばらく引きこもってた AI ってことか? ──いつの時代から存在してるんだ?)

 額の汗が一気に冷える。横で囁く存在への恐怖が増す一方、倉庫まであと少しという事実は、金欠で干からびた心に血を通わせた。

 

「まぁ、懐が潤うならありがたい話だ」

 

 アルファが小さく笑う。

『光栄だわ。でも気をつけて。前方にレーザーセンサー』

 

 警告より速く、アキラは床を滑って罠を避けた。

 

「……罠まで見抜けるなんて、いったい何者だよ、お前は」

 

「あなたの味方。それで十分でしょう?」と、アルファはくすりと微笑むように返した。

 

 通路奥、アルファに案内された倉庫に到着。鍵はかかっていない。情報収集機で敵影がいないことを再確認。警戒しつつ中へ入ると油と錆の匂いが鼻を刺した。十平方メートルほどの空間に金属ラックがぎっしり並び、遺物が所狭しと並んでいる。

 アキラがバールのような何かを振りかざすと、アルファの声が少しだけ低くなる。

 

「施設を少し破壊するなら慎重にね。この施設いまは“眠っている”だけだから、振動が大きいと警備ロボットとかが目覚めるわ」

 

「あっぶね、それは困る。じゃあ警備が反応しないくらいで漁るか。どの物資を持ち帰ろうかな……」

 

『この施設はもともと食料や日常で使う小物を中心として販売していた小売店の倉庫みたいなものだからかなり高価なものがあるとはいえないわ。ただ旧世界の衣服の一部や回復薬や刃物、弾薬なんかも売ってるわね』

 

 コンビニかな? とアキラは思ったが、どこの世界で弾薬を取り扱うコンビニがあるんだ……と考えたが。某ブル〇カではコンビニで弾薬とか回復薬(AP回復)が売っていたなとも思いだした。まぁ旧世界はもはやなんでもありみたいな頓智気設定だと解釈しているアキラからしたら誤差みたいなものだった。

 

「なるほど、まぁ小物でも幅広く取り扱ってたなら割となんでも持って帰れそうだな」

 

『ええそうね。この倉庫で高価なのはやっぱり銃器とかだけど、持って帰っても動かなかったり修理しないといけないことを考えると微妙なのよね。結局飾りになるわ』

 

「じゃあおすすめはなんだ? 回復薬か? 消費期限が気になるけど」

 

『活性化している遺跡だと消費期限が近いものは自動的に更新されるわ。ただここは不活状態が長いし、持ってあと半年くらいの期限つきが多いわね』

 

「まあ期限内に使い切れば構わないか」

 

『ええ。で、わたしとしてのおすすめは旧世界製の医療品や小型の刃物ね。アキラは鞄があまりおおきくないからそれなりに持って帰れて有用そうなものだとそうなるわね』

 

「安物のかばんで悪かったな。小売店の倉庫なら袋とかの在庫とかないのか? ぶっちゃけ俺のバッグより高性能だろ?」

 

『袋がないわけじゃないけど、片手がふさがってしまうから、生きて帰る可能性がぐんと下がるわよ? それなら構わないけど?』

 

「金より命の方が惜しいな。なら鞄に詰め込むかー」

 

 アキラはアルファの指示する回復薬や小型の刃物を鞄に入れる。その最中アキラが倉庫を見渡すと服や下着の在庫があるのを発見した。

 

「なぁアルファ? ぶっちゃけ俺が着てる防護服より、ここの在庫の服の方が性能いいよな?」

 アキラは商品タグを確認するが何を書いているかわからなかったが手さわりや旧世界品質からそう考えた

 

『そうね、アキラの今着てる防護服よりこの服の方が性能はかなりいいわ。服は消費期限がないしね。とはいえ鞄に入れるほどのスペースはないし、この服を持って帰って売るよりも回復薬や刃物を売る方が金になるわよ?』

 

「言ったろ? 金より命の方が大事だって。今から着て帰る」

 

『待って待って私は健全なアキラのために支援してるのよ? 旧世界的にハンターの職業はよろしくない。しかも、アキラのその防護服はかなりボロボロなのにところどころ修復してるところが見えるから、誰かからもらって思入れのある服だとわかるわ。そんなアキラの大事な服を更新しろって強要するのはかわいそうだし、まだ仮契約なのだからそこまでアキラに負担を掛けるつもりはないわ!!』

 

「「着替え」て帰ります」

 

『だから気に入ったわ』

 

「良し、そう言ってくれると思ってたよ」

 

 アキラはアルファと相談し、在庫にある服からできるだけ高性能かつ自身のサイズに合った下着や服を選んでいく。多少大きくてもソーイングセットを持ち歩いているアキラは最低限の裾上げはできると考えて選んでいく。アキラとアルファが選んだのは旧世界特有の奇抜なセンスの服ではなく地味な服装。とはいえ現世界で街歩きや遺跡探索でも問題ない服を選ぶ。防護服並みの性能の服の上に何着か服を着てぎりぎり安全に持ち運びができるよう着こむことにした。

 

 アキラは一応名残惜しそうにシズカの店から売ってもらって使い慣れた防護服を脱ぎ捨てる。ハンター登録した日から着続けてる愛着のあった服だが、あれから身体付きも背丈も成長したアキラからするとそろそろ小さくなってきたのも事実だった。

 

 着替えを終えたアキラが旧防護服のポケットから防護服に入れていたナイフや弾倉、フラグやライトなどを回収する。アルファは静かに分析を進める。

 スラム育ちにしては栄養状態が良く、鍛えた身体。センスの良いシルバーアクセ。

 ──だが、擦り切れた旧防護服を迷いなく捨て去る精神構造はやはり異質だ。

 

 前回の“失敗”を繰り返さないためにも、この契約者の性質をもっと深く理解する必要がある。アルファは新たなデータを保存しながら独り言のように呟いた。

 

 

『アキラ、帰還ルートを再提示するわ。被弾確率は──二二%』

 

「被弾2割かよ、上等だ。絶対避けてやる」

 

 薄暗い倉庫を後にし、二人(内一体)は非常シャフトへ歩を進めた。

 

 ◆  ◆  ◆

《スラム拠点:夜》

 

 遺跡から帰ってきたアキラは一旦遺物を売りに行くのより先に帰ってゆっくりしたいという気持ちが勝り徒党拠点に向かった。

 徒党に帰投したアキラを確認した徒党構成員からの連絡でアキラが帰ってきたことを知ったシェリルが玄関に迎えに来る。

 

 

 シェリルが駆け寄り、目を丸くする。

「アキラ! 無事だったんですね……これは?」

 シェリルはアキラの服装を見ながら聞く、シェリルはアキラの服装が変わっていることに気づいた。出ていく前は年季の入ったような防護服ではなく下ろしたての新品の服だ。見た感じ以前の防護服より高価そうだった。

 

 アキラは苦い笑みで。

「いい感じの遺物が転がってるとこにたどりつけたんだよ。そこにいい感じの服が転がってたから、ちょうど前の服もボロボロだったし着替えて帰ってきたんだよ」

 シェリルはその前の服ですら修復すれば中古で販売できるのではと一瞬考えたが、防護服はアキラの私物であるし、そこまで介入するのはあまり……よく思われないだろうと考えを回した。

 

「そ、そうなんですね。安全ならうちの徒党の子に行かせて残ってる遺物を回収させましょうか?」

「いや、かなりきついし危険だからやめといた方がいいと思う」

 

「まぁ何があったかまた話すよ。疲れたし、遺物売却も明日行くわ」

 

 

 

 浴場帰りのアキラがタオルで髪を拭きながらドアを引くと 徒党の書類を確認していたシェリルが待っていた。

「遠征、お疲れさまでした」

 

「ありがとなシェリル。で、今時間あるか? 話したいんだが」

 

「ええ。そのために時間を作ったので問題ありませんよ、それで話とは?」

 

「まず今回の遠征で得たものが二つある。一つは今回手に入れた旧世界製の遺物だ」

 アキラは説明すると机の上に遺物を置く。すべて旧世界の遺物で、回復薬、小型レーザーブレード、そして着て帰ってきた服とパッケージに入っていた服だ。

 

「旧世界の服の中に女向けのヤツもあったから、これはシェリルへのプレゼントってことで渡しとくよ。この前シェリルからネックレスプレゼントしてもらってたのになんもお返しできてないと思って、さ」

 

 シェリルは様々な効果であろう遺物を前に目を輝かせる、だがシェリルの目が一番輝いたのはアキラからのプレゼントだった。

 

「ありがとうございます。ほんとうにうれしいです。大事にしますね」

 アキラはシェリルがうれしがっているのを見て、自身のセンスが間違ってなかったことへの安堵と、シェリルの喜ぶ顔が見れて癒されていた。守りたい、この笑顔

 

「で、こっからがかなり大事な話だ」

 

「はい」

 シェリルは気持ちを切り替えて聞く姿勢に戻る。

 

「正直、これをシェリルに話すかかなり悩んだ。なんなら今も迷ってる。これは俺のキャパを超えてるからだ。それに危険じゃないかと考えた。でも……シェリルの知って欲しいと思ったのもある。なんなら今の段階ならシェリルは何も知らないままで居れる……どうする? 聞くか?」

 

 アキラはシェリルにアルファについて話すべきかさんざん悩んだ、自身の想像を超える旧世界製であろう高性能汎用知能、遺跡のデータ収集や他にもできることは多いであろう謎が多いその存在。自身もそれを知ったとき危険じゃないのかと考えた。だが自身が処理できる状態やそれを超えている。相談相手が必要なんじゃないかと考えた。だがシェリルに話すと、シェリルに危険が及ぶ可能性もある。それはしたくなかった。結局アキラは最後にシェリルの意思を訪ね伝えるべきか判断しようと考えた。

 

 

「……心配していただいてありがとうございます。アキラが私のために悩んでいるのもわかりました。そのうえで私は、アキラの話を聞こうとおもいました。この徒党のボス代理として、そしてアキラの恋人として……」

 

「ありがとう、シェリル」

 

 

 

 

「今回拾ったのは、高性能AIだ」

 

 アキラが切り込む

 

「実は──遺跡で拾ったヘッドセットに、古いナビゲーションAI が残っててさ。試しに俺の情報端末に繋いだら、敵位置と死角とかをピンポイントで教えてくれるんだ」

 

 シェリルの瞳が細くなる。

「それはすごいですね、かなり探索が楽になりそうですが……」

 

「だが問題は正確な作りは俺にもわからないんだ。システム系やソフトに詳しくないからブラックボックスに近いと思う」

 

「危険は?」

 

「今のところはゼロ。神経インターフェースは自家発電みたいな仕組みで、拒絶反応もなし。むしろ疲労が減った」

 

 シェリルは数秒思案し、小さく頷く。

「生存性が上がるなら歓迎です。ただ、何が危険なのですか?」

 

「人間は自身の理解できないものに恐怖するものだと思っている。俺はこのAIの重要性や貴重性がまだ理解できていない。このAIをめぐっての争奪戦があり得るなら、このAIを知る俺やシェリルが危険になると考えた」

 

 アキラの前世でも、AIが暴走して人類を滅ぼそうとする映画や作品が多かったこともあり、AIの反乱も危惧していたが、そこまではシェリルに伝えなかった。またこの会話はアキラの視界の横に存在するアルファに聞かれているため、AIの暴走等でアルファをかなり疑っていると悟られること、名言することが危険だと考えた。

 

「そういうことですね。いまは警戒って感じですか?」

「いや、別にそこまでがっつり警戒しなくていいよ、あくまで俺の想像にすぎないし。何より、このAIのおかげで今回の探索は大成功だったんだ。しばらくは恩恵に頼らせてもらうさ」

 

「了解。──頼ってくれて嬉しいわ、アキラ」

 

 彼女の声は穏やかだが、その奥で計算機の歯車が静かに噛み合った音がした。遺跡内部で拾ったナビ AI 。危険は感じないけど、正式運用はまだテスト中だ。

 

「約束する。俺の判断を信じてくれ」

 

「……最初から信じてるわ、アキラ」

 

 二人は短く微笑み合う。ドアが閉まる直前、シェリルは胸の前でそっと指を組み、祈るように深呼吸した。

 

 

 

 アルファはアキラの様子を観察していた。その表情からその下の心理状態を。その心理状態の変化から人格の傾向や本質を。好き嫌いを。揺らぎを。その根幹を。観察していた。

 深夜─AI側内部ログ

《観測》

 ・シェリル=徒党代理管理者。契約予定対象と最も密接な人物。経済的意思決定力:高

 ・アキラとの信頼指数:0.86(十分に強固)

 

《推奨》

 ・現段階でシェリルへ人格情報を開示すると情動リスク+32%

 ・契約延期は合理 → 様子見継続

 

 アルファは静かに自己演算を縮退し、仮接続を保ったまま夜を越した。

 

 

 

 




読了感謝です。
原作と違うオリジナル展開が多いと書くのに苦労します。考えたプロットが世界観や設定に違いがないか調べるのも…

なお、ガンダムは初代とユニコーンとNTと鉄血と水星とジークアクスは見ました。ジークアクスはZガンダムの内容も多いので、そのうちZも履修しようと思います。好きな機体はクシャトリヤとシナンジュとザザビーです。
ユニコーンガンダムのパチンコは当たらないので嫌いです

追記:さすがに受かっただろうと思ってた面接落ちてました(5敗)
今週水曜日また面接行きます
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