Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。

今日の昼くらいに投稿しようと思ったんですが、キリよく書けなかったことと、シージやってたこととFGOの冠位戴冠戦周回してたことと、一人焼き肉からのハイボールをキメたらさらに筆が乗って書いてたのが原因です。それでも三日に一回のペースで投稿できてるし、何なら次話もほぼ完成してるので明日中に投稿できそうです。

そして感想評価誤字報告、お気に入り登録や感想評価評価感想ありがとうございます。感想はなるべく返すようにしてるのでドゥンドゥンおなしゃす。


少年過激レヴュースラムライト

 

 

 色なしの霧──視界を奪う白い濃霧が荒野を覆っていた。昼間だというのに、五メートル先も見えない。

 アキラは廃ビルの影に身を潜め、ライフルを構える。

 

『色なしの霧がかなり濃いわ。視界もだいぶ遮断されてるし、熱探知や音響補足を優先して』

 

「了解」

 

 物音一つ、霧の奥から何が出てきてもおかしくない。だがこの霧の中では、アキラの装備と感覚が生きる。目立たず、確実に仕留められる。そう判断して、彼は一人での探索を選んでいた。

 

 ……そのときだった。

 

 

 爆発音。短い悲鳴。

 

 

 

 アキラは即座に伏せ、双眼レンズを向ける。

 白く霞んだ空間に、8つ……いや10の影が動いていた。片方は倒れており、もう片方はその周囲を囲むように立っている。囲んでいる奴らの動きはいやに落ち着いていて、どこかいやらしい笑みすら浮かべているように見えた。

 

 アキラはそっと息を吐き、銃を構える。アルファの声が念話越しに囁いた。

 

『アキラ、やめておきなさい。戦う理由はないわ──』

 

「ああ、戦う理由も助ける理由も今はない」

 

 

 それでも、アキラは引き金に指をかけた。撃たない。ただし、“今はまだ”だ。

 

 

 

 

 廃ビル群の外縁部、瓦礫と朽ちたコンクリの影。そこでサラとエレナは、数人の男たちに取り囲まれていた。

 

 サラは防護服を脱がされ、両足を撃ち抜かれうずくまっている。そのサラをかばうように、エレナは既に頬を殴られ、唇から血を流しながらもサラに抱きついていた。

 

 本来の彼女たちの実力であれば、この程度のハンターに遅れをとることはない。だが、銃を奪われ、武器や弾薬を補充する余裕もなく、さらにサラの生体ナノマシンが生命維持に回されている状態では、ろくに動くことすらできなかった。

 

「へへっ……派手な女だと思ったら、案の定、装備も高そうだな」

 

「遺物はあんま持ってねぇけどよ。ツイてねぇなぁ、俺たちに捕まるなんてよ。でもまあ……俺たちはツイてるけどな!」

 

「ははは、馬鹿がよぉ正直に俺たちを助けた結果が、俺たちの“獲物”になるって気分はどうだい?」

 

 

 

 下卑た笑いが広がる。男の一人がエレナのジャケットに手をかけ、無理やり引き剥がした。ジッパーが悲鳴を上げ、強化繊維の衣服が裂ける音が響く。

 

 

「やめなさい……っ!」

 

 エレナの叫びに応じる者はいない。代わりに、男の平手が彼女の頬を叩いた。乾いた音が、霧の中に消えていく。

 

「その口が気に入らねぇんだよ。女ってのは、喘ぐとき以外は大人しくしてりゃいいんだよ!」

 

 

 防護服を剥がされ、下着姿となったエレナは悔しさに歯を食いしばり、憎しみに満ちた目で男たちを睨みつける。

 

 

「くっ……! いっそ殺しなさいよ……!」

 

「殺さねぇよ。まずは遊んでからだ。さぁ“お楽しみ”の時間だ」

 

 

 笑いながら、別の男がベルトに手をかけた──その瞬間だった。

 

 

 

 ズドン。

 

 

 

 乾いた銃声が霧を裂いた。

 

 笑っていた男の眉間に穴が開く。体がふらつき、崩れ落ちた。 

 

「な……?」

 

 

 一瞬、誰もが理解できなかった。

 

 

 続けざまに、パン、パン、パンッ! 

 別の男の肩が弾け飛び、もう一人の足が吹き飛ぶ。さらに一人、喉を撃ち抜かれ倒れた。

 遠距離から狙い撃つ、精確な狙撃。霧の中から見えざる死神が、男たちを一人、また一人と地に伏せさせていく。

 

 

「伏せろ! どこだ、どこから撃って──」

 その叫びの途中、また一人の頭が弾け飛んだ。

 

 

 エレナが驚愕の表情を浮かべつつ、倒れ込んだサラに駆け寄る。その途中で、死んだハンターの銃を奪い取り、応戦の構えを取った。

 

 

 

 

 壁陰に隠れたハンターたちが叫ぶ。

 

 

「くっそ、どこだ!? どこから撃ってやがる!」

 

「わかんねぇよ! 色なしの霧が濃すぎる、情報収集機も使いモンにならねぇ!」

 

「だから高いやつにしろって言ったんだよ! 娼館に行く金があるならよ!」

 

「それは今関係ねぇだろ!」

 

 

 

 そのとき。放物線を描いて、手榴弾が彼らの隠れる岩陰に転がり込んだ。

 

 

 直後、爆発。

 

 

 爆心地近くにいた三人の体が、一斉に吹き飛ぶ。

 

 

 

「おい! くそっ、三人やられた!」

 

「だが投げ込まれたってことは……奴は近くにいる! しらみつぶしに撃ちまくれ!」

 ハンターたちは霧の中へ向けて一斉に乱射を始める。手榴弾が届く距離──それだけを頼りに、相手はすぐそばに潜んでいると誤認したのだ。

 

 

 だが、アキラはまだビルの上。

 

 

 

 アキラは、狙撃用の位置から再び敵を一人、仕留める。

 アキラは投石の応用でフラグを遠投したのだ。その結果ハンターたちはフラグが手で投げて届く範囲に攻撃者はいると誤認した。アキラはいまだビルから降りていないのにも関わらず。

 

 

 

 混乱するハンターたちに、アキラはさらに投げ込む。

 

 ハンターたちは自分たちの近くにまたフラグが飛んできたと察知し、すぐさまその岩陰から逃げ出す。

 だが爆発しない、アキラが投げたのはただの石だからだ。あっけにとられ脳が一瞬フリーズし、遮蔽物から飛び出したその頭をアキラの弾が貫く。

 投げられるのは本物のフラグなのか石なのかそのような手口を行えば行うほどハンターたちは混乱する。

 

「また投げてきやがった! 近くにいるぞ、逃げろ!」

 

 

 そう──アキラの戦闘スタイルは、正面からの撃ち合いではない。

 常にマージンを確保し、冷静に、狡猾に、敵を追い詰める。相手をハメて、混乱させて、確実に狩る。それが、彼のやり方だった。

 

 

 やがて、ビル上からの銃撃に気づいたハンターたちは、上に向けて発砲し始める。

 

 その瞬間──銃口が上を向いている隙を突き、隠れていたエレナが応戦した。

 

 そして……状況は決定的になった。

 

 残っていたハンターたちは、壊滅した。

 

 

 

 壊滅状態となった敵の中で、生き残りの数人のうち一人が叫んだ。

 

「おい! こっちにつけよ、今なら手を組めば許してやる! こっちの頭数も減った! 分け前も多い! なんならさっき捕まえた女も分けてやる!」

 

 

 

 声を張っての懇願。

 

 だが──その言葉に対する返答は、冷たい銃声だった。

 

 

 パンッ。

 

 

 アキラは狙撃の姿勢を崩さず、静かに呟いた。

 

 

「失礼だな。純愛派だよ、俺は」

 

 

 

 

 

 残る最後の一人が、震えながらも声を絞り出す。

 

「な、なんで俺たちを襲う!? 俺たちはお前に何もしてねぇじゃねぇか!」

 

「ああ、そうだな。──ただ、気に食わなかった。それだけだ」

 

「はぁ!? そんな理由で俺たちを殺すのか!?」

 

「ハンター同士の争いなら、どうでもいいけどよ。あんたらはあの女性ハンターを性的に襲おうとしたじゃんか。……レイプやNTRは趣味じゃないんだよね俺」

 

 

 

 一瞬、沈黙。

 

 

 

 そのあとで、男は土下座する勢いで叫び出す。

 

「ご、後生だ! 俺には待ってる家族がいるんだ! 妻と娘が! 俺が死んだら……奴らが路頭に迷う! 金なら、金ならある! 振り込む! 今すぐ振り込むから、助けてくれ!!」

 

 アキラは沈黙し──やがて、口を開いた。

 

「……OK。俺の口座番号は、────だ。今すぐ送れ」

 

 

 

 震える手で端末を操作する男。送金を終えると、安心したように崩れ落ちる。

 

 これで助かった。家に帰れる。もう、真っ当に生きよう。そんな希望が、男の顔に浮かんでいた。

 

 

 数秒後、アキラは口座に着金を確認した。

 

 

「よし行け。俺の気が変わらないうちにどっか行けよ」

 

「……あ、ああ、ありがとう! ありがとう!!」

 

 

 男は踵を返し、霧の中へと逃げるように走り去っていった。

 

 

 

『あら、アキラ。逃がしていいの? あとから襲われたりするかもしれないわよ?』

 

『戦わずに済むなら、それでいい。殺すかどうか迷ったけど、あんだけ仲間を殺されたら……さすがに反省するだろ。たぶん』

 

 

 念話越しに聞こえるアルファの声は、どこか探るような響きだった。

 

 アキラは、自分が善人だとは思っていない。だが、誰かを見殺しにすることも、また気分が悪かった。

 

 

 アルファは一瞬だけ黙り、そして考えをまとめる。

 

 

 ──この少年は、前回の契約者と同じような思想を持っているかもしれない。

 だが、前回と違い、全人類の幸福などとは無縁だ。そこまで大それたものは望んでいない。

 

 善性か悪性かで言えば、アキラはまだ“善性寄り”。

 

 彼はまだ私を疑っているが、一定の信頼はある。舵を取りながら、誘導していく価値はある。

 

 

 

『それで、アキラ。彼女たちはどうするの?』

 

 

 アルファが視界内のエレナとサラをハイライトする。

 色なしの霧はまだ濃いが、アルファの補助があれば判別は容易だった。

 

 霧の中に佇む二人。血を流し、震え、武器を構えるその姿。

 アキラは一つ、息を吐いた。

 

(……さて、こっからが面倒だ)

 

 声をかけようとしたその瞬間、向こうの壁陰から、エレナたちの方が姿を現した。

 

 

 

 

 

 アキラが声をかけようと身を乗り出すより早く、壁の向こうから二つの人影が現れた。

 

 血まみれのサラを支え、片腕で銃を構えるエレナ。目は鋭く、だがその奥には戸惑いと警戒、そして一縷の希望が見え隠れしていた。

 

 

 ──助けられた。それは間違いない。

 

 だが、目の前の少年が敵でないという確証はどこにもない。

 

 

 エレナは覚悟を決めて一歩踏み出した。

 

 

「……助けてくれてありがとう。私は、エレナ」

 

 

 まずは名乗る。それによって相手の反応を見るためだ。

 

 こういうとき、相手の表情、言葉、動き──すべてが判断材料になる。

 

 

「俺はアキラって言います。……助けたことへの感謝は、ちゃんと受け取っておきます」

 

 

 自然なトーンだった。攻撃の意志は感じない。だが、アキラの右手はまだ銃のグリップを離していない。

 

 そして彼も、エレナの左手がサラを支え、右手がアサルトライフルを構えていることに気づいていた。

 

 

(こいつら、仲間のために撃つタイプだな。下手な動きは命取りか)

 

 

 だからこそ、アキラも引き金から指を下ろさず、距離を保っていた。

 

 

 

 一拍。

 

 

 エレナが、ゆっくりと銃を下ろした。緊張が、ほんの少しだけ緩む。

 

「助けてくれて、本当にありがとう。……お礼もしたいところだけど……」

 言葉を選ぶように、彼女は続ける。

 

「申し訳ない話、今の私たちには返せるものがほとんどないの。オーラムも、武器も……何もかも、足りてなくて」

 

 本来、交渉の場で自分の弱みをさらすのは悪手だ。

 

 

 だがエレナはあえてそうした。

 

 

 

 理由は明確だった。

 

 差し出せるカードが限られている以上、最初に主導権を握るには、相手の出方を見極めるしかない。そして──目の前の少年が、どこまで“善性”を持っているのかを、見極めたかった。

 

 彼の装備は駆け出しを抜け出したレベルだが、強化服は着ていない。つまり、戦闘経験は豊富でも、トップクラスの実力者ではない。年齢も若い。ならば、交渉の技術に長けている可能性も低い。

 

 さらに、襲われていた女性に対して、性的な代価を求める気配もない。エレナはその一つひとつを、静かに分析していた。

 

(……悪くはない。今の私たちには、むしろ“ツイている”かもしれない)

 

 だが、それでも緊張は抜けない。

 

 

 

 一方のアキラ。

 

 

「あ──ー、そうですね……」

 彼は思わず曖昧な返事を漏らし、目をそらした。

 

『アルファ、どうしよ』

 

 内心でこっそり相談する。

 正直、考えていなかった。

 シェリルの時は、彼女の方から「拾ってくれ」と言ってきた。だが今回は、向こうから「どう返せばいいか」と問われている。

 

 念話で相談してみたが、アルファの返答は冷ややかだった。

 

『今回はあなたが私の提案を無視して独断で介入したのだから、自分でなんとかしなさい。こちらとしては、行動を補助しただけよ』

 アキラは言葉に詰まる。

 

 

 そんな彼の様子に、エレナもわずかに肩を落とす。

(ああ……やっぱり、こっちから提示した方がよかったかも)

 

 少しばかりの後悔。だがその直後、アキラの表情が変わった。

 

 何かを決めたように、彼は口を開いた──

 

 

「じゃあ、こういうのはどうです?」

 

 

 そう言った瞬間、場の空気がわずかに変わった。

 

 ためらいを越えた声に、エレナはそっと息をのむ。

 

 

 

 アキラの提案は、静かに──しかし確かに、動き始めた。

 

 




読了感謝です。
この話書いてたら1万字超えてたので文章をまとめて、修正しても9000字超えてたので前半後半に分けることにしました。実際僕がSS読むときも5000字超えたら疲れるんで5000字以内に納めるようにしてます。あと単純に説明が長いとつまらんし展開が遅くなりますしね。
 次話は明日の午前中には投下すると思います。


なお、スタァライトは僕が初めてドハマりして沼にはまったコンテンツです。初めてアニメのライブ行ったり一人で遠征したのもこの作品で愛着あります。
 劇場版で主人公たちは卒業し舞台少女としての役を終え、新しい舞台へ飛び出しました。彼女たちの成長と旅立ちを見ながら学生生活を過ごしてた僕です。まぁswitchとかに新作ゲームでてるし、なんならいまだにライブやってるし、今度も東京と大阪でコラボカフェやるんで行こうと思います。
 好きなキャラは全員です、箱推しです。
僕はまだあの星の光に目を焼かれ、まぶしさで何もみえないけれど、それでも彼女たちのきらめきは今もなお僕の心を照らしているし、なんなら(略)

スタァライトはいいぞ。全人類スタァライトを見ろ。
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