Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。
そして感想評価誤字脱字報告感謝です。

今回も9000字超えてたんで分割しました。引き続き都市巡回の話です。次もですけど。そして次の話はすぐ投稿します。

日本滅亡だと聞いてたんですが滅亡しませんでしたね(知ってた)




その巻き込まれアキラは無茶をする

 ようやくこの世界の“主人公”と邂逅した──と勘違いしているお馬鹿なアキラは、彼とどう関わるべきか考えを巡らせた。

 ここは残酷かつ非情なSFディストピアだ。主人公と関わればどう転ぶのか。展開は大きく二つに分かれるだろう──主人公に巻き込まれ、利益が上回るか、それとも不利益が勝るか。

 

 

 

 ライトノベルでも少年漫画でも、大抵はそのどちらかになる。たとえば某有名海賊漫画では、麦わら帽子をかぶったモンキーな船長の船に乗れば、何だかんだで万事うまくいく。時には政府や海賊四皇に喧嘩を売っても、結局はメリットが勝る。

 

 一方で、不利益が勝るパターンもある。むしろこちらの方が現実的だ。なにせこの世界は残酷なのだ。主人公は過酷な戦いや政治闘争に巻き込まれ、その余波で名無しのモブが命を落とすことなど日常茶飯事だろう。

 実際、主人公と二人の少女は強そうに見えるが、ドランカムの少年少女たちはそうでもない。指揮官は優秀だが、激戦の中で擦り減り、いずれはモブとして死んでいく気がする。

 

 

 

 確かに自分はモブより強い自信があるし、主人公と関われば“同年代で仲の良いハンター”というポジションを得られるかもしれない。だが、この世界では人はあっさり死ぬ。主人公の隣にいながら、激戦の末に“成長回”のための生贄にされる可能性も否定できない。

 

 

 ──とはいえ、すべては可能性に過ぎない。そう結論づけたアキラは、いったん保留とし、結論が出るまでは深入りしない程度の距離を保つことにした。

 

 

 結局その場ではアキラとカツヤの会話はなく、初めての都市巡回任務は終わった。その後もアキラは巡回任務を続け、三度目のトラックに乗り込む。

 

 

 

 荷台の隅に腰を下ろした瞬間、視線を感じて顔を上げる。向かいにいたのはカツヤだった。目と目が合う瞬間好きだと気付くような洗脳はされることは──さすがになかったが、ドランカムとは別の同年代らしきハンターを見つけたカツヤは、声をかける気になったらしい。

 

「なぁ、二回前の車に乗ってたやつだよな?」

 

「ああ、たしかに一緒に乗ってた」

 

「やっぱり! 前は挨拶もできなかったけど……俺はカツヤ。よろしく!」

 

 主人公オーラを振りまきながらにっこりと手を差し出すカツヤに、アキラは少し戸惑いながらも軽く握手を返した。

 

「あ、ああ。俺はアキラ。よろしく」

 

 思いのほか人懐っこい態度に、アキラは内心ため息をつく。──案外、関わるタイミングは早かったな。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、アキラはドランカムじゃないよな。どこかに所属してるのか?」

 

「まぁ、一応徒党には所属してるけど、ハンター業に特化した集団じゃねぇよ」

 

「へぇ、そうなんだ。いや、気にしないでくれ。同い年くらいなのに装備が充実してるから、大きい徒党にいるのかと思ったんだ」

 

「ああ、うちは少数精鋭にリソースを集中してるんだ。だから装備だけは豪華ってわけ」

 

「なるほどなぁ……。どうせなら、うちのドランカムに来るか?」

 

 突然の勧誘にアイリとユミナがぎょっとした目を向け、シカラベも視線を上げる。誰かが口を挟む前に、アキラはあっさり断った。

 

「悪い、今は徒党で十分だ。数年前にドランカムから勧誘されたが、その時も断ったし。……情報共有はできてないんだな」

 

 

 ──まあ、わざわざ断られた駆け出しの名前なんて覚えちゃいないか。営業なんて数撃ちゃ当たる──前世でもそうだったし、とアキラは内心で結論づける。

 

 その発言にシカラベが応じる。

 

「うちの人事が行き届いてなくてすまんな。だが末端まで情報を共有する組織なんてない。気にしないでくれ」

 

 そう言いながらシカラベはアキラを観察する。どこか余裕そうで軽薄な雰囲気や言動、その割に装備も状況に合わせて的確に選んでいる。カツヤほどではないが、優秀なハンターだろう──と、シカラベの勘は告げていた。

 

(若手がみんなこんな感じなら、ドランカムに対する印象ももう少しマシなんだがな……)

 

 もっとも、過去にアキラを勧誘した担当者にもう少し粘り強さがあれば──と、軽い嫌味も脳裏をよぎる。

 

「まあ、気が向いたらドランカムに来いよ! その徒党の仲間も一緒にさ!」

 

 カツヤの屈託ない笑顔に、アキラは頬をかきながら距離感を測る。

 

「あー……まあ、前向きに検討しとくわ」

 

 ──前世の政治家が多用した婉曲なお断り。だがこの世界では通じなかったらしく、カツヤは「おおっ!」とさらに顔を輝かせるのだった。

 

 

 

 

 

 数十分後。いつも通りのガタつく舗装道路を抜け、都市の外縁部へと差しかかったころ、トラックが突如として大きく揺れながら急停車した。

 

 荷台にいたハンターたちは一斉に体勢を崩し、振動に驚いた表情を見せる。

 

 その直後、運転席の扉がバタンと開き、降りてきたのは──

 

「おいおい……冗談だろ」

 

 アキラは小さくつぶやいた。

 

 現れたのは、キバヤシだった。

 

「よう諸君連絡事項がある。まずは現時点で巡回依頼は終了する。なお完遂手続きは終了しているから安心しろ」

 

「はぁ!?」

 

「次に現在の状況として、モンスターの群れがクズスハラ遺跡で大発生。その群れが現在都市に向け進行中。すでに防衛隊出動準備が進んでいるが都市は緊急依頼を出し、遅延戦術実行中部隊の支援及び救援を要請中だ」

 

 アキラはいつもと違いまじめなキバヤシを見て気色の悪さを覚える。キバヤシは緊急依頼に合流するか多数決を採る

 

 アキラは腕を組んだまま、冷めた目でキバヤシを見返すと、そのまま無言で手を挙げない意思表示をした。他のハンターたちも、同様に完全無反応。誰一人として手を挙げない。

 

 唯一、カツヤだけが戸惑いながらも手を挙げるだが反対多数で都市に帰ることになった。

 

 

 

 

「おいアキラ行かねぇのか、お前?」

 

 キバヤシが目を細めてアキラを見た。その視線は、「使えねえな」とでも言いたげだったが、アキラは無視して荷台の鉄板に背を預けた。

 

「……おいおい、マジで誰も行かねぇのかよ……。まったく、しょうもねぇな」とぼそりとキバヤシはつぶやく。

 

 

 

 と、その時カツヤが声を上げた。

 

「これって、もしかしてエレナさんたちが参加してる依頼じゃないのか!? だったら、助けに行かないと……!」

 

 アキラは反射的に眉をひそめた。

 

「……マジかよ」

 

 すぐさまポーチから端末を取り出し、連絡先リストから“エレナ 金髪美人”をタップ。数コールで通話が繋がった。

 

『あれ、アキラ? どしたの?』

 

 いつもと変わらない、むしろやけに元気な声が返ってきた。

 

「どうもっすエレナさん、今時間大丈夫です? 実は都市近郊でモンスターの群れが出たって聞いたんですけど、今そっちに関わってたりします?」

 

『うん、まぁちょっとね。でも大丈夫大丈夫よ。今ちょうど休憩中だしそんなに切羽詰まってる状況じゃないわ』

 

「あーそうなんですね、本当に危なくないです?」

 

『ないない。詳しくは言えないけど、あたしら今そんな無茶なとこに突っ込んでないから。守秘義務的に色々あるんだけど……まぁ元気にやってるわよ♪』

 

 その言葉を聞いて、アキラは一瞬だけ肩の力を抜いた。

 

 

 

 

 が、その直後──

 

「エレナさんなのか!? 無事なのか!? エレナさん! 怪我してないですか!?」

 

 カツヤが思わず端末に顔を寄せ、叫ぶように問いかけた。

 

『……ひょっとしてカツヤ?なんで一緒にいるかは気になるけど…ごめんアキラ変わってもらっていい? 多分直接言わないとカツヤ気が済まないだろうから』

 

 アキラはカツヤに端末を渡すと「エレナさんが変わってだとよ」と告げる。

(こいつ同い年の女子からの好意ももらってんのにエレナさんたちにも狙ってんのか。年上枠を埋めようとするなんて、もしかするとこの世界ギャルゲー世界か?)*1

 

 

 

『もしもし? カツヤ? 心配してくれるのはうれしいけど、私たちは全然無事だから安心してね』

「そ、そうなんですね。よかったです。ところでなぜアキラと接点が?」

 

『あーーーただの同業よ、いろいろあったけどまたそれは話すわ。もう休憩時間終わりそうだし。アキラに代わって?』

 

 アキラはカツヤから端末を返してもらい応答する。

 

「まぁこんな感じです。無事でよかったです」

『ありがとね、心配してくれて! じゃ、あたし戻るから~』

 

 通信が切れアキラは端末をポケットに戻すと、やれやれと息を吐いて言った。

 

 

「……じゃあ、行く必要はないな」

 

 その瞬間。

 

「おい、つまんねぇな!」

 

 キバヤシが苛立ったように地面を蹴り、両手を広げて叫んだ。

 

 

 

「仕方ねぇ、じゃあこうするか。アキラ! お前に緊急依頼だ。今すぐ現場に行け!」

 

 

「「「「「は?」」」」」

 

 

 

「なんでだよ……」

 

 ハンターたちが一斉にざわめく中、アキラだけが眉をひそめたままキバヤシをにらんだ。

 

「何言ってんだ、こいつ」

 

『……でも、結果としてメリットが多いかもよ? 緊急依頼を受けた信用とハンターランクの向上、そして車のレンタルもできるようになるかもね』

 

 アルファの声が脳内に響く。

 

「なんで乗り気なんだ……」

 

 アキラは天を仰いだ。

 

 

 そのやり取りを黙って聞いていたシカラベが、荷台の壁を蹴って立ち上がった。

「子供を無理やり前線に送り出すってのは、どう考えてもクソだろう。ハンターオフィスの職員が、そんな真似していいと思っているのか?」

「おいおい、これは俺とアキラ間の契約だ。他人のお前が口出す必要はない。 」

「……あんた、クズだな」

「ありがとさん」

 

 

 

 

 しばしの沈黙。アキラはやれやれと立ち上がり、キバヤシから端末を受け取った。

「……どうせ何言っても行けって言うんだろ!? ならこっちとしても条件がある! 弾薬費と医薬品費自己負担なし、装備故障したらそれの補填! その他もろもろ報酬とかハンターランクに色つけろよ!?」

 

「おう、いいぞ」

 

「あと俺は今現場に向かう車両がないからな! 徒歩でゆっくり行くからその間に依頼が終わっても文句言うなよ!?」

 

「それは困る、お前には無理無茶無謀をしてほしいんだ。よし、バイクをやろう。なにこれは俺からの善意だ受け取れよ。がんばれがんばれ」

 

「ほんとコイツは調子のいい……」

 

 

 

そうしてアキラはキバヤシによって嫌がらせの緊急依頼を受けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
んな訳がない




読了感謝です。いい感じのとこで区切るの苦手です

ちなみに原作みたいにアキラがアルファの力を借りて遠距離で敵をワンパンする展開はありません。フツーにアルファの手を多少借りつつもほぼほぼ独力で都市巡回任務してました。死ぬ危険性が少ないことと、射撃練習だと思ってフツーにこなしてます。そのためカツヤがアキラの射撃の腕を見て興味を持つことはありません。そしてカツヤがアキラに対抗心を覚えることもありません。まだカツヤのエイリアスが本稼働してないのと、原作アキラのみんな死ね死ねビームが出てないので初対面で嫌い嫌われる展開もありません。多分これが一番早いと思います。

 加えてアキラの対抗心がなくても、仲間を守れなかったカツヤは主人公補正で覚醒して無意識でエイリアスの支援を受けます。主人公だからね(設定が楽)

 あとは今作アキラ君はエレナさんたちへのこだわりや執着はありませんが、知り合いのハンターの無事を確認するくらいには仲がいいです。まぁそういう気心が知れてるハンターが少ないので他ハンターよりは優先しますし仕事仲間として大事にします。信用できない仕事仲間と仕事する苦痛を社会人経験で知ってるので取捨選択してます。みなさんも関わる人は選びましょう。結果として僕みたいなぼっちになれます。



なお、その着せ替え人形は恋をするは最終話まで読了済みです。内容を知ってるとはいえ、二期が始まったので必ず見ます。原作追ってるときの冬コミ後の展開がきつかったですがその葛藤があっての最終話だと思うので全然問題ないです、好き。

展示会とかいきましたし、コスプレ衣装のモデルを拝見できてくっそ楽しかったです。当初買う予定なかったパンフとかグッズ買いまくったけど後悔もしてないです。またこの作品を見てコスプレしてみたいと思ったことはありますが、自身の顔と体系を見て諦めました。
コミケ会場で見てるだけで十分です。女性コスプレイヤーもいいですが売り子も可愛いし、ムキムキマッチョのジブリのメイちゃんコスの人もリアルで見るとすごいんですよね。あ、夏コミ参加します(聞いてない)
好きなキャラはジュジュ様です。ツルツルとか解釈一致です。ロリコンじゃありません。
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