Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
今回短めです。ぶっちゃけ内容が薄そうなことと、いつも一気に1万字くらい書いてるのに3000字くらいしか書いてなかったので察してください。5000字くらい書こうとしても結局蛇足みたいになりそうだったのと、炎天下の中ずっと外回りしててろくに飯も食えてなかったのでこうなりました。許してください(言い訳)
拠点に戻ったアキラとシェリルは、情報を集めるために徒党の子供たちを使って人海戦術を仕掛けることにした。
「“シロ”とか“アメ”とか流行ってる麻薬について探ってこい。買いたいふりして聞き出せ。場所さえ分かればいい。潜入の必要はないぞ」
アキラは冷静にそう指示を出す。
「キバヤシから言われた案件だけど、今回は比較的まともで安心したよ」
「そうですね。キバヤシさんの依頼って、だいたい危険なものが多いですから。意外でした、強制力もない今回の依頼をアキラが受けるなんて」
「まぁスラムで麻薬に頼ってる奴がいても、それ自体は他人に迷惑かけてるわけじゃないし。否定するつもりもないけど、なんか嫌いなんだよな、麻薬って」
「とはいえ、売れば儲かるのは事実ですからね。私も一時は考えましたよ、資金源として。ただ――」
「ただ?」
「維持も難しいですし、子供たちがこっそり持ち出して小遣い稼ぎに使うのが目に見えてたので。やめました」
「まぁ、栽培や調合には知識が要るしな。無学な子供にできるとは思えない」
『とはいえ、情報端末で調べれば麻薬の作り方なんてすぐ出てくるけどね』
『マジか、さすが情報端末』
(てか麻薬以外に劇薬とか毒物とかのくくりって前世みたいにあるんだろうか?異世界だからなさそうだけど、どう考えても前世より文明発達してそうだしあり得そうだな。なんなら同名のフェンタニルが存在してんのも驚きだし、前世知識チートで俺TUEEEEできなさそうだしな。)
アキラは最近強くなったこの世界に対する違和感のため思考を回していた。
(あ、危なかった……麻薬販売に手を出さなくて本当によかった。アキラが否定的なうえに、統企連まで関わってくるなら誰も手を出したがらない訳ね……)
一方シェリルは内心で冷や汗をかいていた。
その後、アキラはカツラギにも話を振ったが、「麻薬販売なんざ三流以下だ。俺は一流だから関わらん」と一蹴された。
知り合いの情報屋に聞くと、渋々ながらこんな話をする。
「あいにく俺は詳しくねぇ。小中規模の徒党のシノギなんて知らん。ただ……癪だけど、ヴィオラって女が知ってるかもな」
「凄腕の情報屋か?」
「あぁ腕が確かだ。ただし――性癖がやばい。具体的に言うと人の破滅を見るのが好きな女らしい。」
「救いようのねぇカスだな。まだ爆サイ民の方がマシだぞ」
『アキラ、ばくさいみんって何?』
『わしらには救えぬものじゃよ』
その日から、何人かの子供たちがあちこちのスラムを回って“釣り”を開始した。
道端で寝転ぶ浮浪者に声をかけ、仲間と一緒に騒ぎながら歩くガキにすれ違いざま囁く。
「なあ、“シロ”ってやつ……この辺で買えるって聞いたけど?」
子供の声は、大人がやれば警戒される問いでも、自然に通る。
そのうちの一人が、裏通りの壁にしゃがみ込んだ売人らしき男に話しかけた。
「ねえ、兄ちゃん。薬ってここで買える? おれちょっとだけ興味あってさ……」
男はしばらく観察してから、声を潜めて答えた。
「今夜八時。第七区画の電気工場の裏に来い。金は持ってこいよ」
子供は表情を変え嬉しそうにしてその場を去った。
「アキラさん。売人っぽいヤツに『電気工場の裏、夜八時。来い』って言われた、です」
「了解。じゃあ、オハナシしに行くわ。それとご褒美な、500オーラムだ大事に使えよ」
指定された夜、アキラは待ち合わせ場所に現れた売人を拘束し、拠点へと連行した。
薄暗い部屋。椅子に縛り付けられた売人の前で、アキラは無言で医療器具を並べる。
手際よく駆血し、点滴の針を留置。アキラは点滴チューブに、少量ずつ空気を送り込み始めた
「……な、なんだよこれ……! なにやってんだ、ガキ!!」
売人が怯えた声を上げる中、アキラは静かに告げる。
「おう、いま血管に空気を入れてる途中。血管内にそこそこ空気が入ると、泡が心臓や肺に詰まって死ぬ。肺塞栓ってやつだ」
「ひ、ふざけんなよ!? そんなもんで死ぬわけ――!」
「実際、致死量の半分くらいはもう入ってると思うけどな。運が悪けりゃ、そろそろ詰まるかもなー」
売人の顔がみるみる青ざめていく。
「な、なんでだよ! なんでそんな拷問なんて……普通、まずは殴ったりして苦しめるだろ!? いきなり殺すとかおかしいだろ!!」
「まぁ、手間だけどさ。正直な話、俺がどこまで入れたら本当に死ぬか知りたいだけってのもある」
「ク、クソッ……正気じゃねぇ……!」
「こんなクソみたいな世界で、正気保って生きてけると思ってんのか? それに、どうせお前の代わりなんていくらでもいるんだろ?」
チューブの中をゆっくりと流れる気泡。その先で、自分の命が終わるかもしれない――そう自覚した売人は、ついに屈服した。
「わ、わかった!! 言う! 言うから!!」
「うんうん、遺言ね。傾聴してやろう。つまり苦しいんですね?」
「地下だ! 工場の裏手の地下に仲間がいる! 製造とか管理はそいつらがやってる! 俺は本当に、それしか知らねぇんだよ!」
アキラは念話でアルファに確認を取る。
『監視カメラで確認したわ。その施設で麻薬が製造されて、そこから直接運び出されてる。少なくとも彼の話は、嘘じゃないと思う。たぶん、ね』
「……よし」
アキラはクランプを閉じ、エアの注入を止めた。
「よかったね、売人のおじさん。助かって」
売人が安堵の息をついたその横で、アキラはぽつりとつぶやいた。
「……で、結局どのくらいで死ぬのかは、よく分かんねーな。だいたい10mlくらいらしいけど気体だとわかりにくいんだよなぁ」
アルファはその様子を冷静に観察しつつ、静かに内部演算を開始していた。
基本的に無駄な殺しを避け、むしろ善性寄りの判断をするはずのアキラが――なぜここまで非情なやり方を選んだのか。なぜ狂気的な笑みや思考、行動をしたのか。アルファが取得したその時のアキラの精神状態は
その答えを、まだ導き出せずにいた。
売人から快く教えてもらった情報をもとに、アキラはその足で売人が言っていた施設へ向かう。
その施設を数時間観察していると立ち代わり入れ替わり出入りする大人やその近くの路地裏で昇天しヘブンな薬中の皆様――それは間違いなく麻薬拠点だった
『実際麻薬って気持ちいのか?試してみたい興味はあるけどな』
『麻薬は個人差があるとは思うけど、子供のアキラが摂取すると間違いなくドはまりして頭がパーになるかもね』
『今以上に?』
『ええ、今以上にパーになるわ』
軽口をたたき笑いあう一人と一体がそこにいた。年相応に笑うアキラだが、笑ってる内容は年相応ではない。
『まぁアキラに麻薬中毒になってもらうと私も困るから、全力で止めるわよ』
『まぁ麻薬以外の愉しみ方なんていくらでもあるしな。さて、動画も写真も位置情報もキバヤシに送ったし帰るか』
『そうね。別に調査しろって言われてるだけで制圧しろとは言われてないもの。まぁキバヤシはアキラがあそこを制圧して馬鹿な事をしでかすのが目的だろうけどね』
『キバヤシの願いをかなえる義理もあんまないしな』
数日後、都市の情報端末に速報が流れる。
違法麻薬拠点を制圧、関係者を拘束。危険薬物を大量押収。
そこには都市の防衛隊の活躍が報道されており、情報提供者のアキラの名前はなかった。
「……ま、そんなもんだろ」
実際アキラが情報をキバヤシに伝えたことが明るみになればほかのスラムの徒党からの圧力ややっかみが増えたりするため問題はなかった。
なおハンターオフィスの端末には、しっかりと記録が残っていた。
第168件:都市特別協力任務/達成/記録済み
「記録されてんなら、それでいい。わかるやつにはわかるだろ、これで」
一方、ヴィオラはこの麻薬騒動を利用して、スラムの徒党同士の衝突、都市防衛隊との騒乱を起こそうとしていた。
麻薬の在処や流通情報、詳細な製造方法など意図的にリークし、火種をばら撒こうとしていたのだ。
だが――彼女が動く前に、アキラが動いていた。
「あら、連れないわね。せっかく準備した仕掛けが台無しよ。」
彼女は闇へと消え、火種は未然に踏み消された。残ったのは燃えカスとヴィオラの釣果はボウズであることだけだった。
読了感謝です。思ったよりいいの書けませんでした。
今日は眠たいし腹は減るし、昨日は毛虫に刺され激痛走るし七夕パチンコではタコ負けするし。厄日でした。
友人に相談したら、「お前の存在自体が厄そのものじゃね?」と言われマジで言い返せなかったです。
さすが競馬回収率最低記録一桁の男です。麻薬やたばこにははまってませんが、ギャンブルにははまってます。
次回からまた原作展開合流します。プロットは未定です。二台に増えたバイクと稼いだ数千万オーラムの使い道決まってないです
なお、満州アヘンスクワッドは2巻分くらいしか読んでないです。面白いんですけどなぜか途中からZガンダム見てました。ハマーン様がようやく出てきました。