Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。
今回は5000字以内と短いです。…いや最近1万字近く書いてたから感覚バグってるだけか。普通に5000字って多いですよねタブン
また今回でエレナさんたちとパーティーで探索する話は終了します。次の話から翌日の依頼の話を描写予定です。
なお、今回は主人公(嘘)のカツヤはでてきません。


今日も外回り業務で太陽が熱い通りこして痛かったです。明日も外回り業務ダゾ。土木関係ではないです。


ヤラタサソリの原罪

 エレナが瓦礫の壁だと思っていたものは、瓦礫に擬態した大量のヤラタサソリだった。

 

 擬態を見破られたヤラタサソリたちは、一斉に襲いかかってくる。通路を塞ぐほどの瓦礫に偽装していたそれらは、まだ相当数が潜んでいた。

 

 エレナ、サラ、シカラベの三人は即座に反撃。わずかな硬直も見せず、最大火力でヤラタサソリの波を押し返す。

 

 銃弾の雨がヤラタサソリを蹂躙し、わずか数分で通路を覆っていた群れは殲滅された。擬態を見破られたヤラタサソリに、彼女たちの火力は過剰だった。

 

 殲滅を確認し一息ついた一同に、まだ臨戦態勢のままのアキラが声をかける。

 

「エレナさん、急いで19番防衛地点に戻りましょう。他にも囲まれてる可能性あります!」

 

「分かったわ。サラとシカラベが先頭。アキラは後方警戒お願い。地形の変化が大きい箇所は群れが潜んでいる前提で行くわよ」

 

 サラが笑って前に出る。

「アキラ、後ろはよろしくね」

 

「サラさんこそ! 前、頼みますよ!」

 

 一行は速やかに移動を開始する。

 

 帰路の通路でも、一行は大量のヤラタサソリと遭遇する。どこに潜んでいたのか不思議なほどの数だったが、エレナが事前に奇襲の少ないルートを選定していたため、防衛地点までの距離を効率よく詰めていけた。

 

 サラが重火器で敵を粉砕する。高火力の反動も重量も、ナノマシンで強化された体で難なく制御。ヤラタサソリは近づく間もなく爆散していく。

 

 シカラベは正確無比な射撃で急所を撃ち抜き、最小の弾数で最大の戦果を上げる。無傷に見える骸がその精密さを物語っていた。

 

 サラが群れを大雑把に削り、シカラベが残りを正確に処理する。

 アキラは後方からそれを観察し、着実に撃ちつつ彼らの戦い方を学んでいた。

 

『あれが上位ハンターの戦いか。装備とか効率とか今までの経験もあるんだろうが、流石だな』『俺の戦い方の延長線にアレがあるって想像できると吸収しやすいな。同時に悔しくもあるがな!!』

 

 驚きつつその戦いの中で学べるものは学ぼうとするアキラに、アルファが当然といった口調で返す。

 

『その通りね。装備も実力も今のアキラとは段違い。それでも自分がいずれそこに到達できると思えるなら、アキラも同じことができるようになるわ。必ず』

 

『当然! とはいえあの人たちみたいな才能は俺にはない。それでもレベリングやコツコツステップアップするのは好きなんだ。やってやるさ』

 

『その意気よ。私も全力でサポートするから一緒に頑張りましょう!』

 

『おうとも! 頼むぞアルファ!』

 アキラは笑ってそう応えた。

 

 人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。前世のどこかで聞いた名言だ。もちろんすべてが実現可能であるとは思っていない。自身の才能の程度もやる気もそれなりに理解しているからこそそこまで傲慢な考えはできない。それでも、想像できない不確かなことよりは達成可能であるとも思っていた。

 

(まぁだから予想外なことには割と弱いんだけどな。急に驚かしてくるお化け屋敷とかゾンビゲー苦手だし……)

 

 アルファが笑う。

『なら早速、後ろの敵を片付けてもらおうかしら』

 

 振り返ったアキラが顔をしかめる。

『うわ、めっちゃいるじゃねぇか!』

 

 通過した後、脇道から現れたヤラタサソリが集まっていたのだ。

 

 アキラはA2D銃を乱射。撃ち、追いつき、また撃ちを繰り返す。

 

『昨日もこんなことした気がする!』

 

『なら同じことをすればいいわ。今日は後退もできるし、道幅も少し広いだけよ』

 

『まぁ俺の先輩たちが最悪守ってくれるか!』

 

『その通り、使えるモノは使いましょう。合理的に、ね?』

 

 自棄気味に笑いながら、アキラは銃を撃ち続けた。しかし火力不足が否めない。そんなときは爆発物の出番だ。アキラはショットガンの拡張パーツを装着しグレネード弾を放てる準備をする。

 

「(一応聞いとくか)エレナさん! グレネード弾使っていいですか!!!」

 

「いいけど倒壊しないようにしてね!!!」

 

「もちろん!」

 

 今のアキラはソロではない。リーダーのエレナが指揮するパーティーの一員だ。勝手な行動は避け、指示を聞いて連携を取らねばならない。今回の探索で得られたのは、金銭よりも先輩ハンターたちの戦い方と、基本的なパーティー運用の知識だった。それらは確実にアキラの糧となっていた。

 

『アルファ! 生き埋めなんてゴメンだからな! グレの調整と軌道計算、任せたぞ!』

 

 アキラが叫ぶ。

 

『ええ、まかせてちょうだい!』

 

 超高性能なアルファの演算と、アキラ自身の技量が合わさり、投げられたグレネードは流星のようにヤラタサソリへと降り注ぐ。さらにアキラはスモーク弾も投げ込み、視界を遮った。

 

『蛇は熱感センサーだけど、サソリは視覚で動いてんだろ! 少しは煙幕効くだろ!』

 

『正解よ! でも注意して。機械系モンスターだとピット器官がついてたり、他の個体から視覚情報を共有してる可能性もあるわ。全部に効くとは限らない』

 

『なるへそ! 完全に理解した(してない)』

 

 後方のシカラベが、アキラの様子を見て心中で呟く。

 

(この状況でも笑ってやがる。余裕か、強がりか……。だがサソリの群れに動じず対処してる。問題なさそうだな。あの歳でこれは大したもんだ。……アキラほどの若手がいれば、もっと噂になっててもいい気がするが……カツヤと混同されてるか? あいつら年も近いしな。そんなに強いガキが二人もいるなんて、普通は思わねぇ)

 

 その推察は正解だった。

 

 実際、アキラは徒党の評判や噂がドランカムの若手と混ざるよう意図的に行動していた。シェリルも余計なトラブルを避けたいと考え、あたかもドランカム所属かのように振る舞う“隠蔽工作”を行っている。もちろん正式に名乗ることはせず、言動や服装などの印象操作だけで十分。だが、ハンターの多くは深く調べず、うわべの噂に流されやすい──それは前世も今世も変わらない、人間の悪癖だ。

 

 応戦開始から約30分後──ヤラタサソリの襲撃が急減した。

 残敵を掃討し包囲網を抜けた頃、ようやく防衛地点と通信が通じる距離まで戻ってきた。

 

 エレナが通信端末を操作する。

 

「こちら第9探索チーム。19番防衛地点、応答願います」

 

『こちら19番。帰還連絡か?』

 

「ええ。それと、先ほどまで大量のヤラタサソリと交戦していました。大規模な巣があるかもしれません。群れを引き連れている可能性もあるので、警戒をお願いします。詳細は帰還後に報告します」

 

『了解。必ず情報を持ち帰ってくれ』

 

 通信を終えたエレナは息を吐き、他のメンバーもようやく警戒を解いた。

 

「もう大丈夫。ゆっくり歩いて戻りましょう」

 

 一行はそのまま、徒歩で19番防衛地点へ帰還した。

 

 拠点に戻ったアキラたちは、全員待機状態となった。エレナは収集したデータを本部に送信しつつ、探索の詳細を職員に説明していた。すでに勤務時間の最低ラインを超えており、報告と送信が完了次第、第9探索チームは解散予定だった。

 

「よう、アキラ。お疲れ。……しかし、よくあれがヤラタサソリの擬態だと見抜いたな。こっちの情報収集機じゃ反応なかったぞ」

 

 シカラベが声をかける。

 

「僕のも反応なかったです。ただ噂を聞いてたのと……なんとなくの勘ですね。壁が突然できる理由を考えた時、擬態って仮定したら妙にしっくりきたんですよ。糞や泥で作られた巣の可能性も一応考えましたけど」

 

(キメラアントの巣もそうだったしな……)

 

 実際には擬態の噂など聞いたこともない。ただ、前世の知識で「擬態するサソリがいたかも?」という不確かな記憶があり、加えてアルファの支援で表示されていた。

 だがそれをシカラベたちに話すわけにはいかない。アキラは適当な理屈でごまかす。

 

「……勘か。そう言われたら、それ以上はどうしようもないな」

 

 高ランクハンターには“勘”が異常に鋭い者が多い。

 見えない敵の気配を察知したり、奇襲の気配を読んだり──本人にも理由は分からないが、確かに命を守る“何か”を感じ取る。だからこそ彼らは生き延びる。なおアキラはその記録を見た時「ニュータイプって存在するんだな」と思ったのは余談である。

 

 シカラベもまた、そうした勘に頼るタイプだ。だからこそ、勘を理由にされると追及できない。

 たとえアキラに隠し事があったとしても、行動は正しかった。それで十分だった。

 

 気を切り替えたシカラベが言う。

 

「まぁいいか。無事帰れたんだ。問題ないな。悪いけどエレナ、俺は先に抜けてもいいか? ドランカム用の報告書を出さなきゃならん」

 

「いいわよ。お疲れ様」

 

「すまん、じゃあお先に」

 

「今日はありがとうございました、シカラベさん! 勉強になりました!」

 

 足を止めたシカラベが、アキラを見てため息をつく。

 

「お前みたいに弁えてるガキばかりだったら、ハンターも楽なんだがな……」

 

「へらへら媚び売ったり、謙虚なカツヤって気色悪くないですか?」

 

「「「ぷっ」」」

 

 シカラベ、エレナ、サラが一斉に吹き出した。

 

「腹が痛ぇ……くそ、笑った。ほんとその通りだな。気に入ったぞアキラ。明日も一緒に来るんだよな?」

 

「あー、それなんですが……明日は徒党の後輩たちを引率する予定でして。せっかく誘ってもらって申し訳ないんですけど、そっち優先したいんです」

 

 三人の大人ハンターは少し残念そうな表情を見せた。

 

「……まぁ、そういう事情なら仕方ないわね。ええ、本当に」

 エレナは(でも、代わりにカツヤは絶対ないな)と心の中でつぶやいていた。

 

「そうか。残念だな。……でもまた生きてりゃ会えるだろ。これが俺のハンターコードだ。何かあれば相談しろ。ドランカム入りたいなら歓迎するぞ。今度飲みにでも行こうぜ」

 

「ドランカム入りは今のところ考えてないんで……気持ちだけ受け取っておきます。あと俺、酒はダメなんでオレンジジュースでお願いします。それと、シェリルが待ってるんで、先に失礼しても?」

 

「ええ、戦果の計算はこっちでやっておくわ。お疲れ様、アキラ」

 

「じゃあねアキラ! シェリルちゃんによろしくね!」

 

 アキラはそうして、三人に見送られながら拠点を後にした。

 

 

 

 

 任務後、アキラは徒党メンバーやシェリルたちと合流した。

 

「アキラ、明日もエレナさんたちと一緒に依頼を受けるんですか?」

 不安そうにシェリルが問いかけてくる。

 

「いや、断ってきたぞ」

 アキラは即答する。

 

「え……?」

 

「明日は徒党の引率の予定だったろ? 今日は俺のわがままをシェリルに聞いてもらったんだ。明日は徒党のために働くさ」

 

「エレナさんたちと行かないんですね……よかったです」

 ほっとしたように、シェリルが微笑む。

 

「元をたどれば、約束を先に破ったのは俺だしな。こっちこそごめんな、いつもお世話になって」

 アキラは頭を掻きながら言った。

 

「いいですよ。ただ、ごめんよりもありがとうが聞きたいですね」

 

「ありがとう。シェリル、愛してる」

 

「まぁっ!」

 シェリルは目をキラキラさせ、うっとりとした表情を浮かべる。かわいいな、とアキラは内心で思う。

 

『アキラ、私のことは?』

 脳内にアルファの声が響く。

 

『アイシテルヨアルファ』

 

『しばくわよ』

 じと目で見てくるアルファ。これはこれでかわいいな、とアキラは苦笑する。

 

「よし、許しましょう。ええ、騙されてあげましょう。それも女の器量ですから」

 シェリルは誇らしげに胸を張ってそう言った。薄い胸だが最近は大きくなっているのも余談である。前まではない胸を張っていた。

 

「それと、この依頼がひと段落ついたら、次はまた遺物収集や探索ですか?」

 

「そうだな。今のところはその予定。でも、結局は稼ぎの結果次第だけどな」

 

「そうですね。いまのところ、当初の予算見積もりにギリギリ達する感じですね。問題ないと思いますよ」

 シェリルがタブレット端末を確認しながら言った。

 

「なら予定通り探索だな」

 

「すぐ動くんですか?」

 

「いや、一週間くらい通しの仕事だったろ? 今回の仮設基地の任務。さすがに三日、四日は休養取る予定だな」

 

「なら、埋め合わせでどこか連れて行ってくれませんか?」

 

「ああ、そうだな。この依頼がひと段落着いたら、どこかデートでも行こうか。クガマヤマビルにある“シュテリアーナ”ってレストランがあるんだ。一緒に行こうか」

 

『別にいいよな、アルファ?』

 

『そうね。どのみち休養と物資の補充は必要だから問題ないわ』

 

 なお、この「この戦いが終わったら」系のやり取りが、まさかフラグになるとは……。

 アキラ自身、この直後に物理的に痛い目を見ることになるとは思ってもいなかった。

 




読了感謝です。

次は原作通り防衛班に参加して大乱闘です。

私自身もほろよい一缶で真っ赤になるくらい酒弱いです。戸愚呂弟の酒がだめだからオレンジジュースを頼むシーンもかなり好きだったのでそれを参考に描写しました。急に人間性だしてくるの心臓に悪い。まぁ最後まで戸愚呂弟は人として、武闘家として生きた漢なんですけどね。幻海との最後の会話も感動しました。多分今後も幽遊白書ネタ入れていきます。

なお戸愚呂兄の末路…


また今後、シカラベと居酒屋行く話とか、高級レストランデート編の描写もしたいですね。
まぁ最終的にアキラは「高えモンはあらかた食ったけど、シェリルと食う飯がいちばんうめぇ」と言います。

余談
なおタコピーは見てません。読んでもないです。スプラッタ系は仕事思いだすので嫌いですし、虐待モノはトラウマがよみがえるので無理です。いじめモノもアウトです。
「アニメ視聴中は俺のトラウマとがが再発しない道具、出して」「わ、わかんないっピ…」
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