Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。

まさかのハンター登録のシーンや初クエストのシーンを投稿し忘れるというポカを犯したので投稿しました。しかもデータが残ってなくてめちゃ焦りました。今日が休日でよかったゾ

指摘していただいた方ほんとありがとうございます。


幽遊ハンター

 気付けば俺は、だいたい八〜九歳くらいになっていた。

 

 

 

 よく寝て、よく動いて、よく飯を食う——とにかく生き延びるために必要なことを繰り返していたら、気づけばスラムの子供にしては随分マシな体格と体力を持ったガキが一人できあがっていた。

 

 

 

 そして、これまでコツコツ貯めてきた資金がついにまとまった額になった。いよいよ、そこそこのアサルトライフルと弾薬、それに防具も手に入りそうなラインに到達したのだ。

 

 

 

 加えて、身分証明も兼ねて、そろそろハンター登録をしておくべきだと判断した。

無許可で銃を持ってても、俺のような小汚いガキが銃を持っていれば、真っ先に狙われるだけだ。あいにくガタイのいいお兄ちゃんじゃ俺はないのだから、ハンター証は命綱だ。

 

やっとそのスタート地点に立てる。

 

 

 

 向かったのはスラムの片隅にある、ハンターオフィスの支部だった。錆びた看板、割れたガラス、傾きかけた建物。見た目だけならとっくに潰れていてもおかしくないが、ここは命を稼ぎに変える者たちの通過点。荒くれどもの社交場でもある。

 

 

 

 工場跡地の隠れ家を出て、埃っぽい通りを抜け、俺はその扉を押し開けた。

 

 

 

 中に漂う空気は重い。椅子に腰かけた大人たちは黙々と武器を手入れし、壁の依頼掲示板を睨みつけては舌打ちを漏らしている。空気が刺すようだった。生き延びた者だけが持つ、どす黒い気配が満ちている。

 

 

 

 受付にいた女職員が、俺を見るなりわずかに眉をひそめた。子供一人、防塵マスクにボロいリュック——どう見ても依頼を受けに来たハンターには見えないだろう。

 

 

 

「……見学か、それとも依頼?」

 

 

 

 女の声は事務的だったが、明らかに警戒が混じっていた。

 

 

 

「ハンター登録にきた。必要な手続きは調べてきたし、未成年でも申請できるはずだ」

 

 

 

 静かに、けれどはっきりと答える。目をそらさずに言い切る俺に、女は一瞬だけ表情を動かした。冗談を言ってるわけでも、無謀に突っ込んできたバカでもないと察したらしい。

 

 

 

「……自己責任になるわよ。身元保証なし、後ろ盾なし。登録料は取らないけど、初期装備が欲しいなら代金と手数料は一括前払い。それでもいいのね?」

 

 

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

 

 

 即答する俺に、女はひとつ息をついて、カウンター下から書類を数枚取り出した。

 

 

 

「名前、年齢、生年月日……とは言っても、このあたりじゃ適当に書くのが普通だけど。どうする? 誰かに勝手につけられた名前でもいいけど」

 

 

 

「アキラ。そう呼ばれてる。俺。年は……たぶん、九歳」

 

 

 

「たぶん?」

 

 

 

「正確な記録はない。スラム生まれだぜ?誕生日なんて知らない」

 

 

 

「ま、そりゃそうよね」

 

 

 

 女は苦笑して、書類に情報を書き込んでいく。俺は黙って懐から金を出して机に置いた。どこでどうやって稼いだ金かなんて、彼女は聞かない。この場所でそれを問うのは野暮というものだ。

 

 

 

「はい、登録完了、今日からハンター番号付きで依頼は受けられるわ。身分証明書がない人は一律最初はランク1から、身分証明書があれは10からだけど…あなたはないからランク1からスタートよ。ランクは活動実績、例えば遺物納品や依頼達成で上がっていくわよ」

 

 

 

「ルールは一応把握してるつもりだが、確認のために説明してほしい。今、時間はあるか?」

 

 

 

「……礼儀って知ってる? 年上には敬語使うべきよ、“アキラ”くん」

 

 

 

「あー、すみません。説明をお願いできますか?」

 

 

 

「ふふ、それでいいのよ」

 

 

 

 女は笑いながら、俺に基本ルールを教えてくれた。だいたい、こんな感じだった。

 

1. 身分証明書のない場合は、全員ランク1からスタート。

 

2. ハンターランクは依頼達成や納品による貢献度で上昇する。

 

3. ランク10以上で正式なギルドメンバーと認定され、特権が解放される。

 

4. 武器購入時の割引などはランク10以降。

 

5. 遺物納品やモンスター討伐などが主な評価対象。

 

6. 初回に納品した遺物はすべて300オーラムで統一買取。市場価値との差額は後日調整。

 

7. ハンターランク10までは依頼や納品一件達成ごとにランクが上がる。10以降はさまざまな要素からランクが上がる、

 

「まあ、大体こんなもんよ。あとは現場で覚えるしかないわね」

 

 

 

「わかりました、また何かあればお願いします。」

 

 

 

 ちなみにこの都市で流通しているオーラムという通貨は、坂下重工って企業が発行している通称“企業通貨”だ。統企連を構成する五大企業の一つで、スラムにおいてもある程度の信用と流通力がある。300オーラムでだいたいスラムの一食分。前世の感覚で言えば、オニギリと水で300円。だから俺は、オーラム=1円くらいで計算している。

 

 

 

 こうして、俺はついにハンター登録を済ませた。名前も、番号も、肩書きも手に入れた。なお職業としての正式名は「東部統治企業連盟認証第三特殊労働員」だ、長い。

 

 

 

 まだランク1の駆け出しだが、これでやっと堂々と“稼ぐ側”に回れる。子供でも、装備と証明さえあれば“戦力”として扱われるのが、この世界のルールだ。ただハンターランク1はマジでなんの身分もないので、ひとまずは納品と依頼をさっさと受けてランク10まで一気に駆けあがろうと思う。

 

 

 

ハンター登録とハンター証を手にした俺はハンターオフィスを後にした

 

 

 

ハンター証は名刺くらいのサイズの紙切れに俺の名前やハンターランク1であることしか書いていない。ぶっちゃけ身分証明書として使えそうになさそうだったが、まぁないよりはマシだろう。

 

 

 

てかハンター証を渡された時、俺の名前間違えられてる事に気づいたんで、職員に名前間違えてるからと修正してもらった。

 

 

 

え?このガキ字が読めるのか?って顔して仰天してたのは笑った。確かにスラムのガキが字を読めるのって異常だもんな。中位区画のガキがスラムに捨てられたとかならありそうだが…

 

 

 

ちなみにアキラじゃなくアクアって最初書いてたよ。熱心なアクシズ教徒でもないし、腹刺されて転生して生みの親兼推しの復讐始める某医者とは違うんだよ。あとスクールアイドルでもない、どちらかというと虹ケ先の方が好きだ。

 

 

 

 

 

 さあ、次は武器と装備だ。ハンターとして生き延びるには、それに見合った“力”が必要になる。

 

 

 

また貯まった金で、銃を買うことにした。拳銃一丁だけで荒野に出るのは流石に分が悪い。そんな装備で大丈夫か? (予算内で)一番いいのを頼む。

 

 

 

 

 

 

 知り合いのハンターなんていないので、どこの武器屋がいいのかもわからない。だから、とりあえずスラムの中でも比較的治安のマシな区画を歩いて探した。そこで見つけたのが、カートリッジフリークという名の武器屋だった。やたら目立つ看板に惹かれて、なんとなく入ってみる。失礼するゾ〜〜。

 

 

 

 扉を開けると、冷たい電子音が鳴った。中は意外と整っていて、薄く漂う油の匂いがどこか安心感をくれた。すると、奥のカウンターから一人の女性が現れた。

 

 

 

 大きな胸と整った顔立ち。オーバーオール姿で、いかにも整備士という風情の姉ちゃんだった。俺を見た彼女は、最初こそ少し訝しげな目を向けてきたが、盗みに来た子供じゃないとわかると、口元を緩めて言った。

 

 

 

「いらっしゃい。……あら、小さいお客さんね。冷やかしじゃないなら、何をお求めで?」

 

 

 

 柔らかい声。でも、その奥にあるのは見極める目。俺はそれに真正面から応えるように、懐から丁寧に折り畳んだ札束を取り出して、カウンターに置いた。

 

 

 

「銃と装備をください。予算は二十万オーラムで、性能より整備性と信頼性重視。あと、子供でも扱いやすいものを!」

 

 

 

 女性は小さく目を見開いて、すぐにクスッと笑った。

 

 

 

「ふぅん、ちゃんと稼いだお金って顔してるわね。私はシズカ、……あなたの名前は?」

 

 

 

「アキラっていいます。よろしくです」

 

 

 

「いい名前。さて、“子供向け”の銃ってわけじゃないけど……扱いやすさ優先ね。そうね……旧式のAAHがあるわ。弾倉一体型でメンテも簡単。耐久性は軍用レベル。ちょっと重いけど、姿勢さえ覚えれば問題ない。もちろん、ちゃんと整備済みよ」

 

 

 

「じゃあそれで、あと予備の弾倉と、防護服も欲しいです」

 

 

 

「了解。銃本体と弾倉と弾薬で19万、防護服は……このサイズなら簡易型で2万ね。合わせて21万。……だけど少しだけサービスして20万でいいわ子供が死にに行くのを、黙って見てられないから」

 

 

 

 

 

久しぶりに人の優しさに触れた。こんなクソ治安悪いスラムの近くの店でも善人っているんだなって思った。

 

「……ありがとう、助かります」

 

 

 

「どういたしまして。銃の使い方、わかってるの?」

 

 

 

「最低限は。でも、練習はこれからします」

 

 

 

「なら、しっかり練習なさい。撃つのは簡単、当てるのは難しい。殺すのは一瞬、でも後悔は長いわよ」

 

 

 

 その言葉には、実感がこもっていた。誰かの死を、何度も見てきた声だった。

 

 

 

 シズカは手際よく、アサルトライフルと装備を用意してくれた。使い古されていないが、明らかに実戦向き。必要十分な信頼感があった。

 

 

 

 俺はそれらを受け取り、深く礼をしてから店を出た。

 

 

 

 背中越しに、シズカの独り言が耳に届く。

 

 

 

「……あの目、久しぶりに見たわ。生きるってことに、真剣な子」

 

 

 

 

 

 

 

 

銃を買ったら、次にやることはひとつ。撃つ練習だ。

 

 

 

 撃たなきゃ当たらない。当たらなきゃ倒せない。倒せなきゃ死ぬ。つまりはそういうことだ。

 

 

 

 俺はさっそく、工場跡地の裏手にある瓦礫地帯へ向かった。誰も来ない。誰も気にしない。ちょっとばかし撃ちまくっても文句は言われない。

 

 

 

 空き缶や壊れた家電の残骸を的にして、試し撃ちを始めた。AAHは思っていたより反動が強くて、初弾で肩をぶるんと持っていかれた。9歳児の子供にはキッツイ。だけど、数発撃ってるうちにコツは掴めた。肘を固定し、腰を落とす。トリガーは焦らず引く。目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れて…っと!

 

 

 

「……へー、これがセミオートで、次はフルオートの練習するか。サバゲだとフルオート禁止の所が多かったし割と初めてで新鮮だな」

 

 

 

 調子に乗ってフルオートを試す。結果、制御不能。銃口がどんどん上向いて、ターゲットとは無関係な瓦礫をばりばりと削っていった。

 

 

 

 リコイル制御? 知らんな。休暇取ってベガスに行ってる。

 

 

 

 でもまあ、ちょっとずつ感覚は掴めてきた。装填、排莢、安全装置。何百回もFPSでやってきた動作を、現実でひとつずつトレースする。違うのは、これはゲームじゃないってことだけだ。

 

 

 

 

 

 

 数日後、弾が無駄にならない程度に訓練を続けた俺は、ギルドの依頼掲示板の前に立っていた。

 

 

 

 狙うのは、いわゆる「お仕事」の中でも特に初心者向けと言われる「遺物回収」依頼。依頼内容はこうだ。

 

 

 

《廃工場区画E-12にて、簡易スキャナ反応のあった金属部品の回収。納品数5個。査定により追加報酬あり。ランク1〜3向け。》

 

 

 

 要するに、落ちてる金属を拾って帰ってくるだけだ。戦闘の可能性は……ゼロとは言わないが、低い。

 

 

 

「これでいいや。初仕事だしな」

 

 

 

 カウンターで手続きを済ませ、依頼票を受け取った俺は、AAHを背負って出発した。途中、スラムの子供たちが好奇の目で俺を見てくるが、こっちはそれどころじゃない。

 

 

 

 現地に着いたのは昼前。建物はすでに崩れていて、瓦礫の下からは黒ずんだ金属のパーツがのぞいている。拾うだけ、のはずだったが。

 

 

 

 がさっ、と音がして、ひとつ隣の区画から何かが這い出てきた。

 

 

 

 細いボディ、光るセンサーアイ、ぎしぎしと軋む音。旧時代の小型警備ドローンだった。

 

 

 

「……マジか。いきなりかよ」

 

 

 

 俺は息を殺し、慎重に距離を取る。逃げるか、撃つか。一瞬迷って——撃った。

 

 

 

 ドン、と乾いた音が響く。弾はかすっただけだったが、ドローンは俺に向き直ってセンサーを点滅させた。照準が合う前に、俺はもう一発。

 

 

 

 二発目がセンサーに命中。火花が散って、ドローンはその場で沈黙した。

 

 

 

 心臓がばくばくいってる。手がちょっとだけ震えてた。でも、それだけだ。

 

 

 

「……撃てば、倒せる。うん、まあ……こういうもんか」

 

 

 

 俺は冷や汗を拭いて、金属パーツを回収していった。予定数を集めたところで、足早に撤退。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギルドに戻って遺物を提出すると、女職員が軽く目を見開いた。

 

 

 

「へぇ、初回でこんなに? ……まあまあ、やるじゃない。けど死に急いでもいい事ないわよ?」

 

 

 

「ハハハ善処します。ちなみに結構納品したし、ハンターランク4つくらい上がりません?」

 

 

 

「ダメよ。依頼内容にもよるけど、基本的にはハンターランク10までだと質より量、どんな任務を遂行したかより、何回遂行納品したかが重要なの。今回は1回分の依頼完了だから上がるのは1だけよ。」

 

 

 

(よぉし!言質取った!次から小出しで納品してランクあげて行こうか。とりあえずハンターランク10になってさっさと人権取り戻しに行くぜ!基本的人権クレメンス)

 

 

 

 

 

 ハンター証に、最初の記録が刻まれた。番号、依頼名、評価、報酬。そして一行、「完了」の文字。そしてハンターランクが2になった。

 

 

 

 最初の一歩を踏み出した。まだガキだが、これでもう“ただのガキ”じゃない。

 

 

 

 

 

夜。

 

 

 

 工場跡地の片隅、鉄くずとコンテナで囲った隠れ家。小さなライトの明かりの下で、俺は黙々とAAHの手入れをしていた。

 

 

 

 布でスライドを拭き、メンテ用の薄いオイルを塗る。排莢部、ボルト、トリガーの遊びを確認。旧式とはいえ、整備済みの銃はちゃんと世話をすれば素直に応えてくれる。

 

 

 

 ……応えてくれたから、生きて帰ってこれた。

 

 

 

 初依頼は成功した。金属部品は全部で六つ。うち五つが査定を通って報酬は予定より少し上乗せされた。結果だけ見れば、悪くない。

 

 

 

 でも、本当は「危なかった」。

 

 

 

 不意のドローン。初弾のミス。焦りと、判断の遅れ。あの時もう少し近づかれてたら、多分俺は撃たれる側だった。

 

 

 

「初弾、焦りすぎ。銃口ブレた。反動制御も甘かった」

 

 

 

 口の中で独り言のように呟きながら、チェックリストのように反省点を並べていく。昔の癖だ。ゲームでも仕事でも、俺はいつもリプレイを頭の中で巻き戻しては反省会をしていた。

 

 

 

 勝てた理由。失敗した原因。次に同じ状況になったら、どうするか。

 

 

 

 それを言葉にして、整えて、落とし込む。

 

 

 

「ドローンは動きが単調だったから助かった。人型だったら死んでたかも。……次は、もっと早く引くか、隠れる。ハイドでもイモ戦法でも関係ない。死んだら負けなんだ」

 

 

 

 銃の組み直しを終えて、俺は静かに息を吐いた。ちょっとだけ手が震えてたけど、たぶん、さっきよりマシだ。

 

 

 

 弾を無駄にした分、報酬から弾薬代を差し引けばほとんど残らない。でもいい。これは「経験」という報酬を得るための投資だったんだから。

 

 

 

 今日の依頼は、はっきり言って「簡単な部類」だった。それでも、命のやり取りは現実にそこにあった。

 

 

 

 この街はそういう場所だ。俺はその中で、今日、やっとスタート地点に立ったばかり。

 

 

 

「……明日はもっと撃てるようにしよう。初弾で、ちゃんと倒せるように」

 

 

 

 背負いっぱなしだった装備を外し、体を横たえる。コンクリートの床は固くて冷たい。でも今は、この冷たさが生きてる証みたいに感じた。

 

 

 

 明日もまた、生き延びる。それがこの街での、たった一つの目標だ。




閲覧感謝です。

いままで全然機付きませんでした。マジで投稿忘れ怖すぎます


なお幽遊白書は個人的に好きな漫画10選の中に入る神漫画です。
初めて読んだ時すごくすごかったです。一番好きなのは仙水ですが、一番好きな章はとぐろ兄弟の出てくるトーナメントだし、終盤の領域戦とかも好きでした。「あつい」と言ってはならない。このご時世で、そんなの気にしててもつい言っちゃいますよね。セミも鳴き始めましたし、ほんとあっついです。   あっ(ここで途絶えるワイ)
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