Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
そして感想、評価、お気に入り登録も感謝感謝です。
(評価で0ポイント投票されてて笑ったのはここだけの話)
書いてても展開遅いなぁと思うんですが、やっぱ大事なとこですし。シェリルとの関係も、喧嘩もちゃんと書いてなきゃだめだろと思いました。ちなみにサブタイトルの仮案は「修羅場」でした。
二日酔いで痛む頭を、いろんな意味で抱えながらアキラはもう一度現状を把握することにした。
酒の匂いがこもる室内には、男女の情欲の匂いが濃く残っている。ワンアウト。
ラブなホテル、一夜明けのベッドには汗と体液でべたつく全裸の男女が二人。ツーアウト。
白い布団に滲む赤いシミ。めっちゃアウト。
──嘘、だろ。
サラさん処女だったんかよ!! (違うそうじゃない)
前世で「アスリートは過酷な運動で処女膜がなくなる」なんて与太話も聞いた。
なにより、あのサラさんが処女なわけwww──と思っていたが、現実は容赦がない。
アキラは知らなかったがサラ元々は中央部の良家の娘であった。
幼い頃から治療不能の難病を患い、衰弱しきり指の一本も動かせず余命僅かだったが、ファラゲルト都市で東部のナノマシン治療を受け快方した元病弱系お嬢様なのである。
その治療の副次的に身体強化拡張者となり、病気を完治させるための資金を稼いでいる。
ちなみにエレナはもともと(中央部の)常人の数倍の筋力がある超人(ゴリラ)だったのは余談である。
話を戻すが、連れ出した当初からエレナが常に傍にいたため、異性と深い関係を持つ機会などほとんどなかった。
原作でも、彼女は命の恩人“X”を神格化し、白馬の王子に憧れていた。恋愛への渇きがあっても不思議じゃない。
加えて──サラはアキラに好意を持っていた。
最初は恩人への感謝。のちに憧れ。ときどき、いや結構な頻度でアキラは色っぽい視線を向けてくるが、サラは受け流してきた。
そこに今回の大稼ぎ。
治療費が現実味を帯びるほどの額。恩と憧れと安堵が混じれば、「アキラなら、いいか」と心が緩むのも当然だった。
依頼の余韻、昂揚、そしてアルコール。二十億以上を動かした有能なハンターが、今はただの“弱った青年”に見えたのだろう。
サラの被虐心と情欲が勝ち、理性は静かに沈んだ。
『(このままシェリルと破局したらいいのだけれど……)』
そうだいたいこいつのせいである。
アルファはアキラの酒量を把握しており、どのラインで“完全にデキあがる”かも知っていた。
忠告はした。だが「せっかくなら楽しませたい」という善意の押し付けで、いつもより深く杯を重ねさせた。契約違反ではない。害意もない。ただし結果は──マッチポンプ寄り。
さらにアルファはサラの飲酒量を計測し、端末注文に介入。サラの酔いを加速させた。
狙いは“二人で寝落ち→サラの匂いが残ったアキラをシェリルが降る”程度の小火騒ぎ。ところが酒は人の計算を裏切る。半ば想定内、半ば想定外の結末へ。
アルファの算段など露知らず、アキラは“知り合いとのワンナイト”という事実に頭を抱えた。
布団がもぞりと揺れ、寝ぼけ眼のサラと目が合う。なお裸であり眼福であった。
サラは頬をかき、気まずそうに笑った。寝起きで髪は乱れ、頬はまだ赤い。だが視線は真っ直ぐで、どこか開き直ったようでもあった。
「あはは、やっちゃったね」
アキラは布団を握りしめ、うつむいたまま呻くように返す。
「やっちゃいましたね……」
「まぁ誘った私が言うのもなんだけど、気にしないでいいよ!」
軽い調子の言葉に、アキラはがばっと顔を上げた。
「いやめっちゃ気にするんですが?!」
サラはころころと笑う。恥じらいもあるが、どこか嬉しそうだ。
「えへー、気にしてくれるんだー」
「まだ酔ってます?」アキラは半眼で睨む。
「失礼な、素面だよ? 頭痛いけど」
サラはこめかみに手を当て、わざとらしく眉をしかめてみせた。
「僕もいろんな意味で頭痛いですよ」
アキラは盛大にため息をついた。
それでもサラは悪びれない。むしろ口元を緩めて挑発するように言った。
「えー? でも昨日は楽しんでたよ? 私たち」
アキラは赤面しながらも強く言い返す。
「それとこれとは別です。なにより、シェリルに申し訳ないし」
その名を聞いた瞬間、サラの表情に影が差した。だが次の瞬間には、またいつもの明るさを取り戻していた。
「あ────、それは……頑張って!」
「くそがよ。てか昨日ちゃんと避妊してましたっけ?」
アキラが低い声で問いただすと、サラは指先で髪を弄びながら軽く答える。
「最初はね?」
(途中から生だったか……)アキラの脳裏に冷や汗が流れる。
「今日大丈夫な日だから問題ないよ!」
サラは胸を張って宣言する。
「信じられね──ー! 襲ってきた人に言われても!」
アキラは両手で頭を抱え、布団に突っ伏した。
「まぁ、もし出来てたら出来てたでその時ね」
サラはあっけらかんと笑い、むしろ幸せそうに見える。
「軽い……てかむしろ重いのか?」
アキラは呻き声を上げるしかなかった。
前世で「処女は重いからやめとけ」と、どうしようもない友人に笑いながら忠告されたことがある。
くだらない冗談だと笑い飛ばしていたはずなのに、今その言葉がやけに重く胸に沈む。
──十数年ぶりに思い出すとはな。しかも転生後で。
アキラは片手で顔を覆いながら呻いた。
「……迷信だよな。俺の周りでそんな重くて病みそうな子なんて……」
その瞬間、脳裏に浮かんだ少女の姿。
──シェリル。
彼女は間違いなく処女だった。しかも一度心を許した相手には、命ごとすべてを捧げるタイプ。
重いどころの話じゃない。愛情と執着が一体化した、圧倒的な依存を向けられていたのだ。
「シェリル処女だったわ……そういやシェリルも重いわ!」
自分で吐いた言葉に頭を抱える。今さら気づいたところで遅すぎる。
アキラの背筋に冷や汗が伝う。
ここに至って、ようやく自分がとんでもない地雷を踏み抜いたことを理解する(今さら遅い)
横でサラは布団を巻きつけながら、まだ余裕そうに笑っていた。
「まぁ信用してなくても大丈夫な日には変わらないし、何より初めてなら、そのー……生でしたかったし……まぁ結局ゴム有りだったんだけどねー」
視線を逸らしつつも、耳まで赤く染まっている。彼女にとっても、特別な夜だったのだろう。
「あぁ、そうですか……」
アキラは深く息を吐き、諦めの色を浮かべた。
それでもサラは楽しげに追い打ちをかける。
「またしようね! 次はエレナも一緒に!」
「百合に挟まる気はないです。許してください」
アキラは布団をかぶり直し、現実から逃げるように呻いた。
アキラは布団の中でうずくまりながら、頭の中に響く声に苛立ち混じりの溜息をついた。
『……まぁ、シェリルには悪いけど、騙し切るしかないんじゃないかしら?』
アルファの声はどこか楽しそうですらある。
『だから気が重いんだよ……』
声(念話)に出した途端、胃のあたりがさらに重くなる。浮気男が「本命の彼女に何食わぬ顔で帰る」典型的な状況。前世で他人の話を鼻で笑っていたはずが、今は自分がその当事者になっている。
『それでもシェリルはアキラを手放さないわ。あなたがどんなに最低でも、彼女はあなたを欲しがる』
『……その言い方が一番つらいんですけど』
アルファの正論は鋭い刃のように胸に突き刺さった。自分がどれだけ謝っても、どれだけ言い訳しても、シェリルの痛みは消えない。なのに彼女はきっと「それでも一緒にいる」と選んでしまう。
その未来がわかるからこそ、余計に罪悪感は重くなる。
布団から顔を出すと、サラは服をかき集めながらまだ能天気そうに笑っていた。
「ふふ、アキラ、顔真っ青だよ? まるで死刑囚みたい」
「……処刑台に上がる方が気が楽だな」
「大丈夫大丈夫、女の子って意外と許してくれるもんだよ?」
「……いや、シェリルは絶対に許さない」
「それもそうか」
サラの軽さが逆に胸を締めつけた。彼女に悪気がないのはわかる。だがシェリルの顔を思い出すたび、心臓がひどく軋んだ。
重い足取りのまま、アキラはホテルを出た。朝の空気がやけに冷たく感じる。
時間が経つほど心臓が速く打ち、吐き気すらこみ上げる。
「はぁ……行きたくねぇ」
それでも帰らなければならない。仲間が、徒党が、シェリルが待つ場所へ。
門前に立つと、見張りの子供が笑顔で頭を下げた。
「ああ、アキラさん。おはようございます。今お帰りで?」
「……おおう、ただいま。特に問題はなかったか?」
「ええ、強いて言えば……宴会のあと入団希望が殺到してまして。昨日もシェリルさんが対応してましたよ」
「……そうか、ありがとう。お疲れさま」
子供の何気ない言葉が、胸に杭を打ち込む。──自分が飲んでヤっていた間、シェリルは必死に徒党を守っていたのだ。
「最悪だな、俺」
吐き捨てるように呟き、アキラは拠点の扉を押し開けた。
拠点の扉を押し開け、足を踏み入れた瞬間。アキラは息を呑んだ。
部屋の中央に、シェリルが立っていた。腕を組み、まっすぐにこちらを見据えている。
その瞳は氷のように冷たく、しかし奥底には熱を孕んでいて、逃げ場がない。
「あ、お帰りなさいアキラ。遅かったわね」
いつもの調子に似た柔らかな声。だが張り付いた笑顔が余計に怖い。
シェリルは一歩近づき、アキラに抱きついた。反射的にアキラも抱き返す──その瞬間、全身に悪寒が走る。
「た、ただいま……シェリル」
「……ほかの女の匂いがする。なんで?」
背筋が凍りついた。心臓が痛いほど跳ね、口の中が急激に乾く。
必死に言葉を探すが、まともな弁解など浮かぶはずもない。
「そ、それは……」
「ごまかさないで!」
声が震え、涙がにじんでいる。だが怒りは抑えきれず、視線は鋭く突き刺さった。
「私、ずっと待ってたのに……なんで私じゃ駄目なの……!」
小さな拳で胸を叩かれる。痛みよりも、罪悪感で胃の奥が焼ける。アキラは唇を噛み、押し黙るしかなかった。
そして次の瞬間、張り詰めた糸が弾け飛ぶ。
「ふざけるなああッ!!!」
拠点の奥まで響く怒声。椅子が倒れ、空気が震えた。
「相手は誰! 答えなさい!!」
逃げ場のない追及に、アキラの理性は崩れ落ちる。
「さ、サラさんですぅう!!」
「……っ!」シェリルの顔が歪む。涙と怒りの入り混じった表情で叫んだ。
「じゃあサラを呼んできて!! 今すぐに!!!」
「れ、連絡します!!」
アキラは半ば叫ぶように答え、震える指で端末を取り出した。
部屋の空気は凍りつき、まるで処刑場のような重さを放っていた。
その後、アキラは震える指でサラとエレナに連絡を入れた。
事情を説明すると、電話口の向こうでエレナが深く息を吐く音が聞こえた。
「……わかったわ。すぐ行く」
声には強い苛立ちと、どうしようもない諦めが混じっていた。
数十分後。拠点の入口に人影が現れた。
片手には菓子折り、もう片手にはサラの首根っこを掴んでいるエレナだった。
サラはぐったりと肩を落とし、子供のように大人しく引きずられていた。
「お、お邪魔します……」
エレナは硬い声でそう告げ、菓子折りをテーブルに置く。その横でサラを前に突き出すと、目を伏せたまま押し黙った。
部屋の中央。アキラはすでに正座させられていた。うなだれたまま額を床に近づけ、冷や汗を垂らしている。
対面にはシェリル。腕を組み、蒼白な顔でじっと二人を待ち構えていた。
エレナは苦々しい顔で口を開く。
「……ごめんなさい、シェリル。庇いたい気持ちはあるけど、あなたの気持ちも痛いほどわかる。だから……何も言い訳できない」
そう言ってから、サラを一歩前へ押し出した。
「アキラが魅力的なのが悪い、とか言うのですか?」
シェリルの声は冷たく、刃のように鋭かった。
“まあそうとも言うわね”──さすがにエレナは喉で飲み込む。ここでそんなことを言えば修羅場が爆発するのは目に見えている。
押し出されたサラは、深呼吸を一つしてから小さく頭を下げた。
「……ごめんなさい」
震える声だったが、瞳は逸らさない。
「私が誘った。アキラは悪くない」
唇を噛みしめながら、はっきりと言葉を続ける。
「後悔はしてない。でも、彼を奪うつもりもない」
その言葉に、シェリルの全身が震えた。怒り、悲しみ、嫉妬、絶望。相反する感情が入り混じり、涙とともにあふれ出す。
「じゃあ私はどうすればいいのよ!!!」
アキラは崩れるように床へ額をつけ、声を絞り出した。
「悪かった……全部俺のせいだ。ごめん、シェリル……!」
重苦しい沈黙が広がり、部屋全体が凍りついたように動けなくなった。
サラもまた「後悔はしていない」と言い張りながら、シェリルの涙を見るたびに胸に棘が刺さるのを誤魔化せずにいた。
嵐のような口論のあと、シェリルはアキラと口を利かなくなった。
目が合えば逸らされ、食事の場でも必要最低限のやりとりしかない。
拠点の仲間たちも空気を察し、誰一人としてそのことに触れようとはしなかった。
アキラはベッドに寝転がり、天井を睨み続けた。
「……最低だな、俺」
吐き出した言葉は乾いていて、何の慰めにもならない。
心からシェリルを大事に思っているのに、酔った勢いで他の女と一夜を過ごした事実は消えない。謝っても、彼女の痛みが癒えることはない。
それでも──「シェリルを失いたくない」という思いは募るばかりだった。
一方でシェリルは、自室の机に突っ伏し、拳を固く握りしめていた。
「……なんで……なんで私じゃ駄目なの……」
怒りは冷めず、涙も止まらない。
それでも彼を嫌いになれない自分が情けなくて、余計に苦しかった。
頭では「突き放すべき」だと理解しているのに、心は「隣にいてほしい」と叫び続けている。
冷たい空気が拠点全体を覆い、夜が更けるたびにアキラとシェリルの心は擦り減っていく。
「……もう少しだけ時間がほしい」
シェリルは誰にも聞こえない声でそう呟き、毛布を頭まで被った。
アキラもまた同じ夜、独り言のように呟いた。
「……離れたくない。どんなに怒られても、俺にはシェリルが必要だ」
その距離は決して遠くはなかった。だが、今は触れれば壊れてしまうほど危うい距離だった。
だが皮肉なことに、互いが互いを必要とする思いだけは、日に日に強まっていった。
──そして数日後の夜。
狭い部屋で、二人は再び向かい合っていた。
沈黙が痛いほど重く、息をする音さえ耳障りに感じられるほどだ。
「……シェリル」
「……なに」
アキラは必死に言葉を絞り出した。
「もう二度としない。俺はお前だけだ」
「絶対?」
「……多分絶対」
「……アキラ、そういうところよ」
シェリルの目は涙で濡れている。揺れる光の奥には怒りと悲しみと、どうしようもない愛情が絡み合っていた。
「正直、いずれアキラが他の人と関係を持つんじゃないかって、疑ってた。でも信じたかったの」
アキラは沈黙し、俯くしかなかった。
「……信じたいのに、信じられない私の気持ち、わかる?」
「……」
「頭では許せないってわかってるのに、心が勝手に……アキラを欲しがってるの」
泣き笑いを浮かべながら、シェリルはアキラの胸倉を掴んだ。
「最低。裏切り者。……でも大好き」
胸が締めつけられる。アキラは、苦しそうに言葉を返した。
「俺も最低だ。シェリルを傷つけて、まだ側にいたいなんて……」
「じゃあ償って。死ぬまで私を見て。私も死ぬまでアキラを見る。裏切ったら──殺してでも縛りつける」
シェリルの声は震えていたが、その目は狂気と愛情の境界を踏み越えていた。
アキラは抵抗せず、その小さな体を抱き締める。
「……わかった。シェリルから離れない」
涙と嗚咽が混ざり合う。
健全ではない。互いを縛り合い、呪いのように依存している。
それでも、この関係以外に二人が生きていける道はなかった。
「大嫌い。……でも、誰よりもあなたが好き」
「俺もだ」
そう呟いて、二人は崩れるように抱き合った。
愛というよりも執着、救いというより呪縛。だが、それが二人にとっての真実だった。
翌朝。頭の奥にまだ重たい痛みが残っていた。酒のせいか、それとも昨夜のやり取りのせいか。どちらにせよ、眠りは浅く、心身の疲労はまったく抜けていなかった。
「……行くの?」
ベッドに腰掛けたまま、シェリルがじっとアキラを見ていた。
目の縁は赤く腫れ、泣き腫らした痕跡が生々しい。それでもその瞳は鋭く光り、アキラの全身を縫い止めるように追ってくる。
「うん。シカラベとその仲間たちとヨノヅカ駅に行ってくる。ドランカムに情報は売ったけど……まだ公開してない入り口がいくつかある。そこから遺物を収集してくるよ」
「……そう」
短く吐き出された声には、まだ氷のような冷たさが混じっていた。
「すぐ戻る。今回は無茶しない」
アキラは必死に軽口めかして言った。
しかしシェリルはわずかに首を振る。
「嘘。アキラはいつも無茶する」
その一言に胸を射抜かれ、アキラは言葉を失った。
刺すような視線から逃げるように、彼は背を向けて装備を整える。
昨夜「殺してでも縛る」と言い切った少女の声が、背後から冷たい鎖のように絡みついて離れない。
──ただ、ここまで強く思われているのだ。
男としては嬉しい限りだし、だからこそこれ以上は心配させたくない。
重い息を吐き、アキラは拠点を後にした。
◇
拠点を出ると、待ち合わせの場所にシカラベたちが揃っていた。
荒野を歩き慣れた大人の風格と、緊張を隠さない新人ハンターの混ざる一団。その中央で腕を組んでいたシカラベが、アキラを見てニヤリと笑った。
「おっ、来たか……顔色悪いな。酒に弱いとはいえ、流石に酔いは覚めてるだろ? 健康に気を使うのもハンターの仕事だぞ」
「……飲ませてきたのは、他でもない大人組の皆さんなんですけどね」
アキラはぼやきながら肩をすくめた。
「はは、酒は薬にも毒にもなる。いい塩梅で楽しめ。荒野じゃ、何でも生死に直結するからな」
軽口に見せかけて、その目は鋭い観察の色を帯びている。
「……なんかあったな?」
「別に」
「隠すな。女難の相が出てるぞ。勘だけどな」
図星を突かれ、アキラは一瞬返す言葉を失った。
だがシカラベは深追いせず、苦笑しながら背を向ける。
「改めて“大人”になったアキラよ。おめでとう。さて仕事だ、キビキビ働いてもらうぞ」
「言われなくても頑張りますよ」
軽口を交わしつつも、空気はすでに仕事のそれへと切り替わっていた。
アキラはシカラベの仲間たちと短く挨拶を交わし、最終的なミーティングを終える。
やがて、一行は静まり返ったヨノヅカ駅の裏口へと進んでいった。
ひび割れたコンクリートの裂け目からは、以前よりも濃い冷気が吹き出している。
──遺跡が再活性化するまで、あと三十分。
アルファ『今回はだめだったから、次の手ね』
読了感謝です。
我ながらうまく書けたんじゃないかと思います。ええ、両依存という形で落ち着きました。ハイ、ただの趣味です。シェリルのこと書いてる時がいっちゃん筆が乗ります。
僕もこんな修羅場というよりかは誰かに愛されたかったです(20代男性)
もともと共依存ってのが、中学校の時に読んでた俺ガイルの影響で大好きなんですよね。まぁその結果拗らせたのですが。
さてようやく次は久しぶりのカツヤの登場…まで書けたらいいなぁ。乞うご期待ください
余談
シージのエイムもAPEXの立ち回りもゴミすぎて一生ウマ娘やってます。