Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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さてようやくカツヤを出せました、そして書いてる途中でエイリアス書くのを忘れてることに気づきましたが、書き直してたら日付跨ぎそうなのでやめました。

そして書きながら魔改造カプヌを食べてましたが案外うまいっすね。うmエ゛エーイ!!





カツヤの心のヤバイやつ

 

 

 

 

 アキラは足並みを揃えつつも、時折後ろを振り返って周囲を警戒していた。前衛のシカラベたちの動きは淀みなく、瓦礫の隙間や通路の死角を最小限の動きでクリアしていく。

 

 

 

「さすがベテランだ、進むのが早いぜ。これくらい強いやつならタッグ組んでパーティー組みたいぜ……」

 ドライが小声で感嘆する。

 

 

 アルファが苦笑しながら答えた。

『それなりの実力があるハンターは徒党に入ってることが大半だからね。アキラみたいなソロや野良は少ないわ。まぁアキラも徒党所属といえばそうなのだけれど』

 

 アキラは軽く肩をすくめて返さない。ただポジションを切り替えて後方に下がり、ユミナと並んで進む。ドライが代わりに前へ出て、先行するシカラベの隊列に加わった。

 

「で、ユミナ。下で何があったんだ?」

 アキラは声を落として尋ねる。

 

「それがね……」

 ユミナは歩調を乱さず、淡々と説明を始めた。

 

 要約するとこうだった。──カツヤたち、ドランカム若手派閥は“実績作り”を目的にこの遺跡の調査に入り、そこで予想以上に強力なモンスターに遭遇。準備不足のまま戦闘になり、撤退すら難しい状況に陥っていた、というのだ。

 

 

 

 アキラは眉をひそめる。

「……で、今はどうなってる?」

 

 ユミナは小さく息を吐き、言いづらそうに続けた。

「カツヤは“正面突破だ”って言ってたけど……現場は混乱してるわ。あのままじゃ危ない」

 

 

 

 アキラの胸中に、さっきから燻っていた「見捨てるか」「関わるか」の選択が、じわじわと重くのしかかってくる。

 

 

 

 彼はユミナの話を黙って聞いていた。カツヤの仲間たちがモンスターの群れに呑まれ、全力で手を伸ばしても救えなかったこと。辛うじて籠城に持ち込みながらも、カツヤ自身が衰弱して動けなくなったこと。そして助けを呼ぶためにユミナが上へと走り、その途中で遺跡の異常な“動き”に巻き込まれ、負傷した末にアキラたちと合流したこと──。

 

 

 

「はっ、間抜けが。この先やっていけるか心配だな!」

 不意にシカラベが鼻で笑い飛ばす。

 

「確かにな。見栄ばかりで中身がねえ」

「無駄に張り切るからこうなるんだろ」

 

 アインス、ツヴァイ、ドライまでもがその言葉に乗り、揶揄を重ねる。

 

 

 ユミナは唇を噛みしめ、アキラは眉間をわずかに寄せただけで黙った。口を挟んでも状況が変わらないことは分かっていた。

 

 

 

 

 やがて一行は、カツヤたちが籠城しているとされた場所に到着した。だが肝心のカツヤの姿はなかった。迎えに出たアイリが、青ざめた顔で事情を説明する。

 

「……カツヤはユミナを探しに行ったの。けど、どこへ行ったのかは分からない」

 

 一瞬、沈黙が場を覆った。すぐにシカラベが舌打ちをする。

「どうする。ここまで来たが、……ソロで潜ったなら、生存の可能性はだいぶ低いぞ」

 ツヴァイが言う。

 

 

 

「ここまでだな」

 シカラベはきっぱりと言い切った。

 

「アキラ、悪いがここで終わりだ。カツヤが生きてるかどうかも分からねえ。そんな状態でわざわざ、どこにいったか分からないカツヤの捜索をする理由はない」

 

 

 アキラは何も返さず、ただ小さく息を吐いた。否定はできない。

 もともとシカラベたちはカツヤをゴキブリのように嫌っていた。それでもここまで同行してくれたこと自体が幸運だったのだ。これ以上下へ行けと説得しても、首を縦に振るはずがない──アキラはそう悟った。

 

 

「じゃあ俺たちは上へ戻る。……かなり嫌だが仕方ない、生き残りを連れていってやる」

 短く言い切って、ツヴァイに顎で合図する。

 ツヴァイは肩をすくめて端末をしまい、アインスは無言で残弾を確かめた。

 ドライは一瞬迷ってから、気まずげにアキラに親指を立てる。

「……死ぬなよ」

 

 アキラは返事をせず、視線だけで頷いた。胸の奥を、鈍い重さが引っ張る。

(ここでカツヤを切るのは正しい。誰も死地に行きたくないんだ。理屈は、そうだ)

 

 

 

『……アキラ』

 アルファの声が薄く揺れた。いつもの即応性ではない。

『すでにかなり地下深くにいるから、地上ほどの支援はできないわ。演算の補正にも遅延が出てる。ここまで深いマップも持ち合わせてない。生存率は下がるわよ。だから私としてもシカラベと一緒に帰ることを支持するわ』

 

(わかってる。だから——)

 アキラは奥歯を噛む。

 視界の端で、HUDの予測線が乱れ、すぐに補正される。いつもの“サポート”より、半拍遅い。余裕で死ねる。

 

 

 

 

 

「アキラ」

 ユミナが呼ぶ。声は落ち着いていたが、拳は小さく握られていた。

「行くなら、今しかない。行かないなら——私が一人で行く」

 

 

 

(止めるべきだ。今の支援密度で、シカラベたちの支援なしでもっと深くに行くのか? 馬鹿のやる事だ。だが……ここまで来て見捨てるのは……気分が悪い)

 アキラは息を吐く。喉に鉄の味。言葉はまだ出てこない。

 

 

 

 

 覚悟を決めたアイリが端末を握りしめ、一歩前に出た。携行端末の録音を起動する。瞳はまっすぐで、震えていない。

「緊急依頼を出したい。私とユミナ、二人の名で。……担保は、私たち二人の身柄でいい」

 ユミナも頷く。

「ここに、緊急依頼を出します」

 その言い方は、定型の文言そのままだった。

 

 

 アキラは短く息を吐き、端末の録音を立ち上げた。

「その前に、俺の条件だ。ここは地獄みたいに、状況は最悪だ。俺のコンディションも悪い。だから俺からも条件がある、証人は……」

 

 

「おーけー。証人なら、俺が記録してやる」

 ツヴァイが肩越しに振り返り、苦笑した。

「ここで揉めるのは趣味じゃない」

 

「……チッ、関与しねぇぞ。記録だけだ」

 シカラベは舌打ちしつつも、端末をかざす。

 アインスが静かに頷き、ドライが親指と人差し指で四角を作って“撮ってるふり”をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 緊急依頼・改訂契約(音声記録)

 依頼人:ユミナ/アイリ(ドランカム所属)

 受諾者:アキラ(個人)

 証人:アインツ一行(氏名ログ付)、録音保存

 

【目的】 カツヤの所在確認・救出。代替達成:所在と状況の証拠提示(映像・音声・物証いずれか)。

【対価】 ドランカム名義の報酬支払(額面:後日精算、口封じ相当を含む高額見込み)。回収物の権利は原則アキラ。

【担保】 依頼人二名(ユミナ/アイリ)の身柄。

【受諾者条件(安全最優先特約)】

 

 1.致死リスクが合理的に許容域を超える場合、受諾者は撤退を優先できる。

 

 2.上記に伴い、依頼目標および担保たる依頼人を現場に残置して撤退することを妨げない。

 

 3.ただし受諾者は、撤退決定の理由と状況を録音に残し、可能な範囲での救助努力を継続する。

【受諾者の努力義務】

 ・全力で目的達成に当たる(先行・殿の交代引受/弾薬・地図等の資源投入/戦術判断の即応)。

 ・虚偽の報告禁止。情報は即時共有。

【機密】 本件で得た座標・映像・交信ログは依頼人と受諾者間の限定共有。外部開示は相互同意。

【終了】 目的達成/代替達成/致死リスクによる撤退決定のいずれかで一旦終了。追加要請は別契約。

 

 

 

 

 

 言い切ってから、アキラは二人を見る。

「——この条件で、受ける。その代わり、本当に全力でやる」

 

 

 ユミナは間髪入れずに頷いた。

「同意する。担保の件も、条件も、全部」

 アイリも一歩進み、端末に指を押し当てる。

「同意。証人の前で宣言する。……戻るまで、私はあなた(アキラ)の指揮に従う」

 

 

 

 アキラは端末の録音に顔を寄せた。

「受ける。——アキラ、緊急依頼を受諾。内容と条件、確認した」

 短いクリック音が、その場の空気を固定する。契約は有効だ。たとえオフィスに提出するのが後になっても、証人と記録があれば、これは“約束”になる。

 

 

 

『推奨はしない。でも、アキラが選んだなら、手伝うわ』

 アルファの声が静かに戻る。

 

 

 

 

 

「決まりだな」

 シカラベが鼻を鳴らす。

 

「道を開けてやる時間はねぇ。俺たちは、上へ向かう。——アキラ」

 そこで言葉を切り、面倒そうに肩を回した。

「死ぬなよ」

 

 

「安心しろ、俺はスラム出身だ。戦って勝つより逃げ足の方が自信がある。任せろ」

 アキラが返すと、シカラベは踵を返した。

 

 

 ツヴァイが片手を上げ、アインスは無言で拳を一度打ち合わせ、ドライは大げさに敬礼してみせる。

 彼らは生存者を連れ、上階へ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 三人はシカラベたちの撤退列を見送り、同じ階の捜索に移った。

「いいねぇ両手に花だ」

 

「ん。私たちはカツヤ一筋。だからごめんなさい」

 

「悪いけど私も付き合えないわ」

 

『一瞬で二人に振られたわね』

 

「俺が告ったみたいにするのやめてもろて」

 

 短い笑いで空気を軽くすると、アキラは視界の揺らぎ(支援遅延)を押し込み、足跡・薬莢・血痕・こじ開けられたシャッター痕を拾いながら進む。

 

 

 

(サポートは薄い。けど、遅れる分は、勘と経験で埋めるだけだ)

 

 指先が自然に安全装置へ触れ、銃口が低く滑る。ユミナの背が前に出る。

 アイリが小さく頭を下げた。

 

「お願い」

「任された」

 

 ヨノズカ駅の暗がりは、獣の匂いと機械の熱をまだ孕んでいる。

 契約は交わされた。やることはひとつだ。

 

 アキラはユミナの一歩後ろに入り、足音を極小にして、闇の中へ踏み出した。

 カツヤのいる、さらに下へ。

 

 

 

 

 

 

 

 その後交戦中のハンター小隊を救援・撃退した。

 

 小体のリーダーのチャレスがユミナの名を聞き、さっきカツヤに会ったと証言する。

 カツヤは“旧世界の幽霊(女の立体映像)が立つ大トンネル”の話に強く興味を示し、彼らとは逆方向へ向かったらしい。

 危険地帯だが、案内役として役立つかもしれない——という雑談を真に受けた可能性が高いという。

 アキラの地図データと交換して座標・進入経路を入手。

 

 

 

「で——行くんだな? 本気か?」

 ユミナは迷いなく。

「本気よ。お願い、アキラ。助けて」

 アキラはあっさりと頷いた。

「美少女たちのお願いとあれば」

 その軽さにユミナたちは一瞬驚き、すぐ微笑む。

 

 

「さて、空気も入れ替えたところだし。行くか、ダンジョン深層へ」

「「ええ」」

(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか。少なくとも“出会い”の相手がカツヤなら間違ってる。……俺はホモじゃない!! )

 冗談を胸の内で流し込み、三人+一体はトンネルの闇へ向けて歩を速めた。

 

 

 

 

 

 

 改札口へ向かう通路は、剥がれかけた案内ピクトが風に鳴っていた。三人は足音を抑え、壁際を伝う。

 

「しかし、若手の指揮権をシカラベに渡してよかったのか?」とアキラが小声で切り出す。

 

「古参と若手でもめてるって聞くし、若手を引っぱってるのはカツヤとユミナとアイリだろ? シカラベたちにアイツら押し付けて後で何を言われるか……派閥が割れたらどうする」

 

 

 ユミナが短く認める。

「そうね。アキラが言ってることは正しいわ。私たちが指揮を降りれば、派閥はガタつく。でも、私たちだって結局は“カツヤを神輿に”したい事務派閥の駒にすぎないの」

 

「……聞いちゃいけない裏側を聞いてる気がするな」とアキラが眉をひそめる。

 

 

 アイリが淡々と続ける。

「ん、望んで舵を取ってる、わけじゃない、正直、カツヤさえいればそれでいい。派閥なんて二の次」

 

「そのとおり。カツヤがいないなら、私がドランカムに残る理由もないわ」ユミナが肩をすくめた。

 

 二人は視線を合わせ、同じ言葉を静かに重ねる。

「すべて、カツヤのためだから」

 

 

 

「こっわ。女、こっわ」とアキラが小さく息を漏らす

 

「それに、シカラベはカツヤを馬鹿にしてる。嫌い」とアイリ

 

「だから合理性と、少しの嫌がらせを足して、若手をまとめて上に上げたの。生き残り優先、ついでに面倒は押し付け。せいぜい働いてもらうわ」と満面の笑みでユミナが笑う。

 

「強かだな……」とアキラは引いた。

 

「シェリルさんも相当強かでしょ。慣れてるはず」ユミナが笑う。

 

「そう。私たちに、遺物収集を手伝わせるくらいに」とアイリが応じる。

 

「やっぱ、男は女の尻に敷かれるのかな……」とアキラがぼそりとこぼす。

 

「「そんなにお尻はでかくない!!!」」

 ユミナとアイリが同時に噛みつき、アキラは慌てて手を振った。

「ものの例えだって!」

 

「でも、ユミナのお尻は大きい」

 

「そ、そんなに大きくないから!!」

 

「いや、誇っていい。ユミナはでかケツ」

 

「大きくないって!」

 

 単眼猫みたいなやり取りしてるなぁ、とアキラは思った。

 

 一瞬の笑いが通路の冷気を和らげ、すぐに気配の探り合いへ戻る。

 遠くで改札ランプが点滅する。

 

 

 脳裏にアルファの報告が差し込む。

『前方百二十。右手にコンコース、エネミーはたくさんよ頑張って』

 

 

 

 

「さて。我らが神輿を拾いに行くか」とアキラが顎をしゃくる。

 

「神輿じゃない、カツヤ」とアイリ。

 

「同じ言葉でも、意味は違うのよ」とユミナが静かに締め、三人は改札へと歩を速めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カツヤはただ、進んでいた。理由は一つ——ユミナを見つけるため。

 仲間を連れて動くべきだ、と頭では分かっている。だが最近の彼は妙に冴えていた。誰かと足並みを揃えるより、独りの方が強いと錯覚したくなるほどには。

 

 

 その“冴え”は、ある地点で綺麗に反転した。

 幸運の揺り戻しのように、手数が噛まず、狙いがずれる。さばき切れない数が、音と匂いに誘われて集まってくる。

 

 それでも歩を止めず、カツヤは旧世界の幽霊——女の立体像が立つ大トンネルの前に辿り着く。

「ユミナの居場所を出せ! 通路の隔壁を全部開けろ、トンネルは閉鎖! 警備はモンスター優先! 急げ!」

 無機質な女性音声が重なる。

「ようこそ、ヨノズカ駅へ。当施設は準稼働です。現在、複数のサブシステムが——エラー G-59……」

「……は?」

 命令は通らない。反応しない。自分がなぜ“これで通る”と思っていたのか、そのこと自体が急に冷えて見えた。

 

 

 

 振り返ると、モンスターの壁が迫っていた。走って逃げ切れる数でもない。

「ちくしょう……」

 形だけ銃を上げ、苦笑で自嘲した瞬間——目の前の獣の頭が弾け飛んだ。彼の銃では出せない威力。困惑する視界の奥から、怒声。

 

 

「——そこ、下がって!」

 別の渡り廊下から、ユミナとアイリが飛び出す。喜びよりも、明らかに怒りが勝った顔で。

 そして隣には、冷静に次弾を重ねるアキラ。

 

 

「ずらかるぞ、カツヤ!」

 アキラは言い、言葉どおり殿に入った。

 三点バーストで近い順に間引き、角ごとに短く沈黙を挟む。足を止めない火線が、群れの核だけを剥がしていく。

 

 

 

 そういう間にユミナとアイリはカツヤのもとへ駆け出していく。いつものカツヤ以上の困憊した顔と、会えた安堵でいっぱいだった。 その間にもアキラはモンスターをせん滅しつづける

(なるべくはやくしてくれよ! ここで死にたくないからな!!)

 

 カツヤのもとへたどり着いた彼女たちはそれぞれカツヤの両腕を引っ張り、モンスターの群れから逃げようとする。

 

「何勝手してんのよ! 置き手紙ぐらい残しなさい!」

 叱責と同時に、上体を前に倒して走らせる。カツヤは安堵と疲労の混合で、返す言葉が詰まった。

 

 

 その感動的再開にも無粋にモンスターは襲い掛かるが、その一切をアキラは仕留めていく。

「他人の恋路を邪魔するな! FF外の俺たちは! 黙って見とくんだよカスが!! 死ねや!!」

 

 アキラは今だけは、主人公とそのヒロインの恋の舞台装置になることを選んだ。

 

 トンネルが低く唸り、上部シャッターがゆっくり閉じ始める。

(アルファ……?)

 アキラは横にいない“アレ”を自覚しつつも、今は考えを切った。

『処理にリソースを回してるんだろ』とだけ理解して、撃ち続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 四人はトンネルから距離を取り、ようやく一息つける陰へ滑り込んだ。

 アキラは最後の一体を落としてから、呼吸を揃える。

 カツヤが怪訝な眼差しを向けた。

「……なんで俺を助けた」

 言葉は棘を含むが、芯は混乱だ。

 

 

 

 ユミナが言葉を継ぐより早く、アキラが肩で息をしながら片手を上げた。

「べ、別にあんたのためじゃないんだからね!」

「だから聞いてるんだ! なんで俺を助けた!」とカツヤが噛みつく。

 

 そう叫ぶカツヤにアキラは返す

「そりゃ、お前を大事にしてる二人からのお願いだからな。それに、まず俺を詰めることより、二人に言うことがあるだろ」

 

 

 

 カツヤは今もそばにいてくれる二人に向かって話しだす。

「なんで来たn」

 

 言うきるまでにアキラがカツヤに蹴りを放つ。

 吹き飛んだカツヤの胸倉をつかんでアキラは怒鳴る。

「おま、おまえ、第一声はそれじゃねえだろ! お前のために頭下げて、危ない橋わたって、ここまで来た二人に言う言葉は一つだろ!! ——ありがとうだろうが!!!」

 

 カツヤの目がはっと揺れた。

 アキラは手を放ち、背中を二度、強く叩く。行ってこい、の合図だ。

 

 視線の先で二人が不安げに立っている。

「……ユミナ、アイリ。ほんとうに、ありがとう」

 言葉が落ちた瞬間、二人は同時に駆け寄り、カツヤを抱きしめた。強く、短く、確かに。カツヤも腕を回す。

 アキラはその光景を、どこか他人事のように眺めた。まるで映画のワンシーンだ。

 

 

 

『アキラ? そろそろ戻らないとまずいわよ』

 アルファの声で我に返る。アキラは咳払いひとつ。

 

「色目使うのは理解するけどな、ここは遺跡のど真ん中だ。乳繰り合うのは帰ってからにしろ」

 ハイスクールハックアンドスラッシュじゃないんだから。

 

「ち、乳繰り合ってなんてない!」と3人が同時に跳ね、カツヤまで頬を赤くする。

「そんな慌てんなよ。お互い、生娘でも童貞でもあるまいし——」

 三人の動きが一瞬止まる。

「……マジか。お前、こんな可愛いの二人に侍られて手ぇ出してないのか? それはそれで失礼だろ!?」

「う、うるさい! そういう関係じゃない! 誠実にいきたいんだ!」

 

 アキラは肩をすくめる。

「出会って何年目かしらんけど、まぁなんだ。覚えとけ。女は案外こわいし、胆力がある。……襲われないように気をつけろ」

 最後だけ小さく付け足す。「まあ、もう手遅れに近いか」

 

「誰が手遅れだ!」と急に張り上げたカツヤは、ふらりと足元を崩した。

 カツヤがふらりと足を取られ、壁に手をついた。

 ユミナが即座に駆け寄る。

「大丈夫!? ……正直に答えて。見栄や我慢で判断を狂わせないで!」

 

 

 カツヤは一拍迷い、素直に吐き出した。

「だいぶキツい。けど、まだ戦える」

 

 ユミナはアキラへ顔を向ける。

「ごめんなさいアキラ。回復薬をまた分けてもらえない? もうこの際だから言い値で買うわ」

「待て、俺のも——」とカツヤが口を挟むが、ユミナは首を振る。

「アキラのやつは段違い。ここで倒れられるほうが高くつくわ」

 

「まぁいいか、せっかく助けたのに死なれると何しに来たんだって話だからな」

 アキラは回復薬の箱を渡した。

 

 カツヤは一息に流し込む。喉に苦み、次いで内側から温度が上がる。重かった呼吸が軽くなり、痛みが膜一枚はがれるように薄れていく。

「……めっちゃ効くなコレ。助かった、アキラ。マジですっと入ってくる」

 

「そりゃひと箱800万だからな」

「「「800万オーラム!?」」」

 三人の声がきれいに重なり、固まった。

 

 ユミナが慌ててカツヤの肩を揺さぶる。

「カツヤ! ぺってしなさい! ぺって!」

 

「もう飲み込んだよ!?」

 

 アイリはこめかみを押さえる。

「あわあわあわあわてるときじゃじゃじゃない」

 

 

 

 

「お──ーい戻ってこ──い」

 

 

 

 

 

 そうしてアキラはカツヤを助け出し、一同は地上へかけていった。

 

 

 




シェリル「なんか、アキラがほかの女を口説いてる気がする!!」
エリオ「おっ、そうだな。じゃけんこの書類書いてもろて」


読了感謝です。

ちなみにシカラベたちはまっすぐ籠城拠点に向かったのでレビンたちは助けられてないのでお亡くなりになられます。原作生存キャラが死にました。尊い犠牲だったよ。これで借金に追われるレビン達を使えなくなりました。全部シャミ子が悪いんだよ

それとiPhone15の128GBを使ってるのですが、ウマ娘とかのゲームアプリ計60GBのせいで本体のアプデができず。これを機にiPhone17を買うか、16を買うか、いっそのこと256GB買うか検討中です。

さて次回はですが。

奈落の落とし穴に堕ちていくカツヤたち。
その先に待ち受けるのは、希望かそれとも絶望か。

数多の人々の思惑が交差するヨノヅカ駅で最後の戦いが幕開く。

Fate/Grand Order コスモスインザロストベルト 
絶対殲滅終着点 ヨノヅカ=キサラギ


それはアルファかエイリアスかヴィオラか、誰の思惑だ。


(大嘘)
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