Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。そして遅れてすいませんでした。
インフルエンザ予防接種受けたら3日後にコロナ感染して寝込んでた者です。
絶賛体調がよろしくないですが、とりあえず短くてもいいから投稿しようと思い投稿します。
なおいつも通り短く書く予定が7000字を超える模様である。

発熱はないんですが、のどの痛みと乾燥、頭痛とめまいと…まぁいろいろですね。おかげで仕事が休みになり迷惑をかけてしまいましたが…まぁしゃあないな☆彡


改めて、閲覧、評価付与、感想、お気に入り登録、誤字報告等感謝です。




真夏の夜のアキラ

 

 

夜の歓楽街は、いつもより少し静かだった。

 戦が終わり、死者と勝者の数が出そろって、街全体が一息ついている。

 それでも店の灯りは落ちない。祝杯も献杯も、次の仕事への切り替えとして行う立派な儀式のようなもんだ。それがある意味ハンターとしての作法の一つだ。

 

最も酒で切り替えるものもいれば、性で入れ替えるものも当然いる。

アキラがシカラベと待ち合わせしているのは、そんな場所でもあった。

 

 

 

 アキラが階段を上がると、二階の畳席の奥で手を振る男がいた。

 賞金首の同行依頼を受けた時の席と同じ場所にシカラベにパルガとヤマノベが座っていた。

 

「よう、お疲れ様だアキラ。わざわざ来てもらって悪いな」

「賞金首終わったらまた飲みに行こうって約束してたしな。別に問題ねぇよ」

 

「ああそうだったな。まぁ祝いの席だ、テキトーに食べてくれ。別に酒を飲んでもいいぜ?」

「飲酒は少なくとも報酬の話が終わってからだ。判断が鈍るしな」

アキラがどかっと腰を下ろし、シカラベからメニュー表を受け取ると、以前食べたパイと唐揚げとフライドポテト、果実ジュースをアキラは注文した。

 

 

 テーブルの上には既に酒の匂いと油まみれの空食器。 

小皿の端に刺さった焼き鳥の串が雑に積まれていた

 

 

 

アキラが案の定、酒を注文しなかったことにヤマノベが言う。

「鈍らない程度にたしなむのがハンターだぞ?」

「そもそも俺は子供だからな。飲酒を勧めるべきじゃあないと思うが?」

「ハンターなら、ガキだろうが大人だろうが関係ねぇよ。大体この前は飲んでたじゃねぇか」

追撃するかのようにシカラベがそう告げてくる。

 

「……で、報酬の話だな」

「話のそらし方が強引すぎやしないか…?まぁいい。で、確認だが、今回の報酬は経費を引いた分の報酬額で、なおかつ成果報酬型。ここまでは問題ないな?」

シカラベが念を押す。これはハンターオフィスの仲介していない、ハンター通しの依頼であるため、報酬に関して揉める事がないように改めて確認しているのだった。

 

「ああ、相違ない。」

 

「まず結論から言うが、アキラが頑張りすぎて、その成果に合った金額が即金で渡せない。」

アキラは一瞬眉をひそめたが、まだ話の続きがありそうだったためシカラベに続きを促した。

 

「それでだ、アキラに車を渡そうと考えている。もちろんほかにも選択肢はあるんだが。ちょうどドランカム内で使用した車を修理やら新車購入を予定しててな。そのうち一台をアキラへの報酬にしようと考えている。ただ、アキラへの報酬額に見合った車の購入となると上層部に怪しまれるから、アキラが乗っていた車よりは性能が高い、程度のものになる。それでは報酬額には満たないから、加えてほかの物資か、もしくは不足分の報酬額を追って渡す形になるな」

 

「まぁちょうど車が故障したばっかなんだ。渡りに船だしそれでいいよ。それで、残りは?」

「物資の希望が無いなら金で払う。遅くても再来月頭には振り込みに回す。悪いが今は帳簿がぐちゃぐちゃでな」

「構わねぇよ。払ってくれたらそれでいいし」

「……いいのか?」

「どうせ今後も長い付き合いになりそうなんだ。なんなら俺と稽古でもつけてもらえりゃチャラだ」

 

 

 その言葉に、シカラベが盛大にむせた。

「げほっ……おいおい、本気か? やめておけ死人が出るぞ」

「へぇ、誰が死ぬって?」

「俺だ」

「お前かよ!!」

 

 

 

そうアキラ達は笑いあい、それで報酬についての打ち合わせを終わらせ、こまごまとした報酬交渉や車の要望についてはまた後日決めることになった。*1

 

その後アキラは バッチリ冷えてる薄めのハイボールを注文し、シカラベ達と乾杯を済ませていた。

やがて空になったグラスの中で氷を転がしているとシカラベが、空気を変えるように笑った。

 

「そういやドランカムと揉めたらしいな。ハンターオフィスも巻き込んでたそうじゃねぇか」

「もめてなんかねぇよ。ただ賞金首討伐の報酬について詳しい打ち合わせをしただけだよ」

「ただの交渉でわざわざハンターオフィス職員を巻きこまねぇよ。狙いは何を狙ったんだ?」

 

シカラベは話せなきゃ別に話してもらわなくていいと前置きしたが、アキラはあっけらかんと告げた。

「人材」

「は?」

「レイナちゃんだよ。ドランカムの若手の。派遣契約って形でウチに来てもらうことになった。やったぜ。」*2

「……おいおいおいおい、また厄介なの拾ってきやがったな」

 

 シカラベは頭をかいた。

「わかってんのか?そいつ明らかに中位区画の血筋だぞ?スラムに連れて行けば拒否反応で発狂するかもしれねぇぞ。」

「さすがにお出迎えするんだから綺麗にするよ?というかうちの徒党は衛生管理は割としてるからな?」

「衛生管理?よくわからないが、まぁ小汚くなければいいが…」

 

 

「まぁドランカムできれいな空気吸ってたんだから、いったん薄汚れた現実も見てもらった方が中位区画のお嬢さんの社会見学にもなるだろ。それに、保護者が二人ついてくるらしいからスラムで襲われることもないだろうよ」

「……そっちが本命か?」

「まぁ、そっちも人材としては優秀そうだしな。うまく使いたいところだ」

 

 

 アキラがそう言って笑うと、シカラベはニヤリと口角を上げた。

「お前、ほんっとに悪い顔するようになったな。前は交渉が苦手だの言ってシェリルのお嬢さんに任せてたろ?何が苦手だよ、全然交渉できるじゃねぇか」

「いーや実際苦手だよ。でも苦手なまま放っておいて、自分の怠慢で死ぬのも死なせるのも御免だから頑張ってるだけだ」

「ははっ、交渉が苦手なままなら今回の報酬も楽にできたんだがな!」

「まぁ騙された方が悪いもんな!」

 

 ふたりの笑い声が、畳の上に乾いたように響く。

 しばらくして、アキラがふと呟いた。

 

「……それにしても、ほんとに車をくれるのか? やりますねぇ!」

「気に入らねぇなら別のも探してやるが?」

「大丈夫だ、問題ない」*3

 

 

 

 シカラベたちはこのまま飲み続けるらしい。あるいはここの娼婦と一夜を過ごすのか。まぁアキラは関係ないなと思い軽く笑い、立ち上がった。

「また死にかけたら連絡しろ。遺体の回収くらいはしてやる」

「やめろ、縁起でもねぇ」

「冗談だ。いい狩りを……」

 

 その一言だけが、妙に真っ直ぐに響いた。

 アキラは短く頷き、戸口へ向かう。

 

「じゃあ、また」

「おう。またな。さよなライオン」*4

 

 暖簾をくぐると、夜の街の音が一気に広がった。

 向かいの店では誰かが喧嘩していて、外では雨が降り出していた。

 傘のないアキラは肩をすくめて、街灯の下を歩き出す。

 

 

 

 

 車一台と金。

 それが今回の戦果だ。

 だが、それ以上に――少しずつ、アキラという名がこの都市で“広まっていく”そんな気がしていた。

 

 

 

アキラとシェリルはもともと自身たちの徒党を大きくするつもりはなかった。アキラとシェリルは互いが居ればそれで良く、徒党に対するこだわりも愛着ももともと持ちえなかった。

 

加えて徒党のツートップが子供であれば周囲からの厄介事なども付きまとう。

そのためアキラとシェリルは不必要に自身たちの徒党を目立たせず、二人の利益だけを考えていた。

 

そのためほかの徒党のように絶対的トップで構成されるシジマの徒党や二大スラム徒党のエゾントファミリーやハーリアスのようなトップは設定せず二人で担っていた。

さらにドランカムのような大規模ハンター徒党のように名前を売るような行動はしなかったし、なんならそのドランカムに紛らわせて子供ハンターを派遣したりしていた。何よりアキラ達は自身たちの徒(・)党(・)の(・)名(・)前(・)を(・)決(・)め(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)ことで、巷ではスラムの徒党で通せており隠ぺいするのには打ってつけだった。

 

 

 

もちろん他徒党に目をつけられては、徒党に被害が出て結果的にアキラとシェリルの旨味が減るためもあった。

 

 

いずれにしても、何等かの理由で自身たちの徒党を隠し続けてきたアキラとシェリルだったが、ここ最近のアキラの活躍や情報屋やネットでも流れる情報から自身たちの徒党を隠し続けることは困難になりつつあると察していた。

 

 

今のアキラ達の徒党では戦力も人材も足りていなかった。

アキラ達の徒党が露見し、標的にされる前に徒党の地盤を確固たるものにする必要があった。

 

 

そのためアキラはその戦力増強のために遺物売買店や軽い賭け事、子供ハンターの派遣などの商業的プランの計画を遂行し、シェリルは中位区画の人と見間違えるような美貌と頭脳で使える人材の収集を行ってきた。

 

それに加えて、この賞金首討伐の中で得た大量の武器や弾薬等で徒党の戦力増強を進めることで、アキラ達の徒党が表舞台に立てるようになりつつある。

 

 

 

アキラとシェリル以外でもカツラギやその仲間やアリシアとエリオなどの力を借りていたが、徒党の運営がさらに軌道に乗り、尚且つさらに面倒ごとが出てきそうだが、今(・)後(・)の(・)こ(・)と(・)、(・)い(・)ず(・)れ(・)来(・)る(・)戦(・)い(・)のためにアキラは準備をしていたのだった。

 

 

 

 

◆

 

 

 

ドランカム本部の事務棟は、いつも通り乾いた金属音が響いていた。

 空調の唸り、機械の軋み、そして誰かの足音。

 その無機質なリズムの中で、ひときわ冷たい声が響く。

 

「レイナさん。派遣先が決まりました。」

 

 レイナは、まるで時間が止まったかのように動きを止めた。

 向かいのデスクに座るのは、事務派閥の幹部——ミズハ。

 整えられた髪、鋭い眼差し。彼女は一枚の書類を机の上に滑らせる。

 

「……派遣、ですか?」

「ええ。新しい任務先です。都市外縁部に拠点を構える徒党です。アキラハンターの徒党といえばわかりやすいでしょう。

 正式な契約書もハンターオフィスで承認済みです。期間は更新ありの“無期限”です」

 

 

 無期限。

 その言葉が、胸の奥を突き刺す。

 レイナは唇を噛みしめた。

 

「……それは、左遷という理解でよろしいですか?」

「言葉の選び方は自由です。別にドランカムから抜けていただくといったものではないことは確かです。ただ、あなたの功績と最近のチーム内での立場を考えれば、妥当な人事かと思いますが?」

 

 

ミズハは冷たく言い切り、書類を指で軽く押す。

 サインをしろという無言の合図だった

 

 

レイナは後ろに控えるシオリに目線を送るが、シオリは何も言わず佇んでるだけだった。

 視線を戻したレイナは一瞬だけミズハを見つめ、やがてペンを取った。

 インクの滲む音が、やけに大きく響いた気がした。

 

 

 

 署名を終えた瞬間、ミズハが淡々と立ち上がる。

 「派遣は一週間後です。詳細は追って通達します。それでは」

 そう言い残して部屋を出ていった。

 

 残されたレイナは、しばらく動けなかった。

 指先が冷たく、握ったペンの感触が遠い。

 やがて立ち上がると、無言でその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

その夜、レイナの部屋には灯りだけが残っていた。

 机の上の戦闘記録、未処理の報告書、整頓された武器ケース。

 すべてが彼女の努力の証であり——それでも、誰も見ていなかった。

 

 (……頑張ってきたのに)

 (ちゃんとやってきたのに)

 (どうして、こうなるの……)

 

 視界が滲み、紙の上に小さな滴が落ちる。

 その音がやけに鮮明だった。

 

 部屋の扉が、軽くノックされた。

 静かな声が聞こえる。

 

「……レイナ様、入りますね」

 

 扉を開けたのはシオリ。

 その後ろから、カナエがミズハとの面談で署名した書類をのぞきこむ。

 

「へーアキラ少年のトコへ派遣っすか?」

「ええ……無期限ですって」

「無期限っすか?まぁよかったんじゃないっすか?もともとドランカムでお嬢の立場なかったじゃないすか」

 

 

 カナエは肩をすくめ、空気を読まない軽口を放つ。

 だがそれが、かえって優しかった。

 シオリがレイナの前に座り、そっとティッシュを差し出す。

 

 「レイナ様、私たちはあなたに付いていきます。…なので一人ではないはずです。」

 その言葉で、涙が一気にあふれた。

 

 しばらくの間、誰も何も言わなかった。

 ただ、レイナの嗚咽だけが静かに響いていた。

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

――数日前。

 その派遣命令が正式に通る前のこと。

 

 シオリは、都市の外縁にあるハンターオフィスの応接室で、ひとりの少年と向き合っていた。

 

「……つまり、お嬢さまを引き取る、と」

「ああ。形式上は派遣だ。お互いに面子は保てるだろ」

 

 アキラの態度は軽いが、声には確信があった。

 

「レイナはよくも悪くも良いやつだ。これからの成長にも期待できるし、素行や言動はヤラタサソリの件以降改善しているんだろ?」

「えらくお嬢さまのことにお詳しいですね?」

 

「まーね。だからレイナがドランカムで浮いているのも知ってるし、今は手を出されてないけどそのうち嫌がらせとかそういうのが出てもおかしくないだろ?もしくはレイナの背(・)後(・)関(・)係(・)からその利益のために派閥争いに組み込まれる危険性だってある。」

 

 

 

アキラがレイナのバックボーンに触れかけた途端、警戒心をかなり引き上げた。

レイナの背後関係を狙って自身の手元に置いておこうとするのは、アキラがいまやっていることと同義だ。現にアキラはレイナを何らかの理由で利用しようとしていると明言したのではないかと更に警戒心を上げた。

 

「……わかっています。ところでアキラ様も、お嬢様を利用するつもりでしょうか?」

 

だからシオリは踏み込んだ。ここで曖昧な回答や立ち位置にしてしまえば、将来的にレイナが不利益を被ってしまうと確信したからだ。

 

シオリは今、レイナの従者として、また保護者としてアキラと対面する覚悟を決めた。

 

 

「ないと言えば嘘になる」

その言葉を発した瞬間、シオリは自身の持てる限りの力でアキラに詰め寄った。

アキラを拘束しようと振るった手は、たやすくアキラの胸倉をつかんだ。

 

 

そう掴んでしまったのだ。

シオリは意外に思った、シオリの知りえるアキラの戦闘力だと、今のシオリの手を弾くことや、運が良ければシオリを拘束し返す事も可能だと考えていたからだ。

 

 

「俺の言葉選びがうまくないことは認めるが、淑女として人の話を最後まで聞くべきだと思いますよ?」

アキラは自身が胸倉をつかまれている状況にもかかわらず、笑顔で返した。

 

「だいたいレイナを引き取るなんて目的があるに決まってるじゃないですか。それをわざわざシオリさんにお伝えするためにこの場を用意したんですよ?別に本来は教える必要はなかった、教えない方が俺たちの利益につながるからだ。」

 

アキラは言葉を区切る。

「だが教えたのはそれが人としての礼儀だからだ。礼を、筋を通すことは、スラムであろうが、東企連だろうが、中位区画の人間だろうが誰でも関係ない。人として、それは破っちゃならないルールだと俺は思う」

 

 

『当然私との契約も、ちゃんと守ってくれるのよね?』

その言葉はアキラの横のアルファにも言っていた。

契約なのだから、契約中は決してアルファを裏切らず、そしてアルファの契約は筋を通すという宣言でもあった。

『当たり前だ。そういう契約なんだから、約束を守れない人間なんか、道理のわからない獣と同じだ、俺はそうなりたくないからな』

 

アルファは安心した。まだこの契約者と良好な関係ができそうだと。

前回の契約者のようにならないだろうと、そう予測した。

 

最も、最近はその予測が外れがちであることにアルファは目をそらしてもいた。

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 シオリは、掴んでいたアキラの胸倉から、ゆっくりと手を離した。

 指先が震えていた。怒りではない。自分が一線を越えてしまったという自覚のせいだった。

 

「……申し訳ありません。取り乱しました」

 

 アキラは軽く肩をすくめた。

「まあ、しょうがないですよ。誰かを守ってる人間がそう簡単に信用できたら、そっちの方が不安だ」

 

 その言葉に、シオリはわずかに目を見張った。

 その声音には、偽りがなかった。

 警戒や怒りをあえて煽らず、淡々とした現実の受け止め方。

 それが逆に、誠実さを感じさせた。

 

 深く息を吐いたあと、シオリは姿勢を正した。

「……先ほどの無礼、改めてお詫びいたします。

 お嬢様の安全を思うあまり、度が過ぎました」

「気にしてませんよ。あの距離まで詰められたのは俺の油断ですし」

「……本当に、そうおっしゃるんですか?」

「本当ですよ。これでも反省はしてる。いまの俺じゃ、あんたみたいなのに反応が遅れることもあるらしい」

 

 軽口のように言いながらも、その目は笑っていなかった。

 きちんと向き合う姿勢がそこにはあった。

シオリはアキラの戦闘能力からして反応するのは容易だと考えたが、(そういう事にしておきましょうか)と思考を打ち切った。

 

 

 アキラは近くのテーブルに戻り、二人分の椅子を指で示す。

「座りましょう。ここからが本題です」

「……ええ」

 

 

 

 二人が再び腰を下ろすと、アキラは端末を取り出した。

 画面には契約書面と、派遣条件が箇条書きで表示されている。

 

「今回の派遣についてですが、あくまで“形式上”はドランカム所属のまま。

 俺たちの徒党で活動してもらうが、危険時の撤退権は本人と護衛に委ねます。

 これは口約束じゃなく、書面にも明記済みです」

 

 シオリが端末を受け取り、確認する。

 内容は正確で、隙がなかった。

 むしろ、過剰なほどレイナ側に有利な条項すらある。

 

 

「報酬の分配については、徒党全体の取り決めに従っていただきます。

 ただし戦闘貢献度や任務成果で調整する形です。

 まあ、働いた分はきっちり渡すってことです」

 

 

 シオリは読みながら、ほんの少し微笑んだ。

 そこに搾取や下心の匂いはなかった。

 むしろ、彼が自分たちを“対等な関係”として扱っていることに、意外な安堵を覚えた。

 

 

 アキラは続ける。

「俺が欲しいのは、レイナの“戦力”でも“コネ”でもない。

 ちゃんと現場で戦って、判断できる人間が欲しい。

 ……あんたらもそうだ。俺の徒党じゃ貴重な“大人”だからな」

 

 静かな口調。

 その中に、冗談半分の本音が混ざっている。

 

 シオリは端末を閉じ、しばし沈黙した。

 そして深く頭を下げた。

 

「……わかりました。先ほどの無礼、そして早合点、重ねてお詫びします。

 あなたが筋を通してくださったこと、確かに理解しました。

 ……今後とも、よろしくお願いいたします」

 

 アキラは軽く笑って肩をすくめた。

「こちらこそ。ただうちはスラムなんで、最初は居心地悪いでしょうけど」

「その辺りは、私がなんとかします」

「助かります」

 

 二人の会話が終わると、部屋の空気がようやく落ち着いた。

 ハンターオフィスの窓から差し込む光が、机の上を斜めに照らす。

 

 

 

 

 その光の中で、アキラは静かに腕を組んだ。

 ——ひとつ、筋を通した。

 それだけで、今日の目的は達成だった。

 

 

 

 

*1:
なおこの世界にラブーンはいない模様

*2:
アキラはホモでも糞遊びもしない。なお屋上はあるが †悔い改めて†どうぞ

*3:
神は言っている、ここで車をもらう運命だと――

*4:
ACジャ〇ンはアキラの活動を応援しています




読了感謝です。
鼻づまりして息が苦しいです。これが…恋?(錯乱)

さて次回はレイナが徒党に来てあれそれの内容と、各キャラの今回の考えとかを乗せようと思いますが、ぶちゃけ変わる可能性もありますしご容赦を

そしてみなさんもインフルやコロナにお気を付けください。

余談
淫夢は見たことないですし、見る気もないです。ネタとしてニコニコとかで淫夢要素の動画とかセリフは許容できるんですが、ホモビを見る気にはなれませんね。

下北沢に観光いったときも、わざわざ聖地に行って こ↑こ↓なんてしなかったですし…
せいぜいぼざろの聖地巡りしかしてないですね。
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