Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

64 / 95
閲覧感謝です。
投稿遅れて申し訳ないです。書きたいの詰込んで、カナエとの模擬戦を合わせたら1万字超えそうなので分割します。
ちなみに遅れた理由はモンハンワイルズ復帰したらやめられなかったからです。それとFGOで冠位戴冠戦が始まったことと、ウマ娘の新シナリオ育成もあります。
あとは単純にいままで仕事の合間に書いてたんですけど、仕事が忙しく勤務中の執筆が全くできてないからです。


そして相変わらずジョジョ身が強い文章になりましたが、申し訳ないです。お詫びに鱗滝が腹を切って詫びます。

改めて、お気に入り登録、感想、誤字報告、評価付与感謝です。


レイナ様は強くなりたい。

 

 

 ――派遣から、一週間。

 

 レイナは、徒党拠点の訓練場にいた。今は徒党の子供たちと一緒に持久力テストをしているアキラたちを見ていた。

 

 

 

アキラが提案した持久力テストのうちの一つは、前世で走ったシャトルランだった。

スラムの子供たちからすると新鮮なドレミファの音色が聞こえ、楽しく走っていたが、回数を重ねるが毎にその音色のペースが速まりさらに体力が減っていく。

 

 

アキラはその訓練で、他の子と同様に強化服を着用せずに参加していた。

 

「どうした!そんなものか!そんなんじゃ、死ぬぞ!」

 

「 ア アラララァ ア アァ おーっと、そこの少年、立ち上がれよ、情熱?その程度か、性根?また戻るか、底辺?」

 

内なるsoul'd outが浮上しはじめたので、それを押し殺したアキラだったが、体力的にも厳しいものがある。

息を絶え絶えにしながらそれでもアキラは叫び、発破をかける。

 

「ノルマ達成、できなきゃ、ここから追い出すぞ!また外に、逆戻りだ!それでいいのか!」

 

 

お前たちの代わりなんていくらでもいる。付いてこれないなら、徒党から追い出されスラムの危険な路上生活へ逆戻りだ。と、必死にシャトルランで走らされている少年たちは脅されていた。

 

 

いま走っているのは、徒党の戦闘要員たちへの訓練だった。その中でもアキラは一緒に走り、エリオも走る。

この徒党は弱肉強食だと体現するアキラの行動に、生き延びたい徒党の子供は縋りつくように走り続ける。

 

 

そのうち一人が限界になったのか速度を落とし始める。

それを見たレイナは指摘する。

「そこ!まだ走りなさい!腕も振って!さあ早く!」

「は、はいっ!」

 

 

 自分でも、声がきついのはわかっていた。

 けれど抑えられなかった。

 “必死さ”が、どこか痛々しい形で出てしまう。

 

 

 

 子どもたちはレイナを恐れてはいない。

 ただ、“どう接していいかわからない”のだ。

 

 

 

 訓練が終わると、子どもたちは礼をして散っていった。

 「お疲れ様でした!」と元気な声が響くが、

 その足音は次第に遠ざかり、拠点の中に沈んでいく。

 

 

 ひとり残されたレイナは、長く息を吐いた。

 

 

 

(……私、なにやってるんだろう。あのアキラも訓練しているのに、私は今のままで本当にいいの?強くなれるの?)

 

 

 ドランカムの頃は、戦場に立つことだけが全てだった。

 けれど今は――教える立場にある。

 誰かに必要とされているのに、どうしようもなく虚しい。

 

 (私みたいなのが、だれかを教える側でいいの?)

 

 

 

 

 

 

 

 仲間たちは笑い、食堂ではいつも賑やかだ。

 けれど、そこに自分の居場所はない。居場所がないのはドランカムと同じだった。

いや、ドランカムよりは大分マシだ、だれにも敵視されないし、期待だってされてるし、アキラもシェリルも気にかけてくれる。

 

 

でもどこか孤独なのだ。

 

 

 彼らは生きることに必死で、でも不思議と前を向いていた。

 

 

 

 今のレイナにとっては、アキラもシェリルも。

 彼らの“底抜けの現実主義”が、羨ましくて、怖かった。

 

 

 

 ——私は、あんな風に強くなれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜。

 拠点の会議室で、アキラとシェリルが資料を見ながら話していた。

 

「……そろそろ、レイナの様子見に行こうか」

 アキラが端末を閉じる。

 シェリルが軽く頷いた。

「そうですね。レイナさんが来て一週間ですし、面談という形でもいいかもしれないですね」

「そう思うといいタイミングだな。ただ俺は人の機微に疎い気がするんだよなぁ、どっかでふざけそうだし」

「それでもアキラが話すのが一番いいと思う。……“似た者同士”でしょ?」

「メンタルケアまでは仕事じゃないと思うけど…それ、褒めてんのか?」

「どうかしら?」

 

 軽口を交わしながら、二人は廊下を歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 レイナに与えられた私室で、もうすぐ夜になりそうなのにも関わらず、壁内に帰らず、照明だけがぼんやりと床を照らしていた。

 その部屋内の椅子に、レイナは座り込んでいた。

 

シオリはすでに帰宅を促すが、レイナは心ここにあらずといったようにその場から動かない。

どうしたものかと頭を抱えるシオリが、廊下の方から二人の気配を感じた。

 

やがて部屋がノックされ、「アキラだ、いまいいか?」と声がかかり、レイナが反射的に「どうぞ」と声を返した。

 

 

 入室してきたアキラとシェリルに向け、レイナは顔を上げる。

「……お疲れ様です」

 声はかすれていた。

 

 

 

 アキラは近くの床に腰を下ろす。

 少し間を置いて、ゆっくりと話し始めた。

 

「どうだ? ここでの生活は」

「……問題ありません」

「それ、その雰囲気で言うセリフじゃないよな」

 

 

 沈黙。

 レイナの視線が揺れた。

 その隣で、シェリルは何も言わず、壁にもたれたまま腕を前で組んで見守っている。

 

 

 アキラは静かに続けた。

「子どもたちはどうだ? 慣れたか?」

「……いい子たちです」

「そうか。それで本心は違うんだろ?」

「……え?」

 

 レイナが言葉を詰まらせた。

 アキラは淡々とした声で言う。

「“いい子たち”って言葉は、距離を置いてる時に出る言葉だ。都合のいい子とも言えるだろう。同じ場所に立ってたら、そんな風には言わない」

 

アキラが一拍置く。

「俺はレイナがどんな境遇なんかなんて知らない。だから、俺はレイナの気持ちも分からないんだ。だから、もし、許してくれるなら、お前の気持ちを聞かせてくれよ…ここにはお前の敵はいないんだ」

 

 

 レイナの肩がわずかに揺れた。

 

 

「私は……」

 唇が震える。

 

 

 そのまま俯き、押し殺すように続けた。

 

「私は、私の意思で、強くなりたいと思って、カツヤのチームから抜けた。その選択について後悔はしてない。でも、カツヤのチームから抜けたら、居場所も何もかも無くなって。

手にあるのはこの孤独感と無力感…だけだった。

 居場所がなくなったから、捨てられたから……。

 それでも頑張ろうと思ったのに、何もできてない。

 みんな笑ってるのに、私だけ……何をしても空っぽで……!」

 

 

 

 言葉が崩れ、嗚咽がこぼれた。

 アキラは黙って聞いていた。

 シェリルも動かない。

 

 

 

 ただ、アキラの表情だけが少し変わった。

 ——かつての自分を見ているようで。

 

 

 

無力感に苛まれ、自身がどれほど頑張ろうと空まわるだけで成果も生まず。ただのうのうと生きている。夢のない、思いのない、ただの動く屍と成りはて、社会の歯車として意味のない人生を生きていたかつての自身を見ているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキラは前世の人生を後悔している。そして前世の自分を嫌い、愛する事などできなかった。

 

だから、もう一度、手にしたこの人生は。「ああ、いい人生だった」とハッピーエンドで迎えたかった。

 

かつての嫌いな自分を、レイナを通して見ているようで嫌になる。

だから、前世の自分に出来なかった、再起を、やり直しを、レイナに与える事にしたのだ。

 

 

かつての自分を否定するために(今の人生を肯定するために)

 

 

 

 しばらくして、アキラが静かに口を開いた。

「失ったものばかり数えるな。今お前には何が残ってる?」

 

 

 

「……レイナ。お前、強くなりたいんだろ?何もかも失って、それでも成し遂げたいナニカがあるんだろ?お前は、それに背を向ける愚者(バカ)なのか?夢を、願いを簡単に捨てれる弱者(ザコ)であり続けるのか?」

 

 

 

 

 

違うだろ。お前はレイナ()なんだから

 

 

 

 

 

「私には、シオリ達…強くなりたいって、思いが、熱が、誇りが残ってる!」

 

 

 

強くなりたいと、蔑まれ絶望の淵に立ったレイナはまた立ち上がり進み始めた。

 

 

 

 

レイナたちの後ろでレイナの成長に涙ぐむシオリと、面白くなりそうだとウキウキしているカナエの姿があった。

 

 

 

「ねぇ、アキラ。どうやったらアキラみたいに強くなれる?」

 

レイナは真剣な目でアキラにそう尋ねた。

 

たきつけたアキラが今回ばかりはふざける場合でないと空気を読み、いくつかある回答の中から一番しっくりくるのを選んだ。

 

「自分の原動力になる絶対的な根幹の、()()があるかないかだと思う」

 

 

レイナはアキラに強くなる手段を聞いたつもりだったが、いつものアキラと違いふざけている様子ではないことを理解し、そのまま聞き続けることにした。

「強くなる手段はいくらでもある。強い武器を買う、鍛える、身体拡張をする、加速剤を使うとか文字通りいくらでもあるんだ」

 

 

 

「だからいくらでもある()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと思う。それがないと人は迷ってしまうからだ」

 

「目的…」

レイナは考える。

 

 

 

 

 

「ああそうだ。目的のない人間は死人と同じだ」

 

レイナには強くなりたいという思いはあった。だが、それに固執したことや追い詰められた事によりなぜ強くなりたいのかという目的が見えていなかった。

 

 

 

「俺たちは死人じゃない。今を生きているんだ。生きるという事はきっと目的を作る事で…目的が細胞に勇気を与えてくれるのは間違いない。そのちっぽけな勇気で人は歩み、生きることができるんだ」

 

「『強くなる』、『目的を達成する』。『両方』やらなくっちゃあならないってのが『ハンター』のつらいところだな。レイナ、覚悟はいいか?オレはできてる」

 

 

 

レイナには『覚悟』が足りなかったのだ。

 

 

自身にとって譲れないもの、自身がハンターになってまでも成し遂げたい目的があった。それを叶えるために自身はシオリを連れて、ハンターとなったのだ。

それなのに、いつもシオリやカナエに迷惑をかけてばかりだった。

 

 

(ああそうね。私は、現状に甘えていて、ずっと中途半端だったんだわ)

レイナは笑い、そして今、()()()()()()

 

 

 

レイナは後ろにいるシオリとカナエに向き合い、頭を下げた。

「シオリ、カナエ。いままでごめんなさい、ずっと中途半端で、そんな私についてきてありがとうね」

 

 

「だから、これは私のわがまま。いままで迷惑をかけ続けてきた私が、これからも迷惑をかけさせてほしいというわがままよ」

 

 

レイナはその瞳に黄金の魂を込め、覚悟を示す。

 

「私は強くなりたい。だから、手伝いなさい」

 

人の上に立つレイナが、自身に付き従う二人に命令をした。

 

 

「かしこまりましたお嬢様。このシオリ、粉骨砕身しお嬢様を強くするため僭越ながら教育をさせていただきます。よろしいですね?」

 

レイナは強い口調で返した。

 

「覚悟の準備は済んでるわ。これからみっちりお願いね。『目的』のためだもの、『手段』を間違えないいし、もう迷いはないわ。

いま私が持てる最高の装備を用意して、それと私をみっちり鍛えなさい。わかったわね」

 

 

 

 

「「かしこまりました」」

シオリとカナエが同時にこうべを垂れる。

 

カナエがこのシチュエーションで頭を下げて命令を聞くことを意外に思うレイナだったが、まぁカナエにも思惑か何かがあるのだろうと思考を放棄した。

 

 

改めて、レイナがアキラに向きなおし、頭を下げた。

「アキラ、なんども助けてくれてありがとう。これからもよろしくね」

 

レイナのその表情には覚悟と、そしてこれからへの期待と、アキラへの関心や信頼を()()()()()()()()()()があった。

 

 

「どういたしまして。まぁぶっちゃけ俺にも責任はあるし、手伝えることは手伝うよ」

 

 

アキラも笑顔でそう返す。

 

シェリルもその後ろで微笑みを絶やさないが、内心では焦りが芽生えていた。

 

 

 

(さすがにレイナがアキラに惚れて…とかないわよね?でもアキラだし…カツヤ程ではないけど人たらしというかその気にさせるのが上手いから…さすがにほんとにないわよね?)

 

シェリルは、今の状況で浮足立ち感情が膨れ上がっているレイナだから、偶然にもそう見えたのだと判断することにした。もし、そうなれば、その時はその時だと。

 

 

 

 

同時にアキラの後ろにいるアルファも笑顔を浮かべながら思考と演算を続けていた。

 

(正直ここまでアキラが他人に影響を与えるなんて思ってなかったわ。いえ、アキラの性格的に誰かに自身の内心や思いを伝えることを好んでいそうだし、それによって誰かを感化させることも好きそうなのよね。実際、この徒党でもアキラは徒党の子たちに発破をかけたり半分無意識に他者の精神を誘導させるケースもあったわね)

 

 

アルファは今迄のアキラの言動や性格などからそう推察をしていた。

 

(アキラの旧領域接続能力から、他者の眷属化や帰属化が可能だとは思ってなかったけど、素質が覚醒した?もしくはカツヤという試行体による影響を受けた?もしくは帰属化より程度の低い同調化?どちらにせよ、アキラが他者への影響を与えているのは確かね。)

 

 

 

結果として、今の状況でアルファへの危害はなさそうなこと。そしてアルファの『目的』に支障は少ないだろうと判断し、演算を終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し空気が弛緩したことを悟ったカナエが言葉を発した。

「お嬢の訓練は今後やるとして、アキラ少年も訓練に参加するっすか?」

 

その以外な誘いにカナエ以外の人物が一同に反応する。

 

「で、アキラ少年の実力も気になるんで、一回模擬戦でもしないっすか?」

 

カナエは何も裏がないかのように、気軽にアキラへ闘おうと声をかけたのであった。

 

 




シェリル(さすがにアキラに惚れてないよね?)
アルファ(さすがにアキラが反意考えてないよね?)
シオリ(さすがにアキラ様へ惚れてないですよね?)
アキラ(さすがに立ち上がってくれるよな?)
カナエ(あーアキラと戦いたいっす。)

読了感謝です。
ジョジョのプッチ神父とフー・ファイターズ / F・Fの台詞のパロばっかでしたね
「思い出のない人間は死人と同じだ」とか「生きるという事はきっと「思い出」を作る事なのだ…それが知性なんだ。」とかですね。
てか真剣にモチベを上げる際にジョジョネタを使うのが、やめられないぃぃいいいいいいいい!!





あとはご都合展開のレイナですが個人的にも、負けても立ち上がるジャンプ系キャラが好きなんで魔改造決定しました。

 
もともとレイナやトガミは、自身が強いと思っていて、そこにアキラというイレギュラーをぶつけられた結果、プライドをへし曲げられた被害者だと思うんですよね。

でそのプライドが原作でも間接的にもアキラによって立て直され、バナージくんみたいに「それでも!!」の精神から強化されたニュータイプ(誤訳)だと思います。

くっそマッチポンプですが、強くなる覚悟や強くなったトガミとレイナに対して、周りの大人たちが嬉しそうで結果オーライになったから余計に質が悪いんですよね。

 
原作でもアキラはトガミとレイナを脳焼きしてるし、二次創作でも焼いていいだろうと思いこうなりました。なお既にカツヤ達の脳も焼いてる模様。

一方で脳焼きすぎて、そのまま消し炭になり死んでいく人というか、マジもんの被害者のほうが多いと思います。シジマの兄貴とかシェリルとかヒカルとか可哀そうなの。なぁぜなぁぜ。

まぁどうせ今後に脳焼きされて覚醒レイナになるなら、脳焼きを前倒しして成長を促してもいいかと思いこうなりました。

なお、脳焼きされたレイナが今後アキラにどのような感情を抱くのか…(設定が決まってないだけ)





加えて裏設定もとい余談
根本的なアキラの考えは、自身の前世の否定です。ただアキラは自身の前世の後悔、恨み辛みがあります。

自身への人生、人間としての否定を前世からずっとしていたので。

基本的には否定的な人間であり、その否定を自分から見た他者へも否定するという悪癖がある感じです。

そんな自分如きの劣等種でもできたのだから、オマエら常人でも成長できるだろ?という感じになってます

なのでアキラは基本的に他者を褒めることより、否定するほうが得意であり、その内面性は戦闘時の罵詈雑言から描写できてます。


ええ、アキラはすでに、壊れてます。生まれながらにして欠陥してます


そしてアキラの今世の言動の多くは自身が望む理想像そののもの模倣です。
己が望む理想像と幻想をトレースしてる事が多いです。ただ今の人生の中で過酷な環境で生きるにあたりそういった拗らせはだいぶ少なくなってきてます。
とはいえ過去の自分をレイナを通してみてしまうなどの悪癖は続いていますが、前世と違いシェリルからの愛を受けてるのでだいぶマシになってます。
なので今作のアキラがシェリルを失うとそのまま自分と世界を否定し、ぶっ壊そうとする。

というプロットでした。余談ですね。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。