Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。
サブタイに銃とありますが、銃の新調はしませんのであしからず(サブタイ詐欺)
あと久しぶりに5000字以下の分量です。

気づけば11月も終わりそうで、1年の速さを感じます。小学校から高校までは長かったのに社会人になるとこんなに早いもんなんですね。
そして同級生が続々と結婚するなか僕には相手もおらず…ハハワロス

まぁ恋人作る気もくそもないし、子供も欲しいわけじゃないからな!!(得意技の負け犬の遠吠え)わおーん


改めて、感想、評価、お気に入り登録、誤字報告や修正感謝感謝です。


バカ(カナエ)とアキラと召喚銃

 

 

 

 

 アキラがシェリルに“指輪”を渡したのは、ほんの数週間前のことだ。

この世界に婚約や結婚という制度はない。指輪を交換しても、それは法的にも制度的にも何の意味も持たない。

ただ、アキラがそれを差し出し、シェリルが受け取ったという事実だけが、二人の間に静かで確固たる変化をもたらしていた。

 

 

 

 周りの子供たちも、徒党の面々も、特別騒ぐようなことはしない。

そもそも「婚約」という概念自体が存在しない。彼らにとってそれは、ただ「あの二人は以前よりさらに仲が良くなった」程度の認識だった。

 

 

 

 しかし当人たちの間では違った。アキラは以前よりもわずかに慎重に、自然とシェリルを守るように意識が傾き、シェリルの視線や行動には、安堵や幸福を含んだほんの少しの余裕が増えた。言葉にしなくても、互いの距離が深まったのは明らかだった。

 

 

 

 

 

 そんな穏やかな空気の裏で、徒党内では軽く収拾に困る騒動が起こっていた。

 

 

 

 

 

 カナエの“強引な行為”が発覚したのだ。最初にそれを知ったシオリは、徒党の誰も見たことのないほど真剣に叱りつけた。レイナに至っては、内容を聞いた瞬間、顔が真っ青になり、気が抜けたようにその場で倒れてしまったほどだ。というかレイナに至っては文字通り泡を吹いて倒れそうだった。

 

 

レイナ(ブクブクブクブク)

いや、泡を吹いていた。

 

「レイナお嬢様アアアアアァアアァアアァァァァ!!??」

そしてさらに狼狽するシオリが発生し、アキラとシェリルがそれを収める形となっていった。

 

 

 

 

 

 

 数十分後、ようやく落ち着いたレイナとシオリがアキラの前に並び、揃って深く頭を下げた。

 

「アキラ様、この度は……本当に申し訳ありませんでした」

 

 二人とも声が震えていた。アキラの反応次第では徒党の今後に響くという危機感があったのだろう。

 

 だが当のカナエだけは、相変わらずの調子で現れた。

 

「いやー、アキラ少年! 本当に悪かったっす! ちゃんと反省してるっすよ!」

 

 その場で拘束され、首には『私はアキラを襲った愚か者です』と書かれたプラカードを下げ、正座をされているカナエがいた。

 

 

 

 

拘束された際に、シオリから「言い残すことはありますか?」と尋ねられた際、すがすがしい顔で「悪くなかったっす」と決め顔をしたカナエはさらにシオリを怒らせることになった。

 

 さらにシオリから折檻を受けることになり、床に顔を押し付けられ頭を下げた際も「前が見えねぇっす」と軽口を言ったためさらにシオリはヒートアップした。

 

 結局、いつも通りケロッとしており、反省の色はほぼ見えない。シオリとレイナが横で「あなたは黙ってなさい(てください)!」と怒鳴ったほどだ。

 

 

 

アキラも事を大きくするつもりはなく、なんやかんやでアキラもカナエと楽しめたので強く言えなかった。

ただその代わりにシェリルがレイナ達と再度話し合いの場を設けるらしいが、アキラとカナエの当事者を抜いた保護者同士で話し合うそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注文していた強化服の最終調整が終わり、受け取りに行く日が来た。

 

 アキラひとりで行かせるのは危険だ――というか、カナエと二人きりで行かせるとまた何をされるかわからない。

その判断から、レイナ、シオリ、そしてシェリルが当然のように同行した。

 

「……別に、そんなに気を張らなくてもいいと思うが…」

 

「いえ、張ります。絶対です」

とシェリル。

 

「当然です。私たちが守らないと不安で仕方ありません」

とシオリ。

 

「……監視です」

とレイナ。

 

 三者三様だったが、共通しているのは“アキラを一人でカナエに近づけない”という強い意志だった。

 

 

 

***

 

 店舗に入ると、奥の作業室からカナエが手を振りながら飛び出してきた。

 

「アキラ少年! 来たっすね!! 完成してるっすよー!ってお嬢様もシオリねぇさんもシェリルさんもお連れっすか、ハーレムっすねー」

 

 テンションは高い。

高いが、アキラの後ろに並ぶ女性陣の殺気を帯びた視線に気づくと、

カナエはピタリと動きを止めた。

 

「……あ、あれ? なんか空気重いっす?」

 

「気のせいだと思うなら一生そのままでいればいいわ」

レイナが低い声で返す。

 

 カナエはビクッと肩を揺らして笑った。

 

「い、いやいやいや! 今日はほんとに! ちゃんと納品だけっすよ! やましいことなんて考えてないっすよ!」

 

 その言葉にシオリがキッと睨み、

シェリルは無言でアキラの袖を掴み、まるで「絶対離さない」と言いたげだ。

 

 アキラはため息をつくしかなかった。

 

 

 

***

 

 案内されたスペースには黒とダークグレーを基調とした戦闘用スーツが整然と並べられ、中央の台には《スタータウン》が鎮座していた。

 正式名称──《非燕尾服式総合強化服スタータウン》

 

 軽装寄りのフォルムなのに、内部フレームは高密度で、必要な箇所には限定式力場装甲が走っている。

 アキラの希望通り“過度に高級品には見えないが、性能は本物”という絶妙なバランスだった。

 

「……おお、これが」

 

「こちらがご注文いただいた強化服となります。

 そして……こちらのアウター型防護服ですが――」

 

 店員が一枚の高級アウターを持ち上げる。

 

「……“あちらのお客様からです”」

 

 店員はカナエの方を見て微笑んだ。

 

 全員がゆっくりとカナエに視線を向けた。

 

 カナエだけが、満面の笑みでサムズアップ。

 

「アキラ少年っ! お詫びの追加っす! サービスっす!!たったの500万オーラムっすけど、許してほしいっす!」

 

「お詫びで500万オーラムの防護服を普通買うかしら?」

レイナが低音でツッコむ。

 

「いやまて、その……お気持ちはありがたいですが、やりすぎです」

 アキラは複雑な気持ちで答えた。

 

 

***

 

 

 スタータウンを受け取ったアキラは、

防護服一式を収納ケースにまとめ、店の外に出る。

 

 レイナはため息をつき、

シオリは肩を揉みながら「精神疲労がすごいです」と呟き、

シェリルはアキラの手をそっと握って離さなかった。

 

「……なんか変に気疲れした」

 

「当然です。あの人、危ないですから」

とレイナ。

 

「次からも絶対に一緒に行きますからね」

とシオリ。

 

「アキラが襲われたら困るので……」

とシェリル。

 

「……カナエさんって、そんな信用ない?」

 

「当然です」

三人が同時に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 スタータウンは、性能も操作性も基礎段階から完成度が高かった。とはいえ性能を完全に引き出すには慣れが必要で、同じタイミングで強化服を新調したアキラとレイナは数日かけて訓練を行った。アルファの支援があるとはいえ、強化服は身体の延長のように扱えなければ意味がない。

 

 

 レイナはどこかぎこちない様子でサポートに入っていた。カナエの件で距離の取り方を迷っているのが見て取れたが、アキラはそこに気づくことなく、普段通りにトレーニングを進めていた。

 

***

 

 徒党運営も進展していた。

 

 小規模な賭博店や遺物売買店は「細々と続ける」方針で確定し、シェリルとアリシアが書類整理や実務を調整して安定した運営を確立しつつあった。アキラはそのへんの話にはほぼ関与しない。

 

「正直商才にはマジで自信ないから頼むわ。」

 

 と一言言って、あとは自分の仕事へ戻ってしまう。それでも徒党が機能するのは、シェリルとアリシアの統率力のおかげだった。

 

***

 

 ある日、サラとエレナに誘われてアキラは街で食事をした。

 

 当日、待ち合わせ場所に現れた二人は、普段の強化服姿とは違い、軽く着飾っていた。シンプルなアクセサリー、整えられた髪、落ち着いた色合いの服。普段とのギャップにアキラは思わず固まった。

 

「……なんでそんなおしゃれしてきてるんです?」

 

「えっ? 三人で食事だから……?」

 

「そうそう、せっかく街に出るんだし、ね?」

 

 アキラは場の空気がよく分からないまま、「ああ、そうなんですね」とだけ返し、普通に食べて帰ることになった。

 

***

 

 その日の夜。

拠点へ戻ったアキラを、シェリルが静かに迎えた。

 

「……あれですね」

 

 声は穏やかだが、妙に近い距離で腕を掴まれる。

 

「たしかに私は“誰か他の女性と出かける時は伝えて”とは言いましたけど……」

 

「う、うん」

 

「でも、いざ聞くと……これはこれで嫉妬しますね」

 

 怒ってはいない。

怒ってはいないが、どこか拗ねている。

腕を掴む手がほんの少し強い。

 

「悪かった。なるべく気を付けるよいろいろと」

 

「……はい。分かればいいです」

 

 満足したようにシェリルは寄り添い、アキラの肩に軽く頭を預けた。

 

 

 

***

 

 

 

 一方でアキラは、ミハゾノ街遺跡への準備も進めていた。

情報屋から買った地図データは粗く、欠落も多少あった。しかしアルファがそれを解析・補完した結果、内部構造から地下連絡路、危険度の高いポイントまで、現実離れした精度の“完全に近いマップ”が完成することとなる。

 

 それを見たアキラは驚きながら呟いた。

 

「作り込みすぎじゃね?」

 

『結局データをつぎはぎしただけだから、実際に行っていないと本当のデータは作れないから、あくまで仮のマップだから真に受けないでね』

 

 アルファは淡々としていた。

 

「これで仮案か…こっわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてこの時期、アキラはアルファに契約の見直しを申し出た。

 

『今後はもっと確実に、安全性を確保してハンター業をしないといけない。……シェリルのこともあるし』

 

『…そうね』

 

『でも優先度は結局変わってない。“生き残る”が一番で。その次がシェリルで……三番目がアルファの依頼だ』

 

『だから確実性を上げるため、アルファとの契約を更新したい』

 

 

アキラが自身の利益のためにアルファを信じることにしたこと(それでもアキラは疑っている)

 

アルファがシェリルより下とはいえ、アキラの最重要優先度の目的にすると明言し、なおかつそれを意識した働きや依頼、助言を今まで以上に聞くことも宣言した。

 

 その契約更新に伴い、スタータウンの操作権限や銃器制御の制限が緩和され、アキラは以前よりアルファのサポートを受けれるようになり、自由に戦えるようになった。

 

(さて、文字通り悪魔との契約だ。飲み込まれないように、警戒はより強固にすべきだろう…)

 

 

 

 アルファとの距離が縮まったようで、まだどこか遠い。そんな曖昧な関係のまま時間は過ぎていく。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 数週間の変化はすべて整った。

強化服も、装備も、周囲との関係も、遺跡の準備も。

 

 朝、アキラはスタータウンの固定具を締め、アウター防護服を肩にかける。装備の感触を確かめ、荷物をまとめ、深呼吸した。

 

 そしてシェリルに一言だけ告げる。

 

「……行ってくる」

 

「はい。気をつけてください」

 

 シェリルはそれ以上何も言わず、ただアキラの背を見送った。

 

 準備を終えたアキラは、

ミハゾノ街遺跡へ向けて仕事に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 




ボツシーン
カナエ「かわいいだけじゃ、ダメっすか?」
アキラ「ダメです(無慈悲)」
そんなキューティーなストリートで言われても困る

読了感謝です。
テンポがおっそいんで、軽くダイジェスト風にささっと描写しました。機会があれば詳しい描写もするかも?
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