Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です、次話編集終わったので投稿します。投稿終わったら明日も仕事なので寝ます。最終出勤日なのにまだ転職先見つかんないけど寝ます()


Re:スラムから始める徒党生活

夜が明ける頃には、残党の足音すらもう聞こえなかった。そしてそのシベアが率いていた徒党は、後ろ盾のボスの死亡により崩壊した。

 

 

 

 

 

 

──??? 視点

 

夜明け前のスラムは、いつにも増して冷えていた。

 

金髪の美少女シェリルは薄汚れたブランケットを身体に巻きつけたまま、空が白み始めるのを見ていた。昨晩は眠れなかった。空腹と不安が交互に胃を締め付ける。誰かの咳、誰かの呻き、怒声や叫び。かつて仲間と呼んだ者たちも、今は誰も自分に手を差し伸べてはくれない。

 

──シベアが死んで、全てが変わった。

 

自分が特別扱いされていたことは分かっていた。そのため今回の工場襲撃にシェリルは同行せず安全のため拠点で留守番をしていた。それが仇となった。今や誰も彼女を信用していない。報復に巻き込まれると恐れて他の徒党からも受け入れられず、残ったのは自分と、自分にしがみついてきた数人の子供たちだけだった。

 

(あたしは、一人じゃ生き延びられない……)

 

それは事実だった。彼女は「属する」ことで生き残ってきた。誰かの傘の下に入って、うまく立ち回ることで。

 

今、その傘が、世界からすっぽりと消えていた。

 

浮かぶのは、あの少年──アキラ。

 

ひと目見たときから、何かがおかしいと感じていた。年齢不相応な冷たい目。整いすぎた装備。無言の圧。あの少年は、ただのスラムの子供じゃない。そんな相手が、自分たちのボスのシベアを殺したのだ。

 

(怖い怖い怖い怖い。でも──それだけの力がある)

 

自分の安全のためには、力のある男に頼るしかない。アキラなら、生き延びられるかもしれない。無様でも、惨めでも、それでも。

 

「……やるしかないわ」

 

自分に言い聞かせるように、シェリルは立ち上がった。そして──朝日が差し込むころ、彼女は廃工場の門を叩いた。

 

 

 


 

 

 

──アキラ視点

 

工場の片付けは、予想以上に手間がかかった。罠の再設置、壁の修繕、使える資材の整理。余計な音を立てるのも危険なので、静かに作業を進めながらも、神経は常に周囲に張り巡らせていた。

 

そんな中、扉を叩く音がした。

 

手を止め、即座に銃に手をかける。センサーは反応している。だが殺意は感じない。慎重に警戒を保ったまま、入口を確認する。

 

そこにいたのは──金髪の少女だった。

(お! めっちゃ可愛いじゃん!)

 

彼女は両手を胸の前に組み、精一杯の笑顔を作っていた。けれどその顔には恐怖と覚悟がにじんでいた。

 

 

 


 

 

 

──シェリル視点

 

ポケットに手を入れていない。銃は片手で握っている。かなり──こっちを警戒している。見ている目が、ぜんぜん笑ってなかった。

 

「……わ、わたしはシェリルといいます。あなたがアキラですか?」

 

やっとの思いで声をかけると、少年は肯定した。

 

「ん? 俺になんか用?」

 

吐き気がした。背中に汗が流れていく。逃げたい。けど逃げたら、たぶん──。

 

「わ、わたしはここを攻撃したシベアの徒党にいた子供です……わたしたちの仲間が勝手なことして、ホントに悪かっ──」

「なるほど、で責任取りに来た感じ?」

 

笑っているアキラを、シェリルの視界が捉える。その瞬間、心臓が跳ねた。喉が詰まりそうになる。

 

冗談でも脅しでもない。目がそう語っていた。

 

アタシの足がすくむ。肩が震えているのがわかる。

 

「君の仲間が、俺のモノを盗もうとした。殺そうとした。だから撃った。それでも生き残った奴らが、君のところに逃げた。……なら、次はお前の番だろ」

 

言葉の一つひとつが、冷たいナイフみたいだった。そして、銃口が、ゆっくりとこちらに向いた。

 

その瞬間、耐えられなかった。

 

「やめ、やめてよぉ……ごめんなさいっ……ごめんなさいぃ……っ」

 

涙が、声が、勝手に出てきた。膝から崩れて、思わずへたりこむ。尿意も、意志とは関係なかった。

 

情けないなんて、思う余裕すらなかった。ただ、怖かった。

 

 

 


 

 

 

──アキラ視点

 

泣き崩れる少女を見下ろし、内心慌てるアキラがいた。

 

やっべ、泣かしちゃった。殺す気はなかったけど、この子を囮にして昨日襲ってきた奴らの残党が俺を狙撃とかもあり得たから警戒したとは言え……なんか申し訳ないな。

 

服装はスラムの女の子でも結構可愛い系なのに、この怯えようや顔に生気がないしレイプ目っぽかったから、一応なんとなくだけどこの子は交渉に来たんだろうなって思ってはいた。

 

はぁ、何をやってんだ俺は、こんなかわいい子脅して泣かせて……何が前世ありの大人だ。気に入らないから八つ当たりするなんてただのガキじゃねぇか。

 

銃を下ろす。そして申し訳なさが半端なかった。

 

「いや、なんかすまん。一旦謝る。と、とりあえず風呂、入ってから話そう。臭いし」

 

女の子に臭いと言う発言、最低である。だがアキラにもそういう配慮をするほど余裕がなかったのだ。

 

シェリルが顔を上げた。呆然とした顔だった。怒ってるでもなく、ビビってるでもなく、ただ混乱してる。

 

「と、とりあえずついてきてよ。湯も用意するし、一旦落ち着いてから話をしよう、な?」

 

へたり込むシェリルの手を取り、起き上がらせて手を引いて拠点へ案内する。

 

シェリルは黙って服を脱いで湯に入った。涙でぐしゃぐしゃになった顔を隠すように髪に顔をうずめていた。廃工場の奥、アキラが設置した簡易湯沸かし器の脇に設けたタンク。温い湯ではあるが、シェリルには考えをまとめるため、のぼせないくらいの温度でちょうどよかった。

 

 


 

 

──シェリル視点

 

湯に浸かってようやく、頭が少しずつ冷えてきた。

──怖い。けど、あの子は無駄に人を殺すタイプじゃない。

 

じゃあ、まだ話せる余地がある。

 

シェリルは湯から上がり、用意されたタオルで体を拭くと、アキラの前に戻ってきた。

 

「さっきは……ごめんなさい。それと、お風呂も借りて」

 

「あー、いい。むしろ俺も悪かったし……まぁ座れよ。あったかい茶かコーヒーどっちがいい?」

 

「あっ、別に大丈夫で、す」

 

「あー了解、じゃあ話を始めようか」

 

アキラはそう言って椅子に腰掛けた。シェリルはそろそろと椅子に腰掛けた。硬い金属の椅子に背筋をピンと伸ばしたまま座るその姿は、警戒心と緊張に満ちている。

 

交渉の場は、今ここに始まる。

 

言葉を探しているのがわかる。下手に出るしかない立場で、どう切り出すか迷っている。

 

「私たちの徒党……みんな、バラバラになっちゃって。私もみんなも食料も、寝る場所もなくて……」

 

シェリルは俯き、袖で目元を拭った。

 

「私は、あの子たちを守りたい。けど、もう私だけじゃどうにもならなくて。あなたの力が、どうしても必要で……」

 

「すまん、端的に言ってくれ」

 

俺は短く言った。

 

「単刀直入に言います。アキラに私達のボスをやって欲しいんです」

 

しばしの逡巡の後アキラは返答する。

 

「俺に何の得がある? 正直言って俺は組織のリーダーとかは御免だぞ。第一自分のことに精一杯だ、それに徒党のメンバーの管理や財政や経営なんて俺には無理だ向いてもない」

 

シェリルは息を呑み、しばらく黙った。

 

徒党かぁ……別に1人で工場暮らしでもあまり不都合はないしなぁ。前世でもリーダーとかそういうのは向いてなかったし、やりたいと思わなかった。だいたいああいう人を引っ張るようなのが出来る人や好きな人に任せておけばいいのだ。俺がそこの席に座ろうとは思わないしな。経営についても知識があるわけないしなぁ、ただの社会人だったし。

 

その間もシェリルが徒党のボスになることでのメリットをあげていくがアキラにはあまり興味がなかった。

 

「んーやっぱり俺にはあんま得にならないと思うんだよなぁ」

 

そうこぼすとシェリルの表情はどんどん青ざめていく。

 

「そそれに、なんでもするから! そ、そうよ! 私の体も好きにしていいから!」

 

「……ん?」

 

アキラが食いついた。

 

「そ、そうよ。あなたが徒党のボスになれば、徒党は全てあなたのモノ。

当然その構成員……私もあなたのものよ」

 

いままでシェリルが提示した条件にあまり反応が薄かったアキラが遂に反応した。それは自身の身を全て差し出す条件であり、シェリルは気が全く乗らないが、それでもアキラを徒党のボスにすることができるのであれば、自身の人権も貞操も何もかもを差し出すつもりであった。

 

一方アキラの内心は——え? 今なんでもするって? 言いましたねこの子! だめだついオタク特有の反応してしまった。なんならこのやりとりの中で俺が少女に興奮するロリコンと思われてるかもしれない。それはまずいだろいくらこの世界では子供であっても、前世含めたらアラサーなんだ……こんな幼い子に手を出すなんて……

 

とはいえアキラの前世は生粋のオタクであり、彼の好きなキャラおよび性癖はプリズマイ○ヤの小学生から、某戦車女子高生アニメの家元まで幅広く、シェリルの年齢の子でも守備範囲内であった。

 

あ──調子狂うわ。そういえばこのシェリルさんが困ってんのも元を正せば俺がシベア達を殺したのが原因な訳だし……上司のした失敗を部下に責任を負わせるのもなぁ……前世で上司にやられて嫌だったことを今世の俺が他人にやるのは嫌だし。それに自分で蒔いた種だ、人として自分が起こした時は自分で処理するのが責任か……

 

「わかった、俺がシェリルさん達の徒党のボスになろう。だけど条件が何点かある。俺はボスとして振る舞うし、守ったりするけど組織の運営や諸々はシェリルさんにやってもらいたい。もちろん組織運営に関しての相談とかも全然するし話し合いだって出来る限り参加はする。それと俺に徒党の拠点での住む部屋が欲しい……まぁ今のこの工場の俺の部屋と同じくらいの広さの部屋を用意して欲しい。武器とかも置きたいからな。それと飯も用意して欲しい。問題ないか?」

 

シェリルに断ることはできなかった。

 

「わかりましたわたしが、全部まとめます。徒党で暮らす子たちの管理も。食料の分配も、安全の確保も、役割分担も。……そして、アキラさんの命令は絶対。裏切らないことを、約束します」

 

「……よし、一旦取り引き成立だな。細かいところはまた話し合おう」

 

俺は立ち上がり、少し歩いてから立ち止まった。背を向けたまま、短く告げる。

 

「とりあえず一週間、試用だ。それで判断する。ダメだと思ったら即切る。いいな?」

 

返事はなかった。振り向くと、シェリルが深く頭を下げていた。




読了感謝です。次話は明日のどっかで投稿します。

なおリゼロはアニメは全部見てますけどアニメ以降は知らないですユリウスどうなるんでしょうか。好きなキャラはガーフィールです。
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