Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
今回6000字程度の文章になってます。キリがいいところで終わってます。
それと一昨日亜人を読みだして、三日で一気読みしました。面白かったです、たぶんそのうち佐藤のセリフをパロったシーンを書くと思います。
あと月が導く異世界道中の漫画も最新話まで読み終わりました。澪ってキャラが好きです。ただ原作の小説を読もうとしたんですが、なろうにもアルファポリスにもないんで原作小説を買うか考え中。
リビルドワールド並みにkindleでkindleunlimitedで読めたらいいのになと思います。
さて余談はここまで、今回から新しいアキラの戦闘手段を追加しました。楽しんでいってください
改めて、評価、感想、お気に入り登録、誤字報告等感謝です、今年も残すところわずかですが、体調を崩さず頑張っていきましょう。
追記 コピペとかしてたら同じ文章を何度も重複して書いてたので修正しました。
地下の空気は重い。
湿気を含んだ冷気が強化服越しにもわずかに感じられるほどで、金属の反響音をいやに鋭く響かせていた。
——ガシャガシャガシャガシャ!!
通路の奥から迫ってくる多脚の影。
旧世界のゲートキーパーを簡略化したような、蜘蛛のような、タンクのような、そんなバケモノ。
アキラは複合銃を構えながら、通路中央に飛び出した。
ここなら逃げ道も射線も通る。
そして何より——
“新装備の試運転にちょうどいい。”
胸の奥にわずかな高揚が走る。
強化服の背部パネルが作動し、ハードポイントから小型ユニットが滑るように浮上した。
BI兵器名前はドレットノート
完成度は高くない。耐久もそんなにない。火力も突撃銃の劣化版。
だが——
「こういうの、一回やってみたかったんだよな……!」
内心だけは、完全にアニメの主人公気分だった。
指示は声ではなく、脳内の意識操作。
旧領域接続の副産物のようなものだ。
浮遊ユニットは、意識に反応して真後ろの死角に回り、独立した視界をHUDに重ねる。
そして——ゲートキーパー擬きが通路に姿を現した。
赤いセンサーアイがこちらを捕捉し、六本の金属脚が石畳を削りながら速度を上げる。
アキラは一瞬だけ呼吸を止め、意識を右側へずらした。
——ノイズ散布。
言葉ではなく、ただ「そう動け」と思っただけでユニットが反応し、
微弱な電子ノイズが敵に向けて放たれる。
敵のセンサーアイが一瞬、ぶれる。
「(よし……!)」
複合銃を小銃モードに変形。
すかさずアキラは引き金を引いた。
初弾が敵の脚部表面を削り、続く二発目が関節の装甲をわずかに抉る。
(車の遠隔操作ができるんなら、BT兵器も使えると踏んで正解だった!!)
追撃に移ろうとした瞬間、ドレットノートが自律判断でわずかに軌道を変える。
——牽制。
軽い発砲音。
ドレットノートのミニガンモジュールが、連射と呼べるかどうか怪しい速度で弾を吐く。
火力は低い。
だが敵のセンサーがこちらとドレットノートの二方向に散り、わずかに照準が甘くなる。
(お、ちゃんと動くじゃねぇか。いや、動けば十分か……!)
アキラの胸が少し熱くなる。
本来であればこういった遠隔操作で使用するBT兵器はそれを動かすための並列思考や分割思考の訓練などを要し、なおかつその性能や扱いに関しては補助機能を付けたとしても才能がものを言う。
加えてBT兵器はその値段の割に使い勝手が悪かったり、性能がよくない場合もある。加えて高濃度の色なしの霧で回線が混線してしまいうまく使えない場合もある。
だからこそとアキラは目を付けた。需要の少ない、担い手の少ない武器だからこそ他者との差別化ができ他人とは違う戦闘手段が取れると考えた。
とはいえその操作方法の修練に時間をかけてしまうため、コストパフォーマンスや様々な面でアルファからもあまり推奨されなかったBT兵器だったが、アキラにはなんとなく使えるんじゃね?とそんな予感があった。
忘れていたかもしれないがアキラは前世からオタクである。
何かを飛ばしてそれをぶつけたり操作して戦うアニメは多くみてきた。それこそ無限の剣製でもガンダムのビットでもISのブルーティアーズでも様々見てきた。
ちなみにアキラが前世で一番多く見た遠隔操作で戦うのはグラブルの十天衆のシエテである。
声優とキャラと性能が好きだったので他のシスとかよりも先に解放したり強化リソースを費やしたのは余談も余談である。
つまりアキラには遠隔操作で何かを飛ばすという戦術にある程度の基盤があり、加えてアルファの操作補助もあれば、この世界でBT兵器を使うのは容易であったのだ。
敵が跳躍姿勢に移る。
「いけよ、ファング!!」
アキラは思考を切り替え、ドレットノートを天井近くに上昇させて通路の先を読み取らせる。
カメラ映像がHUDに重なる。
次の攻撃軌道を“目視せずとも”読める状況が作られていく。
「(今は、ニュータイプになったみたいだな……!)」
動きも、反応速度も、視界の処理も、昔なら考えられないほど鮮明だった。
ドレットノートのライトを最大光量で焚く。
脳内操作だとまるで“瞬き”のように軽い。
敵センサーが白飛びする。
その一瞬を逃さず、アキラは前へ踏み込み——
複合銃をショットガンモードで撃ち込む。
——ズドンッ!!
散弾が脚部を粉砕し、多脚機械が床に叩きつけられる。
火花が舞い、金属音が地下全体に響いた。
跳ね返った破片がドレットノートの装甲を掠め、浮遊が一瞬乱れる。
耐久警告がHUDに一度だけ点滅するが、アキラは気にしない。
(まぁそんなもんだろ。試しに買ってみたBT兵器だからな、そんな性能良くないし当然か)
感情はない、道具は道具。
ただ、その性能を戦闘に組み込むこと自体が楽しい。
敵が立て直す前に、アキラは加速して退避し、通路の直線部分を確保する。
複合銃を構え、モード切り替えを意識だけで連続入力。
——ショットガン → 小銃 → 擲弾 → スナイパー。
全部、意識操作。
旧領域接続者でなければ到底できない荒業。
「(っ少し頭痛がするが!だからこそ生を実感する!!)」
引き金を引く。
バカスコバカスコバカスコ——!
破壊音が連鎖し、最後の一撃が制御コアを貫いた。
敵は、あっけなく静かに崩れ落ちる。
アキラは複合銃を担ぎ直し、ドレットノートを視界の端に戻しながら舌で乾いた唇を湿らせた。
道具に感謝することはない。
だが、戦闘スタイルが拡張されていく“快感”は確かにある。
『武器の性能もあるけど、アキラがちゃんと使いこなしてるのよ』
「(それは……まぁ、否定しねぇけどな)」
アキラはわずかに笑い、複合銃を肩にのせて歩き出した。
◆
地下でゲートキーパー擬きを片付けたアキラは、複合銃を肩に担いだまま天井の配線を見上げた。
「……これくらいの強さなら、セランタルビルの門番も案外どうにかなるか?」
『ええ。あなたの今の装備と精度なら、セントラルビルのゲートキーパーにも“正面突破”で対応可能よ』
力強いアルファの声が脳内に響く。
「そりゃいい。接戦も嫌いじゃねぇけど……基本は余裕をもって勝ちてぇからな。頼むぞ」
『任せなさい』
アキラは口角をわずかに上げ、地上へ向かった。
◆
地上に出ると、巨大なセランタルビルが影を落としていた。
アベノハルカスなんか目じゃない。
東京タワー……いや、スカイツリーに匹敵する高さ。
通天閣が栄養失調になるレベルだ。
(あれこれ比べても、結局“クソでかい”で説明不要!)
悪食ビルと呼ばれるのは、噂だけじゃない。
攻略率が低く、生還率も低い。
つまり、高額遺物が確実に眠っている遺跡だ。
セランタルビル前の広場に配置されていた正式なゲートキーパーは、
地下の簡易版とは違い、重装甲・高反応型の本物。
だが——
複合銃の各モード連射と、ドレットノートによる微妙な角度妨害、
そしてアルファの火器管制アシストのおかげでものの数分で沈黙した。
「悪食ビルも大したことなかったな。もっと噂にあるような“死闘”になると思ってたが」
『私のサポートも、契約更新で質が上がったもの。あなたと私の連携なら、この程度は当然よ』
「そりゃよかった。接戦で戦うのもいいが基本的には余裕をもって倒したい。これからも頼むぞ」
『ええ、任せなさい』
アルファの声はどこか誇らしげだった。
アキラは今回、リオンズテイル社の旧支店に向かうのが目的で、遺物収集は二の次だった。
だが、“攻略困難なビルの門番を倒した”となれば、他のハンターが寄ってくるのは目に見えている。
(ま、大騒ぎにはならんだろ。)
——そう、思っていた。
このあと大騒ぎになるとは、アキラはこの時点で微塵も思っていなかった。
自動ドアは作動せず、アキラが近づくと重々しい駆動音とともに横にスライドした。
中は——前世でも見たことがないほど広いオフィスエントランス。
都市一階分が丸ごと吹き抜けになったような、途方もない空間。
アキラは天井を見上げ、眉をひそめた。
「でかいな」
(ここまでデカいオフィス、前世でも見たことねぇな)
そして何かを思い出して顔をしかめる。
『どうかしたの、アキラ?』
「いや……でかい建物で驚いただけだ。気にしないでくれ」
アキラは昔、転職試験受けて落ちた会社をを思い出し、嫌な顔をした。
あたりを警戒しながら進むとアキラの目の前に立体映像が映った。
「お客様。当ビルは現在休館中です。関係者以外の立入は御遠慮願っております。お引き取り下さい」
アキラは反射的に飛び退きつつ女性に銃を向けようとしたが、相手から攻撃の意思は感じられないため動作を中断した。
アキラが改めて女性を見る。旧世界製と思われる服と非現実的な美貌という点ではアルファに似ていた。ただこちらに向ける表情は無であり、全く歓迎されていない事務的な反応だった。
「お客様。当ビルは現在休館中です。関係者以外の立入は御遠慮願っております。お引き取り下さい」
『で、アルファこういわれてるが。突っ切っていいよな?それもと礼には礼を返すべきか?』
アキラは強引に進んでもいいと思ったが、正規のルートがありそちらを使用したほうがいいのならそれに従うつもりであった。
するとアルファが一瞬考え込んだ
『アキラ。少し席を外すから、ここで待っていて』
「待て、理由を説明しろ。契約更新をして条件は緩和したが、報告や説明の類の条件は緩和した覚えがない。だよな?」
契約違反をするつもりか?とアキラは説明を求めた。
(どさぐさに紛れて説明なしの行動の前例でも作る気だったのか?お互い隠し事をしているとはいえ、それはアンフェアだろ?)
『…ええ、そうねごめんなさい、良かれと思っての行動なのよ』
「だとしてもだ、俺は今安全性や善意の有無を聞いているんじゃない。理由を聞きたいんだ、ごまかすのか?」
『そんなまさか、説明するから、ね?』
アルファの説明はこうだった。
1:セランタルビルには“管理人格AI”がいる
2:そのAIが許可しないと、上層階へのアクセスは困難
3;旧リオンズテイル社ミハゾノ支店の位置情報を得られる可能性がある
だから交渉してくるつもりだった
つまり、“善意ではあるが、説明不足”。
確かにその程度であれば臨機応変にアルファを放ってもよかったが、少なくとも聞いておいた方がいいとあの場でアキラは直感したし、何より元社会人としてどこかに行くなら同僚やチャットや勤務表等にその有無を書くという常識からアルファが勝手にどっかへ行くことを止めた。
どっかいくなら先に一報かなんかを伝えろ、と。
その後アルファが姿を消し、一分もたたないくらいでアルファが戻ってきた。
またセランタルビルの管理人格の立体映像の女性が不機嫌そうな表情に変わっているのに気が付いた。
『アキラ、いいことと悪いこと、どっちから聞きたい?』
「重要な方から」
『じゃあ悪い方ね。リオンテイルズ社の支店は57階にあるけど、アキラの実力じゃ多分攻略が無理だからあきらめた方がいいことね』
アキラは嫌な顔をした。
「ここまで来てダメか…それで、いい方は?」
『手つかずの遺物がたくさんある場所を教えてもらったわ』
「よし、ナイスだアルファ。じゃあさっさとそっちに行くか。待ち合わせ時間までに間に合うかわからないからな」
(管理人格はすげぇキレてたけど、なんかアルファがやらかしたのか?強引に情報を取ったのか、管理人格にとって不都合だったのか、はたまたアルファのことを嫌っているのか…アルファに聞いても濁されるだけだろうが。頭の片隅にはおいておいた方がいいな)
そうしてアキラはセランタルビルの管理人格から入手した情報をもとに遺物が眠る場所へ向かうことにした。
読了感謝です。
というわけで今回からビット的なものを使いつつ戦います。作中でも書いてますがマジで影薄そうな武装なんで設定もりもりにして使っていきます。
ちなみに私が一番すきなBT兵器はユニコーンガンダムで出てくるクシャトリヤのBT兵器ですが、今作だと水星の魔女のエアリアルの武装であるエスカッシャンみたいに使って戦うかも、とはいえあそこまでビットを運用するつもりはありませんが。