Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
明日が仕事納めなんですが、書けたら投稿する予定です。
というか、なんで大晦日に仕事しなきゃならんのだ()
もしかすると、これが年内最後の投稿になるかもしれないので前もって言わせていただきます。
6月ころの投稿から半年間お付き合いいただきありがとうございました。
この僕自身もまさか半年間もコンスタントに投稿しているのは驚いてます。かなり飽き性なのに、それなりにかけてますので、今後もこんな感じで書いていきたいと思います。
改めて、今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
その後、アキラはキャロルと並んで基地方面へ向かった。
歩きながら、改めて戦果を整理する。
回収できた遺物は五つのうち一つだけ。
数字だけ見れば、正直しょぼい。
だが、内容を考えれば悪くはない──そのはずだ。
(……一つでも無事なら上出来だろ)
そう自分に言い聞かせる。
半ば納得しようとしているのか、無理やり割り切っているのか。
どちらでもいい。
生きて帰ってきた。
それが一番重要だ、死んだら元子もない。まぁ最悪キャロル見捨ててスタコラサッサしてもよかったしな。
◆
基地の外縁部が見えたあたりで、アキラは端末を操作し、
カナエたちへ連絡を入れた。
『お疲れ様〜彗星の如く現れたスターの原石アキラさんぺこ〜☆』
なお、アキラは全くvtuberでもなんでも無いし、この世界にvtuberは存在しない。
さしものアキラも少し恥ずかしくなってきたので、誤魔化すかのように口を回す。
『こっちはもうすぐで今日の探索は一区切りつけるつもりだ。そっちはどうだ? 急ぎじゃ無いから空いてるタイミングで返信してくれ』
しばらくして返事が返ってくる。
『アキラ様、シオリです。こちらはまだ少し時間がかかりそうです。次のエリアだけ確認してから戻ります』
『了解。無理はしないでの』
『かしこまりました、それとアキラさま。先程のぺこ〜というn』
すぐさま通信を切り、アキラは軽く息を吐いた。
カナエたちはまだ狩りの最中。
すぐに合流できる状況ではない。
「……さて、どうするか(言い訳でも考えるか?)』
そう呟いたところで、キャロルが横から声をかけてきた。
「ねぇ、アキラ。このあと予定ある?」
「待ち人が来るまでは特にないな」
「じゃあ、ご飯にしない? 今日は色々あったし、頭も体も一旦落ち着かせたいわ」
確かに腹は減っている。
緊張状態が解けた今、急に空腹を自覚した。
「……いいな。行こうか」
向かったのは、今朝も立ち寄った食堂だった。
例の“追放騒ぎ”が起きていた場所である。
都市近くのハンターオフィスに比べるとまさに異世界のハンターギルドっぽいそれなりに荒れている場所だ。
相変わらず人は多いが、時間帯のせいか奥の方に空席が見える。
アキラとキャロルは、迷わず奥へ向かった。
ちなみにこの食堂には、暗黙の区分がある。
手前の席は、
安い飯と安い報酬しか得られなかった者たちの場所。
中央は、
それなりに稼ぎ、それなりの飯を食う者たち。
そして、一番奥は──
かなりの稼ぎを得た者が、かなりの飯を食う席。
差別というほど露骨ではない。
だが、確かに「住み分け」は存在していた。
(まあ、俺がここに座るのは場違いかもな)
そんなことを思いつつも、
今さら遠慮する理由もない。
まぁ2000万オーラムの護衛任務を遂行したので稼いでるっちゃ稼いでるか? と納得した。考えても無駄なことは思考放棄するに限る。
例えば冬コミ当日に冬コミに行けばよかったと後悔することや、有馬記念でルメ○ルと武ユ○カが流石に3着以内に入るだろうと思い2人を軸に馬券を買ったのに、2人とも着外で2万円スったこと。もう二万負けたなら2万円以内の買い物は全部タダだとトチ狂い一万円越えのエロゲを買ったとしても。
思考放棄するに限る(号泣)
二人は奥の席に腰を下ろした。
料理が運ばれ、しばらくは無言で食べる。
まずは腹を満たす。
それがハンターの基本だ。
「……意外と悪くないわね」
キャロルがスプーンを動かしながら言う。
「荒野基準なら、かなり当たりだ」
「その基準、低すぎでしょ。荒野でももう少しましなごはんはあるわよ?」
「期待しない分、裏切られない。高いかね払ってゲキマズとか誰得だからな」
「人生観が荒野すぎるわーそれともひねくれてるのかな?」
軽口を叩きながら、料理が減っていく。
どれが当たりだとか、
次に頼むなら何がいいとか、
本当にどうでもいい話をする。
だが、飯が半分ほど減った頃、
話題は自然と現実に戻った。
「……で、今日の件だけど」
キャロルが声を落とす。
「金の話か」
「察しがいいわね」
キャロルは苦笑した。
「裏口を使った脱出、途中での戦闘 護衛を頼んだ形になったでしょ?」
「そうだな」
「本来なら、ああいうケースって護衛料+緊急対応費+装備損耗の補償が発生するの」
アキラは黙って聞く。
「今回は私が情報料をタダにした代わりに、護衛込みって形にしたけど……」
キャロルは指を折っていく。
「正規に計算したら、 基地から逃げるまでの護衛で数百万、私の装備の消耗分でさらに数百万、
あと保険の免責とか、あとはアキラがもともと持っていた遺物の補填とか細かいのを含めると……」
「結構いくな」
「でしょ?」
「もちろん護衛費2000万とは別よ」
アキラは黙って頷いた。
金の話は生々しい。
金の切れ目が縁の切れ目とまではいかないものの、お金の話はハンターという仕事において、避けては通れない。
「今回は私の判断で諸々補填させて? なんなら不足分は別の形でも払うから」
「水商売は勘弁な」
「そうつれないのね。さっき私が抱き着いたときすごく幸せそうだったけど? 別に私に性的に興奮しないとか、特殊性癖とかでもないんだったらサービスするわよ?」
「ぶっちゃけ、この前も女関係で痛い目にあって、彼女にいろいろと絞られた後だから、マジで今回はパスで。それでいいか?」
「まー仕方ないわね。いいわよ」
キャロルはあっさり言った。
「何はともあれ生きて帰れた。いい縁にも巡りあえた。それだけで十分ね」
そのとき──
食堂の外が、妙に騒がしいことに気づいた。
普段なら、奥の席まで雑音が届くことは少ない。
だが今は、話し声や足音、端末の着信音が断続的に響いてきている。
「……なんか、外うるさくない?」
キャロルが箸を止めて言った。
「確かに」
二人は顔を見合わせ、軽く視線を入口の方へ向ける。
どうやら、急に状況が動いたらしい。
話を拾う限り──
ミハゾノ街遺跡にあるセランタルビルが開き放たれ、
そこに殺到したハンターたちが、帰ってきていない。
現時点で死亡確認は出ていない。
だが、連絡も取れず、撤退もしてこない。
そのため、救援依頼が出されたらしい。
「……あー、なるほどね」
キャロルが小さく息を吐いた。
「救援依頼、出てるわ。でもハンターはほとんど受けてないわね」
「断ってるのか?」
「正確には、受けられない」
キャロルは顎で外を示す。
「セランタルビル絡みは危険度が跳ね上がる。しかも中の状況が分からない救援依頼なんて、よほどの理由がない限り、普通は受けない」
実際、動いているのは警備会社や都市側の人員ばかりらしい。
「誰かが、余計なことをしたのよ」
キャロルは吐き捨てるように言った。
その言葉を聞いた瞬間、
アキラの胸の奥で、嫌な感覚が芽生えた。
「めんどくさそうな、嫌な匂いがするわね」
キャロルが言う。
「誰かが、余計なことをしたのよ」
「どっかのバカがなんかしでかしたのか……」
アキラは追加注文したアイスコーヒーを飲みながら、ふと考える。
(……これ、俺のせいじゃないよな?)
いや。
薄々、分かっている。
原因の一端は、確実に自分だ。
だが、それを口に出すほど愚かではない。
アキラは何も言わず、料理を口に運んだ。
ちなみに、その騒動の渦中で──
モニカは完全に巻き込まれていた。
キャロルが彼女の救援依頼を出そうとしたが、
セランタルビル関連の案件と重なり、
優先度の関係で後回しにされているらしい。
そんな話をしていると、
食堂の向こうから聞き覚えのある声が響いた。
「遭難してるんですよ!?
セランタルビルの救援が優先?
それは分かりますけど、こっちは──!」
周囲の視線も気にせず、
モニカは電話口で叫んでいた。
キャロルは椅子に深くもたれ、苦笑する。
「……ほらね。
ああなると、しばらく止まらないのよ」
アキラはその様子を見ながら、内心でため息をついた。
その後、キャロルとモニカも合流し、三人で食事を続けた。
話題は、自然と今日の総括へ流れていく。
アキラの報酬の扱い。
救援まがいの護衛に対する見なしの対価。
キャロルの装備と腹部に受けた衝撃の確認──
幸い、大事には至っていないらしい。
「結果的には、全員生きてる。
それだけで上出来ね」
キャロルがそう締めくくると、モニカも小さく頷いた。
「ええ……正直、今日は覚悟していましたから」
大まかな話がまとまり、結論も出た。
これ以上、長居する理由はない。
「じゃ、ここまでね」
キャロルが立ち上がる。
それぞれ、次の予定がある。
この場で解散だ。
──と、その直前。
キャロルが振り返り、軽い調子で言った。
「ねぇアキラ。このあと、どう?」
いわゆる、そういう誘いだ。
アキラは一瞬も迷わなかった。
「断る」
「即答!?」
「今日はもう、十分だ」
キャロルは肩をすくめ、苦笑した。
「つれないわね。ま、いいけど」
そして、どこかあっさりとした声で言う。
「また何かあったら連絡して。仕事でも、そうじゃなくてもね。あとは報酬交渉に関しては、アキラの彼女さんのシェリルさん? とやればいいのよね?」
「ああ、俺のそういうこまごまとした話は全てシェリルに一任してるからな」
「女使いが荒いわね──。まぁ、その子に愛想つかされて、女が恋しくなったら……」
一瞬だけ間を置き、付け加える。
「……私はいつでも大歓迎よ?」
「今のところ大丈夫だな」
「ふふ。相変わらずね」
キャロルは手を振り、そのままモニカと連れ立って食堂を後にした。
残された席で、アキラは一人、椅子に座る。
今の自分には、固定の仲間はいない。
チームも、パーティーもない。
だが──
仲間になり得る存在は、確かにいる。
それだけで、十分だと思えた。
端末を確認すると、カナエたちからの返事が入っている。
──まだ少しかかる。
「……なら、待つか」
アキラは背もたれに体を預け、食堂の喧騒を眺めた。
アキラは椅子に深く腰掛け、
食堂の喧騒を眺めながら、
彼らの帰還を静かに待つことにした。
今日という一日は、
まだ完全には終わっていなかった。
アキラ「ぶっちゃけホロラ〇ブよりにじさ〇じ派なんだけどな。」
キャロル「?」
読了感謝です。
では皆様、よいお年を