Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です。
そして投稿遅れたわりに分量少なくてごめんなさいなのだ。(4000字以下)
これも全部スピッキーがひとえに可愛すぎるせいだ。

そして前書きを書いてる時点で23時58分なので、たぶん土曜日投稿になって二日遅刻してるけど許してクレメンス。代わりにトガミの貞操を差し上げます。

いやベテランさんが今月いっぱいで退職するので、仕事の引継ぎと、事業所の会社母体が急遽変更(売却)されて引継ぎとか諸々あって忙しいのだ。
え?読者には関係ない?それはそう。


改めて、感想、評価、お気に入り登録、誤字報告等感謝です。最近全体的に遅れつつありますが申し訳ありません。失踪しない程度には続けていきます。




アキピヲイジメヌンデ…

 

 アキラとシェリルは、その後キャロルに連絡を取り、ミハゾノ街遺跡での依頼への同行、ならびに地図屋としての協力を求めるための交渉を行うことになった。

 

 待ち合わせ場所は、クガマヤマビルに隣接する喫茶店。

 もっとも、ただの喫茶店ではない。

 他者に聞かれたくない話をする際に使われる、言わずと知れた店だ。

 

 アキラの場合、キバヤシとの打ち合わせ――要するに悪だくみで使うことが多い場所でもある。

 

 先に腰掛けていたキャロルは、二人の姿を認めると片手を軽く上げた。

 

「久しぶりね、アキラ。

 といっても数日ぶりだけど、まさか連絡してくれるなんて思ってなかったわ。

 それにしても……相変わらず物騒なことに首を突っ込むのね」

 

「そうか?

 二人で高層ビルから、ひもなしバンジーしたことより物騒なことってあるか?」

 

 キャロルは苦笑する。

 

「そう言われると、何も言い返せないわね。

 あの一件で、私はアキラに命を救われたんだから」

 

 少しだけ声音を落とし、続ける。

 

「あの件を適当に扱うのは、私たち自身の行動に唾を吐くのと同じ。

 ……そして、これからの私たちの関係にも、ね?」

 

 場の空気が緩みかけた、その瞬間。

 

 シェリルが、アキラの袖を軽く引いた。

 

 ――仕事モードに戻れ。

 

 その無言の圧を受け取って、アキラはキャロルとの雑談を一旦切り上げる。

 

「改めて紹介する。

 こっちがシェリル。俺の彼女で、同じ徒党のリーダーだ。

 俺のハンター業や、交渉事の大半を任せてる」

 

「初めまして。

 シェリルと申します。お見知りおきを、キャロル様」

 

 シェリルは丁寧に会釈した。

 その笑顔は柔らかいが、視線はキャロルを冷静に測っている。

 

「……ふうん」

 

 キャロルは一瞬だけ目を細めた。

 

「ハンターでもない子が、相方のハンターと二人三脚で成り上がってる。

 スラムでも珍しい組み合わせって噂、ほんとみたいね」

 

 そして、軽く口角を上げる。

 

「“彼女が言ってた通り”だわ」

 

「取引相手の情報、ちゃんと仕入れてくれてるみたいで嬉しいよ」

 

 そう言いながら、アキラとシェリルはキャロルの席の反対側に並んで腰を下ろした。

 

「それで?」

 

 キャロルが、からかうように続ける。

 

「アキラも、私の情報を調べたんでしょ?

 気になったから?

 彼女がいるのに、他の女に色目を使うなんて――おねーさん感心しないぞ?」

 

 わざとらしく笑う。

 

「ミハゾノ街遺跡で言ってた“彼女一筋”は、嘘だったりする?」

 

「残念だけど、今も彼女一筋だ」

 

 アキラは即答した。

 

「そういう頭を使うのは、全部シェリルに任せてる。

 調べたのは俺じゃない」

 

(まぁ、アルファにも調べてもらったし、

 ネットのスレでキャロルの名前が出た時に、

 クソみたいな情報含めて色々目に入ったけど……

 わざわざ言う必要はないな)

 

「あー、そうなの。

 それで、どうだった?」

 

「……自分の彼氏が、最近仲良くなった女性ハンターが、

 副業で――って知って」

 

 アキラは視線を逸らす。

 

「シェリルに、だいぶ怒られた」

 

 その時の光景が脳裏をよぎる。

 

 

 

 

 ――また女を捕まえたんですか。

 ――他の女と関係を持ったなら、共有してと言いましたよね?

 ――私のこと、そんなに信用してないんですか?

 ――そんなに、胸の大きな人が好きなんですか!

 

 ――アキラヲイジメヌンデ!

 ――チョアヨー!シェリルチョアヨー!*1*2

 

 ――ふざけないでください。いいわね?

 

 ――ごめんなさい。シェリルさん…

 

 

 

 

 

 

 

 剣幕は凄まじかった。

 

 まだ大人の関係になっていないからと、

 余計な情報――売春の件を伏せたのが、完全に裏目だった。

 

 気分としては、

 浮気でもないのに、仕事の付き合いで無理やり連れて行かれたキャバクラが

 妻にバレて折檻されている会社員のそれだった。

 

「あー……そういうことを聞いたわけじゃないんだけど」

 

 キャロルが、少し気まずそうに言う。

 

「なんか、ごめんなさいね?」

 

「もう、まぁ……シェリルだし」

 

「私が、なんですか? アキラ」

 

 シェリルが、にこやかに微笑む。

 その笑顔は、どこか黒い。

 

「……さて」

 

 空気を切り替えたのは、シェリルだった。

 

「そろそろ本題に入りましょう」

 

 雑談は、ここまでだった。

 

 アキラが姿勢を正し、切り出す。

 

「こちらとしては()()()()としてキャロルに依頼をしたい」

 

「依頼内容は二点」

 

 言葉を区切る。

 

「一点目は、ミハゾノ街遺跡救援依頼への同行、ならびに戦闘行為」

 

「二点目は、地図屋としてのマッピング能力と、その情報共有だ」

 

 そして、視線を真っ直ぐ向ける。

 

「特に重要なのは二点目。

 欲しいのは、平時のマップじゃない。

 ――今、この瞬間に荒れているミハゾノ街遺跡のマップ情報だ」

 

 キャロルは、すぐには答えなかった。

 

 代わりに、指先で端末を軽く叩く。

 

 その沈黙自体が、交渉の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 キャロルは、端末の画面を伏せたまま、しばらく黙っていた。

 その沈黙は、考えているというより――値踏みしている、に近い。

 

「……正直に言うわ」

 

 ようやく顔を上げ、キャロルは言った。

 

「その依頼内容は軽くないわよ。」

 

「わかってる。無理も承知だ」

 

 アキラは即答した。

 

「ミハゾノ街遺跡の現状で、 “今のマップを取れ。ないなら取ってきてくれ”って言われて、はい喜んであなた方のため、ってなる地図屋はいないだろうな」

 

「そうね。しかも同行して、戦闘にも関わるなんて」

 

 キャロルは肩をすくめる。

 

「下手したら、“地図屋”と“戦闘要員”両方ともやれって言ってる横暴な案件よ」

 

「そのつもりで交渉に来てます」

 

 シェリルが、はっきり言った。

 

「こちらも、地図だけ渡してもらえれば良い、という考えではありません」

 

 キャロルの視線が、シェリルへ向く。

 

「……なるほど。スラムで子供二人の成り上がりははこういう事ね。あなた、だいぶ交渉に慣れてるわね」

 

「アキラと共に生きていくのに必要なことですから」

 

「女としての矜持ち意地ね。嫌いじゃないわ」

 

 キャロルは、ふっと息を吐いた。

 

「じゃあ、こちらとしても条件を出させてもらうわ」

 

 テーブルに指を置き、一本ずつ立てていく。

 

「まず一つ目。私が提供する情報――マップ、観測ログ、気づいた異変は、

 あなたたちのパーティー内共有まで」

 

「第三者への横流しはしない」

 

「もちろん。」

 

 アキラは即座に頷いた。

 

 

 

「二つ目」

 

 指が二本になる。

 

「私の立ち位置は“一時的な同行者”。あなたたちの徒党には、正式加入はしない」

 

「わかりました。それで問題ありません」

 

 ここも即答だった。さらにシェリルも補足する。

 

「話の途中で申し訳ありませんが契約は期間限定。ミハゾノ街遺跡の救援騒動が落ち着くまで。またアキラとキャロル様が互いに仕事を満了、またはキャロル様優位の拒否権の行使によって契約は破棄されます。」

 

「話が早くて助かるわ」

 

 キャロルは少しだけ、警戒を緩めた。

 

「三つ目」

 

 今度は、指を立てる前に一拍置く。

 

「……もし、私が“これはヤバい”と判断した場合、撤退を提案する権利が欲しい」

 

 空気が、少しだけ張り詰めた。

 

「それは――」

 

 アキラが口を開きかけるが、シェリルが先に制する。

 

「撤退“提案”ですね?」

 

「ええ」

 

 キャロルは頷く。

 

「最終判断は、あなたたちでいい。でも、情報屋としての判断を無視しないでほしい」

 

 シェリルは一瞬考え、ゆっくり頷いた。

 

「了承します」

 

「ただし」

 

 続ける。

 

「提案の理由は、明確にしてください。感覚論ではなく、根拠を伴うものに限ります」

 

「……わかったわ。さすがに嫌な予感がするから帰らせて、なんて事もいうつもりはないわ。流石にね」

 

 キャロルは苦笑した。

 

「いいわ。それで」

 

 そして、最後の条件。

 

「四つ目」

 

 キャロルの視線が、アキラに向く。

 

「私が危険に晒された場合、あなたが“守る”と約束して」

 

 冗談めかした口調だが、目は真剣だった。

 

「……重いなぁ…」

 

 アキラは正直に言った。

 

「でも、わかった」

 

 言い訳はしない。

 

「俺は、同行者を…いや仲間を切り捨てるつもりはない。それは俺の美学や信条に反する」

 

 シェリルも、静かに言葉を添える。

 

「その点は、私も保証します」

 

「ふう……」

 

 キャロルは、ようやく肩の力を抜いた。

 

「じゃあ、こっちの条件は以上」

 

「報酬の話が残ってる」

 

 アキラが言う。

 

「通常の救援依頼分に、上乗せで――」

 

「最低二割」

 

 キャロルが遮った。

 

「危険度次第では、三割」

 

「……高いな。なんというか、こう。もう少し手心を」

 

「命懸けよ?」

 

「それも…そうだ。そうだな」

 

 アキラは苦笑する。

 

「じゃあ二割。

 状況次第で追加交渉」

 

「成立」

 

 キャロルは、あっさり手を差し出した。

 

 アキラはその手を取り、軽く握る。

 

「よろしく頼む」

 

「こちらこそ」

 

 契約は、紙ではなく、言葉で交わされた。

 

 だが、この世界では――

 それで十分だった。

 

 シェリルが端末を操作しながら言う。

 

「後ほど、契約内容を整理します」

 

「助かるわ」

 

 キャロルは立ち上がり、最後に一言付け加えた。

 

「それと……」

 

 少しだけ、笑う。

 

「さっきの話」

 

「?」

 

「全員女性パーティーの件」

 

 アキラは嫌な予感しかしなかった。

 

「……ハーレム願望、ほんとにないの?」

 

「ない」

 

 即答。

 

「少なくとも、俺はシェリル一筋だ」

 

 横から、シェリルの視線が刺さる。

 

「“少なくとも”?」

 

「言葉の綾だ。気にするな」

 

 キャロルは声を上げて笑った。

 

「正直でいいわ」

 

 そして、真面目な声に戻す。

 

「じゃあ、期間限定で組みましょう。

 ミハゾノ街遺跡が、落ち着くまで」

 

「決まりだな」

 

 こうして――

 情報屋キャロルは、

 アキラたちのパーティーに、一時的に加わることになった。

 

 この選択が、

 後にどれほど厄介な“真実”へ繋がるかを、

 まだ誰も知らないまま。

 

 

 

 

*1
トリッカル・もちもちほっペ大作戦』に登場するキャラクター「スピッキー」から派生したインターネットミーム。電子ドラッグと呼ばれるほどの中毒性。筆者は韓国版スピッキーの方が好き。

*2
「좋아요~」(チョアヨ~)。「好きです」




読了感謝です。

あとがきメスガキ谷垣。
飲酒決めてアル中カラカラしてるとわけのわからん文字書いてますね。面白い(錯乱)んでそのまま放置して投稿するのだ。


さて絶賛扁桃腺激腫れでのどが痛い中仕事をしてるせいで治りも遅いし、今週日曜は自治会の行事に参加しなきゃならんし…めんどくさのだ!

以上ず〇だもんなのだ。


余談
FGOのアフターストーリーから更に完結まで二年くらいかかるのかな()それともワンピースのエルバフ編が終わるのが先か…ところでリビルドワールドアニメはいつですか
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