Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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読者「すみません。3~4日投稿って言ってませんでしたか?なんで5日連続投稿してるんですか」
ワイ「イー↓シャン↑、リンチー↓チン↑シャオ↓ラー!(威嚇)」
読者「あっ(察し)」タチサリー
ワイ「チョン↑パァ!(勝利)」

というわけで、連続投稿5日目です。なんで5日連続投稿なんて暴挙をしたんだ俺は。
流石に疲れたので次の更新は四日後以降になると思います。たまってるゲームしなきゃいけないの…FGOとかブルアカとかAPEXとかエロゲとか…あと今季アニメも見たいの!
そして感想返しもボチボチしつつ、設定集の方に追記や修正もしていきます。


改めて、閲覧感謝です。そして感想、誤字報告等感謝です。


ブラックジャッアキラ

 

 

 見慣れた人間の臓器。

 医者が使う電気メスの音。

 人体の脂肪と血液が電気メスで焼かれて放たれる独特な匂い。

 

 執刀医の先生に渡さなければ。血が出てるのなら、止血しなきゃ。

 

 ドクターが電気メスで止血する。出てきた血と煙を吸引機で執刀助手が吸引する。俺はすかさず滅菌ガーゼを手渡し、術野に置く。

 

 出血が止まらない。駆血が必要だ。クランプ*1しなければ。クランプ鉗子代わりのケリー鉗子を渡す。

 

 

 

 一流のオペ看は術野を見て、次にドクターが行う処置を予測し、ドクターが必要な機材を渡さなければならない。もちろん、ドクターが言う前の瞬間に手渡さなければならない。

 

「ケリー!」

 

 ドクターが叫ぶ。ケリー鉗子は弱弯ケリー鉗子とか、長直ケリーとか、強弯ケリーとかあるが――もちろん俺が渡すのはいつも使っている弱弯ケリーだ。

 

 

 術野から目を離すことなく、ドクターは手だけを向けてくる。これは驕りでもなんでもない。言わなくても分かってるよな、という信頼の証でもある。

 

 

 

 俺が思うに、オペ看(オペ室看護師)の直接介助の役割は、ドクターの文字通り手となり足となり、ドクターが術野から目を離せない状況で、ドクターが今欲している物品を代わりに渡し、効率的に手術を完了させることだ。

 

 

 

 また手術は時間を掛ければいいってものじゃない。

 

 長時間の全身麻酔や鎮静剤や弛緩薬や鎮痛剤による後遺症のリスク。

 長時間同一体位による褥瘡や、過度な関節可動の維持による神経麻痺のリスク。

 出血多量による死亡リスク。

 

 さまざまだ。だから迅速に、介助しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 今回の患者は若い子だ。

 

 ちなみに俺たち看護師基準の「若い」ってのは、だいたい60代までは若い分類に入ると思う。なぜなら患者はだいたい80〜90代ばっかで、80代以下は「それに比べたら若いだろ」という感覚だ。

 

 だが今回はマジで若い。十五歳くらいの男の子。ガタイもいいし、顔もいい。さぞモテるだろう。

 

 まあ患者の顔なんて、最初の全身麻酔開始から気管チューブ挿入以降、手術終了まで見ることはない。が、その一瞬見た顔だけでも「イケメンじゃん」と思うくらいには、顔立ちが整っていた気がする。

 

 

 

 こんな男の子、女子はほっとかないだろうし、さぞ輝かしい人生を歩んできたのだろう。ほんと腹立たしい。

 

 

 

 そんな妄想をしながらも、手や体はドクターの介助を続けていた。

 

 もともと八時間ぶっ通しで休憩なしの手術介助だけで終わる予定が、まさかの緊急オペである。飯も休みも取ってないので意識は朦朧とするが、まあいつものことだ。*2

 

 

 

 休憩なしなんて、ここじゃよくあることだ。*3

 

 

 

 緊急で運ばれてきたからどうなる事かと思ったが、まあオペは滞りなく進んでいる。

 

 

 

 ショックバイタルとか急変しない限りは問題ないだろう。

 

 

 

 看護師が急いでも、どうやっても、オペ成否はドクターの腕による。

 オペ看は処置はあまりしないから普通の看護師とは違うけど、看護師として、一人のプロとして、なに一つミスなく器械出し看護師をする。

 

 

 それが、このろくでなしの唯一のできる事だって、使命だって、思わないと。ほんと、死にたくなる。

 

 

 

 俺はそんな俺が、嫌いだ。

 

 

 

 ……嫌な事、思い出した。クソが。

 

 

 

 

 気を失っていた俺は、焼けるような腹の痛みで目が覚めた。

 

どこ(どの臓器)を、やった(負傷した)?」

 

『アキラ! 目が覚めたのね! しっかりしなさい! ほんと死ぬわよ! 出血が止まらないわ! どうに――』

 

 

 目覚めてアルファがいの一番に声をかけてくる。

 

 

 

 忌々しい。恐ろしい。ニンゲンモドキが、俺をすごく心配している“風”に焦っている。

 

 

 

「微塵も思ってないくせに人間みたいなこと事を言うなよ。プログラムが人間を心配する訳ないだろ。体のいいモルモットとしか見てない癖に。」

 

 そんな本心を言えたら、どんだけマシか。

 

 俺の本心を悟られる訳にはいかない。俺の致命的なミスはもう俺だけの責任じゃない。シェリルにだって被害が出る。

 

 それだけは……ダメだ。

 

 文字通り悪魔の契約をしてしまったのだ。この契約を達成する手段か、破棄する手段か。どちらかが完成しないと、この心を曝け出す訳にはいかない。

 

 だから今は騙されてやろう。愚者になってやろう。いや元々バカな愚者な俺だったな。まあどちらにせよ、演じ切ってみよう。

 

 

 

『アルファ、今の状況は?』

 

 俺は努めて冷静にアルファに尋ねる。

 

『おとなしくしなさい! 今は傷の対処を――』

 

「どの臓器をどの程度負傷した? それと戦闘はどうなってる?」

 

 念話を使わず叫ぶ。それで傷口が痛む。最悪だ。

 

『そうね。大腸が損傷しているわね。あと横隔膜とかにもダメージが来てるから、呼吸が苦しいと思うわ。他の臓器には損傷はなさそうよ』

 

 幸い負傷は左上腹部付近だった。右上腹部なら肝臓を損傷し、大量出血で亡くなっていただろう。

 

 

 

 ”本当に悪運は強い”

 

 

 

 大腸が損傷している。

 大腸穿孔や、大腸の内容物(うんことか)が腹腔内に流れてしまえば、敗血症や細菌性腹膜炎とかの感染症やショックのリスクもある。

 

 実際腹腔内にうんこがまき散らされてる患者の緊急オペに入った時は、開腹切開したとたん手術室がうんこの匂いで充満され、自分の髪にうんこの匂いが残ったこともあった。*4

 

 

 だがアキラはハンター食という、完全に身体に吸収され排泄物が出ない食事を取っていた。消化物が大腸にないことが、皮肉にも功を奏した。

 

 

 

 そして出血もレーザーによってある程度焼かれており、出血量もひどくはなかった。

 

 ――いずれにせよ、致命傷には変わらない。

 

『アキラ、落ち着いて聞いてね。ここに医者はいない。ここにある簡易医療キットじゃアキラの傷は防ぎきれない』

 

『アキラ、あなたはもう助からないわ』

 

 だとしても、最後まで抗うのが医療従事者だ。今はハンターであるが、腐っても昔は人助けをしていたのだ。

 

『俺はまだ諦めない。それが諦める理由にはならない!!』

 

 簡易医療キットの中にある縫合セットを展開する。

 そして念のために買っておいた血漿分画製剤(生体組織接着剤)*5も取り出す。

 

(前世の医療技術より発展してるんだ。前世のやつより長持ちするし、効くはずだろ!!)

 

『アキラ、あなた一体何する気?』

 

『もちろん、手術モドキだ。手伝え、アルファ』

 

 ずっと隠し通す予定だった前世知識や医療技術を、ここでさらけ出す。自分の首を絞めることになっても、今ここで死ぬよりはマシだ。

 

 

『手伝うって、何を? 言っとくけど戦う事には自信があるけど、人を治すのには自信がないわよ?』

 

『大丈夫だ。俺の視界内にAR(拡張現実)で俺の腹部の傷を映してくれたらそれでいい』

 

 アキラの視界に自身の傷口の様子を映すことによって、内視鏡手術のようにしてみる。

 

 (腹腔鏡下大腸切除術(ラパ腸)だって何度も手術介助してきて、手順も何もかも見てきてる。

 その脳内記憶を総動員して、俺の強化服に反映させて医者の真似をするしかない!!)

 

 

 前世で働いていた手術室では、ARを利用した手術も何度か見た事がある。実際、仲の良かったドクターに借りて試したこともあった。

 

(まさか、こんなとこで前世知識が使えるなんて……まあ使いたくなかったけどな!!)

 

 

 ハガレンのマスタング大佐みたいに傷口焼いて止血するか? 電メスもバイポーラ*6もねぇんだ、焼いて止血は今は無理だ。血液凝固剤もない。圧迫止血か? いや、もうこれはクランプか?

 

 まあ、なんとかするしかないか!!!

 

 そうしてアキラが、アキラに対する手術を始めた。

 

 アルファは驚愕と、そして再計算を脳内で繰り返していた。

 

---

 

 

 モニカとの戦闘は、もうすぐ終わりを迎えそうだった。

 もちろん、モニカの勝利という形で。

 

 シオリとカナエが弱いわけでは決してない。だがモニカの防御を崩すことができず、そしてシオリたちの加速剤のリミットがもうすぐだった。

 

 その戦場に、一人参加する。

 

「なんで、まだ生きてるんですか!!」

 

 モニカが叫ぶ。

 

「ギイギイとよく鳴く女だね…酷く耳障りだ。孔に響くよ」*7

 

 アキラがふらつきながらも、戦場へ復帰した。

 

「ほんと、あんたは何者なんですか!」

 

死人(転生者)*8

 

 モニカはゾッとした。

 

 得体の知れないアキラを見て恐怖する。自身が殺したと思った。死んだと思ったやつが、生きていた。

 そこらへんでうろついてる強化服死体どもとは違い――生きていた。

 

「は? 生きてるじゃないですか! ふざけるな! だいたい死人? 違います! あなたはただのスラムのガキのアキラだろうが!!」

 

「アキラさんをつけろよデコすけ野郎!」

 

 実際アキラも、なぜ生きているのか分からなかった。

 

「誰かが、コインを入れたみたいだね」

 

「何を、言って!」

 

continue?

 

YES

NO◁

 

「"YES"だ!!」*9

 

 アキラは走り出す。

 

 そしてレイナとすれ違う。

 

「あとは頼む」

 

 それだけ言って、戦場へ走り続ける。

 

「うん! わかった!!」

 

 レイナは叫ぶ。

 

「だから、頑張って!」

 

 その声を背に、アキラはにやりと笑う。

 

「任せろ!! 俺は不死身のアキラだ!!!」*10

 

---

 

 

 アキラはシオリたちと合流し、伝える。近距離汎用通信にて。

 

【作戦は続行だ】

 

 ただそれだけ。

 

 アキラがなぜ生きてるのか、まだやるのか、いつまでに死ぬかどうか。

 それもシオリたちは聞かなかった。

 

 

 

 いずれにせよ、もう超短期決戦で終わる。疑問は不要だ。ただ作戦を遂行するため前を向く。

 

 

 

 アキラは脳内麻薬や瀕死時の高揚感と全能感と生存本能、そして今はアルファのサポートがある。

 

 カナエは、致命傷になっても勝利を諦めず貪欲に前に行くアキラの行動と雄姿を見る。

 シオリもカナエ同様そんな気持ちを抱きながらも、すべては大事なレイナのために最後の力を振り絞る。

 

 限界だった三人のハンターが、120%の潜在能力(ポテンシャル)を引き出すに至る!!

 

 

『アルファ、手筈通りだ! 頼むぞ!!』

 

『ええ、任せなさい! 今度こそ間に合わせるわ!!』

 

 

 

 

 

 モニカは大いに動揺する。

 

「ですが、もう虫の息! この場で全員殺せば済む話です!!」

 

 数度の交戦、回避、攻撃を重ねる中で、アキラが黙っていることにモニカは気づく。

 

(うるさいアキラが黙っているという事は、それだけ損耗しているという事。当然です! とっくに限界なんですよね!)

 

 実際、アキラの顔はいつもより青い。血を流しすぎたのだ。

 

「今までの威勢はどこにいきました? そりゃイキがらないと、興奮しないと、バカにしないと! 意識が飛んで死にますからね!」

 

 だがアキラは睨むだけで、何も言わない。

 

 

 

 

 

 ……ガハッ。

 

 吐血したアキラが傷口を抑える。大きな隙が生まれる。そこを狙ってモニカが殴る。

 

 瞬時に大きく退くが、モニカが追い打ちをかける!

 

「ここです! 死ねぇぇえええええ!」

 

 

 

 アキラがA2D突撃銃を構える。

 

 次の瞬間。

 ()()の対力場装甲弾と、シオリ・カナエ・キャロルの攻撃が重なり、ダメージ上限を超えた。

 

 ()()()B()S()S()()()()によって放たれた弾丸が、モニカの腹部を大きく抉った。

 

 

 

「なん、で!!」

 

「はぁ、はあ。興奮剤や加速剤、鎮痛剤とかドーパミンで痛みを切ってるやつが、急に腹が痛くなって隙が生まれるわけねぇだろ」

 

 

 

 よろめくモニカ。

 

『このタイミングで、モニカと工場のエネルギー補充回路を完全に切断したわ。もうモニカは旧世界の防御力の高い強化服だけよ』

 

『もうちょっと早くしてくれてたらな』

 

『それはほんとうにごめんなさい。私がもう少し早く合流できたら、アキラがこんなにケガすることはなかった』

 

『エネルギー補充回路を、もっと前に切ってくれてたり無効化してくれてもよかったんだぜ?』

 

『あら。完全に力場装甲が消失したら明らかに異常だし、疑われるかもしれないから。私の提案を蹴ったのはアキラじゃない? モニカのダメージコントロール機能を誤認させて、ただ殴っただけで昏倒できるようにすることもできたのよ?』

 

『なんもいえねぇ!』

 

 

 

 

 モニカは痛みに苦しむ。

 

「どうして、なぜ! アキラではなく、あなたなんですか!!」

 

 

 

 ――そう。

 本命のBSS複合銃を使い、発砲したのはレイナだった。

 

 

 すべては、明らかにモニカの意識外にいるであろうレイナによる最大火力の攻撃を当てて討伐する――という作戦をアキラが提案したのだ。

 

 

 

 そのためアキラはレイナにBSS複合銃を渡した。

 そしてモニカを騙し誘導するため、アキラ達はずっと苦戦するような表情を演じていた。

 

 

 

 もちろん狙撃やBSS複合銃の制御、反動制御はレイナ本人の実力だけなら難しかった。だがレイナの装備や強化服の性能は実際のところアキラより上であり、シオリがレイナが死なないために用意できる一番いい装備を準備していたため、このような攻撃が可能となった。

 

 

 

「戦車の天敵は歩兵であるように、いつだって最強を倒すのは最弱だ」*11

 

「だって、もう対力場装甲弾はないって、言ったじゃないですか!」

 

「ああ確かにそう言ったな。あれは嘘だ」

 

「……は?」

 

 モニカがぽかんとする。

 

「お前を倒すための合理的虚偽だ。あれはただ玉切れのふりしただけで、俺のA2DにもBSSにも対力場装甲弾は残ってたよ」

 

「な、な、な……」

 

「これはライアーゲームじゃない、が。騙された方が悪い! モニカちゃん……君は本当に………………馬鹿だよねぇぇぇ~~~!!」*12

 

「くそ、くそ、くそ!!」

 

「それに相手がすっかりいい気になったところで一気につき落とす……のが最高なんだって? 同感だ。く~っくっくっくっくっくっくっ」*13

 

 

 

 キャロルがアキラを見て、(嫌なヤツ~)と思っていた。

 

---

 

 

「血が! 血が止まらない! 助けて、助けてください!!」

 

「だが断る! このアキラが最も好きな事のひとつは――」

 

「そ、そうだ! コロンを差し上げます! だから助けてください!!」

 

「……ほう?」

 

 アキラが興味を持つ。

 

 

 

(コロンならアキラにでも交渉ができる!!)

 

「そ、そうですコロンです! だから助けてください!」

 

「死にゆくお前を助けろと? まあ? 腹に穴が開いてもなんとかできる俺なら? 傷口をふさいで命を助けることはできるな」

 

「だ、だったら!」

 

「だったら先にコロンを払え。倍返しで先払いだ!! あいにく正規の医療費より法外な金額を請求するぜ!」

 

「もちろんです! 払います! しかも実コロンです! 地域通貨コロンじゃありません!!」

 

 モニカは必死に言う。

 

「ほう! で、いくら払える? 文字通り法外な値段じゃないと対応しないゾ」

 

「500万コロン! それでどうでしょうか?!」

 

「そうか。君のその命の値段はその程度なんだな。さて帰るか」

 

「ま、待ってください! なら私が持っている全財産を差し上げます! そして今の死体強化服たちも止めさせます! そう、工場に依頼します! だから!」

 

「それが聞きたかった!」

 

 そうしてアキラはモニカからコロンを受け取る。正確にはアルファ経由で受け取った。

 

 アキラは自身の口座にコロンが入金されていることを確認したいが、今は回線が死んでいる。旧世界の端末もない。確認はできない。

 

 だがアルファから「受け取った」と聞くと、アキラはモニカの治療を始めた。

 

---

 

 

 その間にシカラベ達やエレナたちがアキラたちと合流した。

 

 腹部を大きく損傷したモニカを治療しているアキラを見た一行は、アキラの異常な行動からいくつか想像、推察することができたが、ひとまず黙っておくことにした。

 

 また、アキラがモニカからコロンを受け取ったことはシカラベ達やエレナたちには伝えていない。ポケットにないないすることにした。

 

 幸いシオリやカナエ、キャロルやレイナは、それぞれ思うことがあっても何も言ってこなかった。

 

「ありがとうございます! この恩は一生忘れません!」

 

 モニカが喜んでいる。

 

「おう。契約したからな。命だけは助けるって」

 

「ええ、ありがとうございます!」

 

「じゃあ命以外はすべて保障しないからな。じゃあシオリさん、お願いします」

 

「ええ。とりあえずどの部位を切り落としますか?」

 

「順当に四肢切断でいいですよ。焼いて止血するんでスパッと行ってください」

 

「わかりました。では失礼します」

 

 次の瞬間、モニカの四肢が切り落とされた。

 

「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!!???」

 

 モニカが痛みのあまり叫び散らす。

 

「助けるって……! 言った!」

 

「おう。だから命だけは助けたぜ。だからお前の今後がどうなるかは保障しないし、お前の身柄も保障しない。なんならこのまま都市に引き渡そうと思ってるゾ」

 

「うそだうそだうそだうそだうそだ!!!」

 

「残念、現実なんだなぁこれが!!」

 

「うわあああああああああああああ」

 

 そうしてモニカを生け捕りにしたアキラたちは、今回の事態の物証ともなる生きた証人を確保した。

 

 賞金首でもないのにこんな苦労をしたのだから、都市に高く買い取ってもらおうとした。装備も、情報も、人権も、そのまま都市に渡す。

 

 アキラがモニカと契約したのは「今この場の命を助ける」ことだ。今後に関しては明記していない。

 

---

 

 

 その中、雨が上がった。

 

 工場区画からの脱出を始めようとすると、都市の追加の部隊と通信が繋がり、今向かっていることを知ったメンバーたち。

 

 前哨基地まで自力で逃げてきたハンターからの情報によりモニカの裏切りを知った都市側は、すぐに追加の部隊を派遣していた。その部隊が通信の届く距離まで来ていたのだ。

 

 このコンテナターミナルが野外であること。雨が上がったこと。雨が降る前から発生していた工場区画の通信障害も低下したこと。加えて、前哨基地との通信の中継機を兼ねていた重装強化服であるヘックス機達と連絡が取れない状態での出撃により、追加部隊は強力な中継機を用意していたこと。

 

 それらの要因が重なり、アキラ達は今頃になって前哨基地との通信が可能になっていた。

 

 それをエレナから説明されたアキラ達は、エレナと似たような複雑な表情を浮かべた。追加の部隊と合流できるのはとても助かる。だがもう少し早く来てほしかった。全員、その内心をありありと顔に出していた。

 

 その後、アキラ達は追加の部隊と合流して、前哨基地まであっさり帰還した。

 

 生きて帰るまでが遺跡探索。

 

 アキラの今回の遺跡探索は、予想外の事態が多発したものの――ようやく、無事に、何とか片付いた。

 

 

 

*1
血管や臓器、チューブなど、さまざまな部位を一時的に閉鎖したり、固定したりすること

*2
実話

*3
実話

*4
実話

*5
血液中の血漿を分画・精製して得られる医薬品。人間の血を加工して作ってるので結構高価。

*6
ピンセットのような2つの電極で組織を挟み、高周波電流が一方の電極から挟んだ組織を通してもう一方の電極へ流れ、つまんだ組織をジュール熱により発熱し、組織を凝固するための機械。

*7
漫画『のセリフ。千年血戦篇で腹に孔が開いている状態で、その穴のから月が見えるというオサレポイント高いシーン

*8
これもBLEACH』の吉良イヅルのセリフ。敵から「何者だ」と問われた際には「死人」と答えた

*9
漫画『亜人』の佐藤のセリフ。亜人として覚醒した時のセリフ。

*10
漫画『ゴールデンカムイ』杉本のセリフ

*11
ラノベ『ノーゲームノーライフ』のセリフ。最強の神を、最弱の人間が倒した時のセリフ。

*12
ドラマ版『ライアーゲーム」のセリフのパロ

*13
漫画『ケロロ軍曹』のクルルのセリフのパロ




アキラと作者「コロンの相場と取引の仕方がわからん」
アルファ「やっとくわね」

読了感謝です。
というわけで、今作ではレイナがモニカを倒しました()。実際このプロットを思いついた時に、「あれ?アルファいらなくね?」となりましたが。まぁ過ぎたることはなんとやらです。
ちなみにアキラは「もしかするとレイナは功績を辞退して、俺に還元してくれるんじゃないかな」と考えてました。割と女の敵です。人の心とかないんか?

そしてアキラはしれっとモニカを恫喝して、冷静さを失わさせて、コロンを巻き上げました。
そして都市にドナドナしていくモニカです。売られていくよ~

またアキラの治療行為でその場の全員に「こいつ異常すぎんだろスラムのガキじゃなくて。中位区画出身or旧領域接続者だろ」って思われてます。
アキラにとってこの場で一番信用できないのがアルファで、二番目にキャロルですが。他メンツは黙ってくれるだろと信じてます。実際原作でもエレナはわかってても言わなかったですしね。
キャロルの信用度が低いのはただ単に付き合いの短さです。キャロルの実際の境遇をしればアキラは同情します。


また最後モニカを治療しようとするシーンはブラックジャックのように法外な金銭を要求して人の心を遊んでました。



さて、改めてこの5日間お付き合いいただきありがとうございました。今後の更新はありますが、正直燃え尽き症候群でいったん休む可能性もありますが…まぁご容赦を。

最後に、日間ランキング乗りたかったぜ!畜生め!

お疲れ様でした!
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