Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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ダークライを解放しろ(閲覧感謝です)

いつも通り更新が遅れています、これも全部妖怪のせいなんです(時代遅れ)

いままで仕事中の空き時間に書いてたんですが、結局月末にかけて忙しくて書けていない状況が続いています。
実際今日も18時に退勤して、休憩はさみつつようやく22時前に書ききれたので、マジで書くスピードが…
あと仕事で疲れて18時から19時くらい虚空見つめてました。鬱じゃないよホントダヨ。

二大徒党抗争編多分うまくいけばあと二話くらいで終わる…かも?
なお原稿は白紙である。

感想返しきれてなくてすいません。読んではいるんですが、返す気力がなくて…(言い訳)
ぶっちゃけ僕よりリビルドワールド理解してる方や、「こんな案あるで」って言うてくれるのとか助かってます。
改めていつも感想、誤字報告、閲覧、お気に入り評価等感謝です。


襲撃者ザルモVSティオルVSダークライ

遺物売買店の運営は縮小しているとはいえ、完全に止めたわけではない。

 

 

 

倉庫の警備。

競馬場の警備。

流通の維持。

 

 

 

やるべきことはむしろ増えていた。

 

 

 

そのため、徒党は普段以上に外部のハンターを雇い、防衛を強化していた。

 

それなりのハンターが暇つぶしで来ている事もあれば、最近落ち目で依頼を受けれていないならず者や借金返済のため業者から派遣されているものなど、様々なハンターが来ている。もちろんただの仕事以上に、今のスラム情勢を考えて行動しているものもいる。

 

 

 

今のスラムはエゾントとハーリアスの抗争が近々勃発するのではないのかという噂がはびこっている。

 

エゾント側に就くものやハーリアスに就くものなどもいれば、中立に立っている――日和見しているものもいる。

 

その中立勢にもさまざまにおり、抗争終了後の勝者に就く算段のものもいれば、最初からその抗争自体に興味がない、関係のない、庇護下にも入れない弱小徒党。そして一貫してどちらとも組まないと宣言している変わり者の異端な徒党も存在する。

 

 

 

むろん異端な徒党とはアキラたちの徒党だ。

 

都市との共同運営の打診が来る前からアキラたちは一貫して中立を保っており、政治的な手腕をシェリルが、武力的な側面をアキラが担当し自分たちの徒党を守っていた。

 

 

 

もっともアキラとシェリルはこの徒党を将来的に売却するか、手放すかを考えているのでどこかの徒党の傘下に入るとかそんな考えはなかった。少なくとも今は徒党の価値を高め、高値で買い取ってくれるところを探すために徒党という商品の価値を上げているところであった。

 

 

 

またアキラたちの徒党はすでに賭博場の運営という形で都市との関りもあった。

 

 

 

そのため勘のいいもの、嗅覚のいいもの、野心のあるもの、中立でありたいもの、都市との関係を望むもの、様々な人間がアキラたちの徒党に接触し、融資や協力関係、傘下入りの希望など様々な思惑があった。

 

 

 

 

 

その中に、一人。

 

 

 

トメジマ経由で派遣されたハンター――ティオルがいた。

 

 

 

 

---

 

 

 

 

 

(……暇だな)

 

 

 

倉庫の外周警備を任されながら、ティオルは内心でぼやく。

 

 

 

だが同時に、別の目的もあった。

 

 

 

(金は貰ってるしな。倉庫の中、見とかねぇと)

 

 

 

報酬と引き換えに、倉庫の内情を探る。

 

 

 

その程度のことは、このスラムでは珍しくもない。どんな思惑があったとしても、金がもらえるなら潜入だって情報のリークだってするヤツはいる。アキラたちも考えていたようにスパイ行為に走るものは実際に存在したのだ。

 

 

 

周囲を確認し、死角を抜けて。

 

 

 

ティオルは許可なく倉庫の中へと滑り込んだ。

---

「……おお、すごい量の遺物だ」

ずらりと陳列され並んでいる遺物を目にしたティオルは思わず声が漏れる。

 

 

 

だが――

 

(……あれ?想像より、少ないかも?

なんか……ショボくね?)

 

傷物の遺物。

動作不安定な遺物。

用途不明。

もちろん、まともな遺物もある。だが――

 

 

 

明らかに“訳あり”の遺物ばかりだった。

 

(遺物売買店ってことだから、いい感じのもんがいっぱい残ってると思ってたけどこんなもんか……?)

 

 

拍子抜けしかけた、その時。

 

 

 

「見ない顔ね。どちら様?」

 

 

 

背後から声がした。

 

 

 

「――ッ!?」

 

 

 

反射的に振り返る。

 

 

 

そして、さらに驚く。

 

 

 

そこにいたのは。

 

 

 

アキラと、シェリルだった。

 

 

 

 

---

 

「私これでも徒党の子供たちの顔と名前は一致できるのだけど。あなたは知らないわ。外部のハンターよね。申し訳ないけれど、ここは関係者以外立ち入り禁止なの。どうしてこんなところにいるのか、聞いてもいいかしら?」

 

 

 

シェリルが視線を鋭くし、冷ややかに言う。

 

 

 

だが――

 

 

 

(……え?)

 

 

 

ティオルは、そこで思考が止まった。

 

(……なに、え。この子すごくすごい可愛い!いや綺麗とかそんなちゃちなレベルじゃない!視線を外せない。あ、目があった!かわいい!瞳も綺麗だ!え、やばい。やばいやばいやばい!好き!)

 

 

恋に落ちる音がした、かもしれない。ラブストーリーは突然に始まった。

 

 

だが今さっき出来た思い人のそばには既にティオルと同年代くらいの子供のハンターがいる。

装備も雰囲気も、そして顔面偏差値も自分より上であった。

 

その子供のハンターくらいの実力がないと、この少女の隣に立つことはできないのだと理解した。

 

だが心が理解(それ)を拒んだ。

 

彼女の横に居座るハンターより自身が強くなれば、この少女を奪えるのではないか。

一般的はハンターらしく簒奪するという考えを、ティオルは自身の欲望と嫉妬を綯い交ぜにして現状理解を手放した。

 

 

 

 

 

 

シェリルは内心でため息をつく。

 

 

(ああ、またか。私が一番欲しい男の視線はあなたじゃないのに、どうして興味のない男からの視線を向けられなきゃならないのかしらね)

 

 

先ほどまで警戒していたティオルが浮かべる子供のような無邪気な欲望の視線と表情、そしてしぐさなどからシェリルへ恋心とかそういった気があるのだろうという確信をした。

 

 

 

「それであなたはどこのどちら様ですか?」

 

シェリルが促す。

 

「あ、ああ!お、俺は……テ、ティオルっていう、ます!」

 

盛大に噛んだ。

 

「……で、あんた。違う、あなたは?名前はなんて言うんだ?」

 

ティオルはナンパの流れに入ろうとした、その瞬間横から声が割り込んだ。

 

「ティオル?お前がティオルか!」

 

急に会話を遮ってきたアキラに対しティオルが即座に叫ぶ。

「お前には聞いてない!!今この人と話してんだよ!部外者は黙ってろ!!」

 

アキラが、ニヤリと笑う。

「部外者なのは君だろネットのおもちゃのティオル君?」

 

「なっ!?」

 

一瞬で顔が赤くなり、次の瞬間には青ざめる。

 

(こいつ……スレ民か!?)

 

それ以上に、目の前で馬鹿にされている。

 

それを理解した瞬間、ティオルの理性は吹き飛んだ。

 

「ふざけんなぁ!!」

 

ティオルが銃に手をかけ――

 

その瞬間。

 

ティオルの視界がブレ、世界が反転した。

 

「――え?」

 

ティオルはアキラによって床に押し倒されている状態でようやくその状況に気付いた。

 

「ぐぁッ!?」

 

関節が極まり、ティオルは自身の強化服を稼働させるがアキラを振り払う事はできなかった。

 

逃げられない。ティオルはそう理解した。

 

「別に俺に銃向けるのは許す……なんて言わねぇぞ」

 

呆れるようにアキラが低く言う。

 

「誰と誰に向かって銃向けてんだよ、てめぇ」

 

「くそッ……!」

 

「シェリル」

 

「ええ、もう指示してるわ」

 

シェリルは既に近くの子供たちに強化服着用者でも一時的に拘束可能な拘束具を手配していた。

 

---

 

「なんなんだよ!お前なんなんだよ!!」

 

ティオルが叫ぶ。

 

「改めて自己紹介といこうか」

 

アキラが笑う。

 

「おはティオル。俺がそこの可愛いシェリルの恋人でこの徒党のボスのアキラさんだ」

 

わざとらしく間を置いて。

「親しみを込めてアキラさんと呼んでくれて構わないぜ」

 

「――ッ!!」

 

その名前を聞いた瞬間。

 

ティオルの表情が歪み怒りが爆発する。

 

「お前がアキラか!!お前やカツヤがいるから!!俺は一生バカにされるんだ!!」

 

「へぇ」

 

アキラが少し感心したように言う。

 

「俺かカツヤのどっちかを嫌うやつは知ってるが両方嫌いって言うやつは初めて見たな珍しいから標本にでもしてやろうか。いやこの場合はネットの魚拓にしてあげよう。」

 

「ふざけんな!!」

 

その間に子供たちが戻ってきた。

そしてティオルは拘束具を装着させられ念のため強化服の電源も落とされ完全に無力化された。

 

---

 

「くそッ!離せ!!俺が何したっていうんだ!!」

 

「そりゃ不法侵入、殺人未遂、不貞行為未遂、あと情報漏洩の疑いか?お前の罪を数えろ。」

 

アキラが指折り数える。

 

「はぁ!?」

 

「今更数えられないか。」

 

アキラが笑う。

 

「言ったよな『1000ならティオルを馬車馬のように働かせる。』ってこの前のスレで。あれを宣言してたが、撤回しよう。働かせる前にまず豚箱行きだな。」

 

「くそッ……俺はまだ……!」

 

アキラが軽く手を振る。

「はいはい話は署で聞きますからねーー。」

 

「強化服電源切って、強化服脱がせて懲罰室に転がしといてくれ。」

子供たちがティオルを引きずっていく。

 

 

「シェリル雇い主の特定と事情聴取。急ぎで頼む」

 

「わかったわ。直にさせるわ」

 

「せっかくのティ虐だ。他のスパイ相手にも、働かない不正受給者どもへの見せしめにちょうどいい」

 

---

 

数10分後。

 

トメジマが呼び出された。

 

状況はすぐに理解したらしい。

 

「……申し訳ございません」

 

ティオルの頭を押さえつけ、土下座させる。

 

「おい、お前も謝れ!!」

 

「……ッ」

 

ティオルは歯を食いしばる。

 

だが逆らえない。今逆らっても自身はアキラに潰され、シェリルに会えなくなってしまうと理解していた。

 

「……すみませんでした」

 

頭を下げるティオルだったがその目は絶対にアキラを許さないと言っているような眼光であった。

 

(……殺す!絶対殺す!そしてシェリルさんを手にするんだ!)

 

内心の敵意だけが、静かに燃えていた。

 

---

 

土下座し下を向いているティオルの表情を、アルファがのぞきながらアキラに尋ねる。

 

『ねぇアキラ、このティオルという少年なんだけど。頭を下げているのに顔はすごーく怖い表情してるわよ。殺してやるーなんて内心思ってるかもね』

 

『よくも悪くも年相応な反応だな。さすが俺たちのティオル』

 

『それで、この子どうするの?』

 

『泳がせる。十中八九どっかのスパイか、もしくはリークしにきただけの下っ端だろ。うちの徒党に高価な遺物も、資産もありませんって勝手にリークしてくれるんだ。間違った情報を流してくれれば、それが回りまわって毒となる。まぁ実際この徒党にある倉庫の資産価値なんてそれなりしかないからな』

 

『わかったわ。一応どこにリークしてるか調べておきましょうか?』

 

『ああ、一応調べといてくれ。わかる範囲で憶測を混ぜずにただ情報として俺に教えてくれ』

 

『…わかったわ』

 

 

 

アキラにとって、ハーリアスやエゾントファミリーのスパイは特に危険だと思っていない。

一番厄介なスパイ(アルファ)が常に隣にいるのだから。

 

 

 

 

 

その後。

 

ティオルはしばらくの間、徒党でこき使われることになった。

 

雑務に警備、運搬など徹底的にアキラは嫌がらせをしていた。

 

 

 

---

 

その裏で、ティオルが入手したアキラの徒党の倉庫内の遺物の映像が二大徒党の片割れにリークされた。

 

 

倉庫の配置、警備の流れ。遺物の質と量など情報を分析するのが得意なものにとってはアキラの徒党の遺物の価値を大雑把に算出するのは容易であった。

 

 

そして襲撃し、遺物を強奪した際の利益額、アキラたちへの徒党への被害額を予測できた二大徒党のボスの結論は単純であった。

 

 

「金にはならんが――潰す理由にはなるな」

 

恭順しない徒党。

 

自身たちがもう片割れのスラムの徒党を倒した後、既に都市と連携し特殊な立ち位置にいる徒党は邪魔な存在であった。

 

ならば、先んじて潰す。

 

---

 

そうして。

 

アキラの徒党は――

 

襲撃を受けることになる。

 

 

 

 

 

 

襲撃は、予想通りに始まった。

 

堂々と日中に襲撃者たちによって倉庫の一つが狙われることになった。

 

 

 

だがそこは――最初から「捨てる前提」の囮として用意された場所だった。

 

 

低品質の遺物。価値の低い在庫など、失っても問題ないモノでほぼほぼ構成されている。

その失っても問題ないモノには当然、警備も入っている。

 

 

配置されているのは、外部から雇ったチンピラ崩れのハンターと、従順とは言い難い徒党の子供たち。アキラたちの徒党の甘い蜜だけを吸いにこようとした下種などで概ね構成されている。

 

中堅ハンターも一応は配置されているが、主戦力は別の場所に回している。

 

エリオたちも徒党の防衛のため参加していた。

 

「……下がれ!」

 

エリオの指示で、徒党のハンターたちが後退し、襲撃者たちが倉庫に向かってしまう。わざわざ襲撃者の進行を率先して止めるわけにはいかない。エリオがアキラとシェリルに指示されたのは【被害を出し過ぎず、しかし拮抗した戦闘に見せつつ、襲撃者たちにクズ商品を持って帰ってもらう事】であった。

 

その絶妙な調整を、エリオは理解した上で実行していた。

 

(……やりにくいな)

 

だが、死なせない。そして死んでやらない。

 

自身の命と恋人の命、それだけは守る。

 

エリオの上司のアキラが常にそのスタンスであるため、エリオもそういったスタンスがより強くなっていた。

 

 

 

 

結果として倉庫は制圧され、遺物も人命も奪われることとなる。

 

襲撃者たちのリーダー的存在のような指示者のザルモは、今の現状を見て――

 

「思ったより弱ぇな」

 

そう判断した。

 

「よし、アキラが来るまでに持って帰れるモン全部持っていけ!遺物の価値はあんま高くない!質より量を持っていけ!!」

 

徹底的に持ち去るつもりであった。

 

 

 

その最中。

 

スラムの中堅徒党――シジマの部下たちが応戦に入る。

 

中立を維持するアキラたちの徒党に取り入り、おこぼれを狙っていた連中だ。

 

だが。

 

「うおっ――!?」

「くそが!!」

「シジマの兄貴ぃ!!」

 

一瞬でせん滅された。

 

いくらハンター崩れの襲撃者といえど、その暴力性と実力で生きている強者に、ただの徒党の武力要員がかなうワケなかった。

 

シジマの部下たちは、ほぼ抵抗もできずに叩き潰された。

 

 

 

 

 

 

そして。

 

やっとアキラが現れる。

 

 

 

「もう少し早く出てもよかったか?まぁいい。テキトーにあのボスっぽいやつを中心に追い返すか。」

 

低く呟く。

 

アルファのサポート、新しい強化服の機動音。

スマートコンタクト上とアキラの認知内に表示されるFPSのようなUIや小マップ。

モニカ戦でも壊れなかったドレッドノートに飛び乗り、そのまま強襲する。

 

 

 

 

 

アキラの登場により流れは一気に変わる。

 

 

 

アキラが前に出て、襲撃者をせん滅し、機動力をそぎ、襲撃者を押し返すように誘導しつつ戦闘を継続する。

 

『わざわざ人型兵器を持ってきてるわけないよな』

 

『どうかしらね。襲撃者たちのアキラに対する警戒心の程度とか、襲撃する意味やその被害想定によって変わるんじゃない?』

 

『まぁ、なる様になるか。既に襲撃者たちは結構逃げて行ってるしな』

 

アルファとの高速念話をしつつ、意識は戦場に向け続け自体の収束に近付けていく。

 

撃つ。

避ける。

崩す。

 

無駄がない一方的な攻撃を繰り返す。

 

 

襲撃者たちは理解する。これ以上はリスクに合わないと。

 

「クライアントにドヤされる……!これ以上死人が出る前にずらかるぞ!」

 

ザルモが叫ぶ。統制が崩れ、撤退し襲撃者たちは引いた。

 

 

 

残されたのは。

 

壊された倉庫。

散乱した遺物。

血と、死体。

 

 

 

ズタボロだった。

 

 

 

だが――アキラとシェリルそして古参幹部たちはこの結果を、想定内として受け止めていた。

 

 

 

「……予定通りね」

 

「ああ」

 

短いやり取り。

 

 

 

その直後。

 

アキラたちは即座に動く。

 

 

 

遺物売買店の閉鎖。

賭博場の閉鎖。

 

 

 

理由は明確だった。

 

「治安悪化のため」

 

「襲撃の影響で泣く泣く営業停止します」

と大大的に知らせる。

 

 

 

それによって、ギャンブラーや遺物売買店の客、スラムの住人など様々な人たちの不満が爆発する。

 

 

 

だがその矛先は。

 

アキラたちではなく――

 

襲撃者へと向けられた。

 

 

 

「ざけんなや 遺物が買えん ドブカスが」

「なんで店閉めるんだよ!」

「誰だよ襲ったのは……!」

「嫌すぎて滅!」

「誰がここまでしろと言った!」

「毎週日曜日の15時40分くらいからのレースが、俺の生きがいなんだぞ!!」

「ニチヨウビってなんだ?」

「知らね」

 

 

 

そして。

 

もう一つの成果として、シジマたちやアキラたちなど各自が捕縛した襲撃者の証言を統合すると。

 

「デカい倉庫に遺物がたっぷりあるって聞いたから襲っただけ」

 

「遺跡に行くより近いし、難易度も低そうだったから」

 

「ザルモのやつが上手い話しだって言ってた」

 

「なにより」

 

「エゾントファミリーが俺たちについている」

「ハーリアスが俺たちについている」

 

「「ん?」」

 

そう襲撃者たちの証言と、話が食い違っていたのだ。

 

 

当事者の襲撃者ですら状況を理解していなかった。

 

 

彼ら襲撃者の裏にいるのはエゾントか、ハーリアスのどちらなのか。

 

 

 

 

あるいは、どちらでもないのか。

 

 

 

結果として。

 

アキラたちは、どちらの傘下にも入らない口実を手に入れた。

エゾントかハーリアスか不明だが、襲われたのだ。

 

 

 

 

だがそれでも現場にいた者たちにとっては、そんな事情など関係なかった。

 

 

負傷者も死者も出ている。

 

 

 

悔しさと、怒りと、悲しみなど。

空気は重く、のしかかっていた。

 

 

 

 

 

シェリルとアキラの悪巧みを見ているエリオだが、彼もこの襲撃で傷を負っていた。命に別状はない。

 

 

だが。

 

 

 

(……何も思ってないのか)

 

 

 

アキラを見る。

 

 

 

(人が死んでるのに間接的に、アキラやシェリルが殺したようなものかもしれないのに)

 

 

 

それでも。

 

二人は、いつも通りだった。

 

 

 

(……やっぱり、普通じゃないんだなうちのボス二人は)

 

 

 

その異常さを、改めて理解する。

 

 

徒党の幹部のわりに、野心があまりない。

エリオも恋人のアリシアが無事ならそれでいいと思うくらいには、徒党には愛着はある程度しかない。

 

そういったスタンスはアキラとシェリルから影響されて形成された意識であり、その価値観を持って行動している自身の異常さにエリオはまだ気づいてない。

 

 

 

 

後日、アキラから

「エリオも俺らと同じ異常者ダゾ」

と言われ、今回もエリオは泣いた。

 

 

 




読了感謝です。
今話もエリオを泣かせました。罪な男だぜアキラくんは!!

今回の襲撃はさくっと終えてます。しかもザルモは死んでないですし、そもそも汎用人型決戦兵器 人造人間白兎は今回持ってきてません。

襲撃しても旨味が少ないこと、そもそもセキュリティーがガバであったので「白兎いらなくね?俺らのぱわーがあれば弱小徒党もイチコロだぜ☆」という感じで白兎はログアウトしました。

アキラもザルモも全くやりあう気がなかったので、ザルモが「大義のために、アキラ殺しとくか」ってなってないのもあります。
次出てくるのは原作通りかも。ただ今回ザルモが死んでないので、ザルモのリスポーンにアキラは気づきません。結構致命的です()


お忘れかもしれないですが、今作アキラ君も守りたい人は守りますけど、そうじゃない人は別に死んでもなんも気にしません。
そのためシジマの部下もシナリオ通り死にますし、ついでに邪魔なヤツを口減らしみたいな感じで前線送りにして浪費してます。
アキラ君は自分なりに、他のスラム徒党より比べて自分たちの徒党の方が生きやすいように運営してますし、子供たちに教育や衣食住の提供もしてます。
それなのに反抗的で、言うことも聞かない。徒党員としての義務を全うしないくせに、徒党員の権利を享受するヤツを生かしておくほどお人よしでもないです。そんなごく潰しを育てるリソースがあれば、路地裏から純真無垢(スラム基準)の子供を拾ってきて育てる方が意義がありますからね。
残酷ではありますが、いうてスラムで育っているので悪しからず。
看護師として働いてたことによる必要不可欠な取捨選択能力と残酷性も持ち合わせています。



余談
気温が変わりすぎて体がだるいんゴね。抗ヒスタミン薬(花粉症薬)ないと仕事できりゃん!
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