Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る   作:ロシュ

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閲覧感謝です
とりあえず今日中に投稿できてよかったです。
最悪明日投稿しようかなと悩みましたが、友人から仕事終わりに住之江競艇場に行かないかと誘われたので「あっ、今日中に投稿しないとタイミングなくなるやん」と焦って書き直しました。

改めていつも感想、誤字報告、閲覧、お気に入り評価等感謝です。


バスタード・アキラマン

 

 

 襲撃の後。

 

 最も早く動いたのは、カツラギだった。

 

 アキラたちの徒党の倉庫が襲撃と強奪にあったためアキラの徒党が抱えていた遺物在庫はほぼ壊滅であった。

 

 その状況で遺物売買店の営業停止の判断をシェリルとアキラは行った。

 その判断に対し当然、反発が出た。

 

 新参の徒党幹部たちやアキラたちの現在と将来の影響力を考えた他徒党たち、そしてスラムでの商いで利益を生んでいたカツラギたち等の商人だった。

 

 いままでのアキラの行動に一貫性がなく、その場その場の対応を行っているため不審がる者、アキラとシェリルの対応力のなさなど総合的に判断し、信頼関係を考え直す者もいた。

 

 

 

 実際今回の騒動をめぐってアキラの行動は消極的な事が多かった。

 

 前世でもあったように、戦争は金になる。

 

 勝者と敗者が生まれ。

 敗者からすべてを奪い取ることができる。

 

 

 戦争屋など、戦争勃発地域に物資を高額で販売し利益を得る者だって存在する。

 別に物資以外にも情報や死体なども商品になり得る。

 

 要するに、利益を上げたいのならこの抗争中にリスクを取ってでも遺物販売店を継続するべきだと主張している者が多いのだ。

 

 

 ハンターという職種自体、危険を顧みず荒野の先にあるひとつなぎの大秘宝を求めて仕事を行う。

 

 そのため生き残るハンターは概ねリスク管理に長けていることが多い。

 リスク管理が得意なら遺物売買店を続けてもおかしくないのでは? なぜそこまで弱腰なのか? などまぁまぁの言われようである。

 

 

 実際、この抗争が都市関係の施策であることを知っているのはアキラの関係者の中でシェリルと他最古参のエリオたち幹部だけだ。

 そのため状況というか、そもそも事態の全容も裏も知っていないメンツからするとアキラ達がなぜ動かないのか理解できないのだ。

 

 最も、そのアキラがエゾントとハーリアスの抗争の間に第三勢力として介入し暴れまくって多方面に迷惑をかけてしまうことは流石に誰も望んでいない。

 なお、キバヤシとヴィオラは例外である。

 

 

 

 

 

 横道に逸れまして(それはそれとして)

 

 

 

 

 カツラギから呼び出されたアキラとシェリルは、ひと気のないところでカツラギと話をしていた。

 

 アキラの商売窓口を担当している事になっているカツラギは、他商人たちを束ねるため日々交渉に明け暮れてもいた。

 そのまとめ役のカツラギに対し他商人らからアキラの今回の判断への文句も多く寄せられていた。

 大きな利益を生み出す異物売買店の縮小と、そして営業停止により商人らの反発は想定より多くなっていた。

 

 カツラギは他商人たちの顔を立てるためにも、その意見を仕方なくアキラに伝えることにした。

 そのついでに、カツラギもアキラに文句を言うつもりでもあった。

 

 そうしてカツラギはシェリルとアキラを呼び出した。

 徒党のボスであるアキラとシェリルを呼び出せること、直接意見が言える立場であることなど、カツラギの地位や評価を上げる事にもつながる。

 

 

 実際アキラもカツラギの呼び出しによる影響などに対する理解はしていた。 

 しかしただのサラの一般社員*1であったため管理者とか社長の心構えや振る舞いに関しては疎かった。

 

 シェリルもカツラギの魂胆や手を切ろうとしてくる者への理解はしていたが、アキラが舐められたせいで自分たちの徒党を見限るようなものたちと今後もよろしくやっていけるとは思っていない。

 

 そのためアキラのそういった振る舞いは許容していたし、いい意味でも悪い意味でも変わらないアキラを見るのもシェリルの楽しみの一つでもあった。

 

 

 

 

 カツラギが言うには、やはりこの状況であるからこそ遺物売買店を行った方が、徒党としても大丈夫だという対外的にもアピールができる。

 今が稼ぎ時なのだ、そして中立を保つなら、どちらの二大徒党にも顔を立てず遺物売買店を再開しても問題ないのではないか。と他商人やカツラギ個人の意見を伝えた。

 

 

 

 

 

 アキラは、少しだけ困ったように笑う。

「それでもこの対応を変える気は今のところないぞ」

 

 カツラギは呆れて自身の本音と警告をアキラに伝える。

「あのなぁ。こう言うのもなんだが、本当に大丈夫なのか? 俺個人としても今は稼ぎ時だと思う。二大徒党が気がかりなら、今稼いだ金を抗争の勝者に献上すれば波を立てずに事を済ませられるだろ? なんでそんな頑なに消極的なんだよ」

 

 

 

 アキラは一瞬困り顔をしたがすぐに話だす。

「悪いけどこれは決定だ。俺が余計な事をして、()()()()()()()()()に喧嘩を売りたくない」

 

 そして付け加える。

「そんなことしたらクガマヤマ都市から、俺はシェリルと逃げ出さないといけなくなるかもしれないからな。そんなのは今はごめんだ」

 

 

 カツラギが眉をひそめる。

 

「あのなぁ。別にエゾントでもハーリアスでもどっちかが負けて、どっちかが勝つんだ。勝った方に利益流して、適当にへらへらしてりゃいい」

 

 アキラはまだしもシェリルは理解しているはずだとカツラギも思っていた。

「別に勝者の傘下にならなくても大きく状況は変わらねえ。第一、スラムの徒党相手にしたくらいで、都市から逃げる羽目にはならねえだろ。それぐらいお前でも理解できるだろ」

 

 

 その言葉にアキラは、あっさりと返した。

 

「俺、()()()()()()()()()()()()()()()()()()ぞ?」

 

 

 

「そいつら“じゃない”やつを敵に回したくないって言ってんだよ」

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

「あ、やべ。これ言わなくてよかったやつだ」

 

 

 

 非情にわざとらしく、アキラは口を押さえる。

 

 

 

 

 

 カツラギはさらに混乱する。

 

 

「……何言ってんだ? エゾントでもハーリアスでもないなら、どこを敵に回したら都市からいられなくなるんだよ。そんな相手──」

 

 

 

 そこでカツラギは気付く。

 

 

 

「……おいおいおい。まさかアキラ」

 

 

 

「都市が関わってんのか?! お前に話が行くほどに?!」

 

 

 

 

 

 アキラは肩をすくめる。

 

「俺は何も言ってないゾ。ただ、俺とシェリルは“そこ”と敵対しないように動いてただけだ」

 

 

 

 

 

 沈黙。

 

 

「……ふざけんな」

 

 カツラギが吐き捨てる

 

 

「なんでその情報を俺に共有しねえ! 俺らの仲じゃねぇか!!」

 

 

「都市絡みって分かってたら、こっちだって動きようがあっただろうが!」

 

 

 

 アキラは、淡々と返す。

 

 

 

「共有しても俺とシェリルには手に余る案件だった。うまく扱うには俺の徒党だけで情報と状況を完結するしかなかった」

 

 

 そして。

 

 

 

「だが今、ようやく事態が動きだしたんだ。この最善のタイミングでカツラギにこのネタを教えたんだ。上手く使えよ」

 

 

 

 カツラギを見る。

 

 

 一瞬の沈黙の後。

 

 

 

 カツラギは、深く息を吐いた。

 

「────ッ!? わーかったよ! この段階でもやろうと思えば金稼ぎはできる! お前を信じるぞ」

「安心しろ、俺らの仲だろ」

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 スラムの二大徒党による抗争が、ついに始まった。

 

 

 中立を維持していたアキラたちの徒党には、大きな攻撃は来ない。

 

 

 ちょっかいは大なり小なりあったものの概ね問題なくやり過ごしていた。

 

 どちらの徒党にも恨まれる事は行っていないため、アキラたちの徒党が襲われる事はないだろうと踏んでいた。

 

 

 それでもアキラは念のため、フル装備で徒党の防衛に出ていた。

 

 

 流れ弾や破片などが飛んでくる可能性はいくらでもある。

 

 それらから、徒党を守るために念には念を入れて装備を用意した。迎撃用ミサイルなんて用意してないが、代わりにアキラがその役目を果たす。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 その戦場は、明らかに異様だった。

 

 

 

 白い人型兵器の群れ。

 

 ざっと見ただけでも百はいる。

 

 

 

 それに対するのは──巨大な黒い人型兵器、たった一機。

 

 

 

 

 

 捕虜から聞き出していた名称は、白兎と黒狼。

 

 確かにデカい黒狼の周りをぴょんぴょんするんじゃ^~*2しているので兎っちゃあ兎だ。

 

 

「白兎……か」

 

 

 目の前のロボット大戦を見て、アキラは真剣な表情でぼそりと呟く。

 

 

「白兎と言えば因幡の白兎だけど……多分違う。ダンまちのベルくんか? ……いや、群れで動いてるならリゼロの暴食ウサギか? もしくは天災の束*3さんか?」

 

 

 

「……」

 

 

 

「いや、違うな。白黒対決って意味なら、コードギアスのランスロットと蜃気楼の戦いって事か……? つまり俺は今コードギアスの世界にいる?*4

 

 

 

 

 

 意味の分からないことを言い出すアキラを、周囲はいつも通り聞き流す。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 目の前の光景は、そんな余裕を許さなかった。

 

 

 

 

「……急にスパロボ時空だな……」

 

 

 

『すぱろぼ……は分からないけど、規模が大きいのは確かね』

 

 

 

『大きければいいって話でもないんだけどな……』

 

 

 

『やっぱり、ああいうのが欲しいの?』

 

 

 

『男はな、いつになってもロボットが好きなんだよ』

 

 

 

 少しだけ間を置いて。

 

 

 

『……欲しいかって言われたら、まあ欲しいけどな』

 

 

 

 

 

 ガノタでもゲッターでも好きになるには年齢や性別など関係ない。好きになるのに理由なんて存在しないのだ。

 

 

 

 ちなみにアキラの好みは、ガンダムだとクシャトリヤやデンドロビウム*5のような重装機だった。

 

 

 

 

 

『私の依頼の遺跡探索にはあんな大きな機体は向かないと思うわよ』

 

 

 

『それは残念だ』

 

 

 

 

 

 そんな他愛のない会話の最中にも。

 

 

 

 流れ弾は飛んでくる。

 

 

 

 実弾や瓦礫に爆発片etc……アキラは脳内でリズム天国を想起しながら撃ち落としていく。

 時折リズム天国MADの野々村号泣会見などが脳内を洗脳していくが、そんな片手間でも対応は余裕だった。

 

 

 

 アキラは淡々と撃ち落とす。

 

 

 

 だが次に飛んできたのは──白兎だった。

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

 

 空中を弾き飛ばされてきた一機が、こちらへ突っ込んでくる。

 

 

 

 さすがに撃ち落とすには距離が近すぎる。

 

 

 

 

 

 その瞬間。

 

 

 

 アキラ空高く跳んだ。

 

 

 

 

 

 一気に上空へ上昇し、力場障壁を展開することで空中での活動を一時的に可能にした。

 今迄のアキラと装備ではできなかった芸当だが、二大スラム徒党の抗争がいつ始まっても問題ないように徒党に引きこもっていた。

 そのため訓練の時間はいくらでもあったため、他にもいろいろな芸当を習得したのだ。

 

 

 

 飛んでくる白兎を直接受け止め──

 

 

 

「……っと」

 

 

 

 そのまま掴んで、飛んできた方向へ投げ返す。

 

「白兎、いっきま~~~す!!」

 

 赤い強化服のアキラが白い機体の白兎を投げ飛ばす光景は、赤い水星と白い悪魔(シャアVSアムロ)の戦いのようであった。

 

 

 

 

 

 白兎はそのまま、元の戦場へと叩き返された。

 

 

 

 

 

 その光景を見た周囲の人間や徒党の子供たちは沈黙し、全員が固まった。

 

 

 物理を超えた人間の動きではないソレに、誰もがたじろいだ。

 

 そして頭のおかしいその異常な光景は、しっかりと映像に収められていた。

 

 

 

 余談であるが、その映像はキバヤシの元へ届き。キバヤシが爆笑し、楽しんでいたことは言うまでもない。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 戦闘は長引くかに思われた。

 

 

 

 白兎の数。

 黒狼の性能。

 

 

 

 様々な要因により完全な膠着状態になっていた。

 

 

 

 

 

 だが、最終的に戦いは唐突に終わった。

 

 

 

 

 

 後にキバヤシから聞いた話では。

 

 都市の工作員(ネリア)などが介入し、戦況を強制的に収束させたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 そしてあっけなく抗争は、終結した。

 

 

 

 抗争が終わり残ったのは両陣営の敗戦者たちと、見るも無残に荒れ果てたスラムの光景だった。

 

 

 

 その復興と治安維持のため、アキラたちの徒党は兼ねてからの予定通り──都市と共同で動くことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 その窓口となる担当者との顔合わせが、今日だった。

 

 

 

 アキラとシェリルはキバヤシにクガマヤマビルの会議室に呼ばれていた。

 

 

「都市から私たちの徒党をバックアップしてくれるのは、キバヤシさん以外にもいるみたいですが……一体だれでしょうかね」

 

 シェリルが歩きながらアキラと会話を行っていた。

 

 

 

「さぁな。一応キバヤシには【所詮スラムの人間、だと偏見を持たず。仕事は仕事として割り切れるちゃんとした社会人】っては伝えてるけどな」

 

 

「しかし、下位区画はともかく中位区画以上の生まれだとスラムへの偏見を持っていることは多いと思います。案外見つからないものだと思いますよ。レイナさんも最初はそんな感じでしたし」

 

 

 実際レイナも、スラムにあるアキラ達の徒党に来る時やアキラと関わり始めた時はかなり緊張していた。

 

 その光景を思い出し、アキラとシェリルは笑いだす。

 

 

 

 

 余談であるが、スラムの抗争が始まる事などをキバヤシから聞かされたアキラは、すぐにシオリに伝えレイナをアキラ達の徒党から一時的に距離を取ってもらうように伝えていたため、この騒動中にレイナやシオリやカナエは関わってなかった。

 

 

 

 

 

 ======

 

 

 会議室前に付いたアキラ達がその扉を開ける。

 

 

 

 

 しっかりとしたオフィスと汚れ一つない部屋に入室する。

 アキラたちが入ったことに気づき、キバヤシともう一人の人物が椅子から立ち上がる。

 

 

 アキラはその人物へ近づき、挨拶する。

 

「初めまして、ハンターのアキラと言います。こちらは私の徒党の共同運営者のシェリルです」

 

「初めまして。シェリルと申します。よろしくお願いいたします」

 

 アキラとシェリルは二人そろって頭を下げる。

 

 

 

 

 

 キバヤシの隣にいた女性職員がアキラたちに挨拶を返す。

「初めまして」

 

 自信に満ちた勝気な声で微笑んで丁寧に頭を下げた。

 

 

 

 

「クガマヤマ都市広域経営部のヒカルです。本日から、あなた方の徒党との窓口を担当させていただきます。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 そうしてヒカルと名乗る大人と呼ぶには少々歳が足りていない高校二年生くらいの少女との新たな関係が、始まった。

 

 

 

 

*1
看護師

*2
ごちうさはいいぞ

*3
ラノベ インフィニットストラトスの元凶かつ天才ではなく天災と呼ばれる異端児。CV.田村ゆかり

*4
せん妄

*5
最初に知ったのはケロロ軍曹のギルルが使っていたシーン




読了感謝です。

ということで、満を持して原作アキラ被害者の会出身のヒカルちゃんが登場です。

本来であればもっと先で登場する予定だったんですが、今回のスラムの抗争でヴィオラがアキラに直接ちょっかいを出してないのでヴィオラが徒党を手伝うきっかけが発生しませんでした。

その代わりに、都市からヒカルちゃんというかなり有能な人材を追加しました。
どうせ今作でも胃に穴が開きそうな思いをするんだから、遅かれ早かれだろう。受け入れてヒカルちゃん♡

ちなみにヒカルちゃんを早期登場させたいから、徒党と都市の共同運営という案を採用してます。
そのため共同運営のためにヒカル登場ではなく、ヒカル登場のために共同運営が出現しました。

何故ならヒカルちゃんが可哀そうでかわいくて好きなので。ハイ。
実際原作でも情報収集能力や流されやすい気質はありますが、キバヤシの部下でもあるのでかなり有能だと思ってます。体感的にはヴィオラには一歩及ばないと思いますが、有能でも方向性が違いますからね。
そもそもヴィオラとヒカルちゃんだと人生歴も全然違いますしね。
やーいヴィオラは年増~~~


というわけで、大規模抗争編終了です。
次はⅥ刊の内容に入っていくと思います。そっからⅧ刊の内容には入らずにオリチャ―に入ると思います。多分メイビー


余談
メロンブックスで購入した空母トークという艦これの同人誌読んでて「これおもしれ~どこのサークルだろ?」と最後のページ確認したら、コミカライズ版のバスタード・ソードマンの絵師さんの同人誌でした。

思わず二度見しましたね。

小説はハーメルンで途中まで読んでます。しおり、挟んでおいたよ(数年前)


追記
大ポカした誤字を修正してます。
「ヒカリ」→「ヒカル」
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