Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
ブラック・ブレットが再開決定したので初投稿です。
あまり内容は覚えてませんが、好きになったロリが死んだ記憶はあります。代わりにティナちゃんが推しになりました。
今日は5連勤の一日目でした。え?日曜日?看護師には関係ないな()
なお明日から4日連続遅出なので、今日は明日の10時くらいまで寝れます。
ちなみに休日返上して動画講義を見てたので碌に休めてません。レッツ看護(錯乱)
とりあえず次話でようやくツバキハラにたどり着きます。こっからの下書きだけでまだ2万字近くあるので、次話投稿まで時間かかると思います。なのでゆっくり待っててくれよな。
てかリビルドワールドの新刊が9/17に出ますね。楽しみです。いつのタイミングで読めるかどうかはマジでわかりませんが…てか新刊の表紙ってクロエとレイナですかね。だとしたらめっちゃレイナ可愛いし、大人びてるというか、しっかり女子から女性に成長してる感があっていいですね。(変態)
改めていつも感想、お気に入り登録、評価、誤字報告ありがとうございます。
それから数日後、徒党の再編が一段落し、賭博場と遺物売買店も最低限の流れを取り戻した頃、アルファからツバキハラの統治系管理人格との交渉が成立したことを告げられた。
「思ってたより早いな。速度感がベンチャーなんだが」
アキラは整備中の銃から顔を上げた。
『アキラの徒党はベンチャーって言えるのかしら……割とできてから長いわよね?』
「成立2桁年未満だとだいたいベンチャー定期」
『相変わらず何を言ってるかわからないわね。一度その頭を開いて解剖してもいいかしら?』
「出てくるのはメロンパン*1(呪術回線ネタ)でもなんでもないぞ。もしかすると
『埒が明かないわね。よし、この話は切り上げましょう』
アルファが向こうから伝えられた条件はいくつかあった。
まず、受け渡し日の指定だ。提示されたのは三日後の正午とのこと。また侵入ルートも指定された経路からツバキハラへ入り、案内に従って向かうらしい。
許された滞在時間は約2時間と短いが、ほぼ未発見かつ現在も稼働している都市での滞在時間と考えれば、破格の条件だ。ただ、滞在時間が少しでも超過した場合には命で延滞料金を払うことになる。
延滞料金ってPayPay使えます? あ、使えない?
デスヨネー。
「条件は結構ザルだな。いや、分かりやすい部分をアルファが端的に説明してる感じか」
『ええ。今回の交渉を全部話してたら、アキラが老いて死んでしまうもの』
「一切人類に読ませるつもりのない説明書やめてくれメンス」
そしてアキラが一通りふざけ終わったのち、真剣な表情でアルファに質問を再開した。
「それで、もらえる
『現物を確認するまで断定はできないわ。ただ、トレーラーを何十台も走らせる程度の量はあると思うわよ』
アキラは少し考えた。
「そんだけ遺物がもらえるなら、トレーラーじゃなくても車で向かった方がよさそうだな。なら他にも運搬役とか運転手とかも同行させたいが……同行者は連れていけるか?」
『やめた方がいいと思うわ。アキラがツバキハラに入る許可は出てるけど、チームでの許可は出てないからね。連れていったら命の保証はできないわ』
「お前は?」
『私はアキラを介して同行許可が出てるの。余計な問題を起こさないように、見張りも兼ねてるわよ』
「(まぁ思念体とか、実体のないアルファはまた別の扱いだろうしな)じゃあ俺以外の誰かは駄目そうか」
『代案としては、ツバキハラ都市の外で待機してもらうって形かしら』
「なるほど。ツバキハラに入る許可は出てないが、近づくだけならその条件に抵触しないか」
『ええ。向こうもそこまでは気にしないと思うわ。同行者を連れていくなら、指定区域へ立ち入らず、外で待機するのであれば、移動や運搬の補助として同行させられるわね』
「とはいえ、ツバキハラ方面のモンスターは割と強いって聞くし、奥に行けば行くほど更に強くなるだろ。だったらエリオレベルの戦力だと余裕で死ぬか」
『仮に私が
「かといって車を放置してたら、帰ってくる頃には廃車になってるだろうし、車を守ってくれる誰かが必要になってくるか……今からでも条件を追加できたりするか?」
『分かってて聞いてるわよね? 当然無理よ』
「だろうな」
既にツバキハラの統治系管理人格との交渉をなんとか終えた後なのだ。一旦の交渉が終わった後に条件を追加するなどすれば、この交渉が決裂してしまう可能性だって容易に想像できる。
そう考え、アキラは納得した。
しかしアキラが指摘した通り、現地までの道も安全とは限らない。
ツバキハラ方面のモンスターや機械兵器は、クガマヤマ都市近郊の狩り場より当然強い。エリオたちだと文字通りただのお荷物になる。せいぜい「みがわり」*3で使えるかもしれないが、それで稼げる時間はごく短時間であるし、そんなことでエリオ達を死なせるわけにはいかない。
しかし、大型車両か輸送車を使うのであれば、外で待機できる戦力が
実際、輸送車ごとツバキハラに入ることは可能かとアルファに聞いてみたが、ツバキハラに入るためにはかなり
また、そのためには最低でも
どれほどの価値の遺物が手に入るか分からない以上、高額な車両を購入する、またはヒカルに頼み込んで車両をレンタルしてもらうにしても、赤字になってしまう可能性だって考えられた。
ならば結局、壁のぼりのできる大型車両でツバキハラの遺物を回収するのではなく、ツバキハラの外に輸送車を置いておき、できる限り往復して物資を運ぶことがベストだと結論づけた。
「分かった。誰か連れていくとしても近くまでだな。それは変わらないな」
『そうね。それと同行者には、通常の探索と狩りだと説明してちょうだい。今回の目的を話しては駄目よ』
「ツバキハラの中へ入ることは言うなってことか。そういう契約か?」
『そんなところね』
少しぼかした物言いに、アキラは内心で引っ掛かりを覚えた。
「そうか(話をぼかしたな)。まぁ俺が統治系管理人格と交渉して成功しましたってことが露見すれば、そっちの方が面倒そうだし、うまくぼかして誰かに頼るよ」
『ええ、そうして頂戴』
黙って行動すること。
それは、シェリルにも事情を隠さなければならないということだ。
シェリルへ隠し事をするのは、今さら初めてではない。それでも、気分の良いものではなかった。
元来、隠し事は苦手分野だし、頭もそれほど回らない。いくら取り繕っても、シェリルにはバレてしまうだろう。
ただ、徒党全体、少なくとも幹部連中にバレてしまうのはまずい。
ヴィオラがどこまで手を伸ばしているかも分からない。統治系管理人格との関係がヴィオラにリークされたら、と……本当に想像したくない。
また、ヒカルにも黙っておく必要がある。ヒカルは信用しているが、それはそれとしてである。
安易に自身が担当するハンターや仕事のことを外部に漏らすようなバカ女ではないと、アキラは確信している。ヒカルは文字通り優秀な役人だ。
仮に前世にヒカルのような上司が居れば、その下で働きたいと思うほどに、アキラはヒカルのことを高く評価している。
無論、ヒカルの容姿が結構アキラのストライクゾーンに入っていることも理由の一つだ。*4
だが、ヒカルはあくまで都市職員の人間なのだ。
アキラの情報を教えろ、と上司に言われれば、隠し通すことはできないだろう。それにヒカルの上司的立場であるキバヤシにリークされたら、と……本当に想像したくない。*5
自分の担当の仕事を隠匿し、説明できない職員を都市側は良く見ないだろう。
そしてヒカルは出世意欲の高い女だ。自身のキャリアを棒に振るようなことはしないだろう。
だからシェリルにも、ヒカルにも相談できない案件なのだ。
「了解。シェリルにも伝えないよ」
『ありがとう、アキラ。私を信用してくれて』
アルファの声音は、いつも通り穏やかだった。
◆
その後、アキラはシェリルにツバキハラ方面へ探索に行くことだけを告げ、詳しい事情は伝えなかった。
だいたい饒舌なアキラが言い淀んでいたり、シェリルが再度確認してもアキラが詳細を話そうとしなかったため、シェリルは「そういう案件」だと察した。
「そう。分かったわ。それと今回も一人で行くの?」
シェリルはそれ以上踏み込むことなく、話題を変えた。
「いや、レイナたちを誘うつもりだ。あっち方面は敵も強い。碌に頼れるメンバーがレイナ達以外にいないからな。今回も同行してもらおうかと思ってるよ」
「なるほど? そこで安易にサラさんたちを話に出してこないところは褒めてあげるわ」
妙に含みのある言い方に、アキラの表情が引きつった。
「ドウイウイミデスカ」
「あまり浮気はやめてねって話よ?」
「俺はシェリル一筋だぞ」
「その癖、他の女に手を出してるお猿さんはどこのアキラかしら?」
うふふ、と黒い笑みを浮かべるシェリルに、アキラは何も言えず、ただ謝り続けていた。
「で、話を戻すけれど。レイナ、シオリさん、カナエさんたちと行くのね。少し過剰戦力な気がするけれど……」
「それなんだが、ある程度進んだら、俺だけ別行動をしようと思っててな。危険度が分からない以上、俺が先行して到達できるところがどこまでなのかも確認したいし」
「なるほどね。アキラが一人の間、三人で狩りと遺物収集をしてもらうの?」
「そんなところだな」
シェリルは少し考え、頷いた。
「いいと思うわ。徒党は私が見ておくわ。アキラが不在でも、今なら店も賭博場も止めずに回せるわ。幸い、この前の騒動と裏切り者の処分とかで、しばらくは歯向かってくる人もそんなにいないだろうし」
「ああ頼む」
そこへ、AR越しにヒカルが通信へ入ってきた。
『ごめんなさい。盗み聞きのような形になってしまったけれど、割り込めなかったから話だけ聞いてたわ。というか、私が回線に入ってきてるの分かってたでしょ、アキラ。途中で話を止めなさいよ』
もっともな指摘を受けたアキラは、悪びれもせず返した。
「めんご」
『こいつぅ……。ふぅ。で、三日後にツバキハラ方面ね。急だけど、私のほうも問題ないわ。アキラの不在中の承認先はシェリルにって決まってるし。徒党は問題なく動かせるわよ』
「それはそれとして、盗み聞きはよくないと思うのだゾ☆」
『やましいことじゃないでしょ。それに、これはあたしにも共有する話よね? 都市側との調整が飛んできた時、アキラが荒野で連絡不能でしたーー、では済まないのよ』
仕事の話になると途端に細かくなるヒカルに、アキラは面倒そうな声を出した。
「細かいなーー」
『細かくしないと仕事は回らないの』
「細かすぎても仕事は回らないと思うぞ」
『ああ言えばこう言う……』
いつもの返しだった。
『別にガチガチに決める必要はないわ。ただ、帰還予定と連絡が切れた場合の扱いは決めておいてほしいの。トップが何日戻らなくても平常運転、というわけにはいかないでしょう』
「あーー、そうだな。じゃあ予定を3日過ぎても連絡がなければ、シェリルの判断で動いてくれ。生きてたら連絡入れるし、最悪端末ごとおじゃんになっても、なんとかして連絡する……と思う」
最後の一言に若干の不安を残しつつも、シェリルがヒカルへ話を引き継いだ。
「と、いうことですヒカルさん。その時になれば捜索を出すか、都市へ話を通すかは状況を見て決めましょう」
『それでいいわね。あと、レイナたちを連れていくなら、報酬と遺物の分け方は出発前に決めなさいよ』
「分かってる」
『本当に?』
即座に返ってきた疑いの言葉に、アキラは眉をひそめた。
「お前、俺を何だと思ってるんだ」
『スラム育ちの外れ値ハンター』
「うーん、評価が妥当すぎる。面白味がないから3点」
『まぁ、そんな外れ値で、無理無茶無謀をしてなかったら、キバヤシから私に紹介されることなんてなかったでしょうしね』
アキラの採点にヒカルは普通に無視をしつつ、そんなヒカルに対しアキラは言い返そうとして、飽きてきたのでやめた。
シェリルが、堪えきれずに小さく笑っている。
「とにかく、こっちは任せてちょうだい。アキラがいなくてもなんとかするわ。だって私だもん」
自信満々に胸を張るシェリルを見て、アキラは反射的に口を開いた。
「やばい。また惚れそう」
「何言ってるのアキラはずっと私にぞっこんでしょ?」
『この流れはもう飽きたわ』
◆
レイナへの連絡はすぐに繋がった。
『ツバキハラ方面? 正気?』
画面の向こうで、レイナが露骨に嫌そうな顔をした。
「そうだ。三日後に行こうと思ってるんだけど、来れたりする? 来てくれると助かるんだが」
『はぁ……また面倒そうな場所を選ぶのね……というか、アキラが来てくれって頼むの何気に初めてじゃない? 厄介事の匂いがするんだけど!』
「嫌ならいいぞ」
『嫌とは言ってないでしょ!』
何故か遠慮しだしたアキラに、レイナは即座に食いかかる。
その横から、シオリがアキラとレイナの会話に入り込んだ。
『アキラ様。目的は、あちらでの狩りと遺物収集でしょうか。それとも何か依頼関係でしょうか』
「まぁ、そんな感じだ。ツバキハラ方面は敵が強い分、回収できる物も高く売れる。そっちにも利益はあると思うぞ」
『確かにツバキハラ方面だとそうでしょう。ですが、アキラ様のことです。他に何か目的があるのではないでしょうか? 差し支えなければ教えていただいても?』
「ああ。申し訳ないけど、野暮用で途中から俺は別行動を取らせてもらう」
アキラはそこについては隠さず、そう告げた。
「ツバキハラ方面でやりたいことがある。詳しくは話せないけど、別に俺にとってデメリットはあっても、三人には危害はないと思う。俺が野暮用を終わらせるまで、三人には俺の車を守りつつ狩りでも遺物収集でもしてくれたらいい。最悪、俺の車が潰れそうになったりしたら捨てていいし、ヤバそうになったら俺の車で帰ってもらってもいいからさ」
レイナが眉を寄せた。
『私たちにとって都合のいい条件ばっかり並べるじゃない。それほど面倒な案件ってことね。また一人で危ない場所へ入る気? シェリルが悲しむわよ』
「ははは。まぁ危ないかどうかは、行ってみないと分からないさ」
『素直に「危ないです」って言いなさいよ、全く……』
今度はカナエが横から顔を出した。
『要するに、途中までは四人で稼いで、アキラ少年だけ用事で抜ける。その間、私たちは外で待ちながら好きに狩ってていいってことっすか?』
「何が要するにだ。まんま俺の説明通りじゃねぇか」
『でも大体そうっすよね? 解釈が間違ってないかの確認も兼ねてるっすよ』
『まぁ、実際悪い話じゃないのよね……あっちの機械系モンスターは部品だけでも高く売れるし、遺物もよさそうなのは残ってるでしょうし……』
レイナはアキラの話を前向きに考えていた。
そしてシオリは、自身が仕えるべきレイナが既にこの話に乗り気であることを察していたため、それ以上目的について追及するよりも、アキラへ事務的な確認を進めることにした。
『使用する車両は、以前の大型装甲車を想定されていますか』
「できれば、な。俺のバイクも積みたいし。別行動した後は、そっちへ戻るまでバイクを使う予定だからな」
『なるほど。最悪、アキラ様は一人でバイクで帰る予定なのですね。かしこまりました。使用予定の車両情報やカタログスペックなどを、共有していただけますでしょうか? 可能であれば、私どもの予備装備や道具も積ませていただきたいです』
「分かりました。今、車両データと俺が持っていく予定の物品の、大体のリストデータも送っときます」
『迅速な対応ありがとうございます。それと急に敬語を使わないでください。少し戸惑いますので…』
そうしてレイナは少し考えた後、頷いた。
『そういえば別件の予定が延期になってるから、タイミング的にもちょうどよかったかもしれないわね。アキラの依頼を受けるわ。シオリ、手続きとか諸々お願いね』
『承知いたしました』
「助かるーー」
『あ、でも条件があるわ』
レイナは画面越しにアキラを指差した。
『別行動する時間と、戻ってくる期限を決めること。連絡が取れなくなった時に、私たちがいつまでも外で待つわけにはいかないから』
「分かった。現地で分かれる前に戻る時刻を決めるし、遅れる場合は連絡するよ」
『連絡できなかったら?』
「決めた時刻を3時間過ぎたら、三人の自己判断に任せる。先に帰るなり、待つなり好きにしてくれ。一応シェリルには、3日帰ってこなかったらその時はその時って伝えてるし」
『……本当に、最悪の場合、アキラを置いて帰っていいのね?』
「俺を探して全員巻き込まれるよりいいだろ」
『馬鹿ね。それで「分かりました」って納得するとでも? 私たちの仲でしょ。できる限り待ってあげるから、さっさと帰ってきなさい? いいわね』
レイナの圧に、アキラは嬉しそうに笑った。
シオリもいろいろと思うところはあるものの、ひとまずは納得してみせた。
『もしアキラ様が戻ってこられず、タイムリミットを迎えてしまった場合、撤退前に可能な範囲で通信と周辺確認は行います。それ以上は、現地の状況を見て判断させていただきます』
「悪いな。ありがとう」
『最悪、私だけでも残ってアキラ少年の帰りを待つっすよ。あ、今のカナエ的にポイント高くないっすか?』
「余計なことを言わなければ高得点だったんだけどなぁ……」
『我々の本懐はレイナお嬢様の護衛です。その職務を放棄することは、いくらあなたでも許しませんよ』
『分かってるっすよー。冗談じゃないっすか』
カナエが笑う。
『まあ? アキラ少年が一人で変なことするのは今に始まった話じゃないっす。いつも通りにいくっすよ』
そうして、今回のツバキハラ方面への用事にレイナ達の同行が決まった。
ハンターオフィスを介さない依頼になるため、基本的にはレイナ達優位の契約内容になった。
依頼報酬については、道中で共同撃破したモンスターと共同回収した遺物を通常の取り決めで分配する。
アキラの別行動中に三人が得た物は三人側の取り分。
車両と待機に掛かる費用は、アキラが別途負担するという形だ。
他にも細かい内容はあるが、まぁ割愛させていただく。*6
◆
そうして、出発当日の朝を迎えた。
シェリルと愛し終えた後も再びがっつりと睡眠時間を確保したアキラは、自身の調子をできる限り高く維持していた。
加えて、朝早くから軽く体を動かし、装備や車両の最終チェックも行っていく。
大型装甲車の荷台にはアキラのバイクが固定されており、遺物運搬用の外付けアームや荷台なども装着し、可能な限り遺物を回収できるよう準備を終えていた。
その他、銃器に弾薬、強化服の予備バッテリーと情報端末にも異常がないことを確認した。
加えて、数日分の水と食料もばっちりである。
なお、レイナ達の物資や水、食料はレイナ達で準備するとのことで、今はまだ積載していない。
また、ツバキハラ方面での狩りを想定した装備に加え、持ち帰る物の正体が分からないため、空の積載スペースも広く取ってある。
最悪、遺物を優先し、捨ててもよい物資も多く積んでいる。
やがて最終確認を全て終えたアキラは、シェリルたちに別れを告げ、レイナ達と合流した。
合流後、シオリが素早く車両と積荷を確認し、カナエは外装と武装を点検していた。
アキラの用意した車に不備や欠陥があれば、そのことが原因でレイナの身を危険に晒してしまう恐れがあるため、念入りに確認が行われている。
やがて異常がないことを確認し終えたシオリの促しにより、レイナは後部座席へ案内され座ろうと……せず。
なぜか運転手のアキラの横に座ってきた。
「ねぇ知ってる? 事故の時に一番死亡率高いの助手席らしいぞ」
アキラがモラルもユーモアもない発言を早速レイナに浴びせていく。
「だから何?」
「死んでもらうと困るから、後部座席に戻ってほしいなぁって」
実際には、アキラの視界上では助手席にアルファが座っている。
最終的にはシオリかカナエのどちらかが助手席に座ると思っていたアキラとしては、急に助手席に座ってきたレイナに普通に驚いていた。
「別にツバキハラ方面に近づいてきて、危なくなった頃には後ろに移動するわよ」
「だからと言ってだなぁ……」
「何? 安全に女性をエスコートすることもできないの?」
「おk。分かった。その安い挑発に乗ってやる。あとでシオリさんに怒られても知らないからな」
「それに、しれっとアキラが運転中に目的地を変えたりしても困るからね。監視してあげるわ。感謝しなさい」
「性癖はそれなりに広いが、見られて興奮する気はないんだ。悪いな、レイナの性癖には沿えないよ」
「私だってそんな特殊性癖持ってないわよ!!」
レイナは助手席にもたれながら、最後までアキラへ釘を刺していた。
「一人になった途端、好き勝手に予定を変えないでよ? そのまま失踪するとか、ほんとに勘弁だからね?」
「必要がなければ変えないって」
「必要だと思ったら変えるってことじゃない」
「そうとも言うな」
「ほんと、あんたって人は……」
アキラはレイナの指摘を聞き流しながらシオリに確認を取り、「危険になるまでならレイナお嬢様の好きにさせてあげてください」と言われ、保護者がそう言うなら……と了承した。
助手席にアルファではなくレイナが座っているが、アキラの視界には現在もアルファが存在する。
そのアルファと最後の確認をしつつ、表向きの目的地へのルートと、アキラの本命の目的地へのルートを再確認する。
レイナを後部座席に引っ込ませるおおよその地点も算出し直し、旧領域上からも複数方向の情報を拾いながら、最善策を組み立てていく。
『向こうに着いたら、回収対象の遺物の詳細を説明するわね。正直、行って確認しないと分からないからね』
アルファが、アキラにだけ聞こえる声でそう告げた。
『ああ、頼むぞ』
『ええ、任せておいて』
アルファは楽しそうに微笑んだ。
お互いに警戒の色を出さないよう気を遣いながら、嗤い続ける。
やがてカナエもシオリも車両への物資の積み込みを終え、乗り込んできた。
「じゃあ皆、出発するぞーー」
重い扉が閉まる。
エンジンが低く唸り、大型装甲車がゆっくりと動き出した。
表向きは、ツバキハラ方面での狩りと遺物探索だ。
レイナたちにとっては、危険だが稼ぎの良い遠征でしかない。シェリルとヒカルにとっては、徒党の資金とアキラの装備を増やすためのハンター業だと解釈している。
だが、本当の目的を知っているのは、アキラとアルファだけだ。
それぞれの思惑が交差する中、アキラとアルファはその歪な関係性を保ったまま、今も稼働を続ける旧世界の都市へ足を運ぶ。
そしてツバキハラ――その都市を統べる管理人格との接触。
そして、廃棄予定とされた遺物の受け取り。
その二つを目的に、アキラは何も知らないレイナ、シオリ、カナエを連れ、四人を乗せた装甲車で荒野の先にあるツバキハラへ向かった。
◆
「で、ここで左折っと」
「思いっきり右折してるじゃない!!! ちゃんと運転しなさいよ!!」*7
「なんだと、スプーンを持つ手が左だろ?」
「それを言うなら利き手が左……って、何を訳の分からないことを言うのよ!」
と、そんな後ろめたいことを悟られないよう、アキラはレイナにも、アルファにも狂人を演じ続けるのだった。
アキラの本当の顔を知る者は、まだ誰もいないのだから。
ただし筆者と読者は除く(メタ発言)
ボツシーン
「とにかく、こっちは任せてちょうだい。アキラがいなくてもなんとかするわ。だって私だもん」
絶妙に無い胸を自信満々に胸を張るシェリルを見て、アキラは反射的に口を開こうとした。
「アキラ?余計なことを考えてない?」
「ハハハそんなわけないっすよ。タスケテヒカル様」
『痛い目見ればいいわ』
ボツ理由。
・原作よりも食事も生活もストレスも全体的に充実してるシェリルが無乳な訳がないという作者の持論と性癖のため。だいたい原作がAA~Aカップだとしたら、今作はCくらいはある。Dはない。
・なおレイナよりはある。と記載しようとしたが、9/17発売予定の新刊の表紙の右側の子がレイナだった場合、表紙のレイナほどは胸はないと解釈してる。
あとがき
読了感謝です。
今作では、ツバキハラ近くまではレイナ達が同行することになります。
まぁ安全性を確保するなら、そりゃ誰か連れていくよな…って思いこのような展開になりました。
原作と違い、アキラが社交的で、誰かを頼ることを本格的にし始め、
レイナもアキラに誘われることは満更でもないし、
そもそもアキラの徒党に出向してるレイナ達にとって、アキラからの誘いを断る理由って私的なことを除けばないのでは?とも考えてます。
出向先で、立場や所属徒党は違うとはいえ、レイナにとってアキラは半分くらい上司みたいなものなので…
あとは割と僕自身が成長した原作レイナが結構好きなので、今作でも頑張ってもらいたい。って感じです。
前書きの愚痴の通り多忙なうです。仕事終わりに劇場版スタァライト見に行ったら途中から寝落ちしてました。
てな感じでマジでSSを書く時間どころか、仕事終わりにゲームをする体力も残ってないのでSSの投稿頻度はまた落ちると思います。とか言っときながら久しぶりに1週間で更新できてました、やっぱわかんねぇな。
ちなみにSS投稿したら風呂入って寝ます。
◆
余談もとい独り言
(本文の内容とは関係ない…いや関係あるかもですが、お気持ち的なものです)
久しぶりに小説情報見てたら「AI本文利用」とか書かれてて笑いました。実際そうですけどね(今更)
ただAIで出力した雛形(プロット)を、書き直してる方が10倍以上時間かかってます。マジで。
・AIに1万字以上のプロットを提出→AIが編集して15000字→それを人力で修正して2~3万字以上になる。
とかがめっちゃ多いです。むしろ
・人力修正した2~3万字→AIが編集して35000字→人力で修正して4万字…って流れで雪だるま式に増えていくパターンが9割です。
そのおかげで執筆が進んでも投稿が遅くなるんすよね。どうしても誤字や文脈の修正のためにAI添削してますし…
加えてオタク口調や思想、自論やミーム発言はどう頑張ってもAIでいい感じにならないので、そこら辺はマジで人力ですね。
AIに「いい感じに修正して」って伝えたら、ミームネタとかほぼ全カットされたりします。F〇uk
あとAIに全任せしたら描きたい文章が書けない点もネックです。
ただAIを使わずに自力で書くと文脈とか言い方とかニュアンスが通じなかったりするので、結局AIを利用するという。
ぶっちゃけ看護記録Chatgpt使ってますし、なんならNottaとかを買おうかなと悩み中だったりします。ただAI使ってもアセスメントとか、看護計画がなんか違ったりするんで結局手作業で修正するんですけどね。
描きたいシーンや描写、それを書くために永遠と時間を使うくらいなら、展開上描写が必要なめんどくさいシーンはAI使って楽してます。ちなみに今回の話も、書き直しの方が文量多いです。読んでて、「なんかこの表現、人っぽくないな」と思わないところ以外は人力修正です。
戦闘シーンとかマジで書けないんですよ。どうしたらあんな臨場感あるシーン書けるんだ?調教したChatgptでも難しいゾ
ただマジでAIを使って文章を作ってる身からすると、他の作品で「あっこれAIだな」ってわかる作品がかなり増えてますね。
ちなみにAIを使わないと永遠に自論とミームを使うアキラが誕生します。AI(chatgpt)にしつこいって言われました(泣)
株の話とか、たとえ話をし始めたアキラの自論はだいたい人力です。
モニカ戦ももっとしつこかったので、AIのおかげ(せいで)か割とカットしましたしね。
思いついたシーンの案をボイスメモでチャッピーに覚えさせておいて、「そういやこの前こんな言い回しの案あったよな?思い出して❤️」って言ったらチャッピーが「それは○○です」とか「記録にないです」って言います。問い詰めたら思い出してくれます。下手な人間よりやっぱり賢いかもしれない。
なお、このあとがきは別日に書いてた書き溜めの一つです。
これを書いてた時間は先週のどっかの夜中の24時30分で、翌日は6時半起き、7時20分車通勤開始の日でした。あの日の俺よさっさと寝たまえ。