新任教師『次元大介』   作:レイゴン

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後編 チョコよりも甘い甘い真実

 雲ひとつない晴天には、太陽が登り、冷たい風に反して暖かな日差しが降り注ぐD.U地区にて。

 

「浮かない顔ですね?先生」

 

 あの後、仕事のためチヒロと別れた俺たちは、別の場所をパトロールしていた。

 そんな時、ずっと隣を歩いていたセナが俺の顔を覗き込みながら、話しかけてくる。

 つい顔に出てたらしい。

 

「そんなこたねぇよ」

 

「医者に嘘は厳禁だと習いませんでしたか?」

 

「さぁ、俺の義務教育じゃ習わなかったな」

 

「では、今から叩き込んであげますね」

 

 俺のことを捕まえようとした手を躱し、俺はそそくさと前を走る。

 

 こいつの真面目さは嫌いじゃねぇが、実力行使を躊躇いなくしてくるようになったのばっかりは苦手だぜ。

 ミネ、俺はてめぇを恨む。

 

 そうしてしばらく走っていると、後ろから聞こえてくる足音のテンポがだんだん遅くなっていく。

 ふと振り向くと、セナが肩で息をしている。

 

「ぜぇ、ぜぇ、先生速くないでしょうか」

 

「しつこいしつこい警察のおっさんから、逃げ続けてたからな」

 

「先生の異常な生命力の源を感じさせられました……」

 

 珍しくバテたらしいセナが止まったので、俺も走るのを止めて、セナの方へと歩いていく。

 チヒロと二人とは言え、それなりの数の不良たちを任せちまったからな。

 流石の彼女とは言え、疲れも出るもんか。

 それに朝っぱらから今まで特に休憩すらしてねぇしな。

 

「お、先生じゃないか!可愛い子連れて何してんだい」

 

 威勢の良い若い男性の声が俺に向かって飛んでくる。

 そして、それと同時に良い匂いも。

 

 ふとその方面を見ると、もう見慣れた屋台の姿があった。

 

 赤い幟にしっかりとした文字で『ラーメン』と書かれ、そして片目に傷を負った柴犬の姿。

 

「誰かと思えば、大将じゃねぇか。アビドスに来た覚えはなかったんだがな」

 

「まぁな、せっかくの屋台だから、たまには別の地区にも出てみたらどうだって、アコちゃんからアドバイスをもらってな。少しの期間こうやって行脚してるってわけさ」

 

「先生この方は……?」

 

「普段はアビドスに屋台を構えてる柴関ラーメンの柴大将、まぁ友人だな」

 

 まさかの出会いに驚きながら話していると、セナが俺に向かって話を聞いてくる。

 アコの名前が出てきたことに驚いているようで、説明ついでに折角だから、柴関で昼飯兼、休憩を取ることにした。

 

「なるほど、アコさん、最近早上がりしていると思っていましたが、バイトを……っ! 美味しい」

 

「アイツなりのケジメってわけさ……また腕上がったな大将」

 

「お、そうかい?行脚の成果出てるってことかな、ついでにこいつも食ってくれねえか」

 

 そうやって、ちょっとした肴の試作品を喰わせてもらいながら、楽しい時間を過ごした。

 久しぶりに食ったが……美味かったな。

 

「なるほど、バレンタインデーでパトロールを。分かっちゃいたがお疲れ様だな」

 

「お疲れ様なのは大将もだろ?」

 

「先生、アンタは俺よりも色々苦労するだろう……ま、いずれ分かるさ」

 

 意味深なことを言われたが……あまり思い当たる節がねぇな。

 その後、大将と別れた俺たちは、街の中を歩いていると、こういう日に限って色々とプレゼントを渡され、先生って立場のせいで断ろうにも断れず、荷物がどんどん増えていく。

 

「…………大将が言っていたのはこういう話か」

 

「先生には、様々な面でお世話になっていることが多いですから……住民の方々もそうですし、色んな学校の生徒たちが貴方に感謝しています。なんて、私が言う事でもないですね」

 

「んなことはねぇだろう。ただ、こういうのには慣れねぇな」

 

 手持ちのもんを整理するために近くの公園に来て、テーブルの上に広げる。

 よく世話になってる肉屋からはコロッケを、これは今食っちまおう。

 魚屋のおっさんからは日持ちする干物を、八百屋からはリンゴチョコを。

 便利屋達のご褒美に買ったりする菓子屋からは新商品の一口シュークリームを……とまぁ、それ以外にも諸々菓子以外にも色々貰ったりした。

 

 肉屋のおばさんから貰ったコロッケをセナと分けながら食いつつ、小休憩を挟む。

 

「では、こう考えては如何でしょうか。これは先生の今までに対しての報酬だと」

 

「ほう、セナ先生のご意見教授させてもらおうか」

 

「先生は確かに悪党だとご自分を言っていますし、普段の振る舞いも決して善いものとは言えないこともあります。 それでも、日々便利屋の皆さんと街の治安維持、悩みごとの解決、細やかな問題の処理、生徒たちの相談に乗り、アドバイスや時には寄り添ったり。

 ただ会いに来てくれて、話を聞いてくれること……。 それが例え、悪人が行っていることであったとしても、それが例え、『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』の在り方だとしても。

 みんな貴方に感謝しているのです、この私を含めてみんなが。 それがたまたまバレンタインというイベントに合わせて、形になったのでしょう」

 

 聞いているだけでむずがゆくなり、俺は帽子を深く被りなおす。

 こういうのは照れ臭くて敵わねぇ。

 

「先生も照れるんですね」

 

「野暮なこというんじゃねぇよ」

 

「今日、パトロールしていて思いました……みんな、笑顔でした。 チョコレートなどのお菓子を売ったり、交換したり。普段感謝している人たちに、プレゼントをして……しかし……」

 

 そういって、セナの表情が沈む。

 その訳に思い当たるところがあった俺は、原因の名前を口に出す。

 

「ワカモか」

 

「はい……あの時、最後、仮面の奥から感じられた神秘は濃密な怨念を孕んでいました。彼女は何を目的で先生を狙い、何を目的としてこのイベントを脅かすのか……」

 

「あの黒い感情は、俺に向けられたようには思わねぇな」

 

「……何故ですか?」

 

 ──このワカモ、あなた様を捕まえに参りました

 

 あの時、感じられた感情は、憎悪とは真逆の喜びに溢れたもんだった。

 それがあぁなるってことは、俺じゃない誰かに向けてのものだろう。

 

「憶測で話すもんじゃねぇな」

 

「そうですか……それにしても不安ですね」

 

「ヴァルキューレの奴らか。ここの警察ってのはそこまで信用ならねぇのか?」

 

 俺がセナに向かってそう聞くと、セナは何とも言えない複雑そうな表情をする。

 信頼したいが出来ねぇって面だな、あれは。

 

「あまり、ヴァルキューレの上層部からは良い噂を聞きません」

 

「噂は所詮噂だろ、踊らされるもんでもねぇさ」

 

 上層部か、全員が全員気の抜けた奴らじゃねぇのは間違いないだろうが……。

 念のため、探るのもありか。

 

「しかし、あのセキュリティは……」

 

「まぁな、とは言えだ、だからこそ俺と便利屋にも依頼を出したんだろうさ」

 

「……そうですね」

 

「それにチヒロも手を出すだろ、ヴェリタスのハッキング技術は中々のもんだ。あいつらが手を出すなら多少はマシになる」

 

 そう俺が話すと、仕事用の端末が震え出す。

 この展開には覚えがある。

 

『先生!──「次にお前さんは、災厄の狐が脱走した、と言う」災厄の狐が脱走した!!……え?』

 

「んなこったろうと思った。状況は?」

 

『っ、鉄格子の厳重な檻に入れたはずだったのに施設を破壊して逃走された。警備してた職員は、火傷を負わされてる。 武装を取り返されて、今行方は不明。 それに合わせて各地で不良たちが暴れ始めて……』

 

「不良生徒の居場所を送ってくれ。便利屋とイズナを向かわせる。 ヴァルキューレで取り押さえに使える生徒も不良生徒の鎮圧、確保に回れ」

 

『分かった!』

 

 通話を切って、懐に端末をしまうと同時に俺は短く手を三回叩く。

 向こうの狙いは恐らく戦力の分散。

 俺を1人にさせようって魂胆だろうな。

 

 数で立ち回るならこっちもだ。

 

「主殿!ご用命を!」

 

「悪いな、イズナ。分身でヴァルキューレの援護に回ってやってくれ」

 

「承知致しました!!……イズナ流忍法奥義!『百八式影分身の術』」

 

 呼び出されたイズナは、俺の指示を受け取ると即座に印を組み、無数のイズナを生み出して、各地に散らばっていく。

 

 あれだけいれば、問題ないだろう。

 

 便利屋達のグループチャットを見る限り、あいつらも動き始めてるらしい。

 

「俺らも行くとしよう」

 

「はい、これ以上死体……いえ、負傷者を出す訳には行きません」

 

 あの手の女は、目的の為なら何処までも突き進んでやり遂げる強い意志がある。

 それ自体は悪いことじゃないんだがな……。

 

 俺とセナはそのまま、近場の不良生徒が暴れている場所へと走り出す。

 

『こちら、D.U.西地区! わ、ワカモを補足!!』

 

『東地区にもワカモを発見!』

 

『南地区、こちらにもワカモを発見』

 

 走っている最中に無線が入る。

 フブキたちと分かれる前に貰ったもんだが……。

 

「先生これは……」

 

「二重の分散か、不良生徒を各地で暴れさせつつ、本体へのヘイトを更に分散させるために囮まで用意したか」

 

「……先生、このまま待つ方が良いのではないでしょうか」

 

 足を止めたセナがそう話す。

 セナの言うことは最もだ。

 

 ワカモの狙いが俺な以上は、無理に動くよりもどこかに居て、あいつが来るのをただ待ってた方がいい。

 

 戦略的にも、戦術的にも正しい。

 

「そいつは正しいが……待ってる間にも被害は広がるだろ」

 

「しかし、先生が動けばワカモによる被害は止まりません」

 

「ワカモは待ってりゃいずれ来る。なら、その間に不良を捕らえておいた方が、被害は少なくなるだろ」

 

 普段の俺なら、セナの意見に乗ってただろうな。

 

 ただ、街の住人にプレゼントを貰っちまったからな。

 

「あの笑顔を消されちゃ、良い気分で貰ったチョコレートが食えねぇんだよ俺は」

 

「……お人好しですね、分かりました、急ぎましょう」

 

 俺の言葉を聞いて、セナは再び走り出し、俺を追い抜いていってしまう。

 

「けっ、何が速すぎるだよ」

 

 現場に着くと、ヴァルキューレの職員が不良たちと応戦しており、その軍団の奥にワカモの姿が見える。

 

「宝くじってところか、当たりだといいんだがな」

 

「せ、先生!?御支援感謝いたします!」

 

「堅苦しいのは抜きだ、状況は?」

 

「はっ、今制圧射撃を受け、前線をあげられない状況にあります」

 

 近くにいたヴァルキューレ生徒の言葉を受けて、戦況を見渡す。

 このままじゃジリ貧か。

 

「今この戦場にいる掻き集めれる分の生徒で、ツーマンセルを組んでくれ」

 

「?……わ、分かりました!」

 

「セナは怪我したヤツらの離脱と治療を優先しろ」

 

「承知しました。先生は?」

 

 俺はマグナムを取り出して、瓦礫の影から不良達の方を見る。

 ざっと数は20人くらいか。

 リーダーは……あのワカモと見るべきか。

 

「先生、組めました。ツーマンセルで10組です」

 

「分かった、俺がワカモを狙撃する。命中と同時にお前さんらは二列になって片方は射撃、片方はその盾で弾を防げ」

 

「分かりました!」

 

 ヴァルキューレの生徒たちは、珍しく円盤型の盾を装備している。

 ならそれを生かさない手はねぇ。

 風紀委員会のブラボー隊程の精度は求めねぇが……。

 

 今は、自分の仕事に集中するとしよう。

 

 本物のワカモなら、きっと弾を防いで来るはず。

 つまりこの不意打ちの狙撃に対応出来れば、本物。

 当たれば偽物って訳だ。

 

 マグナムを構えて、機を待つ。

 

 ワカモが辺りを見回し、顔の側面が見えた……今。

 

 引き金を引き、弾丸を飛ばす。

 

 真っ直ぐ飛んだ弾丸は、風を切りながらワカモへと迫り、その側頭部に命中して、彼女を地面へと倒す。

 

「嘘だろ!?」

 

 いきなり大将をやられた不良達にどよめきが広がる。

 その隙を見逃すほど、ヴァルキューレ生徒達は甘かねぇ。

 

「制圧射撃開始!!前進!!」

 

 先ほどまでの抗戦が嘘かのように、交戦距離が縮まっていく。

 多数対多数による正面での戦闘は余程の兵器が出てこない限りは先に撃ち始めた方が有利な展開になることが多い。

 ヒナみたいな弾を喰らってもほとんど意味がない存在や、戦車などの兵器、弾を避けれるような化け物じゃない限りは、弾幕の雨の中を突っ切るなんて不可能だからな。

 

 だから、こうやって一瞬でも動きを止めてやれば、今度はこっちが攻め入る番になる。

 それにあの盾をしっかり生かせるなら、より進行はスムーズに行くってもんだ。

 

「弾を喰らったってことは……外れくじか」

 

「では、私も救助に向かいます」

 

 そういってセナも突撃したヴァルキューレ達の後を追って瓦礫から飛び出す。

 俺もそろそろ行くとするか。

 

 マグナムを片手に瓦礫から跳び出そうとした瞬間、真横から強烈な熱を感じる。

 振り向くと同時に、銃を構えると、銃口が白い肌に包まれる。

 

「あなた様♡」

 

「ワカモっ!?」

 

 銃口を掴まれた事を認識すると同時に引き金を引くと、マグナムを上に向けられ照準を外され、そのまま俺の手を握って銃から離せないようにされる。

 

「まだ邪魔者がいますが……あれを片付ければ……これでようやく……!」

 

「セナと他のヴァルキューレ達をどうする気だ?」

 

「しばらく邪魔が出来ないようにして差し上げるつもりです」

 

 その間、邪魔をするなって訳か。

 マグナムは依然として掴まれたまま。

 振り払おうにもビクともしねぇ。

 

「私は良くも悪くも顔が売れています。ですから……あぁやって私を撃ってくるような輩は滅多にいません。あなた様以外は……♡」

 

「だから、真っ先に消えたお前さんの影武者のところにすっ飛んできたって訳か」

 

「はい、厳密にいえば、あれは幻に近いものですがね」

 

 上機嫌で俺に説明してくれてるうちはまだいい。

 問題は、この後の展開だ。

 俺に狙いがあるのはこれで確実だ。

 その為なら周りがどうなろうとお構いなしのイかれた思考。

 何時気絶させられるかも分かったもんじゃねぇ……。

 

 久方ぶりに冷や汗が流れる。

 

 視線をワカモから逸らさずに見続けて、こいつから離れる手を考えていると……。

 

 耳元から声が聞こえる。

 

「さて……そろそろ場所を移すとしましょうか。ここでは何時気付かれるかも分かりませんので」

 

「望みは、俺とサシになりたいってとこか」

 

「……はいっ、あなた様と二人っきりになれる場所で……!」

 

 彼女はそういって、俺の手を強く握りしめる。

 ヘヴィな女だ。

 

「……悪いが、お前さんには先客がいるみたいだぜ」

 

「何を……? 私にとって貴方以上に優先するものなんて」

 

「まぁそういうな。花形、登場だ」

 

 言葉と共に首を横に傾けると同時、俺の顔の横を紅い閃光が通り、ワカモの顔へと命中する。

 

「がぁっ……い、一体……何が……!? はっ、しまった。手を、先生!」

 

 突然の奇襲に、彼女は手を放して、後ろに下がる。

 手を離してしまったことに気が付いた彼女は、再び俺に向かって近寄ろうとする。

 それと同時に、彼女の顔が爆発する。

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

 悲鳴が聞こえるが、彼女が退く様子は微塵もない。

 それどころか、黒煙を吹き飛ばし、怒りの形相で俺の後ろを見つめる。

 形相と言ったが、仮面は割れちゃいない。

 あの弾を喰らっても尚壊れないのは驚いたが……今はそれどころじゃないな。

 

「何者ですか……私の邪魔をするのは……!!」

 

「私よ、災厄の狐」

 

 短く答える声が瓦礫だらけの街に響く。

 そして、それと同時に二重奏を奏でるヒールの音。

 

 紅い髪を靡かせ、ワインレッドのコートをはためかせ、俺の前に立った彼女を見て、俺は口角を上げる。

 

「陸八魔アル……!!」

 

「無線でよくわかったわね。先生」

 

「首が邪魔って言われたのは初めてだぜ、アル」

 

 俺の前に立ったアルは、いつものように笑いながら俺に向かって軽口を叩いてくる。

 全く、本当に言うようになったな。

 

「何故……何故邪魔を……!! 私はただ……!!」

 

「何故ね。それはこっちのセリフよ、貴方が何者であったとしても、この日を楽しみにしている人の邪魔をしようとするのなら、私は貴女を止めるわ」

 

 その声色を、俺は久しぶりに聞いた。

 アルが本気で怒った時の声だ。

 

「先生、ここは私に任せなさい」

 

「そいつの目的は俺だぜ?いいのか」

 

「あら、さっきまで誘拐されかけてたのによく言えるわね」

 

「けっ、恩に着る」

 

 ワカモをアルに任せて、俺は他の不良の鎮圧に向かった。

 アルが任せろといったからな。

 

 あいつが何の勝算も無しに言うはずはねぇ。

 なら、俺はアイツに任せるだけだ。

 

 

 

 ──────

 

 ────────────

 

 ───────────────────

 

 

 

 

「貴方だけは、貴女だけは許せません……」

 

「そう、先に聞くけど、どうしてかしら」

 

「貴女があの人を……このワカモから先生を奪おうとするのが憎くて堪らないのです」

 

 ワカモが私が見ても分かるほどに強く手を握りしめて、銃剣を抜き取り、その切っ先を私に向けてくる。

 ふふっ、先生にあぁやって言った建前、負ける訳には行かないわね。

 

「そう、なら私も貴女を止めるだけよ」

 

 私も銃を構えると、彼女は剣を持ちながら手印を組み、何かを唱え始める。

 

(かしこ)(かしこ)みも(まを)す。高天原に神留り坐す 天照大御神。主の威を示し 慈の十種(とくさ)瑞寶(みづのたから)を以ちて (ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たりや)と唱へつつ 布瑠部(ふるべ) 由良由良(ゆらゆら)布瑠部(ふるべ) かく為しては十種の瑞寶を 布瑠部の神事に仕へ奉れり 故この瑞寶とは……八握劔(やつかのつるぎ)

 

 そう唱えると、彼女の持つ剣が青みがかった炎に包まれ、この距離でも感じるほどの炎熱によって刀身が融解し、赤熱する一本の刀へと形を変えていく。

 纏った炎を斬り払い、両手で持って私へとその切っ先を向ける。

 

 銃相手に刀ね……それでどうにか出来てしまう人を私は知っているからこそ、油断はしない。

 

「……っ!!」

 

 ワカモが、私に向かって肉薄すると同時に、ワインレッド・アドマイアーを構えて、銃弾を放つ。

 それでも私の放った弾は、彼女に届くよりも前に熱閃によって断ち斬られる。

 分かってはいたけども……本当に斬られるなんて、ね!

 

 斬り離された二つの弾がワカモの隣に行った瞬間を狙って爆破する。

 

「くっ、小賢しい真似を……!」

 

「あら、悪党を相手にしてるのよ、何を甘えてるのかしら」

 

 思いつきだったけど……いけるものね。

 

 あの刀に斬られたら流石の私もヘイローを壊されちゃうかもしれない。

 だから、引き撃ちを徹底して行いながら、私の愛銃で彼女の隙を潰していく。

 近寄らせない。

 行動を起こそうとした瞬間、引き金を引く。

 癖なのかしら、ワカモは必ず向かってきた弾を斬ったり弾く癖がある。

 

「ちっ……!」

 

 なら、こうやって撃っている限り彼女を縫い留めることはできる。

 

 その場から前に出ようものなら……。

 

 地面に落ちた弾丸の破片を爆破させて、動きを止める。

 

「防戦一方、倒すよりもこの場に留めるのが役目ですか……」

 

「貴女を倒すつもりはないわよ。止めるって言ってるじゃない」

 

「そうですか……私は貴女のヘイローを壊すつもりで参りますので」

 

 彼女がしゃがみ込み、刀を低く構える。

 まるで、五ェ門さんの居合抜きみたいな……この距離を!?

 

 足に神秘が溜まっていくのが見える。

 

 銃を構えて、ワカモの初動を潰すつもりで弾丸を放つ。

 狙いは完璧、この射線なら弾を斬るしかない。

 そこを狙って爆破すれば……。

 

 熱を感じる。

 

 炎を纏いながら刀を抜き放とうとするワカモの姿が視界の端に見える。

 さっきまでの弾丸斬りも弾きも全部ブラフ?!

 

 回避……いや、間に合わない。

 早撃ち……こんな至近距離じゃ向こうの方が速い。

 動かなきゃ死ぬ。

 

 一か八か……!!

 

 手に持っていた私の愛銃に神秘を込めて強化し、お腹と刀の間に滑り込ませる。

 

 瞬間、衝撃と熱が体に伝わり、大きく後ろに吹き飛ばされる。

 手から銃が離れ、地面を転がり、瓦礫の山にぶつかってその動きを止める。

 

「へぇ、殺す気でしたが、防ぎましたか」

 

「ぐっ、うぅ……」

 

 痛みを感じるのなら……まだ生きている。

 たった一撃で形勢を返された。

 

「しかし、貴女の愛銃は確かに奪いましたよ」

 

 ワカモの言葉を聞いて、何とか体を起こして、銃を探すと……。

 ストックを真っ二つに斬られた私のワインレッド・アドマイアーの姿が見える。

 

「さぁ、嬲り殺しと参りましょうか」

 

 懐にあるリボルバーへと手を伸ばす。

 手に掴むよりも先に、腹部に衝撃が走る。

 

「うぐっ、おぇっ」

 

 一瞬で距離を詰めてきたワカモの膝が私のお腹に突き刺さっている。

 

「貴女だけは……貴女だけはこの手でどうしても仕留めたかった……!」

 

「はぁ……はぁ……全くいい女は辛いわね」

 

 痛みで嫌な汗が流れ出る。

 さっさと斬ればいいのに、ワカモは刀を持っていない手で私の首を掴んで、瓦礫の山へと投げ捨てる。

 

 痛い……ほんと、こんなに何も出来ないなんて、情けないわ……。

 

「どうしてそんなに私の事が憎いのかしら……」

 

 瓦礫にぶつかった影響で頭を打ったのか、生暖かい血が私の頬へと流れていくのを感じる。

 立ち上がろうにも立ち上がれない。頭が割れちゃったかしら……。

 視線だけをワカモへと向けると、赤熱し続け、未だに憎悪の熱を宿し続ける刀の切っ先が私に向けられている。

 

「雑誌です」

 

「雑誌……?」

 

「月刊キヴォトス……出ていましたよね、貴女」

 

 私の中で何かが組み上げられていく。

 パズルのピースが一つ一つ嵌め込まれていって、私の中で一つの解が完成する。

 

 まさか……。

 

「ワカモ、あなた……嫉妬してるの?」

 

 ワカモは、つい最近発行された『月刊キヴォトス』の記事、『貴女にとって』を読んで、私に対して嫉妬の炎を燃やしていた?

 

「…………」

 

 私からの疑問に、ワカモはただ沈黙をもって答えを出した。

 

 その姿を見た瞬間、私の中で何かがプツンと音を立てて切れる。

 そう、そういうことだったのね。

 

 あぁ、なんてなんて簡単で単純な問いだったのかしら。

 

 それと同時に、私は一つ疑問を覚える。

 

「なら、どうして私を狙わなかったの?」

 

「貴女にそれを答える義理は──「あるわよ」」

 

 向けられる熱の塊を私は強く掴み、仮面の奥にある瞳を見つめる。

 音を立てながら焼かれていく私の手の痛みすら気にならないほどに、私の中の怒りが膨れ上がっていく。

 

「この際、私に嫉妬するのも、怨みを持つのもどうでもいいわ。 気にしてるのはどうして街を破壊して、先生を襲ったのか。私の事が気に食わないのなら、私を狙えばいいじゃない!」

 

「……っ」

 

「胸に秘めた大事な思いを形にする特別な日を……そんな日に限って、滅茶苦茶にした理由は何か答えなさい!」

 

 痛みで動かなかったはずの足に力が漲る。

 焼けていく手をさらに強く握りしめて、私は立ち上がり、彼女に問い質す。

 肉が焼ける煙で目が燻されようとも、私は彼女の眼から決して逸らさない。

 

「……今日が、バレンタインデーだからです……」

 

 小さな声が聞こえた。

 

「バレンタインデーだから……?」

 

「一目惚れしたんです……あの人に……だから、この想いを伝えたくて……」

 

 さっきまでの威勢も憎悪も嘘だったかのように、目の前の彼女は小さな声でそう語る。

 

「…………」

 

「だから、あの人が一人になるように、こうして脱獄のチャンスを頂いてから不良たちを扇動し、より苛烈により華やかな破壊をもって、私の分身へと視線を誘導したんです……」

 

 そうだったのね……この子もあの人が好きだから。

 それ自体は私に嫉妬するので分かってはいた。

 でも、私も頭に血が昇っていて、彼女を一人の女として見ていなかったせいで、何処か否定してしまっていた。

 

 私は刀から手を離す。

 

「そう、ならワカモ。貴方のやり方は間違ってるわ」

 

「っ! 貴女に何が分かるというのですか!! あの人の隣を奪って……私からあの人を奪おうとする害虫風情に!!」

 

 そうね。

 貴女から見た私はそんな人間でしょう。

 

 なら、もうこれ以上言葉は要らないわ。

 

 私だって、あの人の隣を歩きたいのだから。

 

 再び煌々と燃え盛る刀を向けられても、今度は冷や汗一つ流れない。

 

 恐れがなくなった訳じゃない。

 彼女が何者なのか忘れた訳じゃない。

 

 でも、あの子も恋する乙女であることに変わりはないのだから。

 

 ……私は自分の心臓の鼓動に耳を傾ける。

 

「何なんですか。その神秘の量は……!貴女は一体……!?」

 

 彼女の言葉と共に私の心臓の鼓動が高鳴っていき、体を巡る血の全てに意識が満たされていく。

 

 

「災厄の狐……いいえ、狐坂ワカモ。悪いけど、ここからが本番よ」

 

 

 一瞬にして世界が、真紅に染まる。

 

 

「曲げず、折れず、私は私の道を歩み続ける」

 

 

 私の心臓の鼓動が、空間を支配し、産声を上げる。

 

 

「見てなさい」

 

 

 リボルバーを取り出して、そっと唇を落とす。

 

 

「これが……アウトローの……」

 

 

 銃口を彼女へと向ける。

 私の体から解き放たれる黄金の神秘が、世界を揺らす。

 

 

「『神髄
「『神髄
「『神髄
「『神髄』よ! かかってきなさい!」

 

 

 

 私の声と同時に、ワカモが肉薄する。

 さっきは捉えられなかった動きが見える。

 

 纏う炎を避けて、さらに距離を詰める。

 斬撃は確かに怖い。

 ワカモの腕前も相当なもの。

 何よ、当たり前みたいに弾を斬るって。

 

 でも、刀の間合いにはどうしても避けられない弱点がある。

 

 それは本当の至近距離。

 

 零距離での戦闘なら、そこまで近づく勇気さえ持てれば……。

 

 分があるのは私の方。

 

 炎を避けて、距離を詰め、後ろに下がろうとする彼女を追い続ける。

 

 さっきまではずっと私が逃げ続けてたのに、今度は彼女が私から逃げ続けている。

 仮面の裏の表情の全ては読み取れない。

 でも、きっと苦しそうな顔をしているはず。

 

 自分の間合いから外され続けるのは辛いわよね。

 

「っ……」

 

「止めないわ。だって、私は……悪党なんだから」

 

 ほんの一瞬、距離が離れる。

 

 流石ね……その一瞬を彼女は逃さない。

 

 腰に刀を持っていき、神秘で固めた手を鞘代わりに刀を滑らせて居合を行ってくる。

 

「しまった……!?」

 

 だからここで距離を取る。

 刀の間合いから完全に離れれば……彼女はその場で立って刀を振り上げたにすぎない。

 

 この距離なら……。

 

私の方が速いわ

 

 銃口を向け、何のためらいもなく引き金を引く。

 

 返す太刀で私の弾を斬ろうとしている。

 その速度のまま飛べば、断ち斬られてしまう。

 

 だから、弾丸の後ろだけを爆破して加速を行う。

 

 急加速した弾は、彼女の斬撃をすり抜けて、命中。

 

 貫きはしなかったけど、その衝撃によってワカモは瓦礫の山へと叩きつけられる。

 

 リボルバーを仕舞って、私は彼女に近づく。

 

「どうして……私の想いを……」

 

「それ自体が悪いとは微塵も思わないわよ。とても綺麗で純粋な宝石だと思う」

 

「なら……どうして……」

 

「貴女が彼に伝えたいように、他の誰かが誰かに伝えたかった想いもあるとは考えなかったの?」

 

 壁に寄りかかって倒れる彼女がか細い声でそう話す。

 私はしゃがみ込んで、再び彼女の顔を見ながら声をかける。

 

「貴女の思う次元大介って男は、それを良しとするような傍迷惑な男だったかしら」

 

「…………っ、そんな、そんなことは……」

 

「ワカモ、このリボルバーに誓って、貴女の恋を邪魔はしないわ。 貴女がこんな方法を使わないのなら、彼だって正面から受け止めてくれるはずよ」

 

「そうでしょうか……過ちを犯した私を……こんな犯罪者の私を……」

 

 仮面の紐が千切れ、彼女の素顔が露わになる。

 その下にあったのは、涙に濡れた美しい少女の顔。

 

 さっきまで殺されかけてたのに、私もまだまだハードボイルドには成れないわねと自分に悪態をつきながら、地面に落ちた彼女の面を拾って差し出す。

 

「当然よ。なんたってこの私が惚れた悪党なんですから」

 

「っ……ありがとう……ございます」

 

 彼女は仮面を手に取ると、そっと意識を落とす。

 

 サイレンが聞こえる。

 今日の仕事もようやく終わりかしら。

 

 伸びをして、そっと彼女の事を見ようとすると……。

 

「あ、あれ?ワカモは!?」

 

 さっきまでいたはずの彼女の姿は何処にもなく、一枚の花弁が残されていた。

 

「ふと目を離した隙に!?ちょ、ちょっと!!何処行ったのよ!!」

 

 

 

 

 ────────────────────   

 

 ────────────   

 

 ──────

 

 

 

 

 シャーレの執務室で、アルの手当を行いながら、フブキたちの話を聞いている。

 

 結局、アルがワカモを見失った後、完全にD.U.地区からはワカモは姿を消してしまったようで、フブキたちヴァルキューレの生徒は直属の上司から大目玉を喰らったらしい。

 相手が相手だからな、神秘での分身を遠隔で出せるような奴の足取りを掴むなんてそう簡単なことじゃないと思うから、あまり強くは言わねぇでやってほしいんだがな。

 

 それから、セナからも連絡が来ていた。

 自分が居なくなった隙を突かれてしまったことを悔いていたが、あれもワカモが上手だっただけだ。

 気にすんなとだけ返しておいた。

 

「アル、お疲れ様」

 

「……ありがとう、先生」

 

 結局事後処理やら、なんやらで夜になってしまった。

 その間ずっとアルはこうやって意気消沈したような姿で、静かに地面を見つめている。

 らしくないその姿に、俺は黙って受け入れていたが、こう何時間もそのままじゃ俺も気になってしまうってもんだ。

 

「アル、何かあったのか?」

 

「……まぁ、ちょっとした喧嘩よ」

 

「そうかい、仲直りは?」

 

「出来たといいのだけれどね」

 

 アルはそうお茶を濁して、窓の外を見つめる。

 乙女心って奴かね。

 こういうのは触れぬが吉ってもんだ。

 

「……」

 

「……」

 

 二人の間に沈黙が続いたそんな時……執務室の明かりが消える。

 

「停電か!?」

 

「待って……神秘?どうしてこんなところに」

 

 アルがそういうと、暗い執務室の中に薄くぽうっと火の玉が浮かぶ。

 待て待て……俺はそういうのは苦手なんだよ!!

 

「あなた様……あなた様……」

 

「だ、誰だ!」

 

 俺がそう声を上げると、パッと電気がつき、火の玉が膨れ上がると、中からワカモが姿を現す。

 咄嗟にマグナムに手が伸びそうになるが、ワカモの様子が違う。

 俺の事を見つけたワカモは、そっと仮面を外して、今にも泣きそうな顔で俺の事を見つめている。

 

 その違和感に気づき、俺は彼女へと歩み寄る。

 

「日中は、ご迷惑をおかけしました……」

 

「あぁ、そうだな。お前さんのせいで散々だったぜ」

 

「っ……申し訳ございません」

 

 彼女は俺に対して、頭を下げてくる。

 こんな事をするような子だったのか?

 俺がそう考えていると、アルがまるで母親のような優しい目つきでワカモの事を見ていた。

 

 だから、俺は言葉をかける。

 

「要件は、それじゃねぇんだろ? そういうや、どうしてそんなことをしたのか聞いてなかったな」

 

「それは……その……これを、チョコレートをお渡ししたかったのです」

 

 ワカモは懐から丁寧に包装された箱を俺へ差し出す。

 最初はピンと来なかったが、すぐに何なのか理解できた。

 

「そうか……これの為にあんな大立ち回りしたってのか」

 

「はい……先生、あなた様がこういう事が苦手としらず私は……私は……」

 

「その様子を見るに反省したんだろ? なら、次はすんなよ」

 

「はい、先生に誓って、私は先生がやるなと言われる、そういったこととは決して致しません」

 

 その頭を優しく撫で、俺は貰った箱の中からチョコを取り出す。

 一口サイズの小さなチョコがいくつも入っている。

 それを、一個食べてみる。

 

 ミルクの甘味がありながらも、しっかりとカカオのビターさもある。

 

「美味いな、ありがとう。ワカモ」

 

「っ!……はいっ、はい!ありがとうございます、先生!」

 

 泣かせねぇためにやってるってのに、結局涙を流してしまったワカモは、懐から取り出したハンカチでその涙をぬぐったと思えば、別の裾からもう一つ包装された箱を取り出して、それをアルに向かって投げ渡した。

 

「え?」

 

「貴女は、(かたき)ですが……その、ありがとうございます」

 

「……ふふっ、礼はいいのよ」

 

 晴れやかな笑顔を見せたアルは、そういって自分の机の上にチョコを置いて、引き出しの中からワインレッドの包装がされた袋を俺に手渡す。

 

「私からのプレゼントよ」

 

「っ!!……やはり(かたき)です」

 

 何かワカモがぼそりと言った気がするが……まぁいいか。

 袋の中にはバラ型の一口チョコが幾つも入っていた。

 そのうちの三個だけが白いホワイトチョコで作られている。

 随分と手の込んだ代物を……。

 

 そうやって観察して、一個味わっているとアルが俺へと声をかけてくる。

 

「先生は誰かに贈り物は送らないのかしら」

 

「!……あなた様は一体誰に!?」

 

 その言葉を聞いたワカモが食いついてくる。

 お前さんさっきまでシュンとしてただろうが、移り身が激しいなおい。

 

 まぁ、一応は用意はしてたが……こう迫られると渡す気が失せるってもんだ。

 どうしたもんかと、上の空で考えていると、二人が何やらじゃんけんしている。

 

「何してんだお前ら」

 

「どちらがあなた様からの寵愛を受けるか決めているのです」

 

「じゃんけんなら平和でしょう?……あ、そうだ他のみんなも呼んでくるわね!」

 

 どうしてこう真面目に終われねぇのか。

 直ぐにドタバタと音を立てて、執務室のドアが開かれる。

 

「先生からのプレゼントって本当!?」

 

「主殿!主殿も参加するのですよね?」

 

 俺が俺に贈り物を送ってどうするってんだ。

 

「あー……俺は降りる」

 

 月が昇っていく騒がしいシャーレの執務室を、俺は顔に笑みを浮かべながら後にするのだった。

 

 

 




恋煩いの狐
~完~


結局語る隙が無かったのですが、ワカモは発現者です。
その固有名は『狐火』。幻視や陽炎なども引き起こせる炎熱系の力ですな。

あと、神髄はルパン達のものではないというのは前々から決めてたことですな

実はもっと先で登場予定だったのですが……
ワカモに勝つにはこれを出すしかなかった……!


最後に、もしよろしければ感想、ここすき、評価お待ちしております。

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  • 例:殺し屋の矜持
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  • 例:1-10 殺し屋の矜持
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