「子ウサギ公園の再開発……ですか?」
少女はそう言うと、横に長く垂れ下がった髪を耳へと掛けながら、書類から俺の方へと目を向ける。
「あぁ、ちょっとしたリークでな」
現連邦生徒会のトップを務めている七神リンに俺はそう話題を振る。
時折、俺はこうやってリンに直接会って仕事をすることがある。
キヴォトス上のあらゆる情報が集まる場所だ、下手にここから動くよりかは、俺がここに来た方が安全性的にいいってとこだろう。
「……先生、前々から思っていたのですが、そのようなことをされると外聞が余り良くないですよ」
「俺が他所様の目を気にするかよ」
「気にしてくださいという話をしてるんです」
「仕方ねぇな……それで、その再開発について何か知ってることはねぇか?」
頭を掻きながら俺は返事を返し、話題を元の方向へと戻す。
話題を逸らされちゃ困る。
子兎共の肩を持つつもりはないが、何せあのカイザーだ。
そのうえ、連邦生徒会との繋がりもまだ残っている。
調べたところ、あの子兎達の先輩であるFOX小隊が、少し前にカイザーインダストリーと手を組んでいた奴らの不正を暴き、牢獄へ叩き込んだ。
あのワカモを捕まえる程の腕利きだ、しくったとはとても思えない。
だが、あのカイザーのことだ、捕まったメンバーが全員だとは思っちゃいない。
まだいることを想定して動くべきだろう。
「あそこは前々から再開発予定のあった場所です、確かにカイザーコーポレーションは一度先生と敵対した企業、そのやり口は私も警戒していますが……私たちはいつも後手でなければ動けない存在です。それに、先生のことですから、例のSRT特殊学園の生徒たちのことを思っての行動でしょう?」
「…………」
「沈黙は正解ですよ。先生、あまり彼女たちの肩を持つのはよろしくないかと」
メガネを人差し指で上へと上げながら彼女はそう口にする。
非常に言いにくい、また言いたくないようなそんな雰囲気を感じさせる。
「カヤから聞きました、先生が公園で野宿しているSRT特殊学園の生徒を陰ながらサポートしていると……シャーレの依頼の一部を渡してるのはいかがなものかと思いますが」
カヤからか。
確かにあの女に頼まれた依頼であいつらの面倒を見ているのがその半分の理由ではある。
しかしあいつに大した情報を送った覚えはない。
俺の一任でやってるからな。
結果が出るまで、余程のことが起きない限りは連絡するつもりがなかった。
なのに、俺が何をしていたのか。
その一部を把握しているようだった。
まぁ、まさかリンの口から漏れるとは思ってなかっただろうがな。
「ご存知でしょうが、連邦生徒会内部にはSRTの武力を恐れているメンバーも少なくありません。そんな中、彼女たちを支援するような動きをした場合……」
彼女はそこまで言うと、言い淀み……深く考えたのちに机から身を乗り出して、俺の顏の傍にまで近づいてから話しかけてくる。
「行政委員会から強い反発が挙がるでしょう」
「へぇ、お前さんそいつは脅しか?」
「脅っ!? ……心配をしてるのですよ」
「けっ、なら余計なお世話だ。俺が誰に着くかは俺が決めることだ」
俺の返しにあからさまに驚いたような表情を作った彼女は、溜息をつくと席に着きなおす。
心配か、ここに来てから随分とされるようになったが……未だに慣れねぇな。
「下手すればキヴォトス中を敵に回すかもしれないのですよ」
「国を相手にするなんざ、今まで何度もしてきた。その程度でビビるわけがねぇだろ」
「はぁ……人の気も知らずに」
行政を相手に回すのなら、当然キヴォトス中にあることないこと言われる可能性はある。
三大学園に顔なじみがいるとは言え、大多数に知られてるわけではないからな。
とはいえ、ウチの仲間は優秀だ。
バカでも相手に回そうとは思わねぇだろう。
リンだって分かってるからこそ、反発が挙がるという前に言い淀んだのだろう。
こいつは優秀だからな。
「かっかっかっ、ありがとうな。そう気にかけてくれるならお前さんからも一言説得に手伝ってくれりゃ嬉しいんだが」
「……嫌です」
「かーっ、つめてぇ奴だな。まぁいいさあ、話してくれてありがとな」
カイザーの事は特にリンが把握してる中では目立った動きはないらしい……つってもアイツはトップの立場にいる女だ。
提出される資料しか把握してないのなら、いくらでも隠しようはある。
リンの部屋から出て、シャーレへと帰ろうとすると、向かい側から見覚えのある奴が歩いてくる。
薄い金髪と気だるげな表情、よれたシャツを着こんだ女性にしちゃ高身長な犬耳の女。
向こうも俺に気づいたらしい。
「あっ……先生」
「カンナ、お前さんこんなところにも来るのか」
「えぇ……防衛室長に、少し個人的な用事、と言ったところでしょうか」
彼女の眼が一瞬俺から逸らされる。
まるで何か隠し事をしているかのように。
警察らしくねぇ仕草だ。
「足を止めてしまって申し訳ございません。ではこれで──「おい、カンナ」な、何でしょうか」
そそくさと立ち去ろうとした彼女を俺は呼び止める。
俺の横を抜けていこうとした時に彼女の顔に僅かながら汗が流れていた。
今日は少し冷え込んでいて、日差しはあれど汗を流すほどでもない。
ましてや、走って急いできたといった様子も見れない。
限りなく怪しいが……様子からして、こいつが黒って訳じゃねぇな。
「あんま張り詰めてもいいことねぇぞ。肩の力抜いとけよ」
「は、はい……ご心配ありがとうございます」
「真面目な奴だ。カヤによろしく言っといてくれ」
「分かりました……では改めて失礼します」
そういって彼女はまた去っていく。
アイツは相当な実力者だと思ってたが、それがあぁも怯えを見せるものか?
組織に属するってのは面倒なもんだ。
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室内に扉をノックする音が響く。
「どうぞ」
桃色髪の少女、カヤが声をかけると、扉が開き、カンナがそそくさと入って来る。
窓の外を眺めていたカヤは、チラリと背後のカンナを一瞥するとまた窓の外へと視線を向ける。
「お疲れ様です、少し時間に遅れたようですがいかがしましたか?」
「す、すみません!その、道中で先生にお会いして……」
「まぁ、先生と……それは仕方ありませんね」
彼女は穏やかな声でそう返し、部屋の中に再び張り詰めた空気が流れ始める。
それを察知したカヤが再び口を開く。
「カンナ、そんなに緊張しないでください。何も貴女を虐めたくて呼んだわけではありません。先生は何か仰っていましたか?」
「防衛室長によろしくと……」
「そうですか。感づかれてないといいのですが、まぁそこは良いです。今日はただの進捗確認をしたかったんですよ。 『子ウサギタウン』の建設については如何ですか?」
「それが、付近で野宿しているものが多く……建物の撤去作業が、少々遅れており……」
「……はい?」
カンナが目を伏せながら、連絡を行うと、部屋の空気が異様に歪む。
その空気を吸った彼女の肩が震えあがり、目を前に向けると、先ほどまで窓の外を見ていたカヤがこちらを向いて、一歩、また一歩と歩み寄って来る。
糸目で普段は見えないその淡緑の瞳がカンナを突き刺し、カンナの首に同じ色の神秘が巻き付く。
「それはつまり、こういうことでしょうか?」
首輪のように巻き付いた神秘にはチェーンが伸びており、その先にはカヤの掌が繋がっている。
「キヴォトスの治安を担うヴァルキューレ警察学校……」
「う、ぐっ」
カヤはそれを強く握りしめ、自分よりも高い身長の彼女を自分の目線に合わせるように引っ張る。
「その精鋭である公安局が、立ち退きに苦労していると?」
本来であれば、カンナの力はカヤよりも遥かに上。
しかし、躾されたペットのようにカンナは、そのチェーンに合わせて、彼女の前に両手をついて跪く。
「で、ですがお言葉ですが、普通ではあり得ないような銃火器で武装しておりまして……
こちらの武器では、中々対抗しきれず……それに加えて、あのSRTの生徒達も公園に残り続けているため
──「カンナ、それはつまり私のせいだと?」し、失礼しました!そ、そのようなことは決しっ、がぁぁぁああ!!!」
カヤが、カンナの首に繋がっているチェーンを強く引っ張ると同時に電撃がカンナの体に流れ出し、緑色の火花を散らしながら、彼女の体を強く痛めつける。
苦悶の声をあげたカンナの身体から煙が上がり、力が抜けて地に伏せたカンナに対してカヤは言葉をかける。
「カンナ、私は責任感のある方が大好きです」
彼女はカンナの頭を撫でながら、言葉をかけ続ける。
「あの次元先生だってそのはず、私は私の。貴方は貴方の責任をそれぞれ果たしましょう?」
「うっ、ぐっ……ぁ」
「万が一、その責任を放棄されてしまうと……SRTのようになっても、私からは何も言えませんよ?」
チェーンを引っ張りながら、地面に倒れ伏したカンナを引きずり、窓際の席へと座らせて窓の外の景色を見せる。
「さて、カンナ。私から一つアドバイスをして差し上げましょう。『もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。』という言葉が古典にはありましたね?」
カヤは、カンナの首にかかった首輪を撫でながら話を続ける。
「公安局だけで難しいのであれば、『利害関係が合う人たち』を呼んではいかがですか?」
「それは、つまり……」
「『粋』がない人ですね。そういうのは最後まで言わないものですよ」
「す、すみません……」
「では、次回はもっと良いお知らせを期待していますね」
カンナの首にかかった首輪が薄く消えていくと同時にカンナは席を立って、カヤへと敬礼し、即座に部屋から出ていく。
彼女が部屋から出ていき、カヤ一人になったタイミングで、誰かの声が聞こえる。
「『隷属』、互いに相手が上、自分が下だと思った人物を支配し、その精神に傷を負わせる神秘だったか。恐ろしいな」
「貴方に使うつもりはありませんよ?」
「そうなのか?」
「えぇ、私にとって、貴方達は最高のパートナーですから♡」
影から現れた少女に対してカヤは笑顔で話しかける。
そして、再び窓の外を眺めながら溜息をつく。
「それにしても、RABBIT小隊と次元大介……まさかあそこまで仲が良くなるとは。対極にいる人物だからこそ派手に傷つけ合うと思っていたのですが」
「クロノススクールにも聞き込んでいたしな」
「えぇ、大した回答はして頂けませんでしたがね。それで、『専門家』からしてどう見えましたか?」
やれやれと首を振りながら、カヤは影に潜む少女へと質問を投げかける。
少し考えた後、少女は口を開く。
「私にとっても予想からは、ズレた。でも、驚くほどのではないかな」
「ふふっ、いつも通りつまらなくて、貴女らしい回答ですね」
「もう少し近くで見たいかな……」
そう言うと少女は影へと溶け込み……姿を消した。
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朝からリンとの会談を終えた俺は、シャーレへ帰る前に子兎達の様子を見るために子ウサギタウンの方へと足を伸ばしていた。
前にレイミやキリノと出会った市場まで来たがどこも開いちゃいない。
再開発事業の結果だろう。
少し前まではかなりの人がいたが、あっという間に寂れちまっている。
悲しいもんだ。
誰もいない市場を歩いていると声が聞こえる。
「美味しい美味しい、『おいなりさん』は如何ですか~?」
桃色髪の狐耳を生やした少女が声掛けをしている。
近くの店のアルバイトか……?
服装も和装に身を包んでいる。
「あ、そこのお鬚がたくましいおじ様!もしお食事がまだでしたら、こちらは如何です?」
「おじっ、俺ぁまだそこまで歳いってねぇよ」
「まぁまぁそう言わずに!今日は何と言っても、会心の出来でして!それに今ならなんと出来立て!一番おいしい状態ですよ!」
そこまで押されちゃ仕方ねぇなと、少し困りながらも俺はいなり寿司を一つ買い、食べ始める。
「うん……確かに美味い」
「えへへ!それはよかったです!今日は全然お客さんが来なかったから落ち込んでたんですよー。もしかして一つも売れないんじゃないかって……胃が痛かったです」
「ここはまだ立ち退いてねぇのか?」
俺がそう話を振ると彼女の眼が少し見開かれる。
まるで知ってるとは思わなかったと言わんばかりに。
「えぇ、といってもこの様子じゃ商売にならないので今日で閉めようかなと」
「カイザーのやりそうな手だ」
「おや、その様子……もしかして色々あったようですね?」
「まぁな。お前さんはどうなんだ?」
立ち食いもなんだから、店先に座って食べていると少女も隣に座って、俺に対して話しかけてくる。
隣に座った時にふわりと香ったその匂い……僅かな硝煙の香り。
「まさか、私のようなアルバイトには雲の上の話ですよ」
「アルバイトか……」
傭兵かとも思ったが……それにしては随分と染みついている。
日常的な訓練をしてなくちゃあの匂いは中々染みつかねぇ。
と言ってもここはキヴォトスだ、喧嘩代わりにぶっ放すバカもいるくらいだが……そんな奴がこんな平和なアルバイトなんかするか?
「いなり寿司もう一個買ってもいいか?」
「おや、気に入っていただけましたか? 実は自信があるんですよ、このおいなりさん作り。よく友人や後輩たちにも喜んで食べてくれたので」
「アルバイトじゃねぇ時も作ってるのか。余程好きなんだな」
「えぇ、買ってくれたお礼に一つ耳寄りな情報を」
そういうと彼女は俺の耳に近づいて、小さな声で話始める。
「何でも、さっきの再開発、中止になるかもしれないんです」
「へぇ、そいつはどうしてだ?」
「社運を賭けて頑張っている再開発なんですが、とある浮浪者さんの集団が結構な銃火器で武装しているらしくって、『カイザーコンストラクション』の方が来るたびに派手に暴れてるらしいんです」
浮浪者の集団……銃火器……。
あぁ、例のダブスタの所確幸か。
アイツらの影響で工事が遅延していたのか。
となれば……中止はあり得ねぇな。
大方、地上げをやってる奴に自社の銃火器を買わせるために横流ししたものだろうからな。
抜け目がねぇ。
「それに、近くの公園でも武装した何処かの生徒さんたちが公園を占拠したとかで、
「ヴァルキューレが? そいつは変な話だ」
「何でですか?」
「その公園の生徒の処遇はシャーレの管轄だ。そもそも、なんでカイザーの話にそいつが出てくる」
ヴァルキューレ警察学校は、連邦生徒会。
つまりは、公共の組織だ。
今の話じゃ……まるで、
俺がそう話すと、彼女の顔が固まる。
「さて、お前さん何もんだ?」
「やっちゃった、鋭いね先生」
「っと動くなよ、質問に答えてもらおうか」
俺が先生だってことも承知の上で近づいていた。
最近は何かと面倒ごとに巻き込まれてるからな。
銃を抜き、彼女へと向ける。
「そうですね……ただの物知りってことには…………出来ませんよねぇ」
「そうだな、銃を向けられてもビビりもしねぇ辺り、タダの一般人でもなさそうだ」
「私としたことが、ついつい口が滑ってしまいましたね」
そう言うと彼女は困ったように笑う。
そういう口ぶりをするのは、それなりの場数と経験を積んだ奴が言う言葉だ。
カッコつけて言ってるようにも見えない。
状況を整理した俺は、頭の中に浮かんだ推測を口にする。
「FOX小隊、だったりするか?」
「…………」
「沈黙は、正解らしいぜ」
表情を消した彼女が、咄嗟に逃げようとするが、俺はその手を掴む。
聞きたい話が丁度有ったからな。
「ごめんなさい、先生!」
振り向いた彼女は、俺に対して何かを投げつける。
棒状のそれから素早くピンを外し、彼女は目を背ける。
見覚えのあるその凹凸のある表面……閃光手榴弾か!!
不意打ちで放たれる光と爆音で、俺は手を放してしまい、目が見えるようになった頃には彼女の姿はなく、『お腹が空いている子達用にぜひ』と書かれた紙と共に置かれたいなり寿司が俺の視界に映った。
「自分でやったのかそれとも誰かからの指示なのか、サンクトゥムタワーを襲った経緯を知りたかったんだがな……」
いなり寿司に毒が仕込まれてないことを確認した俺はそれを持って、再び子ウサギ公園の方へと歩いて行った。
子ウサギ公園へと着くと何やら大きな声が聞こえる。
「武器の在庫がない!!!!????」
あの声はモエだな。
近付いていくと、モエを筆頭にRABBIT小隊たちが何処かと商談をしているようだった。
『申し訳ないのですが、商談はここまでという事で……何かあればまたご連絡ください!』
「当てが外れた……な、何だその意味分からない状況……」
「子兎共、何してんだ?」
「あ、先生……それがさ、聴いてよ!」
駆け寄ってきたモエの話を聞くと、この前水没した兵器たちをブラックマーケットでも商売をしている『カイザーインダストリー』に売って、お金の代わりにいい武器を仕入ようとしたところ、ついさっき大量の注文があって在庫がない状態だと聞かされたようだ。
「カイザーの貯蔵庫が底を尽きるなんざどういう話だ……?」
「でしょー!!初めて聞いたんだけど」
「あぁ、私たちもモエがカイザーインダストリーのVVIPだなんて初めて聞いたぞ」
サキを始めとした他の三人がモエに対して冷たい目線を投げかけている。
VIPのさらに上だからな、相当買いこまなくちゃ成れるようなもんじゃねぇが……。
「時々計算が合わないと思っていましたが、まさか……」
「モ、モエちゃんまさか……横領罪で逮捕……?」
「ち、違うから!自腹で買ってるだけだから!!」
全く、横領をするやつがSRT、それなりに大事なポストにいるわけがないだろう。
リオがいたら、ごめんなさいと謝り倒しそうなところではあるが……まぁいいだろう。
「売る場所がねぇなら、俺が買い取ってやろうか?」
「え、本当に!?」
「うちの爆発物担当ならそういうの色々と欲しがりそうだからな。それで?何を買うつもりなんだ」
「プラスチック爆──「固体燃料とガソリンを買うつもりだ」」
火力優先だろうとギャアギャア吠えるモエを余所に、サキがそう言い出す。
ヘリコプター用の燃料と飯炊きに使う用の物か。
アロナに頼んでネットで注文したそれをここに届くように手配する。
モエはどうにも暴走しがちだが、それをしっかり諫める奴がいるからな。
小隊を組んだ奴はかなり頭がキレる奴だったんだろうな。
「ありがとうございます、これで戦力も回復できました」
「気にすんなよ、それよりもお前さんらに土産だ」
「……それは、おいなりさんですか?」
俺はさっき貰ったいなり寿司をRABBIT小隊の奴らへと渡す。
貰ったミヤコはどこか懐かしそうな表情をした後に、ほかの3人へと配って食べ始める。
「ここに来る前に、お前さんの先輩らに会った。そいつから貰ってな」
「先輩……FOX小隊の皆さんにですか!?」
「そのうちの一人だけどな、桃色の髪をした女だよ」
「ニコ先輩に……これを渡すためだけに来たのですか?」
あの少女の名前を言った後にミヤコは嬉しそうにそして美味しそうにいなり寿司を口へと運ぶ。
美味しそうに食うもんだ。
事実、店を開けそうなくらいには美味いからな。
「ここに来る前に連邦生徒会長代理と話してきてな……前のカイザーの潜入でわかったことだが、この辺りの再開発にはどうやら──「た、助けてくれっ……!」」
俺が直前にニコから聞いたことを交えて話そうとした時、草むらを掻き分けながら助けを求める声が聞こえる。
現れた姿を見た瞬間、RABBIT小隊達が銃に手をかける。
以前、俺らが廃墟で戦った浮浪者集団のリーダー、デカルトが傷だらけの姿で現れた。
「RABBIT小隊待て……デカルト、その傷どうした。仲間はどうしたんだ」
「あの後再度集めた仲間は、既に散り散りになってしまいました……押しかけてきた、ヴァルキューレ達の手によって!」
近寄りはしないが、話しかけると彼は目からオイルを流し、項垂れながらも俺らに対して訴えかけてくる。
体の一部が弾丸によって削れてる。
相当強力な弾を使ったらしいな。
「ヴァルキューレ?警備局になんかやられるほど弱かったっけ?」
「違う!公安局だ!見慣れない武器を持って、私たちの聖地で暴れる……『狂犬』の姿を確かに見たのです!!」
「公安局?なんでそいつらがあんた達なんかを?」
まさかもう動き出してたのか……。
見慣れない武器ってことは、カイザーの新型の銃火器だろう。
ここまで速いってことは、既に準備を進めてたのか?
それとも……。
そう考える俺の脳裏にひとつの言葉が過ぎった。
──今ヴァルキューレは経済難だとの噂を聞きましたので、早急な対応は無理でしょうな。
レイミのあの発言が本当なら、前々からヴァルキューレはカイザーとの取引を頻繁に行っていた?
「そいつの言ってることは本当だろうな」
「それはどういう……っ!!」
ミヤコが口を開こうとした瞬間、発砲音が鳴り、デカルトが地面に倒れ伏す。
その先には硝煙を吹く銃口を構えた公安局の部隊。
そしてその先頭に立つ局長『狂犬』尾刃カンナの姿が見える。
「説明する暇もねぇな」
堕ちた正義
全く真面目も行き過ぎちまえば利用されるってもんだ。
さて、子兎共、大仕事と行こうじゃねぇか
次回 兎と悪党
まさかアンタに出会うとはな。
また投稿が遅れてしまい申し訳ない限りでございますな
来週が終われば、しばらく楽になれるので……ほんともうしばしだけ投稿が遅れることをお許しください
それはそれとして土曜のブルアカフェス現地開催には行くんですがね!
楽しみですな!
それと、大変恐縮、そして身分不相応ながら現在コミケに出版するための準備をしております……『プロローグ:次元大介』と『Vol.1暁のホルスは誰の手に』を挿絵を書いて頂き、少し推敲したものを一冊にまとめる予定でございます。
Twitter(現:X)で、その辺も告知する予定ではありますな!
では、最後にここすき、評価、感想お待ちしております!
今の話のタイトルが分かりにくいとの意見を得て変更するか否か
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例:殺し屋の矜持
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例:1-10
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例:1-10 殺し屋の矜持