新任教師『次元大介』   作:レイゴン

121 / 136
Road to Final-1 白兎返却大作戦!!
前編 侵入せよゴールデンフリース


 世の中には得手不得手ってもんが、大なり小なり必ず存在する。

 俺のようなガンマンは銃を撃つくらいしか能がねぇようにな。

 

 つまり何が言いたいかって言えば……。

 

「この書類の山はいつになったら終わるんだよ!!」

 

「はいはい、先生。ぶつくさ言わないで手を動かしてね~」

 

 ムツキに宥められながら、俺は書類仕事をこなしていく。

 基本的に受けた仕事に文句は言わねぇのが俺の主義だが、それにも限度がある。

 子兎共との一件も一段落してからというもの、溜まりに溜まった書類たちを片付けていく。

 現地での仕事がない時には基本的にこうやって仕事をしてはいるのだが……。

 

 それにしても終わらないにも程がある。

 一を片せば、十増える。

 

 俺はこういうみみっちい仕事は苦手なんだよ。

 

『先生、先生。ユウカさんから連絡が入ってますよ』

 

 アロナから声が掛けられ、ふと携帯を見れば、確かに彼女からの着信がかかっている。

 ユウカには普段から世話になってる分、無下には出来ねぇ……。

 

「ムツキ、ユウカから連絡来ちまったから少し任せる」

 

「えー! ムツキちゃんにこれ全部押し付ける気ー?」

 

「あとで、菓子買ってやるからな」

 

 膨れっ面のムツキを置いて、俺は少し部屋を外してからユウカの通信に出る。

 通信に乗ると、ホログラムが表示され、ユウカの他に珍しい生徒がそこに映し出される。

 

「お前さんは確かC&Cの……」

 

『あら?先生?』

 

『これで全員揃ったわね……はぁ、早速依頼の話をするわ』

 

 茶髪にフリルなメイド服を着込んだ礼儀正しそうな所作と声が特徴的な生徒。

 ミレニアムの『掃除屋』。C&Cのゼロスリー。室笠アカネが映し出された。

 

「通話開いて早々溜息ってのはどうなんだ?ユウカ」

 

『そうですよ、依頼は最終的にいつも達成しているじゃないですか』

 

 アカネがそういうと、ユウカの額に青筋が浮かぶ。

 何となく覚悟が出来た俺はそっと耳を塞ぐとその直後に、噴火が起こる。

 

『それは分かってるけど!だからこうしてまた依頼してるんだけど!問題はその後!!

 忘れたとは言わせないわよ!毎回誰が後始末をしているのか……「静かに処理して」って言ってるのに、いっつもいつも物を壊すわ、建物は吹っ飛ばすわ……請求額がいくらになってるのか分かってるのかしら!』

 

『あら、幾らくらいでしたっけ?』

 

47億568万2353円!!

 あそこの校舎は高い機材と美術品が多いから絶対にドンパチしちゃだめって言ったのに!!』

 

 アビドスを数回救えるくらいの金額じゃねぇかよ……。

 確かにミレニアムにある機材やコンピュータはどれも高そうに見えるが……それを毎度毎度吹っ飛ばしてたらそりゃそうなるもんか。

 

 それに、リオがあのレベルの都市を横領金だけで建設してたんだ、人件費はドローンで削減できるにしろ、それなりの金がなくっちゃ出来ねぇだろうが……。

 ミレニアムの持つ資金力ってのは並大抵ではないらしい。

 

『はぁ……ほんとにもう……。それでもまぁ、頼りにはしてるし、というかせざるを得ないというか……』

 

「それで、ユウカ。俺は何のために呼ばれたんだ?ってかミレニアムの仕事ならリオはどうした。」

 

『あぁ、すみません、先生。リオ会長は今別の仕事……近々行われる晄輪大祭(こうりんたいさい )の企画と下準備を行っていて……』

 

 晄輪大祭?

 聞く感じ何かの祭りらしいが……名前からしてミレニアムらしくはない。

 と言っても、今回の仕事には関係なさそうだから、必要以上に聞きはしないが……。

 

 しっかり生徒会長としての仕事をしてるのを聞けて嬉しく思う俺がいるが、それを抑えつつ、仕事の話に戻る。

 

「そうか……で、まさかだとは思うが……」

 

『そのまさかです、先生には今回C&Cのお目付け役になってほしいんです。特に今回の任務はかなり特殊なので……』

 

「…………」

 

 C&Cの能力は何ら疑っちゃいないが、さっきの話を聞くに、隠密は苦手なんだろう。

 それの御守をしろってのは……俺ぁガキの世話は苦手なんだがな。

 

「はぁ、取り敢えず任務の内容を教えろ。話はそこからだ」

 

『はい、今から約37時間前、ミレニアムサイエンススクール一年生の「黒崎コユキ」……コードネーム「白兎(ホワイト・バニー)」が、反省室から脱走……私が把握した頃には、完全にセミナーの監視網を抜けた状態だったわ』

 

『あら、またあの子ですか。相変わらずふと忘れた頃に色々とやらかす子ですねぇ。それで今度は何をしでかしたんですか? 学園のデータベースを全部初期化したとか……?』

 

 またと言った辺り、かなりの有名人らしいな。

 それにしても、ミレニアムのデータベースを初期化……そのレベルの大惨事を起こせるコユキってのは何者なんだ?

 力による物理的破壊による初期化か、それともハッキングによる初期化か。

 どちらにせよ、相当な実力者に見えるが……。

 

 コユキという生徒がどんな奴なのかと考えていると、ユウカが彼女の今回の罪状を言い放った。

 

『……無断での債券発行よ。しかもセミナー名義でね。今もまだバンバン刷ってて止めてないみたいで……このペースなら、私の計算通りの場合二日後には……御察しの通り、破産よ』

 

「そのコユキって女は、何者だ? セミナーの名前を使えるのもおかしな話だが……アカネの話から察するに、ハッカーか何かなのか? それなら、ヴェリタスにでも頼るか……それこそリオが対処するべきだろう」

 

『そういえば、先生はご存知ありませんでしたね……。 黒崎コユキ、コードネーム「白兎」……こんなコードネームがあるのは、これまで何度も彼女の捕獲作戦が発令されては、度々脱走されているという経緯もあるのですが……』

 

 そう言って新たにホログラムが映し出される。

 ミレニアムの制服を着たピンク色の髪をした星のような煌めく目を持った少女だ。

 ここ最近は何かとこの色の髪をした女の厄介ごとが多い気がするが……気のせいだろう。

 

『ミレニアムの中でもトップクラスの問題児でして、「元セミナー所属」なのですが、歩き回る変数と言いますか、逃げ回る時限爆弾と言いますか……。先ほど先生が言ったように、リオ会長が出てもいい案件ではあるのですが……そうはいかない理由があるのです』

 

『それが、コユキの神秘……あの子は無自覚な発現者で……その固有名が「sudo」。必ず解に辿り着く(・・・・・・・・)という神秘です』

 

 ユウカがそう困ったように眉を顰めながら、話し出す。

 無自覚な発現者ってことは常に使ってる……アスナみたいなタイプなのか?

 そもそもアイツが発現者なのかは知らないが……あれで発現者じゃなかったら何だったんだというレベルの勘と運の良さをしてるからな。

 

『まだピンと来てないようですね。あの子は、どんなセキュリティであっても感覚的に解いてしまうんです』

 

「は……?」

 

『ミレニアムの歴史と共に発展してきた超高性能演算機関「hub」、それが生み出した難解な暗号をまるで息をするように解いてしまうんです』

 

 それは大事になるわけだ。

 そして、ヴェリタスとリオが呼び出されねぇわけだな。

 どれだけ難解なセキュリティを敷いたとしても、それを即座に突破しちまうんだ。

 

 相当な才能の持ち主だ。

 最も扱ってる奴が、まだまだ精神的に未熟なのが問題ってところか。

 

「そんな問題児なら態々ミレニアムに入れておく理由でもあるのか? ヴァルキューレの世話にでもなってそうだが」

 

『そうしたいのも山々なんですが……既にミレニアムの機密事項を色々と知っちゃってるのでそうするわけにもいかなくて……』

 

『まさか、能力を買って入れたらあそこまでの問題児だとは思っていなかった……といった感じですね、ふふっ』

 

 しかし気になるところがあるとすれば、そいつが天才肌のハッカーなのは分かった。

 遠隔での対処がまるで意味がない、だからC&Cを直接派遣してとっ捕まえるってことも理解した……。

 ただ一つ疑問が上がるとすれば……。

 

「今送られてきた仕事のアサインを見たが……C&C全員を出す必要があるのか?まさか腕っ節まで強いのか?コユキって奴は」

 

『いえ……あの子は精々が中学生程度のはずですが……確かに不思議ですね。ドローンなど使ってよろしいなら、わざわざ全員で出動しなくても良いはずですが……』

 

『そうしたいのは私も山々なんだけど……彼女が逃げ込んだ場所が問題で……』

 

 ユウカが困ったような声を出しながら画面に映し出したのは、巨大な客船だった。

 

「ただの客船か?」

 

『いえ……これは複数の船で構成された学校「オデュッセイア海洋高等学校」。その船の一つがこの「ゴールデンフリース号」。ここにあの子はいます……ただ問題があって、この船がオデュッセイアの管轄外らしくて……生徒会の話も聞かないとかなんとか……』

 

「はぁ……つまり潜入ってことか」

 

 ミレニアムとの交流があるってのは分かったが、その様子を聞いて完全に合点がいった俺はそう言葉を零した。

 だから俺がお目付け役になったって訳だ。

 

『なるほど……先生は確か元泥棒でしたね……』

 

「お前さんらの手綱を握るには役不足だな」

 

『誤用の方でしょうが……ふふっ、そうでもないかもしれませんね?』

 

 アカネが眼鏡に光を反射させながら、そう怪し気に微笑む。

 物凄く胡散臭い、絶対にろくでもない、間違いないな。

 あぁいう女の微笑みでロクな目に遭ったことがねぇんだ。

 

『まぁ良いわ、よく聞いて。今回の依頼は私たちの自治区外での活動になるんだから、絶対面倒な騒ぎにしないこと!静かに、出来れば誰にも気が付かれないように!』

 

「要するにスマートに仕事を終わらせろってことだろ」

 

『そうです!お願いしますね、先生!』

 

 ここまでユウカが念には念を入れて言ってる辺り、毎度毎度ド派手に仕事を終わらせてるらしいが……仕方ねぇ、普段からユウカには何かと助けられてるからな。

 

 これも乗りかかった舟ってもんだろう。

 

「あぁ、任せろ」

 

 

 

 

 

 

 あの依頼を受けた日から二日後。

 C&Cと共に、俺たちはゴールデンフリース号の機関室に忍び込むことに成功していた。

 

 この船は一定周期で、港に停泊する。

 主に燃料補給と食料やら水やらの補給でな。

 

 その隙をついて忍び込んだのが昨日の夜の話だ。

 

「なんか、呆気ねぇな?」

 

「確かに、他の学校のクルーズ船に潜入……初めての体験だったけど、上手くいって良かった」

 

「そりゃご主人様が建てた作戦だもんね~!」

 

 機関室が稼働し、港から離れた事を確認した俺たちは集合を果たしていた。

 ネルが、頭を掻きながら何か愚痴り始めたと思えば、背後から衝撃が走り、思わず前によろめく。

 声的にアスナか?

 

「おい、アスナ。俺がいつご主人様とやらになった」

 

「だって今のアスナはメイドだよ? なら先生はご主人様ってことにならない?」

 

「ふむ……確かにそうですね。ではご主人様、ご命令を」

 

 アスナの詭弁に乗ったアカネがカーテシーを行いながら、ウィンクを向けてくる。

 仕事だというのに、気が抜けた奴らというべきか、それともこの程度なら朝飯前ってところか……。

 抱き付いているアスナを引き剥がしながら、俺は未だに文句を垂れてるネルに向き合う。

 

「……はぁ、あー、くっそ気に入らねぇ。あの会計に従うのも、こうしてひそひそと隠れて動かなきゃなんねぇのも……あたしらのやり方にいちいち口出してくんじゃねぇよ」

 

 てめぇのやり方に口出されるのを酷く嫌うその考えは理解できるが……。

 今回ばかりはそうもいかない。

 かと言って、このままじゃいつか爆発しちまうだろうからな。

 こういう手合いに言う事を聞かせる方法は一つだ。

 

「ネル」

 

「あぁ?んだよ、先生」

 

「天下の00が出来ねぇのか?隠密」

 

 先に爆発させてしまえばいい。

 

 俺の言葉を聞いたネルの額に青筋が浮かび上がる。

 ネルは短気だが、一度爆発を終えちまえば、その思考は鋭い。

 異常なまでに熱しやすいのが玉に瑕だがな。

 

「おい、先生。いくらアンタでも聞き捨てならねぇな」

 

「出来るか出来ねぇかを聞いてんだ」

 

「出来るに決まってんだろ!」

 

 身長差のせいで大して威圧感はねぇが、俺のすぐそばにまで来て睨みつけてきたネルは、即座に俺の喧嘩を買ってくれた。

 

「そう来なくっちゃな」

 

「おぉ……アカネ、凄いことが起きてる。あのネル先輩が御されている」

 

「えぇ、私の思ってた通りです。こんなリーダーは中々見られませんね」

 

「お前ら聞こえてるからな!」

 

 顔を真っ赤にしたネルが、後ろで話しているカリンとアカネに噛みつくが、どうどうと宥められながら、地団駄を踏んでいる。

 

 ガキだな。

 

「おい、先生てめぇ失礼なこと考えてんだろ!」

 

「気のせいだ。それよりもてっきりトキも来てると思ったんだが、アイツはどうした?」

 

「あ?……あぁ、アイツは別の任務に出てる。ヒマリに貸し出されてるんだよ」

 

「せっかくならみんなで来たかったのにね~」

 

 アスナが残念そうに声を出す。

 遠足か何かだと思ってるっぽいが……こいつの場合、マイペースにやらせてた方が上手く行くだろう。

 

 俺は全員の端末に資料を送信する。

 潜入任務ならその場所についてそれなりに調べないといけないからな。

 

「ゴールデンフリース号……まさか学園内でカジノを行ってるとはな。そりゃ管轄外になるわけだ」

 

「先生カジノって何?」

 

「金を賭けてやるゲームみたいなもんだ。勝てば大金が、負けりゃ破滅が。そんな場所だぜ」

 

 尤も俺達は、根こそぎ奪ってく側だがな。

 それにしてもだ。

 ゴールデンフリース号……クルーズ船であることに違いはないが、他のオデュッセイアの船と違って、この船には『プレイラウンジ』って名前の……言わば賭博場が開かれている。

 学生の身分でそんなもん出すんじゃねぇと言いたいが……ブラックマーケットや銃を携帯している時点で、どうこう言えたもんじゃない。

 

「となると、どちらかになりますね」

 

「あぁ、客として潜入するか、それとも従業員として動くかだ……ただなぁ後者には問題が合ってな」

 

 アカネの言葉に頷き返しながら、俺は溜息を吐いて、写真を一枚見せる。

 

「あらあら……」

 

「ん?なんだこの服は……?」

 

「可愛い〜!バニーさんだ!」

 

 恐らくここに入ったことのある客が撮った写真だろう。

 そこに写っているのはここの従業員である生徒達なのだが……問題はその服装だ。

 

 際どい角度の黒いビスチェとレオタードを組み合わせたような……俗に言う『バニースーツ』に白いカフスと黒の蝶ネクタイ。

 

 あぁ、ここの従業員である生徒は全員、バニーガールで統一してある。

 

 カジノの辺りで嫌な予感がしていたが……金と下世話なことは隣り合わせなもんだ。

 それよりも、RABBIT小隊の子兎共然り、白兎然り、バニーガール然り、兎に何かと縁があるらしいな俺は……兎年ではないんだが……。

 

 頭の中でぼやいていると、アカネが冷静に判断を下す。

 

「なるほど……そうなると円滑に動き回る為にもバニースーツに着替えた方がよろしいでしょうね……どこかで拝借しましょうか」

 

「じゃあ、先生も着替えるってこと?!」

 

「んなわけあるか!!」

 

 突拍子のないことを言ったアスナを咎めながら、俺は作戦をどうするかを考える。

 個人での作戦じゃねぇからな。何よりあまり騒ぎを起こしちゃいけねぇってのも面倒だ。

 

「では、作戦を建ててましょう。第一目標は船内における、拠点を作る事ですね」

 

「ここは船底だから、一先ず上階に上がるか、ここまでのデカい客船だ。空き部屋を一つ借りるとしよう」

 

「はい、その後はシステムルームに向かい、船全体の監視システムを無力化してから白兎の位置を──「そこ!何者だ!」」

 

 声が聞こえてきた方を向くとスナイパーライフルを片手に巡回していた警備の生徒がこちらに向かってくる。

 

 あまりここに長居しすぎちまったらしい。

 元々学園から半ば離脱していた場所だ、船の構造や何が行われているかは把握できたが、巡回ルートとシフトまでは調べ上げれなかった。

 

 ある程度のハプニングは見越していたが……。

 

 さて、どう切り抜けたものか。

 

「ここは機関室だ、何をやっている」

 

「悪い、道に迷っちまってな……こいつらは今日からここで働く生徒なんだが……」

 

「そうだったのか。少し待て、案内するが……念のため確認させてもらおう」

 

 ここで騒ぎを起こすのは面倒だからな。

 荷物検査をされるのは仕方ないが……白兎に感づかれるよりかはマシだ。

 

「よし、そこのチビから」

 

 警備の生徒がそう口にした瞬間、一人を除いて全員の首筋に冷や汗が流れる。

 以前、アイツと戦ったときにも口に出してたからな……。

 

 ──あたしの身長に言及した奴らが、最後にはどうなったか教えてやろうか!?

 

 思わず、隣にいたネルの方へ、俺は視界を向けるとそこに既に彼女は居らず、爆発の音が鼓膜を叩いた。

 

「殺す」

 

 そう呟いたネルは、警備の生徒へと飛び掛かる。

 ほんの一瞬の閃激。

 

 飛びつき逆十字のように警備の生徒が銃を持っている右腕を掴みながら、ネルの左足が彼女のうなじに巻き付き、即座にネルの右足が彼女の顎へと真下からの膝蹴りを完遂する。

 

 素早い顎への打撃によって意識を落とした彼女の体が落下すると同時に、腕を捻り上げ彼女の肩へと乗り、腕を極めながらその頭部を地面へと打ち付ける。

 

 見事な一瞬の連携技……なんだが……。

 

「おい、ネル……」

 

「…………あ」

 

「全くリーダーは煽り耐性がないんですから……折角先生が口を使って切り抜けようとしていたところでしたのに」

 

「あんなに『気が付かれないように』『スマートに』って言われていたのに」

 

「リーダーったら早速約束破ってる~、あはは!」

 

 技を決めたネルが、やらかしたとばかりに声を零すと同時に、顔が真っ赤になっていく。

 怒りではなく、恥ずかしくてだろう。

 それを分かっているかのように他の三人が彼女を口撃する。

 容赦ねぇが……まぁ手を出さなくていいところには違いない。

 

 しどろもどろになりながら、ネルが言葉を探そうと挙動不審になっている。

 あのネルがここまでポンコツをやらかすとはな。

 

「先生。あのあれだ、これはだな……!」

 

「次はやらかすなよ」

 

「お、おう!もちろんだぜ!それにまだ気付かれてねぇからセーフだろ!?おし、セー──「今何か、音がしなかったか!?爆発音!?」……」

 

 俺が逃げ道を出すと、ネルはすぐにそこに乗っかり、立て直して、セーフのジェスチャーを行おうとした瞬間、道の奥の方から複数人の声が聞こえる。

 

「今のは向こうの路地か?急いで向かうぞ!!」

 

 ネルの神秘を使ったんだ、そりゃバレるわな。

 

 隠密からは最もかけ離れた力だ。

 

「…………」

 

 向かってくる足音と声が大きくなっていることに気が付いたネルの顔がどんどん真っ赤になっていき、その様子を見たアスナが笑顔でネルに向かって言い放つ。

 

「リーダー、アウト♪」

 

「気絶させた奴連れて逃げるぞ!」

 

「だぁぁぁ!!なんでこうなんだよ!!!!」

 

 




どうしてこうスマートにやれねぇのか……。
騒動と共に始まったこの仕事、一先ず休憩地点を作ってから
ターゲットの狙いを探るとしよう

次回 尋問と拷問は紙一重






EXのネタが思いつかない……そうだ全イベスト終えてからやればいいじゃないか!
という天啓の元、始まりました、バニーチェイサー。
お待たせしましたと言うべきでしょうか……次元ちゃんの介入により、実は想像以上に早く終わってしまう可能性もあるかもなので、色々楽しくやれるように頑張りますな

では、ここすき、感想、評価等々お待ちしております

今の話のタイトルが分かりにくいとの意見を得て変更するか否か

  • 例:殺し屋の矜持
  • 例:1-10
  • 例:1-10 殺し屋の矜持
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。