#EX2 便利屋と見る!次元大介の墓標 前編
アルたち便利屋68が、シャーレに来てしばらくした時。
「ねぇねぇ!アルちゃん!これ見てみて~!」
いたずらっ子であるムツキが、何やら大事そうに抱えて何かを持ってくる。
それは、何かを入れるためのパッケージの様で、そこには見覚えのある名前が記されている。
「次元大介の……墓標?」
「墓標っていうのは、このお墓はこの人のっていうのを表すためのものなんだけど」
そこに書かかれたタイトルを読み上げたアルの疑問を隣で見ていたカヨコが答える。
しかし不思議だ、なんでこんなものが?
パッケージに書かれている絵からしてもこの次元大介は先生を指すことは間違いない。
でも、事実として先生は生きている。
「ムツキ、これはどこで見つけたのかしら?」
「見つけたってよりかは拾ったが正しいかな?」
ムツキの説明によると、シャーレの前を散歩してたら路地裏に落ちていて、周りを見渡しても誰もいなかったから先生に届けるために持ってきたのだそうだ。
「これさ、多分昔の先生なんじゃないかなって!中にDVD入ってるし、先生が来る前に見ちゃわない?」
そういってくふふといつものように笑うムツキを余所目にアルは悩んでいた。
何故なら、もしこれが本当に先生の過去だとしたらそれを勝手に覗き見るのは失礼なんじゃないかと。
しかし、カリギュラ効果曰く、人は駄目だと思うほどにそれをやりたくなってしまう生き物。
「ハルカ、DVDプレイヤーはあったかしら?」
「は、はい……そ、そういわれると思いまして、もう準備できてます」
そういって振り返ると、既にコーラとポップコーン。そしてテレビの電源をつけて、あとはそのDVDを差し込むだけの状態だ。
「流石、ハルカね!それじゃあ、先生が来る前に私たちで見ちゃいましょうか!」
そうして、便利屋たち四人の秘密の上映会が始まる。
「この墨で書かれたオープニング渋いわね……LUPIN THE ⅢRD?」
「ルパン三世……先生が言ってた、先生の相棒のことじゃないかな?」
画面は変わり、赤い背景と大量のお墓。そこに佇む白いスーツの男を移す。
「不気味だね……」
「……次元大介…… .357マグナムと共に……」
「せ、先生死んじゃうんでしょうか?」
花を手向けられたシーンで、カヨコとムツキ、ハルカが言葉を零す。
「わっ、眠らされちゃった!」
「あの二人組ってもしかして……あの顔の男……先生の相棒の!」
「……平和の為の歌手を暗殺……先生の居た世界もろくでもなかったのね」
手際良く、乗っ取りを行った二人の男性を見て、ムツキとカヨコが声を上げる。
そんな中、アルはその新聞に書かれたこととその説明を聞いて顔を顰める。
「守れるはずの命だった……ね……やっぱり先生は、この頃から優しかったのね」
「あれ、全部、風紀委員みたいなものなのでしょうか……」
「あんなに巡回されてたら、やんちゃはできないよね~」
先ほどの白スーツの男が現れる。
「ヤエル・オクザキ……さっきの墓に出てきた男……」
「わぁ……綺麗ね……」
「もうバレちゃったみたい?お仕事はっやーい」
次元が手早く、大使館の人間を気絶させる……
「わ……」
「……やっぱり、私たちを相手にした時、手加減してたんじゃ……」
「ク、クールすぎだわ……!」
ヤエル奥崎が銃を組み立てるシーンに移る。
「あれ良いわね……今度やってみようかしら……」
「キヴォトスで、銃もちこんじゃいけない場所なんてほとんどないし、無駄なんじゃないの?社長」
「い、良いのよ!カッコいいじゃない!」
そして、ヤエル奥崎の狙撃が始まる。
「サイコロ……映ってないのに狙撃した!?」
「ひ、先生たちの足が……!」
「クイーンマルタ……先生が護ろうとした……」
舞台は七日前に戻る。
「美しい歌ね……これが平和を願う歌手……ッ!」
クイーンマルタの頭に弾丸が吸い込まれるように発射され……そして殺された。
その様子を見たアルが唇を噛み締める。
「社長……?」
「気付いたかしら、カヨコ……あの狙撃……一発で仕留めれる位置だったのにわざと、腕に当ててから頭を狙っていたわ……あのサイコロ……もしかして」
同じスナイパーだからこそ気づいたのだろう。
仕留められるはずの獲物を一度弄んでから殺したのだ、そしてその前のサイコロのシーンの意味にも気づく。
「パセリってそんな花言葉だったんだ」
「それにしても、ヤエルオクザキ……非道なやつね……」
ハードボイルドの意味であればあっているのだが、それに突っ込むような奴は、便利屋にはいなかった。
依頼主がいたとしても自由意志のない奴は嫌いだからだ。
「世界一のガンマンは二人もいらない……やっぱり先生はカッコいいわね」
「このころの二人はまだそんなに仲良くなかったみたいだね?」
「ほんと、この前、語ってた時の雰囲気と全然違う」
場面は代わり、美しい女性がメイクをしているシーンに移る。
「わわ、この人すごく綺麗!!」
ムツキが興奮してメイクをしている女性……峰不二子のことを凝視する。
「くふふ。やっぱりあの綺麗な人悪党なんだ~」
「それにしてもすごい服だね……」
「こ、ここに出てくる皆様、どの方もすごく手際良い……見習なきゃ……」
ハルカが話している最中に峰不二子がお腹にパンチを喰らい思わず、全員お腹を押さえる。
同じ女性として、痛みを共有できるのだろうか?
「あの数嗅ぎでそこまでわかるの?とんでもない知識量ね……」
「しかし、先生も頑固ものだねぇ……普段は隠してるけど、結構我慢してたりして」
「銃に通信機、ロボットまで、全部手作り……今度、爆弾も、手作りしてみようかな……」
「ハルカ、やめときなさい?」
ずらりと並んだスーツが目に入る。
「そういえば、社長も同じコート使ってるよね?」
「い、一緒にしないで頂戴、これは私のスタイルなのよ!」
「この声、さっきの女の人の、キャッ!?」
「は、裸……」
そうして、語られる峰不二子の語りが入る。
「あ、これ……先生が言ってたけど」
「うん……これ騙そうとしてるね……」
そして、早撃ちの対決が幕を開ける。
鳥のさえずりが聞こえ、静寂に包まれる。
「う、そ……先生が……負けた……?」
「たしかに、先生の使う銃はデカいし……重いから、それなら軽い方が有利なのは間違いない……」
ショックを受けるアルと、ヤエル奥崎の言葉を聞いて納得するカヨコ。
カーチェイスをする中で、峰不二子の処刑のシーンへと変わる。
裸姿の峰不二子を便利屋は、手で目を少しだけ隠しながら見ている。
「趣味わっる~い」
「流石にね……」
ムツキとカヨコが反応する。
巨大な機械が下りていくなかで、再びカーチェイスに話は戻る。
「キャー、荒々しい!最高ね!」
「車に、あんな武器……」
アルとハルカが反応する。
どうやらハルカは、車の改造に興味があるようだった。
蹴り飛ばして、ガトリング砲を封じたときは、全員で歓声を上げる。
「しかし、あのヤエルオクザキといい、あそこの警察といい、先回りしすぎじゃないかしら?」
「まぁ、十中八九何かしらの仕掛けはあるよね……」
アルの素朴な疑問を受けて、思案を始めるカヨコを余所に、再び処刑のシーンへと戻る。
人型機械の股間部がふくらみ、そこから巨大なドリルが現れる。
「趣味悪……」
もはやムツキにいたってはドン引きしている。
「上品な裕福層のみのクラブとかほざいてたけど、とんだホラ吹きじゃない」
全員の顔が引き攣る中、最後のクライマックスへと向かう。
「ん?いま……」
「ハルカ、どうかしたのかしら?」
「い、いえ……アル様……なにかルパン三世さんが何かしたように見えたのですが……」
「今の、まるで監視映像みたいな……」
「行き止まりね……」
そして、次元大介の頭から血が噴き出す。
「先生!!」
「うそ……先生が死んじゃった……」
ルパンは言う。
『俺に言わせれば、お前自身が銃そのものだ。誰かに依頼されて引き金を引いてもらわなきゃ、弾を撃てねぇ、ただの道具さ』と。
「そうね……そこは先生とまるで違う。あの人も私たちも、自分の意思で銃を撃つんだもの」
「このまま終わりじゃないよね……先生」
そうして物語は後編へと続く。
「先生は、今も生きてるんだから、ハードボイルドなアウトローの先生がやられっぱなしなわけがないわ」
そういって、アルは後編を流し始める。
休憩がてら書いた、ほぼ会話のみの簡単なss。
このDVD一体どこの黒服が落としていったんだ……
今の話のタイトルが分かりにくいとの意見を得て変更するか否か
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例:殺し屋の矜持
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例:1-10
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例:1-10 殺し屋の矜持