...知らぬさ!
光が自分の目に当たる
閉じたまぶたが開かれる
目が覚めようとする
「んん...寝てた...?」
目が覚めると宙に浮いていた
「夢...?」
下から光が見えた
「一体...」
目線を下に向ける
「あれって...」
20mの大きさの人型兵器が光を出していた
その光は虹色で蝶の羽のようだった
見た目は言うまでもなく
「∀...」
自分が見ていたアニメ作品のうちの一つ
機動戦士ガンダムに出てくる機体の一つだ
「ってことは黒歴史?」
文明が砂と化した事件を夢としてみているのだろうか
「変な夢だな...」
そのまま∀は文明を砂に変えてゆく
建物も人も植物も
やがてすべてをリセットした∀は止まる
「終わったのかな...ってことは目覚めか」
夢が終わると思いぼーっと∀を見ていると
「え?」
こちらと目があった
「いや、夢だからそんなこともあるか」
しかし、その予想は外れこちらに近づいてくる∀
「近づいてくる?なんで?」
やがて目と鼻の先までの距離に∀がいる
「何...手?」
∀は手をこちらに差し出した
「こうか...?」
恐る恐る手を重ねる
「合ってるか?」
∀の顔を見る
どことなく優しい目だ
「一体何が...うわ!?」
急に月光蝶を発動し俺を包む∀
「俺も...!?」
目をつぶり砂になるのを待っていたが
次に目を開けた時には
「ここ...どこだ?」
見知らぬ場所にいた
────────
──────
────
「一体さっきのは...」
鮮明な夢だったのは間違いないがやけに感触がリアルだった
「それにここは...」
ところどころ砂が見える施設のような場所で俺は倒れていた
「...取り敢えずは探索かな?」
あたりを見渡す
散らばった書類
ボロボロ机
布切れ
「廃墟?」
そう疑ってもおかしくないくらいの惨状だった
「本なら無事なやつがあったけど...読んでみるか」
たまたま見つけた本を拾い表紙を見る
:∀計画
「...」
「」
「あ〜あ」
納得した
あたりの砂の原因が
砂を見て言う
「何してんのさ...この人は」
内容を読む
「大体わかったな」
具体的には
:この星には人がいないこと
:俺は作られた人間ということ
:俺には∀の力があること
:俺の名前は蝶月ロラン
:ここには∀用の武器庫がある
:滅びたのは月光蝶の出力ミス
ということらしい
「ってことはあの夢...」
「∀のことだしガチで自立した意識持ってそうなんだよなぁ」
「俺のこと察知して見に来たのか?」
「もしくは警告か」
あの夢は俺への挨拶かこの力の危険性を伝える警告かどちらかってことか
「まぁ、どっちにしろ...」
「どうしよ...」
俺は頭を抱えた
なにしろすべてのガンダムの到達点とか言われているガンダムだ
弱くないわけがない
そもそもアニメで10%以下のパワー
黒歴史時でも2,30%のパワーと言われるくらいだ
「これどれくらい出力出るんだ?」
とにかく自分の実力が知りたかった
「外に出るか」
幸いそこまで施設は壊れていなかったのですぐに外に出れた
「う〜ん...見渡す限りの砂」
おそらく月光蝶の実験でもしたんだろう
砂の惑星としか言えない景色が広がっていた
「そもそも宇宙に出れる技術レベルの世界か...ここは」
「...んで、多分だけど」
月光蝶を身に纏う
自身の姿が人から変わる
大きさそのものが変わる
「やっぱり∀そのものにもなれるか」
「そして」
手にビームライフルを持つ
「一応空に撃つか」
ラストシューティングの体勢で撃つ
放たれた光線は圧倒的な光で宇宙に向かっていった
「...100%じゃね?」
噂かネットの作り話かは知らないが∀の本気のビームライフルはコロニーレーザーと同等と聞いたことがある
今の光は正しくそれに相当していた
「...っと」
人の姿に戻る
「まずいな...本気で人の業じゃん...俺」
某スーパーコーディネイターもびっくりな生まれである
「というか、ほんとにどんな世界だ?」
ガンダム世界なのかそれとも違う世界なのか
そのどちらでもない架空の世界か
「...宇宙に出てみるか」
再び∀となり一気に上へ上昇する
「...速いな」
あっという間に暗黒の宇宙へとたどり着いた
「静かで冷たいな...」
何も聞こえず何も見つからない空間で黄昏れる
「...あれは?」
かなり遠いが何やら動くものが見えた
見た目は細長い物体のようで、デブリではないのが分かる
「もしかして...」
カメラの倍率を上げる
より鮮明に見える
その物体は列車だった
「ふ〜ん、スタレか...俺の存在厄ネタじゃん」
前世でよくやっていたゲームのうちの一つだ
動画サイトで何度もストーリーを読み返すくらいにはハマっていた
「時間は今どれくらいだ?もう物語は始まってるのか?」
「まぁ...気にすることじゃないか」
「...当分の間自分の事で精一杯だな」
加減の仕方
細かいスペック
そのすべてを確かめなくてはならない
「それが終わったら、介入を始めようかな」
再び重力のある地へと戻る
「ま、人の叡智...というより業だけど」
「人を救ってみせますかね」
次回「介入タイミングバッチリ」