SEED世界に転生したら特大厄ネタクローンだった 作:ハピエン主義
目が覚めると身体はロクに動かないし、周りからは薬品の香り、ここはもしかして実験室なのだろうか。
「やはりクローンコーティネーターですか。ロゴスもブルーコスモスも正直ろくでもないと思っていましたが、まさかこれほどとは……」
こちらを見ながら声をかけてきたのはメガネをかけた黒い短髪の美女、年齢は……20代半ばと言ったところかな。
「エルラン准将!クローンの確保はおおよそ終了しました」
彼女に声をかけた男性軍人のかろうじて聞き取れた語句から考察する、エルラン……?ここは宇宙世紀なのか?いやそれにしては……
「それは良かった、この子も連れ帰らなければな……」
彼女に連れられて施設を出た後、2か月ほど軍の託児所らしきところに放り込まれていた。その間にわかったことは……
・ボクはあるコーディネイター?を元に作られたクローンで複数人、というか20人ぐらい居る
・ボクを連れてきたのは諜報部のものすごく偉い人、年齢も多分40前後。
・ここは大西洋連邦のニューヨーク基地。
・引き取り手を準備したいが正直自分達は厄ネタらしく時間がかかってる
・ボク達の見た目は金色の髪に青い瞳をした赤ちゃん(女児)。
・なんか時々先読みみたいにピキーンってなる
えー世紀末コズミック・イラです、本当にありがとうございました。次回作にご期待ください。
……ああうん、そりゃね、引き取り手探しにも時間かかるし厄ネタだぁ。
青い瞳、金色の髪、先読み能力。これはもう間違いなくラウ・ル・クルーゼ、及びアル・ダ・フラガの縁者です。
とはいうものの、コーディネイターを元に作られたクローンというところが引っかかる。アル・ダ・フラガはどう考えても自分の子供をコーディネイターにするわけもないし、であればボク達はどう言った経緯で作られたのか。
それはすぐに判明することになる。
「へえ、こいつらが……アル・ダ・フラガの遺伝子情報を元に作られたコーディネイターのES細胞クローンか……」
ボクを連れてきたエルランとかいうお姉さんが若い青年軍人、25ぐらい?を連れてきた。爆弾発言が飛び出したが聞かなかったことにしたい、たすけて。
「カニンガン中尉、喋りすぎです」
カニンガン?どこかで聞いたかもしれない、正直seedも宇宙世紀も本筋しか知らない程度のにわかなので。
「へい、しっかし因果なものよな。あれほどコーディネイターを嫌っていたブルーコスモスともあろうものがコーディネイターを嫌っていた男の遺伝子を使ってコーディネイターのクローン兵士を作るとは」
ん?なんかとんでもない発言が飛び出してきたが。
「それを黙認した大西洋連邦軍上層部も腐り切ってますが、まあ今回の一件で一掃できたのでいいでしょう。ロゴスもブルコスも我々にアキレス腱を握られているようなものです」
「准将、はっきり言わせてもらうが……こんなガキ共連れて帰って来てどうするつもりだ?」
准将?え、エルランさんってそんなに偉いんだ……おかしくね?見た目と階級が釣り合ってないが。
「まあ、退役軍人や軍人の夫婦に引き取って貰えばいいでしょう。遺伝子は優秀ですし……」
そりゃね。ボク達はあのアル・ダ・フラガの遺伝子を引き継いでるわけだからね……。
「コーディネイターの子供達を危険な研究所から救い出して、養子にした、とすればある程度の名目にはなるだろうな。
……というかまさか俺にこいつを引き取ってくれとか言わんだろうな、困るが」
よくよく見ると渋いイケメンだな、カニンガン中尉。
「私からの上官命令です、とは言え誰を引き取ってもあまり変わらないでしょうね」
「まあ、別に誰を引き取っても大差ないんだが……」
カニンガン中尉はチラリとこちらを見る、じっと睨み返す。すると徐にボクを抱き上げた。
「こいつにする」
【人物紹介】
セレナーデ・エルラン
・大西洋連邦諜報部次長、准将。何やらろくでもない過去や後ろ暗い秘密をうっかり握りがちなお姉さん。年齢より若く見える