SEED世界に転生したら特大厄ネタクローンだった 作:ハピエン主義
ヘリオポリスの工業区の中を歩みながら、ボクはジェシカ・ハイマン准将の言葉を思い返す。
『知っての通り、G+A計画の新型コーディネイター専用MS、アレックス。君にはその検証機、ゼロヒトの回収を行ってもらう』
あ、ガンダムアレックス、ポケ戦のNT専用ガンダムよね、ゼロヒトは……なんだっけ。
『ゼロヒトの性能は正直なところシグー相当なので戦局を変えるほどではないのだが、あれに載っているOSデータはザフトに持っていかれると大西洋連邦の意図が見えてまずい』
『最悪の場合、爆破してもらってもかまわん』
『同時にヘリオポリスでは新型ナチュラル用MSのG計画の5機もあるが……あれは実はOSが未完成でね、アレックス系のOSの方が進みがいい、というか正直OSはほぼ完成している、機体技術は勿体無いが最悪回収に拘らなくても問題ない。』
確かにナチュラル専用OSとザフトのOSを基礎部分で流用出来るコーディネイター専用OSじゃあ楽さが違うね。そりゃそうですよね。
『後は実戦データのみになるが……』
『ここからは君に知らせない方がいいだろう』
ふ、不穏。まさかハルバートンとの勢力争いでわざわざ情報リークしたとかないよね……
まあ、原作通りっちゃそうなんだけどさそれにしたってね。
まあ、いいか。ボクのやることは変わらないんだし……
〜〜〜〜〜〜
地球儀や、環境再生の書籍、大西洋連邦公債機構のカレンダーが置かれた第七艦隊司令官執務室にて。
「いいのですか、准将。あれで覚悟出来るとは正直思えませんが……」
横に立つ佐官を、タバコをふかしながら制してジェシカ・ハイマン第七艦隊司令官は語る。
「いいさ、ある程度察せるだけの情報を渡したザフトの襲撃如きで死ぬならアル・ダ・フラガのコーディネートクローン兵士とはいえその程度だった、ということだ」
「我々はレビル将軍のG+Aもハルバートン准将のG計画も支援してやる義理はない、がエルラン中将がゼロヒトは回収しておきたい、というのだから人材を送らざるを得ん」
才能はあれどアレは復讐に囚われている、あれで生きて帰って来られるのか、アル・ダ・フラガの遺伝子のお手なみ拝見といこう。とハイマン准将は心の中でつぶやいた。
ハイマン准将は自室に戻り、ふうとため息を吐くと自身を納得させる為に愚痴が出だした。
「しっかし、エルラン中将も人が悪いわね。内通者に功績を上げさせ情報を得やすくするためにわざわざG計画の情報を掴ませるなんてねぇ。ま、その内通者のおかげでオペレーション・ウロボロスはほぼ阻止できたけどさ」
「あの女に好き放題動かされるのも癪なんだけど、あたしにとってもハルバートン准将派を減らせるなら悪くない」
ハルバートン准将は軍内の露骨なコーディネイターシフトに不信感を抱いており、G計画をナチュラル中心、ナチュラルが乗る前提で計画した。軍内の主流派はコーディネイター起用に積極的であり、彼は現状孤立している。
「ハルバートン准将は何か勘違いをしてるね、コリニー主計局長もゴップ参謀本部長も准将が思っているほど国力に余裕があるわけではないと判断している」
旧南アメリカ合衆国は農業国が多いため決して工業力は高くなく、大西洋連邦自体も再構築戦争前の産業空洞化の影響も残っているため重工業ではなく精密工業に偏っている、人口比は25:1ではあるものの、最先端工業から宇宙船、MSなどの重工業まで取り揃えるプラントと比較すると内需は勝るもののはっきり言えば物足りない、実質的な工業力で言えば3:1前後が本質だろう。
その上で軍事技術で遅れを取っているというのだ、使えるものはコーディネイターでも使いたいのがマスドライバー目当ての南アメリカ合衆国侵攻のツケで戦争序盤に東アジア共和国やユーラシア連邦の支援を受けられなかった大西洋連邦の本音である。
OSの進捗状況の資料を思い出しながら、彼女は一人呟く。
「地上軍にはコーディネイターはある程度増えている、今更ナチュラル用のOSをゼロから作るぐらいならいっそコーディネイターをパイロットにすることを前提にした方がいいんじゃない?」
「何処かからナチュラル用OSがポンと落ちてくるなんてそんなアニメのようなこと起きるわけもないんだから」
【解説】
大西洋連邦におけるコーディネイター
・C.E.56にブルーコスモスの影響力が大きく低下すると、親コーディネイター政治家によるコーディネイター差別撤廃法成立や、大西洋連邦軍のコーディネイター枠設置、連邦政府の研究所にコーディネイター枠を設置するなどのコーディネイター優遇政策や、元々婚姻統制を行っていなかったこともあり、コーディネイター人口が倍増した。
一歩も話が進んでなくて申し訳ない