SEED世界に転生したら特大厄ネタクローンだった   作:ハピエン主義

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遅れました

いつエタってもおかしくないので設定開示は積極的にして行きます。


3話

 ヘリオポリスの工業区の一角、地下に置かれた格納庫でゼロヒトの動作チェックを行い、担当の佐官と言葉を交わす。

 

「これが試作機のゼロヒト、ですか」

 

「大した性能ですね、最新鋭のモリブデン合金を使用した複合装甲に、コロニー内での戦闘に対応可能な実弾装備と高火力のビーム兵装を換装可能」

 

 シールド、ビームサーベル、ビームライフル、腰付けのマシンガン。武装はオーソドックスながら一通りの物が揃っている。あとはその……シャープだがジム頭なのがちょっとね……。

 

 モリブデン合金装甲の強度はニュートロンジャマー投下阻止の際に証明されており、バーミンガム級は自爆覚悟で高度を下げ続けながら奮闘し爆発四散したヨハネスブルクを除けば全艦が帰投している。ザフトのMSの雨霰ともいうべき攻撃を喰らいながら。

 

 しかし実際に触ってみても思う、挙動もシンプルかつ安定しており、OSさえまともならナチュラルでも使えるんじゃないか?と。

 

「レビル将軍の肝煎りだ、変なことは考えずにシンプルに性能で上回るようにしろ。とのご達しだ」

 

「オム少佐、ところで回収する船はどうなっていますか?」

 

「……アークエンジェル級検証艦、プロトタイプエンジェルが迎えに来ると聞いている」

 

 ……180cm近い長身の、ナバーラ・オム少佐は目を、といっても目線はゴーグルのせいで見えないが逸らしながら答えた。

 

 あの、もしかしてなんですけど。

 

「なにか聞いてたりします……?」

 

 ボクが彼女に問いかけると、オム少佐はギクッとなった後。

 

「私は公的にはなにも聞いていない」

 

 直後、爆発音が鳴り響いた。

 

 

 

 

「ザフトの襲撃ですか?!」

 

「ああ、エルラン中将の言った通りだった!君はゼロヒトに乗って地上に向かった後、アークエンジェルと合流してくれ、私はアークエンジェルのドックに向かう!」

 

 ゼロヒトのハッチに乗り込み、地上への脱出ゲートを開けてもらう。

 

「ゼロヒト、行きます!」

 

 どこかから同類の感覚がしたが極力気にせずに出撃、背後からストライクを狙おうとしていたジンの頭部をマシンガンで狙い撃つ。

 

「こちら、大西洋連邦第七艦隊特務少尉アール・カニンガン少尉です!」

 

 通信でストライクに呼びかける、

 

〈大西洋連邦第八艦隊マリュー・ラミアス大尉よ、同乗の民間人がOSを修正中で……〈終わりました!〉〉

 

「民間人の君、申し訳ないですがザフト撤退までの間協力してください!」

 

 申し訳ないが、ボクだけでは正直シグーを相手に出来るとは思えない。 

 

 彼、おそらくキラ・ヤマトにも必ず手伝ってもらわないといけないだろう。

 

〜〜〜〜〜〜

 

 エルラン中将も私にG計画の試作機を奪取して欲しいとは、相当な無茶を言う……

 

 ニュートロンジャマー投下の情報を流した内通者であることを悟らせないために大きな功績を挙げさせて、疑義の目を逸らしたいのだろうがあまりに私に有益な提案すぎる。正直一瞬罠かと思ってしまったぐらいだ。

 

 だが想定よりもヘリオポリスの警戒が薄く、今のところ奪取は順調、4機のMSの確保に成功した。コロニーに無用の被害を出さないためにもここらで引いた方がいいだろう。

 

 どこかで戦ったような感覚が二つもあるがそんなものに関わり合っているほど私は暇ではないのでね。

 

「アデス、これ以上深追いしたところでオーブを敵に回す以上の意味はない、撤収の指示を出せ」

 

「ですが、まだ一機確保出来てないMSがあります。そちらを捨て置くのもどうかと……」

 

「これ以上コロニーに影響を与えすぎて血のバレンタインのような惨劇になっても困る、大西洋連邦とMSを共同開発しておいてどこが中立国だと言いたくはなるが、今はまだオーブは中立だ」

 

 宇宙で大きく戦力を消耗したプラントは地上でもいくつかの基地を確保したにとどまって、実質的に押さえられているのはジブラルタル、マハムール、カーペンタリアの各基地、及び親プラント国の影響の強い北アフリカと中東に限定されている。北米に降下した部隊は対南アメリカ合衆国攻略で活躍した歴戦の名将レビル将軍に駆逐されてしまった。こんな状況でオーブと戦線を開くと確実に地上が破綻する。

 

「それにだ、大西洋連邦の水素爆弾とニュートロンジャマー投下戦で大幅に戦力を削がれたザフトの宇宙戦力は火の車。我々はその貴重な戦力を扱っている、無謀な追跡を行って戦力を損なうのは避けねばならんのだよ」

 

 停戦が行われるまでの大西洋連邦とプラントの戦闘は宇宙での血のバレンタイン、世界樹防衛戦とニュートロンジャマー投下戦のたった3戦にも関わらず、大西洋連邦軍の艦隊は7割以上壊滅、対するザフトの艦隊も7割弱が失われている。積み上げた技術的優位に胡座をかいた結果がこれだ、大西洋連邦は親コーディネイター政策を取りながらもプラントに対する警戒を欠かさなかった。私に対する接触もその一環だろう、一方でプラントは穏健派と戦争推進派で意見が真っ二つに割れており、挙国一致の体制すら取れていない。

 

 これではプラントの勝利を望むなど絶望的だ。

 

 しかしMS4機を回収出来た以上これで大西洋連邦の内通者としての仕事は終わりだ、私はザフトの白服としての仕事に戻らせてもらうぞ。

 

 

 

【解説】

プラントの内部事情

・核兵器を2度も使われてブチ切れのパトリック・ザラを首班とする戦争推進派が戦争継続を主張する一方で水素爆弾のあまりに莫大な被害に怖気付いてしまったうえ、穏健派主導の報復案で実行したニュートロンジャマーの投下に失敗した穏健派が和平を望むなど真っ二つに割れている。

 

世界樹防衛戦

・ティアンム率いる大西洋連邦最強艦隊である第二艦隊を含む5艦隊を投入し、敵を引きつけた上で押された風に(実際に第二艦隊以外はかなり押されていた)見せかけて撤退し、ザフトが世界樹に取り付いた直後に起爆した。撤退を完了していた大西洋連邦軍の被害はMS戦闘で負った大被害のみだったが、ザフトの被害は極めて甚大であり、1ヶ月近くの期間を立て直しに要し大西洋連邦に分析の時間を与えることになった。

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