SEED世界に転生したら特大厄ネタクローンだった   作:ハピエン主義

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大変お待たせしました。忙しかったのに加えて疲労でぐったりの上難産でして……


4話

 どうやらシグーは出撃せず、移動中に気絶したマリュー大尉とキラくんは逃げ遅れた学生達に囲まれていた。男子が3人、女子が……2人?!茶髪の女の子がミリアリアだとすると……横の赤い髪の子は……

 

「へえ、キラ。あなたMSに乗れたんだ、ちょっとOS見せなさい。アンタのことだし、戦闘中に調整したからどうせ細かいところまでは見れてないでしょ? 手直ししてあげるから」

 

 あれがフレイ・アルスター!?にしてはどことなく傲岸不遜で、ボクが見る限り繊細どころか死ぬほど図太そうに見えるけど。

 

 どうやらキラから一通りの事情の説明を受けていたらしいフレイはハッチを開いて乗り込むと、キーボードを引っ張り出して集中して叩き出した。

 

「……」

 

 ひたすら無言でキーボードを叩き続けるフレイは、すごく魅力的で……。なにか吸い込まれてしまいそうな魔力すらあった。

 

 数分足らずで作業を終えたフレイは、背筋を伸ばしたあとキラに向き直った。

 

「まずそうなスパゲッティコードは整えたし、OSもどう考えてもコーディネイターにしか使えないピーキーな仕様になってたからリミッター入れてナチュラルでもなんとか使えるようにしておいたわよ。リミッターはちょっと触れば起動後すぐに外せるし、キラが使う分には支障ないようにしてあるから。……キラ?」

 

「いや、なんでフレイがそこまでしてくれるんだろ、と思って」

 

 フレイはため息を吐いて、呆れたように首を振った。

 

「あのね、キラ。はっきり言うけどこのMS、ストライクって大西洋連邦の軍事機密そのものじゃない? それを知ったわたしたちを大西洋連邦が素直に解放してくれると思う?しかもこのままの仕様だとキラかそこのMSに乗ってる彼女しか使えないわよ?」

 

「もしキラがMSに乗れなくなったとき、ストライクには誰が乗るの? 都合良く脱出出来る船にMSに乗れるコーディネイターが居ると思う? わたしはそうは思わないけど」

 

 ……これ本当にフレイ?転生者とかじゃないよね?明らかに今の状況分析とかしっかり出来てるけど。

 

 その後目を覚ましたマリュー大尉とキラ達が一悶着あったが……ボクは関係ないのでしーらない。

 

 

 

 

 アークエンジェルに戻ると、オム少佐とムウ大尉が迎えに出てくれた。

 

「カニンガン少尉、生きていたのか、流石だ」

 

「嬢ちゃん、はじめましてになるな。大西洋連邦軍第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉だ、よろしく」

 

「はじめまして、ボクは大西洋連邦軍第七機動艦隊特務少尉、アール・カニンガンといいます。ムウ大尉っていうと『不可能を可能にする男』ですよね?」

 

「有難いな、『世界樹の鷹』って呼んでるやつの方が多いのに、わざわざそっちの方で呼んでくれるとは」

 

 ムウ・ラ・フラガ、世界樹攻防戦でメビウスゼロを乗機として5機のジンを撃墜する活躍をもって、世界樹の鷹と呼ばれている。……まあ、この異名は連邦の水爆使用の隠れ蓑なんだけど。

 

 というか彼とボクは同類というか、アル・ダ・フラガの関係者なので顔は分からないでもお互いのことは認識してるはずだよね?

 

 っとムウ大尉に一つ確認したいことがあった。

 

「補給物資の方はどうなってますか、月面基地へ行く分は確保出来てます?」

 

「ヘリオポリスの上から早く出ていけと言われてるし、積み込めるのもギリギリ、と言ったところだ。特に水がまずいかもしれん」

 

 あー、まあそらそうだよな。ニューホンコンみたいな感じか。

 

 そういえばこれも聞いとかないとまずいな。

 

「本来ならこのゼロヒトは後続のプロトタイプエンジェルに持って帰ってもらう予定だったのですが、ちょっとそれをやるとヘリオポリスが保たないかもしれませんし、とりあえずアークエンジェルに載せてもらえませんか?」

 

 ムウ大尉とオム少佐がすこし話した後、オム少佐がこちらを向いて話しかけてきた。

 

「構わん、上層部に何か言われたら私が責任を取る」

 

 良かった、オム少佐は直属ではないけど第七艦隊の所属なので融通が利いて助かる。

 

 オム少佐にアークエンジェルに戻った際の話を聞きながら艦橋から格納庫に戻る。

 

「それでだな、一番階級が高いから私が艦長をしろとマリュー大尉が言うのだよ、私はこの船の仕様も設計も一切触れてないので流石に断ったよ」

 

「流石に戦術の天才を自称するコーディネイターであっても知らないものを十全には動かせんのでな」

 

 格納庫に戻ると、フレイ・アルスターの怒鳴り声が聞こえてきた。どうして?

 

「アンタたちねぇ、コーディネイターを怖がりすぎなのよ! ……こんなデカい船相手にキラ一人で何が出来るって言うのよ」

 

 んん?何があったこれ。

 

「あの、ボクたちがいない間何があったんです?」

 

 マリュー大尉をとっ捕まえて話を聞き出すと、ムウ大尉がうっかり口を滑らせて君、コーディネイター?って聞いてしまったらしい。

 

 今時コーディネイターかどうかを気にするのも古いと言うかなんと言うか……

 

「あの、他は知らないですけど、大西洋連邦政府と軍はコーディネイター優遇してますよ。パイロット科はコーディネイターで適正があれば最初から准尉待遇ですし」

 

 と言うかボクもオム少佐もコーディネイターだ。ボクはもう一個ろくでもない厄ネタ抱えてるけどそっちは気にしない方向で。

 

「だからまあ、煽り立ててる連中はさておきこの戦争はコーディネイターvsナチュラルみたいな闘争じゃなくてですね。大西洋連邦としてはあくまでプラントと大西洋連邦の戦争なんですよ」

 

 だから銃を下ろして欲しい、ボクがそういうと兵士達は銃を下ろした。まったく、キラくんやフレイさんにこんな無駄なことで迷惑をかけないで欲しい。

 

「いや、悪かったな。とんだ騒ぎにしちまって」

 

「本当ですよ、ボクもコーディネイターなんですからね」

 

 アホらしいったらありゃしない。ちょっと休ませてもらいます。

 

「……は?」

 

 ムウ大尉の間抜けな声が聞こえるが……おじさんのことは気にしなくていいだろう。

 

 

 

【人物解説】

フレイ・アルスター

・アルスター家のご令嬢であり、自他共に認める天才少女、自分の才能に自信がある一方でそれでも!と自分を追いかけてくる人間にはやたら甘い。キラのことを気に入ってる。

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