SEED世界に転生したら特大厄ネタクローンだった   作:ハピエン主義

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間話

 ヘリオポリスをクルーゼ隊が襲撃し、MSを強奪する数日前。

 

 ヘリオポリスのとある高級ホテルにて、大西洋連邦軍の重要人物とプラントの次期議長を最有力視される人物が会談していた。

 

「あなたがここまでザフトに被害を与えられる人物だとは思いませんでした、エルラン中将。どこまでわかっておられたのです?」

 

「私は常人よりそれなりに見える範囲が広いだけですよ、それ以上でもそれ以下でもない」

 

 だから私は血のバレンタインも水爆使用も止められなかったと暗に示しながら、セレナーデ・エルラン大西洋連邦諜報部部長は続ける。

 

「血のバレンタインの責任も大西洋連邦が行える範囲で行ったはずです。水爆?民間人にも被害を出したニュートロンジャマーを投下したプラントに軍人しか被害を出さなかった水爆の使用を咎められる筋合いはないと思いますが」

 

 相対する人物……デュランダルはそう言われてその美しい相貌を僅かに歪めた。

 

 二人はその後、にこやかな表情で責任の押し付け合い……もとい穏やかな交渉を続けたが、どうやら一区切りついたようで、話題が切り替わった。

 

「……ところで、エルラン中将は私の大切な友人である、ラウ・ル・クルーゼと非常に親しいご様子で」

 

「あなたのことを知ったのはラウくんからですからね、非常に優秀な友人が居る、と」

 

「そうですか、私を議長に押し上げて何を望んでいるのかはわかりませんが……」

 

 無言ながらもデュランダルの瞳には友人を蔑ろにし、自分を駒として扱うなら容赦はしない、という明確な意思が宿っていた。

 

「私はそんな悪人に見えますかね、若く見えるせいもあるのでしょうが……。ああ、なんで若く見えるか、ですか。昔々、私もあんまり覚えていないころに治験に参加したことがありましてね、どうやらその後遺症というか副作用で老化が遅くなっているようで……」

 

 聡明そうな瞳に輝きが戻り、表情が厳しくなる。エルラン中将はそれを見ながら機嫌が戻ったようで、さらに喋り続ける。

 

「ラウくんとの取引に使ったのは私の治験に使われた薬剤、その論文データを使った薬品の提供です。他にも、ありますけどね」

 

 嫉妬と不信感を隠すことなく、デュランダルは問い詰める。

 

「一体あなたは何がしたいのですか? エルラン中将。シーゲル・クラインでもなく、パトリック・ザラでもなく、一介の遺伝子研究者である私を議長に望む理由がわからない」

 

 晴れやかな笑顔に戻ったセレナーデはこうぶち上げた。

 

「私の復讐に必要だからですよ。ナチュラルの犠牲を厭わないシーゲル・クラインでも、コーディネイター優越思想を持つパトリック・ザラでもプラントは早晩滅亡するでしょう」

 

 プラントはナチュラルの移民を受け入れなければ早晩消滅する、そもそも大西洋連邦自体出生率は2を切っており、プラントが技術進歩によって出生率の改善に成功したとしても再構築戦争までの先進国同様に少子高齢化の未来が待っている。それを受け入れずにナチュラルの反コーディネイター感情を煽るような軍事作戦を実行したシーゲル・クラインは誰が好き好んで身内を殺したコーディネイターと結婚したいと思うのか、という観点が抜け落ちている。パトリック・ザラは彼女の目的からして論外だ。

 

「私は復讐するならば完璧な幸福の瞬間を狙いたい、あらゆる意味で完璧で、誰もが認める幸せなユートピア。そんな社会だからこそ……その犠牲になった人間が、その社会を実現するために動いてきた私の復讐相手に相応しい。そうでなければ……私と同じように治験を受けて亡くなった人が浮かばれない」

 

 セレナーデ・エルランは『青い薔薇計画(ブルーローズプロジェクト)』の一環である、人類の老化を抑制する薬品の治験に関わった、数少ない生き残りである。ヒトへの治験は失敗に終わり、彼女に投与された薬品は実用化されなかった。

 

 というのが表向きの筋書きである、彼女達に投与された薬剤の量は意図的に過剰になるように内通者によって調整されており、失敗させられた治験であった。それを大西洋連邦軍諜報部に所属したのちに知った彼女は同じような犠牲を出さないために諜報網を積み上げてきた、そのせいで厄ネタを二つ三つ四つ……結構な数を掴んでしまったが。

 

ギルベラート・デュランダル、あなたがプラントの議長になるというのは、少なくとも私が取りうる最善の選択肢です。より素晴らしい社会を作るという一点において、私とあなたは一致するでしょう」

 

 ギルベラート・デュランダル、次期議長筆頭候補である彼女はため息を吐くと。

 

「まあ、いいでしょう。私のクルーゼが承諾したならあなたの手を取るのもやぶさかではありません」

 

 と承諾した。

 

【人物解説】

ギルベラート・デュランダル

・ギルちゃん。ラウ・ル・クルーゼのことが好き。タリア・グラディスとは昔付き合っていたがプラントの政治事情やタリアが子供を欲しがっていたことが原因で破局。クルーゼにアプローチしているが落とせてない。

 

イメージ画像

 

【挿絵表示】

 




評価 お気に入り登録 感想 しおり お待ちしています。(しおりはわりと今追ってくれている人が見えて嬉しい)

割とやりたい放題やって良さそうだなって思ったのでとりあえず腹案だったギルちゃん♀をお出しして見ました
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