Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。サイドストーリー 作:モブ好き
「よぉ、隣座らせて貰うぜ」
街にある小さな酒場、そこでひっそりと一人酒を飲むカミラの隣に座ると
ボルもカミラと同じ酒を頼み馴れ馴れしい態度で話しかける
「アンタ、サンダーパイクの僧侶カミラだろ?」
「……だったら何です?」
不機嫌そうな態度を露わにして睨むカミラに、ボルはおどけた調子で笑う
「おお怖い、普段温厚なアンタもクエスト失敗続きで苛立ってるみたいだな」
「はぁ……わざわざ馬鹿にするためにこちらに?」
「とんでもない!使えない前衛に苦労させられてるアンタを心配してるのさ
俺は前衛職だから、支援職のありがたみを理解していない奴らは見ててイライラするぜ」
「……そうですね、回復しても回復しても足りず、マナポーションの消費も厳しいですし」
サンダーパイクの前衛たちについて思う所はある様で、ボルに同意するように答える
そんなカミラを見て、ボルはにやりと笑う
「だろう?今の落ちぶれたサンダーパイクを支えているのはアンタさ、なにせ美人だからな
配信映えも良い。だから前衛に足を引っ張られてるアンタの力になりたいのさ」
「力に……?」
「ははっ、そんなに警戒しなくて良いぜ。ただの金稼ぎの提案だからな……
話だけでもどうだ?」
「……」
ボルの話に、飲みかけの酒を飲み干して少し考える素振りを見せるカミラ。そして……
「……良いでしょう、話だけは聞かせて貰います」
やはりクエスト失敗続きで懐事情は厳しいらしく、こちらの話に乗ってくる
「んじゃ、これを飲んだら気の変わらないうちについて来てくれ」
運ばれてきた酒を飲み干し、二人酒場を後にした……
「ここは……」
二人でやってきたのは初心者用のダンジョンで、ダンジョン攻略の練習として解放されている
場所だ。言うまでも無く、Aランク冒険者であるカミラにとっては用の無い場所である
それもあり、到着するなりカミラは不審そうにボルを見た
「まぁそう焦るなよ、金稼ぎの方法ってのはずばり裏配信だ」
「裏配信……聞いた事ありませんね」
「ああ、誰でも見る事の出来る表のダンジョン攻略配信ではなく、会員だけ見られる配信だからな
Aランクで活躍しているアンタは知らないだろうさ」
「それで、その裏配信で何を?」
その質問に答えるように、ボルは手に持ったタブレットを操作し、現在裏配信をしている
パーティーの映像を表示させる
そこに表示されたのは女性二人組で、攻略しているのは二人のいる初心者用のダンジョンだ
「……前衛と後衛のパーティー、それにしてもずいぶん薄着では?
着ているのは水着だけなんて、まるで海に遊びに行くような格好で」
カミラは眉をひそめ、小馬鹿にしたようにボルに問う。そんなカミラの意見はもっとで
女性二人組は水着を着ていてとてもダンジョン攻略の格好とは思えない
「だから初心者用のダンジョンを使うのさ、雑魚スライムだけだから安全だしな」
「はぁ……安全と言っても、こんな初心者ダンジョンを攻略した所でマナポーション一つ
買えないでしょう。とてもお金稼ぎなんて……」
呆れたように言うカミラに、ボルはタブレットを指差して見せる
そこには現在ダンジョン攻略中の二人に支払われる報酬が表示されていた
「……え?ここって初心者用のダンジョンですよね?」
そこに表示された報酬はCランククエストの報酬と同程度で
カミラはタブレットを食い入るように見た
「このパーティは二人組だから取り分は分け合う形になるけど、アンタならこの報酬を
独占だ。美味しい話だろう?」
「ええ、ですけど……」
「分かってるさ、初心者用のダンジョンだとしても僧侶一人じゃ心細いって事だろ?
そこは俺に任せてくれ。前衛でフォローするし、裏配信のアドバイスや雑用もやってやる
アンタの取り分は報酬の7割、これで組まないか?」
そう言って手を差し出すボルを一度見て
「……良い心掛けですね、良いでしょう。それで組む事にします」
差し出した手をカミラも握り返した……
「それで、この格好でダンジョン攻略を?」
「ははっ、水着じゃないだけ良いだろう?ちゃんとした装備だ」
笑うボルをよそにカミラは少し不服そうにボルを睨む
カミラの着ている服は、普段着ている僧侶服……に似ているものの
その露出は多く、インナーのシャツはチューブトップに変えられていて
普段晒す事の無い肩や胸の谷間まで晒してしまっている状態だ
また、上に羽織っている服も普段着ている物より布を削られている事もあって
それはそれは動きやすく、まるで夏仕様とでも言うような丈で
「これでは少し動くだけで下着が見えてしまうのでは?」
「そういう目的の服だからな」
下心を隠さずに言うボルを睨むカミラ
「まぁまぁ、アンタのその美貌を使わないなんてもったいないからな
稼げば考えも変わるだろうよ」
そう言ってカミラをなだめると、ボルは配信を開始させ二人初心者ダンジョンへと踏み入れた
「さぁさぁ皆さん、先ほどの女二人組も素敵でしたけど、こっちも負けてませんよ!」
明るい調子で言うと、ボルは配信を見ている視聴者の前にカミラを立たせる
性格に少々難のあるカミラではあるものの、その容姿は美人と言って良い
普段よりも露出の多い裏配信用の装備姿を見た視聴者からの反応は上々で
その反応を表すように画面に表示されている報酬も勢いよく増えて行った
「すごいぜカミラ、新しい装備のお披露目だけでこの額だ。ダンジョンを攻略する頃には
さっきの二人組の額は超えると思うぜ」
「……まぁ、これくらいは当然でしょう」
上機嫌なボルの言葉に、カミラも報酬画面をちらりと見て機嫌良さそうに答えるとボルと共に
初心者用のダンジョンの中を歩いて行く。二人を追う配信用カメラはボルではなくカミラを中心に
動き周り、その顔の表情や露出の多い胸の谷間、そしてお尻と忙しそうに動いている
「はぁ、落ち着きの無いカメラね」
「視聴者の需要に答えてるのさ。まっ、この辺りは表の奴とは違う所だな……っと」
ボルは歩く足を止めると
「……カミラ、ちょっと良いか?」
配信を見ている視聴者に聞こえないように、小声でカミラへと話しかける
「……何です?」
「この先にあるトラップ、わざと引っ掛かってくれ」
「……はぁ?」
「いいから頼むぜ、イタズラトラップだから安全だ」
話の意図を分からず足を止めているカミラの腰をボルは手で押し、先へと歩かせる
仕方ないと言った様子で先を歩いていると
「きゃっ……ッ!」
足元から吹いた強風により、カミラのスカートは大きく翻る
ボルや視聴者からは捲れたスカートの中もしっかり見えていて、清楚な白いパンティを見せつけていた
「意外と清楚だな」
「くッ、やってくれましたね!」
「まぁまぁ、初心者ダンジョン名物のイタズラトラップだからそう怒りさんな。それにほれ」
ご立腹なカミラに手に持ったタブレットを見せる
「……サービス精神は大事だぜ、この通り、アンタのパンティを見て視聴者も報酬も右肩上がりだ」
「……色々と、すごいですね」
先ほどのパンチラで報酬はCランククエストと同程度の額まで上昇し、流石にカミラも
驚いた様な、あるいは呆れたような声を漏らした……
「さて、カミラさんよ。初の裏配信はどうだった?」
「どうも何も、私はダンジョンを歩いていただけですけど」
配信の後、いつも利用している小さな酒場で二人祝杯をあげる
その言葉通り、カミラは後衛と言う事もありボルの後ろを歩き、時折現れるスライムも前衛のボルに
よって倒され、それをただ見学していると言う有様だ
「初心者ダンジョンでは回復の必要もないですし、本当に楽な仕事でしたね」
「それは何よりだ、まぁ、それもアンタの美貌あってこそだけどな」
報酬の入った袋を見ているカミラは上機嫌で、それを表すように酒を勢いよく飲み干す
「良い飲みっぷりだな、今日は俺の奢りだからたくさん飲んでくれ
それと、また裏配信に協力してくれると助かるぜ?」
「ええ、考えておきます」
カミラはそう答え軽く微笑むと、新しく運ばれてきた酒に口をつけた……