激重ヤンデレ狼獣人に監禁されてます   作:無能メンヘラ

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襲撃

 調査局特務執行部隊〈(SOU)〉、全ての隊員がA号以上の局員で構成される。()()()、調査局の最高戦力だ。そんな部隊の隊員が16名もかり出す必要がある敵とは一体、何者なのだろうか。ユキノはそんな敵を想像するだけで体から血の気が引いていくのを感じた。

 

「降下しろ、ゴーゴー! 」

 

 静寂が支配する捨てられた街にチヌーク*1のブレードスラップ音*2が響く。チヌークからは8名の隊員が降りた。1人の隊員がドアを特殊なバールでこじ開ける。作戦の大まかな内容はこうだ。突入チーム、コールサインアルファ8名がターゲットの獣人の根城を突入する。残りの8名のコールサインはブラボーで目標の根城の前で待機だ。そして突入チームに異常が起きた際、援護に回る。ユキノは待機チームだ。ユキノはカズミが無事であることを心の底から願っていた。

 

「こちら、アルファ-1。作戦を開始する」

 

 アルファ-1はバールでドアをこじ開ける。それと同時に2、3が家の中に突入した。

 

「クリア! 」

 

 幸い、敵に襲撃を察知されてはいないようで待ち伏せなどはない。1を先頭にして突入が開始される。それぞれの隊員が各部屋をクリアリングしていく。その動きには一切の無駄がない。

 

「2階へ上がるぞ! 2と3は俺に続け! 」

「「了解」」

  

 1階にはターゲットはいない、おそらく2階にいるのだろう。アルファ-1は銃のグリップを持つ手に自然と力が入る。何回もこのような任務をしてきたがいつでも気を緩めない。それがプロだ。

 

「この部屋から音がする。敵がいるぞ」

 

 2階の部屋の一つから物音が聞こえた。この部屋にターゲットがいる。

 

「スタンを投げろ、突入するぞ」

 

 2がわずかにドアを開けて隙間を作る、その隙間から3がスタンを投げ入れた。数秒後、スタングレネードの炸裂音が聞こえる。

 

「突入しろ! 」

 

 掛け声とともに突入する。部屋の中には……男が1人、顔を見るからに救出目標であるニイミカズミだ。

 

「獣人はどこ……」

 

 その刹那、アルファ-1の首元になにかが刺さる……、ナイフだ。そして、ナイフを持つ女が。アルファ-1の意識は暗転する。一瞬にして喉元を掻っ切られたアルファ-1は抵抗する間もなく息だえた。

 

「くそったれ! 」

 

 突如とした意識外からの襲撃に2は狼狽える。反射的に銃の標準を獣人に合わせるが遅かった。2の目の前が赤く染まる。目がやられた! そのまま1と同じように首元にナイフが突き刺さる。3は銃のトリガーを引いた。コンマ数秒もかからずに銃口から鉛玉が放たれるがそれが獣人に当たることはなかった。獣人は即座に3の背後に回り込み首をへし折る。

 


 

 カズミは突然のことに理解が追いつかない。目が覚めたら武装した男達が自分に向かって銃口を向けている。だが、次に瞬きをした時には血まみれの獣人が目の前に立っていた。獣人はカズミの方を向く。

 

「カズミくん、逃げるよ! 」

 

 獣人はカズミを抱き上げて窓から飛び降りた。ちらりと見えた空には3機の調査局のマークが入ったチヌークが、まさか。カズミは調査局が獣人を襲撃しにきたのだと気付いた。後ろを見ると調査局の局員が追いかけてきているのが見えた。

 

「うっ」

 

 獣人の足に銃弾が貫通する。そのまま獣人はこけてしまった。

 

「動くな! 」

 

 局員に追いつかれてしまった。そして、局員は銃口を獣人の頭に向ける。このままでは獣人が殺されてしまう、カズミは無意識のうちに体が動いていた。局員の腰に刺さったハンドガンを奪って局員の頭を撃った。至近距離で放たれた弾は局員の頭をヘルメットごと貫く。局員は糸が切れたマリオネットのように倒れた。

 

「あ、ああ」

 

 カズミはその場に膝をつく。人を……殺した、その事実が彼の脳を焼いた。

 

「カズミくん! 」

 

 自分の名前を呼ばれたカズミは振り向く。声の主は獣人ではない、だが聞き覚えがある声だ。

 

「ユキノ……さん? 」

 

 ユキノだ。カズミは唖然とする、どうして彼女がここにいる。

 

「一緒に戻ろう! カズミくん」

 

 ユキノはカズミに近づく。カズミは……、ハンドガンの銃口をユキノ向けた。カズミは叫ぶ。

 

「動くな! 」

*1
大型輸送ヘリコプター

*2
ヘリコプターのローターが回転する際に生じるパタパタといった特有の騒音




調査局特務執行部隊〈(SOU)

調査局の特殊部隊であり、全ての隊員はA号以上の局員で構成される。魔法テロ、大規模魔獣災害の際に出撃される日本国調査局の表向きの最高戦力である。




更新が遅れてしまい申し訳ありません。
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