イカレたメンバーを紹介するぜ!!!!!   作:まつきた

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Dr. 幸せな童貞!立希!!

午前の陽射しが強まりはじめた頃、水族館の入り口に立希は立っていた。

待ち合わせの時間まで、まだ一時間以上ある。

 

「……まあ、別にいいけど」

 

そう呟きながらスマホを確認する。まだ午前十一時。

一晩寝て、気分は落ち着いた。愛音も一緒とはいえ、燈と休日に出かける”実績”にはなる。

 

せっかくなら楽しい思い出を作りたい。

 

そう思いながら、待ち合わせの一時間前に来たものの、思った以上に時間が経たない。ベンチに座ったり、周囲を軽く歩き回ったり、深呼吸をしたりして時間を潰す。それでも、時計の針はなかなか進まない。

 

やっと待ち合わせの十五分前、十一時四十五分を指した頃、向こうから軽い足取りで近づいてくる影が見えた。

 

「お待たせ〜! っていうか、りっきー、もう来てたの?」

 

「……ほんとに来たんだ」

 

「なにそれ、ひどくない?」

 

愛音は呆れたように笑いながら、腕を組む。

 

「もっとこう、『待ってたよ!』とか『楽しみすぎて早く来ちゃった!』とか言えばいいのに~」

 

「うるさい」

 

そんな軽口を交わしながら時間を潰していたが、約束の時間になっても燈が現れない。

 

「……遅いね」

 

愛音がスマホをいじりながら呟く。

 

「ともりんって、こういうの遅れるタイプ?」

 

「うん……」

 

嫌な予感がした。燈はぼーっとしていることがあるし、何かに夢中になると時間を忘れてしまうこともある。

 

「私、迎えに行ってくる!」

 

そう言って、愛音がスマホをしまい、足を踏み出す。

 

「私も行く」

 

「ダメだよ、入れ違いになったら困るし。りっきーはここで待ってて」

 

その言葉に、立希は喉の奥に引っかかった何かを飲み込んだ。確かに、入れ違いはまずい。でも、ただ待つのも落ち着かない。けれど、今は従うしかない。

 

「……わかった。お願い」

 

そうして、愛音が走り去る。

 

胸の痛み

 

待っている間の数分が、やけに長く感じた。何度もスマホを確認し、何度も水族館の入り口を見つめる。

 

そして、五分後――

 

「ほら、ともりん、ちゃんと手、離さないでよ!」

 

軽い声とともに、愛音に手を引かれた燈が姿を現した。燈は少し困ったような表情をしながら、小さく頷いている。それを見た瞬間、立希の胸がきしむように痛んだ。

 

「……心配したんだから」

 

燈がふっと立希を見た。申し訳なさそうに目を伏せようとしたその瞬間――

 

「ともりんね、また石見てたんだって!」

 

愛音が楽しそうに言う。

 

立希の眉が僅かに動いた。

 

「……おまえに聞いてない」

 

思わず、低い声がこぼれる。

 

燈が驚いたように立希を見つめる。

 

「あ……」

 

しまった、と思ったが、もう遅い。

 

「まあまあ、いいじゃん、結果的に見つかったんだし!」

 

愛音は軽く笑って流そうとするけれど、立希の胸の奥には、まだ言葉にできないモヤモヤが残っていた。

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