救世の勇者、カースト底辺の嫌われ白豚高校生に転生する 〜俺に唯一優しいクラスのアイドルは、ヤンデレ化した前世の聖女でした~   作:大福金

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白豚転生

「…………いってぇ~!? わっ冷たっ!?」

 

 あまりの冷たさに飛び起きると、俺は何故か水辺で寝ていた。

 頭から血を流して……。

 

 はっ……!? 

 

 どこだココ!?

 起き上がり周りを見渡すと、橋が見える。

 変わった形の橋だな、あんなの見たことない。

 

 自分の周りは全て水。

 ここって川じゃん!!

 

 なんで俺は川で血を流して寝てたんだ!? 

 

 ええと……何してたっけ? 思い出せ俺! 

 

「…………!!」

 

 ——そうだ! 

 

 魔王をどうにか倒した後。

 

 魔力も体力も枯渇しながらも、仲間達とどうにか王都に転移して戻ると、国王たちから泣いて喜ばれ、「次の日盛大な祝勝パーティと婚約パーティをしますので、今日はゆっくり寝て休んでくださいね」っと婚約者でもあるエメラメ皇女から言われ……?

 

 それからどうしたっけ?

 

「いててっ」

 

 頭が割れるように痛い。

 

 その後……そうだ!『寝る前に挨拶だけでもしにきてね』とエメラメ皇女に言われ部屋を訪れると。

 

 エメラメの奴は、部屋で剣聖のギールとイチャイチャしてやがったんだ!

 俺を呼んどいて意味がわかんねー。

 

 そんで俺に向かって悪びれる事なく『うふふ、私はギール様と結婚するのです! いくら魔王を倒した勇者だからって、あなたの様な下賎な平民男と結婚なんて、御免だわ!』そう言いやがったんだ。

 

『はははっ。悪く思わないでくれよアベル? エメラメ様の横にはお前のような男より、俺のように見目美しく地位もある男の方が似合うだろう?』

 

 ギールは少し広角を上げ、俺を哀れむように見てくる。

 

 そりゃ、生粋の貴族様であるギールと、ジョブが勇者ってだけのド平民の俺じゃあ、比べようがないのは分かる。

 

 だからこそ俺は馬鹿にされないよう、強い勇者となるよう人の何倍も努力した。

 

 ………なのに結局は、裏で馬鹿にされてたんだな。

 情けないやら、悲しいやら、腹が立つやら、俺の中で色んな感情が溢れかえる。

 

「!? あがっ!? なっ!?」

 

 急に立っていられなくなり、俺は膝から崩れ落ちる。

 ……何だ急に? それに息ができなっ……!?

 

 苦しんでいる俺を心配するでもなく、上から見下し嘲笑うエメラメ。

 

「やっと毒が効いたのね? うふふ♡ その毒は普通の人なら即死の毒なのに、あなたは毒耐性があるから殆ど効果がない。でも魔王討伐後の弱っている勇者アベルなら? クスッ」

「流石に効果があるだろうな? なんせお前は過去最強の勇者様だからな、どうやって死んで貰おうか悩んでいたんだよ」

「……毒? だと?」

「祝勝の祝い酒を飲んだでしょう? いつもなら警戒する貴方が、疲れていてそんな気力もなかったのよね? その中に即死の猛毒が入っていたの。まぁさすが勇者様、即死とはいかないわね」

 

 倒れている俺を見ながら、やっと死んでくれると笑う二人。

 ふざけるのも大概にしろよ? 

 必死に魔王と戦って、挙げ句の果てに馬鹿にされて死んでいくのか?

 

 コイツら俺の人生をなんだと思ってるんだ。

 こんな事になるなら、王都になんて戻って来なかったのに。

 

 文句を言ってやりたいが、毒のせいで口が痺れてもう何も言えない。

 

「じゃあなアベル?」

 

 ギールが口角を上げながら、剣先を俺の首筋に向けた。

 

 二人の顔が擦れて見えなくなる。

 クソッ…… 死ぬんだな……俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだよ! 思い出した! 俺はギールとエメラメに殺されたんだ!」

 

 なのに何で生きてこんな川辺に……!?

 

「……ん?」

 

 ふと目線を下に向けると。

 

 ゆらりと水面が煌めく。

 ……そこに映し出された、自分の姿は。

 

「はぁああああああああ!?」

 

 何だ!? この豚のように肥えた男は!? 誰だよ!?

 俺じゃねー!!

 

「いててっ」

 

 …………頭が割れるように痛い。

 

 あっ……やばい。空の景色がぐにゃりと歪む。

 ちょっと待ってくれ。

 俺はまた死ぬのか?

 

 そう思った時だった。

 

 脳内に全く知らないの男の人生が、伝記ドラマの様に流れてきた。

 

 ……ってか伝記ドラマってなんだよ。

 何でそんな言葉を知ってるんだ俺。

 

 

 ★★★

 

あとがき

 

初めの投稿です。

よろしくお願いします!

 

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