クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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ここから、物語が加速!!見てない人には若干ネタバレ注意!!


真実を求めて

「アンジュとヒルダが?」

 

事の始まりはマーメイドフェスタという公休日のことだった。

ローゼンブルム王国の王女であるミスティを人質をとったアンジュ、ヒルダ、モモカの三名はミスルギ皇国へと向かったのだ。

司令室でジル、ジャスミン、マギーと集まって今後のことを話していた。

 

「幸い、ミスティ王女は無事だったがアンジュとヒルダの姿が無い」

 

「それで、俺を呼び出した理由は?」

 

「アンジュとヒルダを連れもどせ」

 

「脱走したから、放っておいても……」

 

ミスルギ皇国。そこで待つというシュレディンガーという人物。

それに、本当に滅んだのかどうか確かめるチャンスでもある。

 

「じゃじゃ馬でお転婆娘を連れもどす仕事でもしますかね」

 

「随分、聞き訳がいいな?」

 

リュガは紙をジルに渡す。

 

「シュレディンガーという人物だが、"ミスルギ皇国で待つ"。おかしくないか?皇国は滅んだはずじゃないのか?」

 

それにジルは口を閉ざし、リュガはジッと視る。

 

「まぁ、言えない理由があるならいいけどさ。メイとゼノンにプルートを万全にしておくと言っておく」

 

リュガはそう言って司令室を後にする。

ジャスミンはフム、と頷く

 

「……シュレディンガーって、あいつも動き出したのかい?」

 

「おそらくラプラスとカルネアデスも動き出すだろうな。計画の為に……」

 

煙草を灰皿へと潰すジル。

その眼にはわずかながら怒りがあった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

アンジュとヒルダを捜索しに、ミスルギ皇国へ着いたリュガ。

プルートを隠し、帽子を被って歩く。

アンジュとヒルダを捜索するのは後にして、待ち合わせ場所へと向かう

 

「ここか……しかし、懐かしい所に待ち合わせか」

 

幼い自分と両親が住んでいた家だ。空き家となっており、誰もいない…。

 

「座標はここで合っているよな?」

 

空き家に入り中を探る。所々、壊れているがあの時の光景を思い出す。

そういえば、地下室があったが……まだ、あるかな?

地下室へと降りる。目を瞑ればそこは父親の仕事場。

いや……他にもあった。昔見た黒い大きな巨人が……。

 

「あれがなんなのか二人とも教えてくれなかったな」

 

頭をポリポリとかく。

 

「どうやら、来たようだな」

 

声がする方を見ると、金髪の蒼眼、口はマスクで覆われた男が立っていた。

蒼いコートを羽織っており両手はポケットに入れたままだ。

 

「あんたが、シュレディンガーか?」

 

「よくここまで来たねリュガ。なるほどね、顔は母譲りか」

 

「母さんを知っているのか?」

 

「まだ、君が赤子だった時にラプラスと一緒に世話を任されたことがあってね

 ちなみに二人が結婚したとき、仲人役を任されたよ」

 

「そうなのか…。ところで、話があるんだよな?」

 

「この世界の正体を知りたくないか?」

 

「世界の正体?どこぞのクイズ少女みたいに付き合うのなら帰るが?」

 

「これからいう事は全て、本当の事だ。信じられない事だろうが……」

 

 

◇◇◇◇

 

 

母に会ったヒルダだが、悲劇的なものだった―――。

妹にあたる子供がいて、自分の事を忘れていた。

折角、ここまで来たというのにノーマだからこんな残酷な仕打ち。

 

絶望し、力なく当てもなく歩いていたが検疫官たちが集まりだす。

抵抗もしないヒルダを拘束しようとするが――――。

 

「ちょっと待った」

 

女性の声が響き、検疫官たちは動きを止める。

黄色の長髪、ツインテールに纏めたチャイナ服の女性。

茶色の短髪、ハーフデニムとブラウスの女性だ。

 

「その娘は私たちがアルゼナルに送り届けるわ」

 

「しかし、危険なノーマです。お二人に任せるわけには……」

 

検疫官が何か言おうとしたが、黄色の髪の女性は首を傾げ笑顔で言う

 

「私は無駄な事は嫌いなんだけどね?」

 

その言葉で検疫官たちを黙らせる。

茶髪の女性は、ヒルダを抱きかかえ、黄色髪の女性と共に歩みだす。

 

「……可哀そうにね。ノーマという烙印を押されてこの仕打ち」

 

「神様が作ったルールは残酷、叛いちゃえばいいピョン♪」

 

「シュレディンガーはあの少年に真実を伝えたのかしらね」

 

「真実を知ってそれが幸せなのか不幸せなのか本人次第♪」

 

クスクスと笑う黄色髪の女性。

だが、その眼にはこの世界に対する不平等で不条理を憎んでいる眼だ

 

 

◇◇◇◇

 

 

夜のミスルギ皇国を警戒しながらアンジュを捜索するリュガ。

 

(マナ社会の成り立ちと父さんたちの目的、か……)

 

 

~回想開始~

 

 

「マナ国家を滅ぼす?」

 

「正確に言えばマナ社会を創ったある神と呼ばれる男を倒すためだ。

 最もあの男はどこまで掌握しているかは解らんが……」

 

「そもそも、親父とアンタはどういう関係なんだ?」

 

「まずはそこから説明しよう。

 私やパブロフ、ラプラス、カルネアデス、メビウスはマナ社会の技術に献上している"古の天才"と呼ばれている

 だが、本当の目的はマナ国家を崩すための存在だ」

 

「マナ国家を崩すため……」

 

「我々は過去にノーマと"古の民"が多大な犠牲を払って神から強奪した機体ヴィルキスとその資料を盗み出し研究した。

 一つはある人物に渡し、もう一つは―――君が乗っているパラメイルだ」

 

「なっ……!?」

 

ヴィルキスは神と呼ばれる存在から奪い取った機体。

プルートはその機体と資料を基に造られた機体。

しかし、疑問が生じる。

 

「それだったら、ヴィルキスを使って当の昔にその神を倒せたんじゃないのか?」

 

「そうもいかなかった。神はヴィルキスに封印を施した。しかし、今はその人物が使えるようになった」

 

それがアンジュというわけか。

つまり、ジルが言ってたリベルタスというのはここで繋がるというわけか

 

「……そして、君は―――」

 

シュレディンガーが言いかけた時、マナ通信が開かれる。

内容を見て、数回頷く。

 

「…アンジュが処刑されるようだ。急いで助けに行った方がいい」

 

画像を見せると痛めつけられたアンジュの姿だった

 

 

~回想終了~

 

 

「……親父も母さんもこの計画に参加していたのか?」

 

二人もマナを持つものでありながらマナ国家を崩すためアルゼナルに協力してたわけか。

 

「こうなったら、親父と母さんと会って詳しい事を聞くか」

 

リュガは急いで、アンジュが走り出す。

だが、何故だろうか――――。

身体が軽く、力が湧き上がりそうなこの感覚、まるで自分がヒトで無くなりそうな気分だ。




次回。リュガ、大暴れ。
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