クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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まつろわぬ魂・前編

「遥か時空を超えて侵攻してくる巨大敵性生物それがドラゴン。

 そしてこのドラゴンを迎撃、殲滅し人類の繁斗を守るのが此処アルゼナルと私達ノーマの任務です。

 ノーマはドラゴンを殺す兵器としてのみ生きる事を許されます。

 その事を忘れずにしっかり戦いに励みましょう!」

 

「「「「「イェス!マム!」」」」」

 

幼等部の教室でノーマの講師がまだ幼い少女達に教授する。

俺ともう一人の女性がそれを聞かされていた。

 

「分かったか?リュガ、アンジュ」

 

「・・・はい」

 

「・・・」

 

その女性はミスルギ皇国第一皇女のアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギだった。

家族ぐるみでノーマだという事を今迄隠し通してきたのだが戴冠式で実の兄に暴露されたという。

マナが使える人間たちからは絶大な支持を得ていたが、ノーマだと知ってこれとは・・・。

その兄も権力が欲しいがためにかとった行動とは、結局は人間が一番恐ろしいというわけか。

 

「もうすぐミスルギ皇国からの解放命令が、届くはずです・・」

 

諦めが悪くアンジュは必死に希望を見出そうとする。

浅ましい考えだ。

 

「監察官、この二人を本日付で第一中隊に配属させます」

 

「だ、第一中隊にですか!?」

 

「ゾーラには既に通達済だ。二人共さっさとくるんだ」

 

「ちょ、ちょっと!?離して下さい!」

 

「・・・了解」

 

ジルはアンジュの手を掴み連れて行く。

リュガは立ち上がり、その後をついていく。

 

「ふうーん、あれらがお噂の皇女殿下と男のノーマねえ・・・。

 男の方はともかく、皇女殿下は、やんごとなきお顔に穢れを知らない甘くておいしそうだわ」

 

「新しく来た子なら誰でもいいんでしょう?」

 

幼等部教室の丁度向かい側で金髪の女性が赤髪ツインテールの女性の体を触りながら眺めていた。

赤ツインの女性がモヤモヤしながら呟き、それに頷く薄青と茶髪の女性二人。

 

「なんだい?焼いてるのかい?」

 

「そ・・・それは・・」

 

「可愛いなぁ、お前達は」

 

「隊長!スキンシップは程々に。身辺からも揉み方が痛いと苦情が・・・」

 

そんな空気に痺れを切らしたのか藍ツインテールの女性が注意する。

 

「はいはい、気を付けるよ、副長~」

 

「ううっ!?」

 

そんな注意を促しても手をワキワキさせてくるので咄嗟にガードする。

 

「年上の新兵さんと男の人もいますが新兵同志お二人共仲良くね」

 

ピンクロングの女性が藍ツインテールの持っていた名簿を覗き既に配属されていた新兵の二人にも促す。

 

「「は、はい!」」

 

それに元気よく答えたまだ幼さの残る少女二人。

 

「ねえねえ、クイズしよう!誰が最初に死ぬのかな~?」

 

少しオレンジがかった赤髪の少女がそんな事を言ってきたので皆、強張る。

 

「死なせないように教育するのが私達の仕事でしょ!」

 

「あいたっ!?ご・・・ごめん・・・」

 

「着いたぞ」

 

ジルに連れてこられたアンジュは未だに顔を俯かせており、リュガはアンジュの隣に立つ。

 

「ゾーラ、後は任せたぞ」

 

バシッとアンジュの尻を叩くジル。

アンジュはキッとジルを睨むが、ジルは涼しげな顔をして立ち去る

 

「イェス!マム!」

 

ゾーラと呼ばれた金髪女性とそのノーマ部隊の仲間であろう女性達はジルに敬礼する。

 

「総指令から一度されたが改めて自己紹介しよう。

 ようこそ死の第一中隊へ、私は隊長のゾーラだ。

 後のメンバーの事は副長、紹介してやれ」

 

ゾーラは隣にいた藍ツインテールの女性に促す。

 

「イェス!マム、第一中隊副長のサリアだ。こちらから突撃班のヴィヴィアン」

 

「ヤッホ!」

 

ヴィヴィアンは薄ピンクのボサボサヘアーの子がキャンディを舐めながら元気良く挨拶してくる。

 

「次にヒルダ」

 

「フン」

 

サリアとは相対した赤い髪のヒルダはいかにも威張りちらした笑みを浮かべていた。

 

「後、救護班のロザリーと・・・」

 

茶髪の姉御肌という感じのロザリーさんの紹介の途中、アンジュは口を開く。

 

「これ全部、ノーマなんですか?」

 

言ってはならないことを言いやがった。

 

「はんっ!私達ノーマは物扱いだ」

 

赤髪のヒルダが更に爆弾発言を被せてくる。

 

「このアマ!」

 

二人の発言、いや、どちらかといえばアンジュの発言に切れるロザリー。

 

「そうだよ。皆、アンジュとリュガも一緒のノーマ。仲良くしようね」

 

ヴィヴィアンが友好的にそう言ってくる。

 

「違います!

 私はミスルギ皇国の第一皇女、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ!

 断じてノーマではありません!」

 

「でも使えないんでしょう?マナ」

 

ヴィヴィアンのその言葉にアンジュリーゼは狼狽える。

 

「こ、此処ではマナの光が届かないだけです・・・此処から帰ればきっと・・・」

 

まだ必死に否定しようとするアンジュリーゼ。

この世界中にマナの光は満ちてはいる筈だからそれはない。

あんな傲慢な性格だから、無理な話というわけか。

 

「そっちの君もマナが使えないからここに?」

 

「最初は使えていたがな。

 突然、マナが無くなってここに送られた。

 まぁ、もう一つの理由としては・・・連行される前に人殺ししたがな・・・」

 

「人を・・・殺した?」

 

「親友の一人に裏切られてな。俺は怒りのあまりそいつの腹をぶち抜いたんだ」

 

ただ、ここに来た理由を話した。

皆はただ驚いているようだ、たった一人だけ除けば―――。

 

「はは、はははは!

 指令め、とんでもない者を回してきたか・・・。

 状況認識がなっちゃいない不良品と感情が制御できない殺人鬼か」

 

隊長のゾーラが豪快に笑う。

殺人鬼か、今の俺にお似合いな言葉だ。

 

「不良品は貴方方の方でしょう!」

 

「不良品が上から偉そうにほざいてますわ」

 

「うわあ・・・痛い・・・」

 

アンジュの言葉に皆が呆れていた。

 

「そうだな。俺も皇女も最低の不良品で欠陥品だな。

 その傲慢な性格でどれほどの周りを苦しめたのか。

 あんたの父親も母親も兄も同じ最低のクズだよ」

 

その言葉にアンジュはリュガの胸ぐらを掴む。

 

「今の言葉を取り消しなさい!!父上を、母上を侮辱するのはやめなさい!!」

 

「何度でも言おう。あんたとあんたの親と兄弟はクズだ」

 

「この・・・!!」

 

話の途中に痺れを切らしたのかヒルダが割って入ってきてアンジュの足を引っかけ転ばせた。

 

「痛っ!な、何をするのです!?」

 

「身の程をわきまえな、イタ姫さん」

 

「まあまあ、そのくらいで」

 

「エルシャ、こういう勘違い娘は最初でキッチリとしめておいた方がいいんだよ」

 

「そうそう」

 

ピンクの綺麗なストレートロングヘアーの優しい雰囲気を持った女性――エルシャがヒルダをなだめるが彼女は反論しそれにロザリーが賛同する。

 

「あらあら~そうなのぉ?」

 

天然なのか、それともこれが素なのか。

 

「はいはいお喋りはそこまでにしとけ。

 サリア、期待の新人教育を任せるぞ、同じノーマとしてな」

 

「はい」

 

ゾーラ隊長が話を無理矢理占めアンジュに触れる。

アンジュは嫌な顔をしているようだ。

 

「これより訓練を開始する!

 エルシャ、クリス、ロザリー、一緒に来い!

 遠距離砲撃戦のパターンを試す!」

 

「「「イェス!マム!」」」」

 

エルシャ、ロザリー、髪で片目を隠した銀髪三つ編みのクリスが敬礼する。

 

「サリア、ヴィヴィアン、ヒルダは新人教育を任せる。しっかりやんな!」

 

「「「はい!」」」

 

「各自かかれ!!」

 

「イェッサー!」

 

隊長号令でアンジュ以外の他の皆がそれぞれ動き出す。

リュガはサリアの後をついていこうとするが・・・。

 

「何をボサッとしている?こっちよアンジュ」

 

一人突っ立ているアンジュにサリアが誘導しようとする。

 

「何人たりとも皇女であるこの私に命令するなど!」

 

相変わらず態度を崩さないアンジュにサリアは懐からサバイバルナイフを取出しアンジュの首に、突き付けてくる

 

「此処での命令は絶対よ。良い?」

 

サリアのその気迫に押されたのかアンジュは首を縦に振った。

 

「・・・それから、リュガ、隊長が言っていた言葉、気にしなくてもいいのよ」

 

「・・・構わないよ。感情の制御もできない殺人鬼なのは甘んじて受け入れるさ」




オリ主の暴言、粗暴、ぶっきらぼうが目立つ気がする・・・。
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