クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~ 作:Mr.エメト
「第二中隊全滅!第三中隊!隊長と部下四名以下ロスト!」
紅の機体から放たれた光学兵器によって、被害が相当なものとなった。
パメラの報告を聞いたジルはすぐさま次の指示を出す。
「残存部隊を後退!第一中隊のサリア達に集約、サリア達を出せ!」
「了解!」
パメラはすぐに通信し、ジルは上空のパラメイルを見ながら思った。
「(あの武装……)」
一方の格納庫内でドラゴンと戦っているサリア達に命令が下る。
「了解!皆!パラメイルに騎乗!」
「「「イエス・マム!」」」
サリア達のパラメイルはデッキへと上げる。
その時にジルからサリアに通信が来る。
『サリア、もう説明しなくても分かってるな?』
「はい」
『よし。それとアンジュはどうした?』
その事にサリアは重い表情で言う。
「シュージとテンゲンによると連れて来ると」
『そうか。なら、アンジュに伝えろ。あのパラメイルはヴィルキスでないと無理だ』
その事を聞いてサリアは思いつめた表情で言う。
「司令、私がヴィルキスで出ます!」
『黙れ!今は命令を実行しろ』
「お願いです!司令!!」
『黙って命令に従え』
そう言い残してジルは通信を切る。
それにサリアはどうしても納得が行かなかった。
「どうしてよ……ジル。ずっと…ずっと頑張って来たのに!!」
サリアはアーキバスから降りて、ヴィルキスの方に向かい乗り込む。
ゼノン、メイ、タスクが驚く
「サリアさん!?なにを!?」
「サリア!!」
サリアは二人の静止も聞かずにそのままヴィルキスに搭乗して皆に言う。
「サリア隊!出撃!!」
「「「イエス・マム!!」」」
デッキから発進したヴィルキスを含むパラメイル隊はドラゴン迎撃の為に出撃してしまった
遅れてリュガ、アンジュ、ヒルダが遅れて格納庫へ入るのだが―――。
「……ヴィルキスがない!?」
「アンジュ!!無事だったんだね!!」
「タスク、ヴィルキスは!?」
「それが、サリアが乗っていって……」
「なんだって、そんな事を……とにかく追いかけるぞ!」
リュガはプルートに乗り込み、ヒルダはグレイブ・カスタムに乗り込む。
アンジュはヒルダのパラメイルに乗って、ヴィルキスを取り戻す。
「ヒルダ、お願い」
「OK!!振り落とされない様にしっかり捕まってな!!」
三人もいざ、戦場へ―――。
◇◇◇◇
ヴィヴィアン達がドラゴンを撃ち落として行くが、サリアは単体でドラゴン側のパラメイルへ向かう。
しかし、ヴィルキスの調子が悪く出力が上がらない事にイラ立ちを現す。
「もっと!もっと早く飛べるでしょ!?」
その時にドラゴンがやって来て、それにサリアは追い払おうとヴィルキスで蹴るが逆に弾かれてしまい飛ばされる。
何とか体制を整えて、呼吸を整えながらもヴィルキスの性能に驚きを隠せない。
「嘘よ…ヴィルキスがこんなにパワーが無いなんて、どうして!?」
困惑するサリアだが、アンジュとヒルダ、リュガは追いつき横に並ぶ
「サリア!私の機体返して!!アイツは私がやるわ!」
「私のヴィルキスよ!!あなたはおとなしく基地に戻りなさい!!」
サリアは聞き入れずヴィルキスのライフルで攻撃する。
だが、紅の機体はかわしており挑発する、サリアは怒りが溜まる。
「馬鹿にして……!」
『どんなに頑張っても出来ない者は出来ないのだ』
「そんなはずない!誰よりも頑張って来たのよ!!私!!」
『無駄だ』
紅の機体がヴィルキスを蹴飛ばす、アンジュとヒルダはヴィルキスを追いかた、
リュガはドラゴン側のパラメイルへ向かう。
緑と水色の機体が動こうとするが、紅の機体が手で制止した。
(緑色の機体と水色の機体を止めた?あの赤、黄色がリーダーか!!)
デストロイヤーモードに変化し、先に赤い機体に攻撃を仕掛ける。
赤い機体はヒラリッと避けるが間合いを詰める。
突然、黄色の機体が割り込んで大刀を振りかざす。
「悪いがお前の相手はわたしだ」
通信から聞こえたのは男の声だ、あの機体に乗っているのは人間なのか?
すると黄色の機体のコクピットが開き姿を現す、黒の短髪に王のマントを羽織っている。
「我が名はゼランディア。こいつは愛機―――黄龍號。問おう、お前の名は?」
「……リュガだ」
相手が名乗ったのなら、自分も名乗りかえすリュガ。
ゼランディアはフッと笑いコクピットに入り、大刀を振り回し構える。
「今はこの出会いを楽しもうじゃないか?リュガ」
「……そうだな」
プルートの右腕を油圧クラッシャーに変えて構える。
お互い駆け出し、武器と武器がぶつかり合う音が響き渡る。
――――――
墜落するヴィルキスを追いかけるアンジュとヒルダ。
ある程度、近くなった距離からアンジュはヴィルキスに飛び乗り操縦桿を握る。
「無駄よ、もう距離が―」
「無駄じゃないわ!私とヴィルキスなら!!」
一気にスラスターをフルにして、海面ギリギリで浮上して、サリアを掴んでヒルダに連絡する。
「ヒルダ!」
『何?』
「落とすから受け取って!」
『はっ!?』
そう言ってアンジュはサリアを放り投げてしまった。
「うわわわああああ~~!!!!」
「ええ~~!?」
ヒルダは突然の事に慌てて拾いに行き、何とかサリアをキャッチして後部に乗せる。
「~~~~っ!!別料金だぞ、馬鹿姫!!」
それにアンジュは笑みを浮かばせて、不明機を見る。
「さ~てやりましょうか!」
アンジュはヴィルキスをフライトモードからデストロイヤーモードとなる。
真っ先に紅の機体と交戦するが互角の戦いを繰り広げた。
紅の機体は距離を取り歌唱し、紅の機体がまた黄金に変わりはじめた。
「この歌は……」
それは永遠語りと似ていて、それにアンジュは同じように歌いだす。
「~♪~♪~♪♪」
ヴィルキスが白から黄金に変化して両肩が露出展開、
それを見たリュガ達、司令部にいるジル、ラプラスとカルネアデスも見る。
「歌?アンジュの機体と赤い機体から歌が響く」
「お前とあの金髪の小娘は感じるのか、サラが奏でる星歌を」
戦場に歌が響くとヴィルキスと紅の機体が黄金に染まり、両肩が展開する。
エネルギーが渦を巻き、同時に発射し均衡し強烈な光が包まれる。
同時にプルートと黄龍號も変化が起き、二機が共鳴し合っている。
「これは……!?」
「―――"星歌、邂逅し歌唱すれば。原初の機体、覚醒"か」
戸惑うリュガだが、ゼランディアが言葉を呟く。
「偽りの民が、何故―――"真なる星歌"を?」
紅の機体のコクピットが開かれ姿を見せる。
それは純粋な黒い長髪、額には紅い滴の飾り、凛とした女性だ。
「あなたこそ何者!?その歌は何!!」
「真実は"アウラ"と共に」
その言葉を残し、女性は紅の機体へ乗り込みゲートへ向かう。
一方のリュガとゼランディアも―――。
「お前は何か知っているのか?ヴィルキスとプルートに秘密があるのか?」
「刻が来れば解る。次に会う時を楽しみにしているよ」
黄龍號と紅の機体は仲間と合流しゲートへと入り込んだ。
その光景を見てたラプラスとカルネアデス。
「……遂にこの時が来てしまったのね」
「でも、これで覚醒の兆しが見えたね。最後の鍵は"歌"か」
ドラゴンの集団と謎のパラメイルたちの被害は相当なものだった。