クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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決別の海 前編

決別の海 前編

 

 

無事アルゼナルの皆と合流したリュガ達。

アルゼナルの旗艦であるアウローラと共に海底へと進んでいた。

アウローラのブリッジに居るオリビエが提示報告をする。

 

「第一警戒ライン通過」

 

「まさか生きてたとは……」

 

ヒカルが別の部屋で話し合っているリュガ達の方を見ながら言い、それにはオリビエも同意しかねる。

 

「アンジュとリュガ、てっきりロストしたかと思ってました」

 

「今まで何処に行ってたんだ…?」

 

「それがシンギュラーの向こう…だって」

 

パメラが言った言葉にヒカルとオリビエが思わず驚きを隠せない。

 

「「うっそ~!?」」

 

 

◆◆◆◆

 

「平衡宇宙と、もう一つの地球。ドラゴン…いや、遺伝子改造した人間の世界か…」

 

「ドラゴンの目的は、アウラの奪還。マナを得るためにノーマがドラゴンを狩る。

 こんなバカげた戦いを終わらせることが出来るわ」

 

「だが……サラ達の侵攻作戦は失敗した。お互いの目的のためにも協力するべきだ」

 

アンジュとリュガはこれまでの情報を出す。

 

「敵の敵は味方、か」

 

ジャスミンが両腕を組んで納得している。

 

「冗談じゃね!!あいつらドラゴンは今まで仲間を食い殺したんだぞ!!」

 

ロザリーは反対で、その発言にヴィヴィアンは頬を膨らませてムッとする。

リュガはヴィヴィアンの頭をポンポンと撫でる

 

「確かにそうだが、俺たちの本当の敵はエンブリヲとカノープスだ。その策で俺たちは踊らされたんだよ」

 

「奴らは信じるに値しない、神気取りのエンブリヲとカノープスを倒し、この世界を壊す。

 忘れた訳ではあるまい。兄妹、民衆に裏切られてきた過去。人間への怒りを。

 差別と偏見にまみれたこの世界を壊す、それがお前の意志ではなかったのか?」

 

アンジュは言葉を詰まらせそうになったが、リュガが前に出る。

 

「あのドラゴンたちは良い奴らだよ。

 俺たちとドラゴン達と手を組めばエンブリヲとカノープスを倒せる。

 それとも逃げ続けて、怯える気か?」

 

「貴様……!!」

 

「辞めるんだ二人共。リュガの言葉の一理あるぞ。現にわたし等の戦力が心持たないのも事実だ」

 

「サリア達が寝返っちまったからね」

 

「アンジュ、リュガ。お前さんたちはドラゴンとコンタクトとれるのかい?」

 

「ああ、できる。ヴィルキスとプルートの力を使えばな」

 

「それは凄い。ジル、ドラゴン達との共闘。考えてみる価値はあるんじゃないのかい」

 

ジャスミンの提案に聞いたヴィヴィアンは思わず嬉しがる。

しかし、ジルは黙ったまま返答せず、それにリュガ達は厳しい表情で見ていた。

 

「………ジル」

 

ジャスミンが再び問いかけ、それにジルはようやく口を開く。

 

「………よかろう」

 

そう言ってジルは扉の方に向かう。

 

「情報の精査の後、こん後の作戦を通達する。以上だ」

 

そう言ってジルは出て行く。

 

「なんだか、冷たい感じだな」

 

「アンジュたちが戻って来た事に嬉しがっているのさ。そこはあたしが保障するよ」

 

ジャスミンがそういうが、リュガはどうにもジルの事が気になる。

 

 

◆◆◆◆

 

 

部屋にてラプラス、カルネアデス、シュレディンガー、リュガ、アンジュ、タスクと集まる

 

「しかし、こんな戦艦を持っていたとはな……」

 

「私たちと古の民が作ったリベルタスの旗艦。この艦でエンブリヲとカノープスと戦って来たのよ」

 

「これがねぇ……そういえば、親父は?」

 

「パブロフは単独でミスルギ皇国へ潜入したピョン。……三人はドラゴンの世界の真実を知ったのね」

 

「ああ……母さんの最期も……」

 

「それなら、私たちの話をしましょう。

 10年前……私たち6人の天才はカノープスの下で働いていたの。

 エルドとミリルの目的を知った私たちは協力して彼らに対抗できる力を備えようとしたわ」

 

「そこで、眼につけたのが……エンブリヲが所持しているラグナメイルが一つビルキス。

 ヴィルキスと名前を変えたのは反抗のための意味を込めてだ。

 ヘンペルことカシム・ゾル・グラムと多くの古の人々が払った犠牲で手に入れた物だ。

 後は、リュガ……ミスルギ皇国で私と会話していた通りだ」

 

「そういえば、貴方達の本名って……?」

 

天才たちの本名を聞き出すアンジュたち。

ここまで、来たのなら隠す必要もないと天才たちは名を上げる

 

「私の本名はニコル・サンドラムだ」

 

「私の本名はリム・パルムスだピョン」

 

「私はカリーナ・ゾル・グラムよ」

 

シュレディンガー、カルネアデス、ラプラスは自分たちの本名を名乗る

 

「えっ?ヘンペルと同じ苗字?」

 

「ヘンペルは私の兄なのよ。カノープスが兄さんを殺したとエンブリヲから聞いたわ」

 

天才たちから聞かされた経緯を知るリュガたち。

 

「そして、ヴィルキスの前の操縦者はジル、いえ本名はアレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツだピョン」

 

その名前を聞いてアンジュは驚く

 

「確かガリア帝国の第一皇女の。病死したって聞いてたけど」

 

「病死した事にされているのよ。マナを持つ者たちにとってのやり口ね。

 最初のリベルタスの時、タスクくんのご両親も仲間たちを失って、ジルも右腕を失ったわ……。

 私たちは、それぞれ単独でエンブリヲとカノープスを倒す時を待っていたわ。

 それが……リュガ、貴方なのよ」

 

ラプラスは真っ直ぐな目でリュガを見る

 

「……一番、悔やんでいたのはパブロフだ。

 息子を世界を破壊する道具として仕立て上げた事を。

 彼は妻を失い……子供までも手にかけていたことに今でも悔やんでいる」

 

そうだ。

親としての立場を考えれば……子供に世界の運命をかけた戦いに投じるような真似はしたくない。

今度、父と再会したその時、謝って和解しよう。

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