ドス鳥竜として生きる   作:神袋

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とりあえず長めにしてみます


沼地で生きる

空はどんより、湿気強い空気、常に小雨が降ってて過ごしやすいとは言いにくい。たまに毒の池あるしストレスすごいな沼地って。

 

 キングチャチャブーと別れ、森丘を離れると天気は急変。湿地帯へとやってきた一行はどこにあるかもわからない新天地(フロンティア)を目指すチャチャブー数十頭と共に泥濘みの大地を進んでいた。

 

それにしてもあの人(キングチャチャブー)は大丈夫だろうか。あのリオレウスの一撃からずっと無言だったし、別れる時気にせずに行けとか言われちゃったから思うところがある。

 

*♩⁂=(前方、ガララアジャラ)

「あいわかった」

 

にしてもチャチャブー達には感謝しなきゃなぁ。望遠鏡?的な筒で遠くのモンスターを見つけて安全なルート確保に役立ってくれてる。ドボルベルクやライゼクス、デカい蠍にバラル…バレラル…バガr…

 

「バルラガル。蠍はアクラ・ヴァシムにジェビアだ」

「それそれ」

 

言いにくいのなんの。首領がやり込んでたシリーズ…F(フロンティア)だっけ?MH2辺りの派生らしくてインフレがすごかったらしい。オリジナルモンスターもいっぱいいてこの世界にも勿論存在してるみたい。

 

 飛竜種は大移動の際以外は多くの時間を地面で過ごす。戦闘を生き甲斐とする飛竜でもない限りは上空から捕捉されても無視する個体がほとんどで、襲ってくる飛竜はライゼクス程度なもの。通常の個体であれば蜥蜴連携に加え、南瓜頭の模倣発明によって難なく撃退・討伐が可能だ。

 

 常時降雨により足を取られ、時たま洞窟を通り抜け、ゆっくりと進む一行は危険もなく歩を進める。安全な旅路と近縁種の四匹、南瓜の小人達を観察する赤い影は敵意も気配もなく尾行を続けていく。

 

 

 

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「はいっと」

「ほっ」

「おらっ」

「ふんっ」

 

 四人は次々と逃げ惑うケルビを仕留めていく。ホワイトレバーと称される絶品の肝、引き締まった肉は人間にも好評な味。大所帯となった彼らは食材の確保に勤しんでいた。

 

「んじゃ料理はよろしくね」

%〒¥(了解)

 

ケルビ狩り終わりーっと。沼地で一番美味しい肉はケルビだね。アプトノスは美味しいけど、ファンゴは癖が強い。虫はちょっとキツイしモスは加工して保存食にするらしいからお預け。ホワイトレバーかな?クリーミーでいい味してる部位があってたまらないんだよね。こんがり肉の木の実ソースもちゃんと料理してて美味い!ちょっと改善点教えるだけでこんなに味を寄せれるチャチャブーには感謝してもしきれないわ。

 

 真似た人類文明は兵器のみに在らず。ベースキャンプで料理するパーティがクエストに来た際その技術を盗み、長年の研究と試行錯誤の末に「料理」という文化が奇面族に生まれた。これも知恵者の群れ故か往年の努力のおかげか元人間達は人間の味を久しく口にしたのであった。

 

 曰く、「焼いただけじゃくて味がついてる!」

 曰く、「調味料も作ってあるなんておどろいたよ」

 曰く、「こんがり肉の岩塩焼きのレシピ教えろや」

 曰く、「肉も喰らう実も喰らう。血肉に変える度量こそが肝心だ」

 

 至福の食事タイムを過ごすが、ここはフィールド(狩場)のど真ん中。まだ気付かれもしない距離だが、目に入れば死ぬまで追いかけてくるだろう轟竜が筒ごしの警戒眼に入る。

 

「|$∀@★*!(危険そうなヤツ!)」

 

ん?せっかくのご馳走なのに…どんなヤツ?二足歩行で?小さな翼に?ギザギザの歯?橙色にちょっとだけ青…?

 

「もしかしてさ」

「ティガレックスだな」

 

だよね〜。あんなバケモンにチャチャブー庇いながらは流石に骨が折れる。戦闘タイプじゃない子もいるから逃げるかぁ…。せっかくのご飯がぁ…。

 

 短期間で既に胃袋を掴まれていた四人は惜しみながら、小人達は焦りながらも見つかる前に急いでその場を後にした。結果として轟竜は方向を変えたが、残された料理を赤影が食べる。

 

「……!」

 

 心の中に賛美がやまない。この味は地球の…と疑問を確信に変えて彼は決断をした。

 

 

 

 

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二匹同時ってやっぱり厄介だな*1。攻撃は速いし重いしで回復薬*2がなかったら今頃やばかったかも。でもそっちは即座回復なんて出来ないしジリ貧でしょ。削り合いなら負けんわい。

 

 雑務班は安全な所で隠れ、戦闘班は遠方支援組と乗り人(ドスライダー)に分かれて戦闘を行う。体格故に近距離戦闘は蜥蜴に任せて背中から適切な支援を遂行する。蜥蜴から教えてもらった調合薬を散布し、傷を確認すれば回復薬を塗布。合図に合わせて閃光玉を投げ、隙ができれば爆弾も投擲する。

 

 四匹とそのライダーとの戦闘で傷を負うオルガロン夫妻は恐怖を感じながらも目の前の邪魔者と牙を交える。一方が傷付けばもう一方が激昂し、互いを想い合いながら戦う。

 

この辺りの似た見た目の奴とは違う。毒の霧を吐く奴は色が違うし他は何も吐いてこない。なんて厄日だ!まさか一日に複数の強敵に出くわすなんて。とにかくこの場から駆け逃げなければいけないのに。

 

 夫妻は同じ思考を繰り返す。逃亡の一手を打ちたいが片方が逃げれば番はどうなるか。最悪を想定すると一人で逃げることはできない。牙獣種の発達した脚で跳躍すれば知らぬ者に襲われる事は明確だと理解している故に苦境を脱さないでいた。

 

「なんで跳躍しねぇんだ?」

 

そうなの?首領的にはジャンプして逃げないのが違和感らしい。F(フロンティア)を知らないからこいつらの生態もよくわからんのよね。兎に角変らしい。ただ交戦的な狼っぽいしこいつらがこっちに全力ダッシュしてきたから迎撃したんだけどなぁ…。

 

 オルガロン種は沼地含む広大な狩猟ルートを巡回する習性を持つ。必ず番で行動し、危険度も高い部類の彼らはもちろん捕食者として転々としている。しかしながら、彼らは遭遇した。自分達の知らぬ者、姿形は緑の飛竜に似ているが確実に違う存在だと認識した瞬間には襲われていた。

 

体は駆け出していた。あの黒い竜から逃げるために全力で走る。跳べば落下を狙われて終わる(死ぬ)。どうにかしてあの未知の竜の追跡を振り切らなければいけない。

 

生き残る為に駆け出し早数十分。未だ知らぬ竜への恐怖は拭えない。走り続けていると蜥蜴らしき影を見た。無視すればいいと思ったが驚いたことに迎撃体制だ。よく見ると妙な小童もついている。ならばすぐに始末するしかないな。

 

 

 

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もう無理だ。奴が来る。

 

「?」

 

目に見えて震え始めたぞ?瀕死なのかな?なら話は済むね。油断せずに仕留め切る!

 

 怯える双狼にトドメを入れようとする。その瞬間、戦場に風圧がかかる。黒い飛竜が到来しその場を鎮める。時が止まったかのように思えた。ただ二頭は突然駆け出し姿を消す。確実なおとりを使って恐怖に背を向けて逃げ出す。戦いの雰囲気を感じとった竜は標的を蜥蜴へと変え、暴れ始める。

 

やっと逃げることができた。奴らならきっと少しだけでももつだろう。本当にもう出会いたくない。あの…

 

 

 

知らぬ者・未知の竜(UNKOWN)には

 

 

 

 来訪即攻撃。着地と同時に泥濘んだ地面を抉り風圧で飛ばす。一人を除いてこの攻撃に驚く。避けながら一人(F経験者)は記憶を辿り竜の正体を思い出す。それは

 

「アンノウン!」

 

 メゼポルタ管轄下の狩場(フィールド)に現れる謎の竜。学名がなく、雌火竜と似ているが、戦闘に特化した体躯は数多に存在する飛竜種の技の模倣を可能とし、とある飛竜と相反する存在だとされている。メゼポルタ流の戦闘奥義、又はそれに匹敵する力を持つ者にしか討伐できないほどに膨れ上がった力は長期生存の末、リミッターの制限が効かなくなり訪問地域で壊滅的な被害を出すに至る。

 

 メゼポルタギルドは管轄地域と出没帯が一致する為に管理を担当。極ノ型を修め、辿異種と互角に戦う腕利きのハンター達が撤退した結果を元に『メゼポルタ』に討伐を依頼。彼らの予定が空く日まで特異個体UNKNOWNを放置する決断を下した。

 

なんだこいつ!?あんのうん?知らないモンスターだな。地面を抉り返す勢いと岩盤を吹き飛ばす力ってどうなってんだよ!黒いオーラも不気味だしあの塵魔よりも馬鹿力なんじゃないか?

 

 全飛竜の技を真似られる。それは全飛竜の身体能力を超越しているのと同義であり、出力できない属性は宿す龍エネルギーで、種別の器官を不持を恵体の進化で無理矢理再現する。突出したこの個体は再現可能な技を飛竜のみならず他種からも拝借し撃ち放つ。多くのモンスターが使う落下攻撃は前述のように強化・派生されて彼女の技として解放される。

 

 鎧流・龍光線が薙ぐ。超速のエネルギー波は戦闘員に回避を強制させる。さらに避けた隙を刈り取る電流・剛翼打が大地を揺らす。勢いよく叩きつけると派生、雷狼流・背龍撃。体重を乗せたバックドロップとともに黒雷が迸る。体制を整える隙を腐食性ガスの放出で誤魔化すと風で拡散し着火。炎王流・龍塵爆破で範囲制圧と同時に千刃流・滑空/烈鱗と爆鎚流・爆鱗で煙内を残酷の二文字に染め上げた。

 

 モンスターの特化した部分や印象強い技をこれでもかと振るう。実際にUNKNOWNが目にしたものだけでなく、飛竜にとってありふれた行動が暴力的な潜在能力によって技に成っていたりする。ゲームシステムよって制御された動きではなく、成長する生物として躍動する。薄煙の視界、蜥影(シルエット)を補足すると突進し勢いそのままに火竜乱舞。薙ぎ払い、サマーソルト、爆裂ブレスのコンボに背後から暗撃。堅牢な甲殻が剥げ柔鱗に覆われた肉が露出する。

 

 ダメージが入る事が分かれば攻めない理由は無い。一撃の破壊力は凄まじいが模倣品。それ即ち経験者(プレイヤー)ならばどのモンスターの技か理解し、その対処が可能であるという事。ラギアクルスの大放電やブラキディオスの広範囲爆破のように対処が似通っている技もあり乗人奇面族(チャチャライダー)以外の奇面族が撤退を続ける中、加速する技の応酬は小が大に勝り始め、所々部位破壊が目立ち始める。

 

レーザーは横、突進も横。鱗ばら撒きは見てから避ければOK。首領に合わせて正解だなこれ。知ってる技がほとんどでプレイヤー目線での対処とは違うけど無駄なく躱せる。フレーム回避とかジャスト回避とか水月の構えだとかの無敵時間はないけど理不尽判定がない上で移動回避ができるからカウンターも合わせやすい。この調子。

 

 掠り、灼かれと微笑なダメージすらも受けなくなり、完全にhit&awayが成立し、一方的な攻勢が続く。甲殻もかなり剥がれ、ダメージが大きくなってきた時、形態移行が完了する。植物が染まる勢いでオーラを解き放ち、甲殻はより硬く再生。UNKNOWN種の特性により、強さを増す。咆哮が止んだ頃、既知の竜は純粋な強化を堪能させる。

 

 形態移行後、多少技のバリエーションが増えたり耐久力が増したりしているが一番な脅威となったのは『動きの高速化』。聞き馴染む言葉で言うと『ターボ化』。動き出しが早くなっただけで反応は難しくなり、続く対処も段々難しくなる。

 

 即構えてレーザー、続けて猛進。高速滑空し、そのスピードを乗せた鱗を破裂させる。カウンターを合わせる暇も無く、一行動に一行動を合わせるだけでは避けきれず、ある程度の予測の元リスクヘッジをしてか細い隙の糸に軽撃を当てる。

 

 活力剤、回復薬グレート、生命の粉塵等の治療によって実質hit&awayを成立させるが、削るスピードは目に見えて落ちている。完璧なカウンターで剥げた甲殻は何回も攻撃する事でやっとの思いで剥ぐ。対処が物理的に間に合わないスピードを掻い潜って各自削る。辛いがダメージが入る感覚を頼りにし、倒せない相手じゃないと暗示をかけ継戦する。暫くの苦戦が続いたが、段々とこのスピードに慣れてきた。

 

レーザーの後は距離とって見る。冷静に見れば対処不可能じゃないんだ。滑空なら蛇行して的を外せばいい。これが無限に続く訳がないし踏ん張りどころ!

 

 慣れるにつれて攻撃は若干重くなり始めた。幾重にも重なるダメージの蓄積と募る凶気は燃料の切れかけたエンジンの鼓動を早め、本能の標的排除を叶える力を引き出す。

 

*1
二対四+αで言うな

*2
チャチャブー製




ピッタリ5000文字

Steamの作業ゲーにハマった上にもう少しで大学が始まるため、期待しないでください。

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