ドス鳥竜として生きる 作:神袋
「みなさん!おはようございます!今日もいい天気ですね!」
「「「「「「「「「「オハヨウ!」」」」」」」」」」
うるさい!こいつらの言葉カタコトだから余計に!なんてキレ散らかしながらあいつの元へ行く。あいつとは話が合うんだよね。なんて考えながら食事場に行くと待っていたのはあいつ。こいつは誰かって?
「おはよう、フロギィ」
「あっ、おはようございます。ランポスさん」
そう、こいつはフロギィ。…じゃなくて、ドスフロギィだ。わさわざドスをつけるのも面倒だから種族名で読んでる。ここまでの事の経緯はそんなに複雑でもない。
「フロギィ。回想任せた!」
「ええ?わかったよ…」
「これ、どうしますか?」
僕の元に妙な知らせが入った。部下が言うには青い僕と青い部下が倒れているそうで、向かいながら聞くにおそらくランポス?だと思ったが、生息地が違う。森丘や密林ようなエリアに生息するランポスが水没林にいるわけがないからだ。…と思ったけど、崖側で見つけたのはランポス三匹にドスランポス。すぐそばに近づくと声が聞こえた。
「ぅぅ…ぁ…」
調子の悪い部下でもいるのかな?と思ったけど違う。どこか無機質な部下とは違う何かを感じる。まるで人のような感じだ。
「…‼︎」
一握りの、ほんの少しだけど舞い降りた希望が見えたから、この方たちを保護しようと決めた。
「君たち。彼らを巣まで運んでくれるかい?」
「わかった」
二つ返事で事は進む。安全な住処に運んだあと薬草をぐりぐりと押し付ける。きっと効果はあるはずだと信じながら介抱を続けた。
「んで、僕が生き返ったわけ」
そう。僕は生き残ったのだ!恐ろしい白海竜から弟子1人欠けず生還を遂げた!幸運にもツタが絡まっている間に落ちて減速し、泥化した地面にベチャッと落ちた事で傷も少なく着地したんだろうとフロギィに聞いた。あぁ、もちろんフロギィには感謝してる。僕の呻き声を聞いてもしかしてと思い助けたらどっちも似た境遇。つまり、転生したらフロギィだった件とランポス転生の主人公であるとわかった!彼もMHを齧っているらしく、この世界で地球産の友達ができた。彼と話す内に転生特典「翻訳」をどちらも持っていると分かった。彼とは流暢に話せるが、フロギィ達の言葉はカタコトに聞こえる。弟子達の口調も考慮すると、ドスフロギィ>弟子共>フロギィ達みたいな感じで話が通じやすかなるのだろう。フロギィとはおそらく元が人間。魂が同じだから滑らかに話せる。弟子共とは科目が同じだからある程度で、フロギィ達は鳥竜種かつラプトル体系だからカタコトでも話せると考察を進めた。だって森丘にいた頃クック先生と遭遇した時何言ってるかわかんなかったもんね!なにが「クェェーー!グガガガガ!」だよ。わかんねえよ。ともかく今はフロギィの巣に居候している。フロギィ達が捕らえたルドロスを食べながらフロギィと話を進める。
「僕はそろそろお暇しようと思うよ」
「あっ、……もう行っちゃうんだ」
「まあ世話になりすぎてるしこの世界を巡って観光するのが今の目的だしな」
「……うん、わかった。群れにも伝えておくよ」
「あぁ。…ところで、一緒に行かないか?」
ドスフロギィは困惑した。彼もドスランポスののように群れへの思いがあるからだ。穏やかな彼が下した判断は…。
「…ううん。僕はここに残るよ。群れが心配なんだ」
「そっか、わかったよ。強制するつもりもないしな」
意外だな。僕と同じで世界を巡る事が憧れだと思ったのに…。まあ仕方ないか、フロギィにもフロギィの人生がある。
「じゃあもういく」
「あ、ちょっと待って、せっかくだから途中までナビゲートするよ」
「ナビゲート?」
「うん。密林と砂漠っぽい場所があるんだけどどっちにいきたいかな?」
「もちろん砂漠!」
即答したとも。密林なんて森丘に近い場所よりもガラッと環境の違う場所に行きたい!びっくりした様子だけどフロギィはOKしてくれた。太陽の光が少し眩しくなってからフロギィの巣を後にした。僕はフロギィと、弟子共は護衛のフロギィ達とコミュニケーションを交わしたが、あいつら話せるのかよ。びっくりだわ。
「この先の洞窟を抜けた先が乾燥地帯だよ」
「おっ、もう砂漠か!結構近いのな」
「この世界なら数日程度まあ近いほうかもね」
初めての東京観光のような会話をして進んでいたが、どうもうるさい。何かと思えばルドロスの声がする。しかもかなり多い。嫌な予感がしたが的中してしまった。
「…洞窟の前にルドロスの巣ができてる…前はなかったんだけども…」
「仕方ないよ。ルドロス程度ならすぐ散らせるでしょ!」
そう言って僕は突っ込んだ。中型なら小型からすれば逃げの一手を取るはずだと踏んで駆け込む。ルドロスが順調に散っていく中、洞窟から大きな影が現れた。
「ロアルドロス!」
海綿質のたてがみで水を利用する海竜種。別名水獣と呼ばれる生態系中位のモンスターだが、この個体は違う。見てわかるほどたてがみが肥大化しており、きめ細やかな穴が通常よりも多くの水を蓄えることを可能にした特異な個体である。生半可な竜では圧倒されるほどに成長したこのロアルドロスは過去ナルガクルガでさえも退けたまさに歴戦の個体だ。
「でかいな…」
特筆すべきはあのたてがみだと思う。あの発達具合は記憶の中のそれとは訳が違うし、その発達についていく体の大きさも目を見張るものがあるな。パーティの元まで引こうと目線を後ろに向けた瞬間だった。
「うぁ!」
水弾に当たった!そんな速いのかよお前のブレス!てかあいつ見るからに煽ってるじゃん!引いてもどうせそこに居座り続けるだろうしやらなきゃなやつだなこれ。バックジャンプで引いてフロギィと話す。
「やるしかないよこれ」
「そうらしいね。巣との距離的に戦力はここにいる子だけだよ」
「了解」
ランポスフロギィ共同戦線vs歴戦ロアルドロスの群れが開幕する。
まずは雑魚ちらしからだな。ルドロスから狙うとフロギィと目配せをし、同時にそれぞれの部下へと指示を出す。僕はロアルドロスの注意を引いて弟子共とフロギィに任せる。ルドロスの間を抜け、ロアルドロスと対面するが、これが怖いの何の。でかい。とにかくでかい。僕の体高の二倍はあるその体で向かってくる。しかしそれにあたる僕じゃない。機動力で負ける訳がないからサイドステップで回り込んで後ろ足に焦点を当てる。そのまま噛みついて機動力を落とそうとするが、甲高い声を出しながら突進の勢いを利用して尻尾を振るう。迫る尻尾をジャンプで交わして反対側へ回る。
「やるじゃんか」
「……………」
僕が吠えると首を向け睨みつけてくる。まあ吠えたのはただカッコつけただけなんだけどね。そんな攻防の中周りは小型達が争っていた。弟子共は脳筋修行の時教えた連携でうまくルドロスの数を減らしている。フロギィも部下との連携で戦っている。やはり統率力は鳥竜種には敵わないか、ロアルドロス。煽る目つきで睨み返すとブレスの連打。適当ではなく工夫された軌道で飛んでくる。外見も合わせて考察するに、おそらく長く生きた特別な個体だろうと察しながらも、「こっちは元人間だよ」とひらひらと躱わす。
「(ヒットアンドアウェイでヘイト買いつつ、ルドロスの数が減ったら物量でゴリ押すか…)」
後の戦術も考えながら、ルドロスの群れと距離を作るために誘導し、洞窟の入り口へと誘い込む。勝利へのルートが確実になってきたな。このままいけば…
ドスランポスは半ば戦いの中で勝利を信じて疑わなかった。しかし、誘導する中、洞窟に背を向けた時。中から飛んできたのは紫の水弾だった。
脳死で書いたらまあ長くなっちゃった。