ドス鳥竜として生きる 作:神袋
灼熱の太陽が照らす大地に前と異なる日常を刻み始めたアピポス達。古龍を下した後、ランポス達は傷が癒えた後、すぐにこの巣を発ったようだ。
それにしたって運が悪い。首領から話を聞く限りあのモンスターは古龍種らしい。世界観的にも敵うはずもないけど、勝てたのは幸運だった。理由はわからないけどね。もしかしたら俺TUEEEEEEE!なのかもしれない。へへっw、調子のっちゃっいますよぉ世界さんw。
砂原を抜け、砂漠を進み続ける一行はオアシスの位置をしっかり把握して無理をせず脚を動かす。毒狗竜との別れから砂狗竜との出会い。別れの後には出会いがある。砂狗竜との別れのを済ませた彼らに出会うのは…
「弟子共。見てみ、あれがゲネポス。」
「「「似てる」」」
兄弟みたいだなこいつら。知能の程度的には個性が出るところでもないか。そんなことよりも初めて見た!僕と同じ骨格の鳥竜種!フロギィも首領も少し体格が僕とは違うから、純粋に同じ骨格の別種は新鮮だなぁ。
砂漠色の親戚を見て感動する群れ。本来の生息地に合う保護色が役目を果たさないその異端者を遠くから観察する影が一つ、そこにはあった。
「…?こんなところに…ランポスが?」
●
水分補給もしっかりできてるし調子がいい。オアシスを見つけるコツが身についてきたかな。アプケロスも尻尾の棘さえ注意すれば向かってくるだけのお肉だし、砂漠にも適応できてきてるな〜。岩場の影にいれば暑さも和らぐね。首領と別れた後急に暑くなったけど今はそんなにだし、モンスターの体って凄いのかもな。
警戒が薄まる中、目を光らせる影は増えている。獲物を能動的に一番楽に仕留める方法は不意打ち。今まさに行動に移す影達は岩から飛び降り、似て非なる存在を巨岩を背に囲む。なんだなんだ慌てながらも感覚を研ぎ澄ます長に背後____正確には上から、竜が降る。
なになになに!?ゲネポスが落ちてきた?とりあえず落ち着いて…
「ジャリ」
「‼︎」
間一髪で降竜を躱わす。長含む四に対して、同じく四で挑む砂漠の群れは意図せぬ展開に対しても冷静に、そして荒々しく襲いかかる。
落ち着け。とりあえず距離を取ろう。囲まれてもゲネポスなら突破できる。……よし、抜けた!数は互角、麻痺毒持ちでも頭脳には敵わないだろ。
今までの勝利の鍵は間違いなく転生者の頭脳。それを自覚する長は
「「!!!!」」
両雄は相手を理解し、待ったを指示し赤い剛爪を下げるが、麻痺牙は剥き出しのまま。互いの問答が行われるが一方的に戦いの銅鑼が鳴らされる。どちらもタイマンを望み、四体四は一対一の真剣勝負が複数展開されていく。大は大、小は小と互角に渡り合う。個々の力が拮抗する中、長同士の戦いにて、天秤は傾く。
なんだよこいつ!同じ転生者だろ?仲良くしたいのに「野生を舐めるな!」とかほざきやがって。まあタイマンは望むところよ!爪のリーチは勝ってるし、ちっちゃな麻痺毒液さえ当たらなきゃいいし、むしろ誘ってその先を叩いてやる!さぁ来い!
爪の有利を活かし戦う長は勝利への確信からか部下への心配も一切なく、距離を作り麻痺ブレスを誘い続ける。彼の知る世界の知識なら正解になり得たが、残酷にも体の自由を奪われる結果を招いた。体の自由を奪われ、部下にも麻痺毒液をかける景色を最後に喉に草を押し込まれ、眠りについた。
●
ここはゲネポスの巣。洞窟の先の空間に位置するそれは巣と言うには荒れ果てている。一言で表すとギャングの拠点とも形容できるその中央には敗者として横たわる竜が眠っている。
「ん………ムニャムニャ…」
ギャーギャーうるさいな…。寝てるんだから静かにしろよ……。…………ハッ!あのドスゲネポスは!?
覚醒した長は眠りにつく前の事を思い出し飛び起きると自らが置かれた状況を理解させられる。牙を向ける竜が夥しい数を揃え、視界を埋め尽くす。「あぁ、これが敗者の末路か」とでも言いたげな長が絶望すると、勝者が高台から身を乗り出す。
「お前の目的を教えろ!」
「……っ」
「この数に勝てるとでも?」
「わかったわかった!話すよ!僕はただ旅行してるだけだ!本当にそれだけ!」
まじか。あいつ
「お前!群れはどうした!」
「群れ?多分だけど全滅してる」
「あ゛!?お前……!ドンに叩き直してもらう!いいな!」
「待って!なんで!てかドンって誰だよ!」
「黒に黄線の…って教える義務は……」
「もしかしてアピポスの?」
「あ?」
「え?」
「 る?
んのか?」
●
なんだ!いいやつじゃんか!首領と会ったことがあるらしく、彼の影響でここに留まっているらしい。ほぼ僕と同じ経験をしてきたみたいで、かなり親近感を感じる。とはいえ、環境的に僕には厳しい砂漠を抜けてさっさと次の土地に移動したいと談笑混じりに話してみると、
「これ以上進んでも無駄だぜ。海しかねぇからな!」
「え……?マジで?」
「マジ」
うっわ〜まじかよ。海渡れるような体じゃないし、船作る技術もないのに。ゲネポスがそれを知ってるってことは実際行ったことがあるってことだし、そこまでの道のりにも砂漠しか続かないんだろうな。
「……なぁ。一つ提案なんだが、俺を連れてってくれねぇか?」
「え?ん、あぁ、いいよ」
二つ返事で了承した。驚きはしないさ。別に勧誘はするつもりだったし彼の方から言ってくれるなら後ろめたさもない。でも気がかりなのは彼の想いだ。和解して話すうちに、群れの存続を自らの義務のように語っていたし、そこんところは…
「群れのことは大丈夫だ。スリーマンセルを組ませて育成済みだ」
心を読まれたみたいだな。僕と同じ経験をしてるだけあって、選択も同じみたいだ。なら話は早い。さっさと観光して
意見の一致を済ませた双長は寒い夜が明けるのを待ち、巣を発つ。昨日戦闘を繰り広げた六匹は土地勘のある者を先頭に慣れない者を気遣いながら砂原へと戻って行く。しかしながら、一度通ったから安全、など大自然には通じない。広大なオアシス、サボテンも広く生息する恵まれたそこには見合うほどに恵まれた者が訪れる。
まさかこんなにも大きなオアシスがあったなんて。ほとんど知ってる道を戻ってきたのにちょっと曲がったと思ったら雄大な自然が目に入るんだもの。来た時は運が悪かったなぁ。
青蜥蜴はため息をつくが、その嘆きは幸運であった。静かな砂漠の大地が唸り始める。その揺れに警戒を強める一行のそばの岩に地震の主は牙を向く。穿ち現るその姿はまさに悪魔。濃紺色の重殻に乾いた赤血が飛び散っている。折られた無念を糧として、復讐を誓う意志を形にした凄惨な角を敵に向ける竜は手加減容赦一切なく力を払い始める。
「塵魔!」
【戦え】
本能さんあなた生存第一じゃなかったの!?あれディアブロス!さらには二つ名!逃げさせてよこんな奴からは!
「おいお前!頼む!協力してくれ!」
「わかった!」
逃げるためなら強力は惜しまない!で、どうするの?ここら辺水とサボテンしかないし逃げ込める洞窟もないよ!?
戦う意志を燃やす蜥蜴と逃亡を思考する蜥蜴。先陣を切る姿を見て、協力の意味を悟り、戦禍へと巻き込まれていく。
ドスゲネポスくんの声は爆轟勝己っぽそう
ドスゲネポスくんの転生特典
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「共有」 いつもの