渡我被身子は救われていました。   作:imuka

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原作時系列なので大体の話数を入れておきます。
前話で書いた通り、被身子は特殊な立場にいる設定です。
今回は怒ってばっかり。

原作通り年上なのでA組の皆と関わりを持たすのが意外と大変。



雄英での2人(保須市襲撃事件編くらいまで)

 

エピソード:支えるために、私はここにいる

 

ヒーロー実技(原作8~11話)連絡を受けて保健室へ向かう被身子

 

 

授業中。

突如、被身子専用のイヤホン通信が鳴った。

 

「渡我被身子、すぐに保健室へ来なさい。」

 

リカバリーガールの声。ただならぬ緊迫感に、被身子の心臓が跳ねる。

 

「……怪我人?」

 

問いかけても、返事はなかった。

けれど、わかる。

大きな怪我——それも、ただの擦り傷じゃ済まないほどの。

 

「すみません!ちょっと抜けます!」

 

先生に告げると、被身子はすぐに教室を飛び出した。

白衣の裾を翻しながら、一秒でも早く保健室に辿り着こうと、全力で走る。

 

(嫌な予感がする——)

 

心がざわつく。

最悪の想像を振り払うように、被身子は唇を噛んだ。

 

保健室にてーー

 

ドアを開けた瞬間

そこに横たわるボロボロの出久の姿が目に飛び込んだ。

 

「っ——」

 

全身、傷だらけ。

指はあり得ないほど腫れ、骨まで砕けたような痕跡。

顔にも痛々しい痣。

身体中が悲鳴を上げている。

 

「出久くんッ!!」

 

駆け寄りそうになった——けれど、直後、リカバリーガールの声が飛んだ。

 

「渡我、落ち着きなさい。」

 

「……っ」

 

胸がギリギリと痛む。血の匂いが鼻を刺す。

でも——今は恋人ではなく、医療ヒーローとして動かなければいけない。

 

「……はい、先生。」

 

被身子は深呼吸をして、意識を切り替えた。

 

(私はこのためにここにいる——)

 

震えそうな手を抑え、白衣の袖を整えると、すぐにリカバリーガールの隣に立った。

 

「状況、教えてください。」

 

 

「リカバリーの個性を多用できない以上、完治は無理だね。けど、最低限の処置を施せば、動けるようにはなる。」

 

「骨のダメージは……?」

 

「指の骨折、それも複数箇所だね。」

 

(やっぱり!!)

 

一瞬、被身子の表情が険しくなる。でも、今は治療に専念するべき。

 

被身子は、持ち込んだ輸血パックの整理をしながら、出久の血液状態を確認した。

出血量はそこまでではないが、全身に及ぶダメージが深刻すぎる。

 

「……筋繊維の断裂も見られます。

血の巡りが滞ってる箇所は、手足の末端ですね……」

 

「それじゃあ、そこに重点的にリカバリーをかけるようかね。」

 

被身子は頷きながら、包帯を巻き、傷口を処置する。

手際は迷いなく、確実に。

 

(……これ以上、出久くんが傷つくのを見たくない。)

 

けれど、きっと彼はまた戦う。そして、また無茶をする。

 

(なら、せめて、次の無茶を少しでも軽くできるように——)

 

そう思いながら、被身子は治療を続けた。

 

 

治療がひと段落した頃。

保健室の奥で、出久の傍に立つオールマイトの姿が目に入った。

 

「……オールマイト。」

 

低い声で名前を呼ぶ。オールマイトがゆっくりと振り返った。

 

「渡我少女、すまない……」

 

その言葉に、被身子は眉をひそめる。

 

「何が“すまない”なんですか?」

 

怒りを抑えながら、静かに詰め寄る。

 

「どうして——どうして、こんなにボロボロになるまで無茶をさせたんですか!?」

 

オールマイトは何も言わなかった。

 

「無茶をするのは、出久くんの悪い癖なんです!でも、それを止めるのがヒーローでしょう!?

貴方が“無個性の少年に力を与えた”ってことは、ちゃんと止めて、支えて、守るべきでしょう!?

なのに——」

 

出久の傷だらけの手を、優しく包む。

 

「こんなになるまで、見ているだけだったんですか……?」

 

声が震えた。涙がこぼれそうになるのを、必死に堪えた。

 

「私もヒーローです。

だから、“戦い”が無傷で済まないこともわかってる。

でも……出久くんが、無茶をしていい理由にはならない。」

 

被身子の瞳が鋭くなる。

 

「ヒーローが、ヒーローを守らないなんて、あっちゃいけない。」

 

その言葉に、オールマイトは苦しそうに顔を伏せた。

 

「……すまない。彼の気持ちを組んでやりたと中断するのを躊躇した……」

 

「もういいです。」

 

被身子は深く息を吐き、目を閉じた。

そして、出久の髪をそっと撫でながら、微笑む。

 

「……次からは、あたしが止めるので。」

 

オールマイトが顔を上げる。

 

「大切な人がこんなになるの、もう見たくないから。」

 

そう言い残し、被身子はそっと出久の手を離した。

 

ーー出久が意識を取り戻したのは夕方だった。

出久の視界の端に白衣を着ている被身子が見え、自分の状態を忘れて声を出す。

 

「……被身子ちゃん……?」

 

「出久くんッ」

 

被身子は意識を取り戻した出久の元へ駆け寄り状態を確認する。

 

「今日はもうリカバリーガール先生の治癒は使えない。出久くんの身体が持たないから。」

 

「うん……。」

 

意識レベルを含めた記憶の混濁などないかを確認していく被身子。その目つきは明らかに怒りがあった。

 

「お家に帰ったらお説教だからね。」

 

 

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エピソード:戦場に立つ、支えるヒーロー

 

USJ襲撃(原作13話~21話)異常事態に自分の役割と我儘を通す被身子

 

 

その日、被身子はリカバリーガール特別講習を受けるため、通常授業を抜けて保健室の奥にある特別室にいた。

 

「今日は“ヒーロー活動中の医療判断”をテーマにするよ。」

 

「よろしくお願いします!」

 

隣には、活動上限を迎えてトゥルーフォームになったオールマイト。

さらに、そのオールマイトを心配してやってきた根津校長までいるという、妙に豪華な顔ぶれだった。

 

「うむ!せっかくだから、少しの間わたしも校長も現場で見た“実際の判断ミス”とかも教えてあげるからねぇ!」

 

「はいっ!」

 

ノートを手に、真剣な眼差しの被身子。

”血を知る”だけじゃなく、その場でどう動くかを考える医療ヒーローを目指すための、大事な勉強会だった。

 

途中オールマイトは授業へと戻っていったがそれでもNo.1ヒーローの意見はとても貴重で、ためになるものだった。ノートをまとめ、次の通常授業は出ようと立ち上がろうとしたそんな時。

 

通信が入り、保健室の空気が凍りついた。

 

「USJに敵ヴィランが侵入。生徒多数巻き込まれています。」

 

「「「!?」」」

 

被身子が驚きで固まってしまうが、校長は即座に教師陣に連絡を入れ、即応部隊の編成を指示していく。

 

その様子を見ていた被身子は放心から即意識を切り替え、すかさず言った。

 

「あたしも行きます!」

 

「……」

 

校長が目を細める。

 

「医療ヒーローが現場に必要です。

しかも、USJに即応できる医療従事者は学校にはいませんよね?」

 

「しかし——」

 

「先生たちは戦うのが役目。でも、戦う人を支えるのがあたしの役目です!」

 

リカバリーガールが「よく言った」とニッコリ笑う。

 

「それに……」

 

「……それに?」

 

「出久くんがいるんです。

きっとまた、無茶してます。あたしがいなきゃ、またボロボロになります!」

 

「……」

 

根津校長は、しばし被身子の瞳を見つめた。

そこには、ただの恋愛感情ではなく、ヒーローとしての責任と覚悟がしっかり宿っていた。

 

「……リカバリーガール、どう思いますか?」

 

「この子なら大丈夫だよ。こう見えても現場経験は意外と積んでるからねぇ。」

 

「……わかりました。」

 

根津校長はゆっくり頷いた。

 

「ヒーロー科2年生、渡我被身子に医療ヒーロー補助としての同行を認める。ただし——生徒を守ること、そして自分自身を守ることを忘れないように。」

 

「ありがとうございます!」

 

 

ヘアゴムを外し、ツインテをハイポニーテールにまとめる。ヒーロースーツを着ている暇はないので制服の上から白衣を羽織り、腰には輸血パックと救急ツールを満載したポーチ。

 

「……絶対に無事でいて、出久くん。」

 

祈るように呟くと、被身子は教師たちと共にUSJへ向かった——。

 

 

現場に到着

USJに着くなり、ヴィランと教師陣が激突する音が響く。

被身子はまず、入口で倒れている13号を診る。ある程度の応急手当は自分で担当、重傷者はリカバリーガール待ち。

 

「ブラッディ・エイド!あっちをお願い!」

 

「了解です!」

 

ミッドナイトが指す先にはイレイザーが倒れており、駆け寄る。13号よりも怪我の状態が良くない。すぐに止血をして骨の状態を調べていく。

戦場で、医療ヒーローとして動く。それはもう、“憧れ”じゃなく、責任だった。

 

そして見つけた、大切な人。崩れた地面の先に、出久の背中が見えた。

その姿はまたしてもボロボロ。

 

「出久くん!!」

 

イレイザーの手当が終わると被身子は駆け寄り、出久の傷を一瞬で把握。

 

(関節破損……筋繊維断裂……また無茶したんだね。)

 

「ほんとバカ!なんで毎回こうなるの!!」

 

叱る声が震える。しかし、その手は優しく傷を包む。

 

「でも、間に合ってよかった。」

 

手足がグチャグチャな出久を抱きしめながら、

“どんなに無茶しても、絶対に見捨てない”と、改めて心に誓った。

 

 

その後、ヴィランは退けられたが、生徒たちはみな疲弊していた。幸いなのが怪我をしたのは出久のみ。

 

被身子は生徒全員を最後まで診て回った。

傷ついた身体も、震える心も——血を知る医療ヒーローとして、すべて抱きしめるように。

 

 

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エピソード:雄英体育祭終了後の出久と被身子

 

雄英体育祭後(原作44話)出久にとってこの休校期間は“休み”ではなく“覚悟の時間”だった。

 

 

「……その、被身子ちゃん……。」

 

「言いたいことはわかるけど……。言い訳する前に、まずベッドに横になって?」

 

「……はい。」

 

“治療”と“お説教”の時間、スタート。

被身子は、出久の手を取り、指の傷を一つずつ確認する。リカバリーガールの診断書と照らし合わせながらゆっくりと確認していく。

 

折れた指の数、細かい裂傷、内出血――。

治療しながら、被身子の眉が少しずつ寄っていく。

 

そして、静かに、でもはっきりと言った。

 

「ねぇ、出久くん。これで無茶してないって言える?」

 

「……無茶は……してる、とは思うけど……。でも、勝ちたかったし……!」

 

被身子「うん、それはわかる。君はすごく頑張った。

それは本当にすごいこと。」

 

被身子は手を止めず、優しくでも強い視線を出久に向ける。

 

「でもね、君の“無茶”はもう限界突破してるの。リカバリーガール先生に警告されたでしょ?

ここで止めなかったら、もっと大きな代償を払うことになるよ。」

 

完全に消沈していた出久だったが被身子は褒めるべきところは、しっかり褒める。

 

「……それでも。」

 

「すごかったよ、出久くん。傷の具合から見ても少しずつだけど力のコントロールができてきてる。その中で全力を出して、それでも前に進もうとした君は、間違いなく“輝いてた”。」

 

「君は、誰よりもヒーローだったよ。」

 

出久「……!?」

 

涙目になる出久。

 

出久「……ありがとう……。ーーでも、やっぱり被身子ちゃんは……怒ってるんだよね……?」

 

被身子「当たり前でしょ!!」

 

「こんなボロボロになるまで自分の体を使い潰すヒーローなんて、誰が安心して応援できるの!?体育祭が終わって話を聞いた私がどれだけ心配したか!!」

 

「君を大切に思ってる人たちのこと、ちゃんと考えなきゃダメ!!」

 

「それとも、君の一番のファンである私はもう応援できなくなっちゃうのかな?」

 

出久、言葉を詰まらせる。

 

「……そんなこと……あるわけないよ!!」

 

「僕は、誰よりもヒーローになりたいし……。でも、被身子ちゃんに応援してほしいって、ずっと思ってる……!」

 

「だから……。……次からは、もう少しだけ……無茶しないようにする……!」

 

被身子、満足そうに微笑む

 

「……よろしい。」

 

「じゃあ、ちゃんとご褒美もあげないとね。ーー頑張ったね、出久くん。」

 

被身子は、出久の手をそっと取り、まだ傷が癒えきらない指に、そっとキスを落とす。

 

「でも、次は自分を大事にしてね。」

 

 

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エピソード:無理矢理にでも振り向かせる

 

ステインの事件から数日後(原作57話)いつも通りではいられない被身子

 

 

ようやく退院した出久が、自宅(二人の部屋)に戻った時のことだった。

 

「……ただいま。」

 

ぎこちなくドアを開けた瞬間、部屋の奥から鬼の形相の被身子が現れる。

 

「……」

 

「ひ、被身子ちゃん……?」

 

「おかえり、じゃないよ。」

 

「ひ、被身子ちゃん……?」

 

その呼びかけに、パチンとスイッチが入る。

 

「君、何考えてるの!?もう、いい加減にして!!」

 

出久が言い訳する前に、真正面からぶつける怒り。

いつも甘やかしてくれる彼女じゃない。

今ここにいるのは、本気で彼を大切に想う“渡我被身子”だった。

 

「ヒーローになるって夢を追いかけるのは、

わたしだって応援してる!だって、ヒーローになりたい君が好きなんだから!!」

 

「……!」

 

「でもね、だからって自分の身体を壊してまで突っ走るのは違うでしょ!?

夢を叶える前に身体がボロボロになったら、本当にヒーローになれなくなるんだよ!?」

 

出久は俯いたまま、何も言えない。

全てが図星だから。

 

「君はさ、誰かを救いたくて走ってるんだろうけど……

その走る先にわたしの気持ちが置き去りにされてるの、気づいてる?」

 

「……ごめん。」

 

「謝るだけじゃ、もう許せない。」

 

涙目のまま、被身子は震える手で自分の制服のボタンを外し始めた。

 

「えっ、ええ!?な、何してるの!?」

 

「もう戻れなくしてやる。わたし以外見えないようにしてやる。もう、ヒーローなんて二の次にしてやる。」

 

「え、えぇぇぇぇ!?!」

 

「だってさ。」

 

ボタンを外した制服の隙間から覗く、首筋と鎖骨。そこに、過去に何度かつけられた出久の痕が、薄っすら残っている。

 

「きみの身体に、あたしの全部を刻み込めば、少しは、自分がどれだけ大事にされてるかわかるんじゃない?」

 

「そ、それはさすがに……!」

 

「わたし、本気だから。」

 

そう言って、ベッドへ押し倒す。出久の心臓が、爆発しそうに跳ねる。

そこまでされて出久はようやく被身子の顔をはっきりと見る。グチャグチャの不安に駆られた顔。ポタポタと涙を出久に降り注ぎながら、手は完全に止まっていた。

 

「ーーーーヒーローになる夢を捨てろなんて言えない…君が目指してるヒーローが、わたしが一番最初に恋した君なんだから。」

 

「被身子ちゃん……」

 

「ヒーローである君も、わたしだけの君も、どっちも大好きなの。」

 

「……っ!」

 

「でもね、大事な人がボロボロになっていくのを笑って見てられるほど、わたし強くないんだよ。」

 

被身子は、自分の首筋に残る出久の痕を指でなぞる。

 

「だから何度でも伝えるし、何度でも止めるし、大事な人には、わたしがどれだけ大事にしてるか、ちゃんとわかってもらう。」

 

「……」

 

「言葉でも、行動でも、全部使って。

好きが重いとか、もう関係ない。君はわたしの彼氏で、わたしの最高のヒーローなんだから。」

 

「……っ。」

 

涙がこみ上げる出久。でも、それを見て被身子は笑った。

 

「もう、泣かないでよ。大好きなヒーローが、泣き虫じゃ格好つかないんだから。」

 

「……うん。」

 

「わたしが支えるから。絶対、無茶は止めるから。だから、ヒーローにもなるし、わたしだけの君にもなって。どっちも諦めないで。」

 

「……ありがとう。被身子ちゃん。」

 

「……大好きだよ。」

 

抱きしめた腕の力に、全部の想いを込める。そのまま、何度も何度もキスをして。

それは最初は優しく、次第に涙混じりで。

どちらからともなく、強く、深く、愛を刻み込んでいく。

 

(君がわたしを大事にするくらい、わたしも君を大事にするんだから。だから、無茶なんてさせない。)

 

ヒーローとしても、恋人としても。どっちも守る覚悟を決めた夜だった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

エピソード:愛も怒りも、全部まとめて

 

終わったと思った?終わるわけ無いよね?

 

 

「……はぁ、叫びすぎて喉乾いた。」

 

一通りの説教と涙と包容が終わり、ようやく出久の上から降りた被身子。

出久はその様子に少しホッとする。

 

「な、なんとか無事に済んだ……のかな?」

 

「……さて、と。」

 

「……?」

 

被身子がふっと笑う。

けれど、その目にはまだ怒りの火が消えていない。

 

「説教は終わったけど——わたしの“好き”はまだ全然伝わってないよね?」

 

「え、ええっ!?い、今から!?今でなくても——」

 

「今じゃないとダメなの。」

 

そう言って、出久を再びベッドへ押し倒す。さっきまでの涙目はどこへやら、

真剣で、でもちょっとイタズラっぽい“いつもの被身子スマイル”。

 

「さっきも言ったよね。君がどれだけ大事にされてるか、身体にちゃんと刻み込むって。」

 

「えっ……ま、待って!!僕、まだ心の準備が——」

 

「わたしは準備万端です♡」

 

その瞬間、被身子は出久の首筋に軽く吸い付く。優しく舌を這わせ、ちゅっと音を立てて痕を残す。

 

「ひぃっ!?!?」

 

「ふふ、可愛い声♡ほんとに君は、隅から隅までわたしの大好きな出久くんだね。」

 

「ちょ、ちょっと待って……これ、怒ってるんじゃ……?」

 

「怒ってるけど、好きは好きだから♡“好き”と“怒り”を同時にぶつけるのが、わたし流だもん。」

 

そう言って、今度は制服のボタンをひとつずつ外し始める。

ゆっくり、でも迷いなく。

 

「ひゃっ!?えっ!?!?待って待って待って!!」

 

「ダメ。今日、わたしの“好き”を身体で教えてあげる。」

 

被身子は出久の手を自分の胸にそっと誘導。

 

「……ほら。

怒ってるけど、君に触れられると、すごく安心するんだよ?

だから君も、わたしに触れて、安心して。」

 

「……あ、あの……っ!!」

 

「ふふ、出久くんってほんとわかりやすい♡可愛くて、好きすぎて困るなぁ。」

 

困るなぁと言いつつ、手はどんどん過激な場所へ。

制服の下、肌に直接触れる手。その感触に、出久の思考は完全停止。

 

「はぅ……っ」

 

「ん〜?どうしたの?もう、視界チカチカしてる?」

 

「し、してる……!!」

 

「じゃあもっと、チカチカしちゃえ♡」

 

そのまま何度も何度も、キスを繰り返す。触れて、離れて、また触れて。

肌と肌が、互いの熱を伝え合う。

 

「なんで、こ…んなに手慣れて…るの!」

 

「だって、わたしは血のスペシャリストだもん。」

 

「えっ?」

 

「君がどこを触られてドキドキするか、赤くなるか、全部、血の巡りでわかるんだよ。」

 

「そ、そんなの、ズルい……!」

 

「ズルくてもいいの。だって、君はわたしのものなんだから。」

 

その言葉の重さと愛の強さに、出久の視界は何度も白く弾け飛んだ。

 

どれくらいの時間が経ったのか、わからない。

気がつけば、二人ともぐちゃぐちゃに抱き合ったまま、シーツの上で息を切らしていた。

 

「……もう……無理……」

 

出久は真っ赤になりながら、ぐったりと横になる。

 

「ふふ♡これで少しは、わたしの気持ち、身体に染み込んだ?」

 

「……もう充分……伝わったと思う……」

 

「足りないけど、今日はこれくらいで許してあげる。」

 

「ひぃ……」

 

「でもね、無茶したら——何度でもお仕置きするからね♡」

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

絶対的な愛と恐怖が刻み込まれた、忘れられない夜だった——。

 

 





<渡我被身子からみたオールマイト>
出久への力の譲渡の話を聞くまでは純粋にすごい人だと認識していたし、憧れるレベルではあった。ーーでもどんどん無茶がひどくなっていく出久に、彼がいなければ出久は夢を追えなかったかもしれないし、彼がいなければ出久はこんなにもボロボロにならなかったと様々な感情がオールマイトにある。
オールマイトが教師として教壇に上がったときの内容は、実技と経験を語る以外は正直微妙と評価している。


直接的な内容じゃなければ大丈夫なんでしたっけ?
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