モンスターハンターワイルズ完全補完ガイド ~ナタはアルシュベルドにエロ本を破られている~ 作:ナ月(なつき)
・チャプター『源に帰ったアルシュベルド』
アルシュベルドVSレ・ダウの激戦が繰り広げられる中、ナタが石ころ片手に殴りかかろうとしたシーンを振り返る
時は戻り、まだ平和な村だった頃の、ナタとタシンの会話。
「ナタ。そんなところにいたのか」
「おじさん」
「さ、今週の『えちちマガジン』だ。家に帰ってから読みなさい」
「わぁ、おじさん、ありがとう! 僕、おじさんが持ってきてくれる『えちちマガジン』。1巻から大事にしてるんだよ!」
「もう52巻目だぞ。最初の巻なんて、もうガピガピになってるんじゃないか?」
「あはは、それだけ、この『えちちマガジン』は最高なんだ! でも、僕リョナ展開は苦手なんだ」
「そんな! む、無抵抗の女性をいいようにするのがいいんじゃないか」
「うーん、でもなんか、罪悪感が湧いちゃうんだよね。やっぱり、大人のお姉さんのほうが僕は好きだな!」
「ナタ……」
「それじゃ、早速読んでくるね!」
そう言って、マガジンを懐に隠し、走り去るナタ。
「いつか、言えるだろうか。私たち守人が、その『えちちマガジン』の作者なんだ、と……」
◆◆◆
【ナタは村にエロ本を隠していた】
◆◆◆
「お前のせいで、村がッ!!!! 村、がァッッッ!!!!!」
「落ち着け、ナタ! くそっ、こいつ、目が血走ってやがる!」
ナタは村にエロ本を隠している。これはもはや確定事項。
このときのナタの状況について整理しよう。
まず『ナタにとって大事な人はみんな生きている』。
なぜなら、タシンと感動の再会を果たしたとき、少しも悲しむ素振りを見せなかったからだ。「○○お兄さんは? ○○ちゃんは?」とか、そういうことを、一切聞かなかった。なので、少なくとも「再会できず悲しむ人はいなかった」=「ナタにとって大事な人は生きている」ことが分かる。
家族全員無事で、家を壊されただけ。
さらに、『アルシュベルドに村を破壊されて数年以上経っている』。これはオープニングムービーで説明されている通りだ。
数年かけて、色褪せることない怒り。
ナタは、アルシュベルドVSレ・ダウに、ステゴロで割って入ろうとした。
……いや、するか? 普通。
例えるならば、数年前マンモスに家を壊されて、「手前、よくも!」って、マンモス相手に素手で殴りかかるようなものだ。
しないだろ。いくら子供とはいえ、さすがにしないよ。この激情はやっぱり異常だ。
そこで、俺のスーパーコンピューターはこう結論付けた。
『ナタは家にエロ本を隠していたんだ』。
そこで、毎日最高のオナニーをしていたに違いない。
なんの憂いもなく、気兼ねもなく、まだ働くことを強要されない少年がゆえの最高のオナニーライフ。
それが、突如として打ち砕かれた。
アルシュベルドにエロ本を滅ぼされ、ナタは苦しい日々を送った。
「えちちマガジン……えちちマガジン……」
もう、あの幸福な時間は戻らない。
あのページを思い出して握るも満足いくぴゅっぴゅができず、砂に絵を描いても満足にヌケない。
日に日に募るフラストレーション。そう、ナタの怒りは数年の時を経て鎮まるどころか、激化していたのだ。
だから、アルシュベルドを見たときに、我を忘れて挑もうとした。
「お前のせいで、村(大義名分)がッ!!!! 村(大義名分)、がァッッッ!!!!!」
誰がこの少年の怒りを妨げられようか?
いいや、妨げられるものなどない。
モンスターに罪はない。悪意が無いのだから。しかし、少年の怒りの矛先はアルシュベルドに向かわざるを得ない。
「お願い、ハンターさん、あいつを苦しみの果てにブチ殺して!」
すべてを理解し、ハンターは頷く。
「ああ、任せておけ」
「見ていてね、ハンターがナニをするのかを」
俺はハンター。時間を巻き戻す力はない。
だが、せめてアルシュベルドを狩り、『えちちマガジン』の手向けにしよう。
ナタの気持ちを正当防衛ハンティングで代弁してやる。
──そう思えば、少しは納得できないだろうか?
納得できたのなら、私がこうして筆を取った甲斐があるというものだ。
他にも、真面目なものからバカなことまで、どんどんモンスターハンターワイルズを保管していこうと思う。
最後まで読んでくれてありがとう。
よき狩りライフを。