東方備忘録   作:電子の妖精になりたい

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ルーミア、原作では「そーなのかー」ってあんまり言ってないけど、この作品では多用させる事にします。
そっちの方が書きやすいんだ。

せっかくのルーミアだし、まどろみ消失の小ネタ入れましたけどわかるのかな?いやわからないだろう。けど、自己満で入れました(ふんす)


第119季/夏 人間の消える道with名前が光って意味の宵闇妖怪

 華扇と飲んだ翌日、羅万館を早めに閉め、昨晩飲み干したお酒を補充するために、里に何本か買った帰りです。

 

 日が沈み、夜になり、さっさと家に帰ろうとしたところ、やけに違和感を覚えます。

 …あぁ、昨晩は小望月でしたので、今晩は満月のはずですが、月が少しばかり欠けて歪んでますね。

 

 それと同時に幻想郷全体に結界を掛けられたのを感じます。いえ、違いますね、同時ではなく、結界そのものが欠けた月を投影しているのでしょう。本物の月が隠されたわけですから、妖怪たちにとっては大きな問題でしょうね。

 月を隠すほどの度量と隠す必要がある者を思い浮かべます。私の知り合いに月を隠すほどの実力を持つ者は何人か思い当たりますが、みんなわざわざ月を隠す必要があるとは思えません。新しく幻想郷に来た誰かのせいでしょうか。それほどの実力者が幻想入りするならば、私や友人たちが気づかない筈がなく…となるとやはり、私の知り合い?

 

 

 里から私の家まで歩く中で、博麗の巫女が友人と共に飛んでいるのを見かけます。ふむ、どうやらこの現象を異変認定したようですね。

 

 それから半刻ほど歩いていると、

「貴女は食べてもいい人間?」

 唐突にどこからともなく可愛らしい声が聞こえます。

 こんなことをする妖怪は幻想郷でも数えるほどしかいません。

 

「ルーミア、こんばんわ。元気にしてましたか?」

 そこにいたのは宵闇の妖怪であるルーミア。

「おお、夕雲!そちらこそ元気なのかー?」

「おかげさまで元気ですよ。後、言いつけ通りに食べていいかをちゃんと聞いてるのですね。感心です」

「うん、約束通り、毎回聞いてる。だからそろそろ夕雲のご飯食べに羅万館に行ってもいいー?」

「勿論です、約束ですもんね。あとそろそろと言いながら前回来たのは三日前ですよ。」

「あれ?そーだったけ?まぁ、いいや。早く羅万館に行こう!」と道を先導するルーミアでしたが…

 

 その瞬間、真夜中に悲鳴が響き渡ります。

 ぼんやりとしたまどろみが消え失せるのを感じ、急いで悲鳴が聞こえた場に急行します。すると、八目鰻屋台の店主であるミスティア・ローレライがその場で蹲っていました。

 

 話を聞くと、満月で気が大きくなったミスティアは人間を襲ってやろうと、近くを待ち構えてた結果、人間と妖怪のペアに四度も遭遇し、4組全員に弾幕ごっこで戦いを挑んだが、敗北したとのこと。

 そうして、意気消沈しながら屋台に戻ってみれば、八目鰻やおでんの材料を盗まれ、ヤツメウナギと書かれた提灯はボロボロになり、屋台の背骨は破壊され、椅子は足が折れるなど、つい少し前の屋台は姿形が見るまでもなく、ボロボロになっていた。先程の悲鳴はそのショックから出たらしいですね。

 

「もう、踏んだり蹴ったり!貴女たち私の八つ当たりに付き合ってもらうよ!」と私たちにも弾幕ごっこを仕掛けてきました。

 

 …どう考えても自業自得でしょうに。

 

 

 

 

 

「鳥符【ヒューマンケージ】!」

 ミスティアが、弾幕ごっこの開始を告げるかのように、勢いよくスペルカードを宣言します。宣言が終わるのと同時に彼女の背後から、漆黒の翼を持つ一羽の鳥が飛び出しました。鳥は、鋭い鳴き声を上げながら、私たちを囲むように飛び回り始め、その軌跡に沿い、無数の弾幕が放たれます。

 

 ですが、避けるのは簡単です。弾幕は直線的で見切るのは容易く、速度も遅い。おそらくは鳥の籠に人を入れるのをモチーフにしているのでしょうか?こちらの動きを制限するためのスペルカードですね。

 このスペルカードは他の弾幕と合わせることで厄介になるでしょうに、それに気づかず、真っ先に使うとは…余程頭に血が上っているのでしょうか?多分、私たちを圧倒しようとして、焦りのあまり力任せに弾幕を放っています。

 

 避けながらルーミアがスペルカードを発動。

「夜符【ミッドナイトバード】」

 鳥が羽ばたくように左右交互に翼のような弾幕をばら撒き、真ん中で動かず避けようとしても赤巨弾が放たれることから大きく動かされるスペルカードです。

 それでは、私も

「回符【オールサーキュレーション】

 桃から赤、黄と緑と続き、白や青の色彩を持つ光弾がミスティアを中心に円を描き、回転しながら、範囲を狭めます。

「あっ…!」

 ミスティアの体がふらつき、彼女の動きが止まる。そして、そのまま地面へと落ちていきました。

 

 

 

 

 

 

「うわーん、また負けた!」

 どうやら怪我もなく、元気なようで安心です。ですが、肉体面はともかく、精神面ではミスティアが傷ついてるのが見て取れます。

 妖怪は肉体はすぐ戻せますが、精神は破損すると治るまでに相当な時間がかかります。人間が肉体で生きるのならば、妖怪は精神で生きる物ですからね。

 

 …ふぅむ、流石に不憫で、見てるこっちの心が痛みますね。

 

「ミスティア、大丈夫ですか?」

 彼女は地べたに膝を抱え込んで、落ち込んでます。

「ミスティア、ごめんなさいね。代わりに私の家で美味しいご飯をご馳走しますよ」

「…」

「今なら、八目鰻やその他の具材も取り返せるかも」

「……」

「じゃあ、これで最後!今なら無償で屋台を直してあげます」

「………ん」

 まだ目が赤らんでいますが、ミスティアはこくりと頷きました。

 

「でも、夕雲。八目鰻を盗まれてから相当時間経ってるのに大丈夫なのかー」とルーミアが聞いてきます。

 

「大丈夫ですよ。八目鰻を盗む様な人、一人ぐらいしかいませんし」

 大体、目星はついていますと言いながら、ミスティアの方を向きます。

「とりあえずはここを離れて、私の家に行きませんか?」

 ミスティアは無言で頷き、私たちはこの場を離れました。

 

 そうして、この場からは誰もいなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~んふんふん、鰻、鰻、美味しい八目鰻〜」

 私、博麗霊夢はかなりご機嫌だ。黒幕である蓬莱人を倒し、張りぼての月も消え、本来の月を取り戻した。

 つまるところ、めんどくさい異変が終わり、残るは関係者で行う宴会のみ、と言うこと。

 その宴会は参加者がお酒と肴を持ち込んで行うため、酒代が嵩み、神社の懐事情を圧迫してたんだけど…

 私は今回、自費を使うことなく、ただでお酒を飲むことが出来る!

 よくわからないが、襲ってきた夜鳥が八目鰻とおでんの材料、しかも雀酒を持っていたため、それを頂いたのだ。それを料理し、宴会に出せば、誰も文句は言わないだろう。

 

 宴会はちょうど後1時間ぐらいで始まるだろう、勘だが、今日の宴はきっと良い月見酒になるに違いない。

 それまでに何品か作らなければ…

 そう思い、奪…頂いた戦果品を台所に置き、目を離したしばらくの間。

 

 私の戦利品は雲の様に消えていた。

「?????」

 かなり探したが、見つけられず、私は泣く泣く秘蔵のお酒を開け、酒のツマミを人間の里に買いに行くことになった。

 

 私の戦果品を盗むなんて…許せん。




本格的な戦闘は10話にあります。今回はお試しで書いてみたんですが…難い。
次回は三日後の午後六時です。
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