東方備忘録   作:電子の妖精になりたい

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遅くなった理由は、「設定上通るか、通らないか」をずっと考えていたからです。いや、ほんと、白楼剣の解釈が…普通に考えたら仏教なんでしょうけど、日本神話風にアレンジが難しく…それに気質 is 何…


番外 千数百年前、黄泉の国にて③

 私は治療を終え、折れた石刀を傍らに置いて、まだ地面に横たわっている彼を見下ろしました。

 

「終わりましたよ。もう動けるはずです」

 

 男……いや、剣バカは、ひどく重そうに瞼を開けました。視界がはっきりするのと同時に、彼は自分の掌――空っぽになった、折れた柄さえ握っていない手を見つめ、苦虫を噛み潰したような顔をしました。

 

「ったく。手加減って言葉を知らないのか、お前は」

 

「うっ。貴方が思ったよりも強かったからですよ! 私に力を振るわせたのがすごいんです、誇っても良いですよ」

 

 思わず、支離滅裂な言い訳が口を衝いて出ました。予定なら、須佐之男という武の頂を垣間見せて、少しばかり揶揄ってやるつもりだったのですが、あろうことか本気で力を振るい、挙句に大人気なくねじ伏せてしまうなんて。今の言葉は、自身の未熟さと羞恥心からくる、単なる混乱の産物でした。うぅ…恥ずかしい。

 

 ですが、動揺の裏側で、私の興味はかつてないほどに掻き立てられていました。彼の胸元で淡く明滅する「半分」の霊体。私の腕がどれほど鈍っていたとしても、須佐之男を宿した私に刃を届かせ、本気の反撃を強いたこの魂の正体は何なのか。万物を産み落とし、その成長を一喜一憂して眺めていた神代時代の瑞々しい好奇心が、数万年ぶりに私の内で疼きます。

 

 …たまにはこの気持ちの赴くままに動いてもいいでしょう。となると、交渉手段。おや…ちょうどいいのがありますね。まぁ、私が壊したんですけど。

 

「で、剣はどうするんです? まぁまぁの名刀だったようですが、宛てはあるんです? 今の状態だと青い女とやらに会えば、解剖されちゃいますよ」

 

「わかってるさ。だが、鈍らを持っていても同じだ。せめて、あの死体だけでも斬れればいいんだが」

 

 沈み込む彼に、私は自分でも驚くほど甘い「取引」を持ちかけました。

 

「取引をしましょう、剣バカ。貴方のその特異な魂魄……『半人半霊』という在り方を、私に詳しく調べさせてください。その代わり、私が知る限り、この世で最も強い剣を渡しましょう」

 

「剣バカって…いや、それよりも最強の……剣?」

 

「ええ。死と生の両面の性質を宿し、気質…と言っても貴方にはわからないでしょうし…簡単に言えば、そのモノの性質を絶つ剣です」

 

 内心で、私はその剣にこう名付けています。不変絶対許さない剣。

 

 その剣は神殺しと神産みを同時に為したモノ。つまり、破壊と創造*1を行った剣。今の存在を斬り、別の存在へと変化させる…私の権能と少し似ている剣です。ですので、とても想像しやすく、作りやすい。

 

 私は足元の石を一つ手に取りました。それは天土初発の時から存在し、万物を形作る材料となったモノ。持ち主の意志に呼応し、その性質も形も変幻自在に変える、創世の欠片。そこに、私の記憶に刻まれた「その剣」の残像を流し込みます。姿を変えたそれを、剣バカに差し出します。

 

「とはいえ、これは写し。宿っている神もいませんし、物理的な切れ味もさほど良くありません。ですが、貴方が修行を積めば、いつかはありとあらゆるを切り裂く事が出来ますよ」

 

 促されるまま、彼がその重厚な柄を握った瞬間、眩い光が弾け、私が創ったはずの儀礼的な剣が、流麗な反りを持つ刀へと姿を変えました。

 

 不可解な現象に、思わず目を瞬かせます。

 

 剣が、彼の力を……いえ、彼そのものを、あまりにも早く、深く「主」として受け入れた。ただの写しが、まるで再会を喜ぶかのように、瞬時に彼の一部と同化した?偶像に神が宿る…いえ、私が以前作った時は何も起こらなかった。

 

「……っ、なんだ、この馴染み方は……」

 

 剣バカは驚愕に目を見開き、ふらりと立ち上がりました。そして、何かに取り憑かれたような目で私を見ます。

 

「試し切りをさせてくれないか?」

 

 私は無言で、最強硬度の石兵を創り出し、かつての黄泉軍の一人を憑依させます。剣バカはゆっくりと腰を落とし、刀を構えました。型などありません。ですが、その立ち居振る舞いは、あるべき場所にあるべき力が満ちた、見事な剣理。

 

「ふっ!」

 

 鋭い呼気と共に、一閃。

 金属音も衝撃波もありません。ただ、静止した黄泉の空気を切り裂く、澄み切った一音。私が創り出した石兵は、その防御ごと、縦一文字に分かたれました。

 

「…………」

 

 彼は重みを確認するように、無造作に刀を一振りし、静かに納刀の構えを取る。その立ち姿は、先ほどまで「剣バカ」と揶揄っていた未熟な男のそれではなく、まるで数千年の時を剣と共に歩んできた達人のような、完成された静寂を纏っていました。

 

 ……あぁ、認めざるを得ません。あり得ないのです。私が記憶の端材から編み上げた、神も霊も宿らぬはずのレプリカを、どうすればこんなにも早く気質を斬る刃へと昇華できるのか。

 

 彼は、まるで知っていたかのようにかの神剣を使いこなした。まるで、過去に使っていたかのように。

 

 …きっと、私はこの微睡みのような温もりに甘んじていたのでしょう。

 

 橘の花が香るこの静止した墓所での、他愛もない会話の応酬。それが、あまりにも懐かしく、あまりにも心地よすぎて。私は知らず知らずのうちに、彼という存在がもたらす「かつての日常」という名の毒に、その身を浸していたのかもしれません。

 

 ですが、いつまでも夢を見ているわけにはいきません。

 

 私の目の前にいるのは、単なる剣バカなどではありません。黄泉神たる私の眼ですら、その魂の半分がどこから来たのかを読み解くことができない。この安らぎを、ただの追憶として捨て置くには、彼はあまりにも「不可解」すぎる。

 

 やはり、私は知らねばなりません。半人半霊の剣豪である彼――妖忌の正体を。

 

 

◇◇◇

 

 

 石兵が崩れ去った後の静寂は、重苦しいほどに長く続いた。俺は肩で息をしながら、手の中の剣……いや、勝手に姿を変えたこの刀の重みを感じていた。

 

 不思議な感覚だ。ついさっきまで握っていた刀とは次元が違う。掌に吸い付くような柄の感触、腕の延長線上にあるかのような重心の安定。初めて握ったはずなのに、俺の身体はこの刀の「振り方」を、敵を断つための「理」を、最初から知っていたかのように動いた。

 

 だが、それ以上に異質(心配)だったのは、俺の正面に立ち尽くしている女――ヨモツの様子だった。

 

「……おい。試し斬りは終わったぞ。これ、確かに凄いな。俺の力ってより、刀が勝手に道を切り拓いてくれるような感じであまり気に喰わないが…まぁ、性能は良い」

 

 何かしら考え込んでいるヨモツに、声を掛けるが、彼女に俺の声が届いている様子はなかった。ヨモツは微動だにせず俺を…正確に言うと俺の魂を見つめていた。その瞳は、いつものように俺を揶揄うような色をしていない。まるで、深い霧の奥に隠された「何かの正体」を暴こうとするかのような、鋭く、そしてどこか追い詰められたような、底知れない光を宿している。

 

(……なんだ? さっき一撃食らわせたのを根に持ってるのか? それとも……)

 

 もしかして、俺を解剖しようと…いや、考えすぎだろう。確かにヨモツは酷い女だが、道理は弁えてる。それに、アイツには俺を解剖する機会は多々あったはず。考えすぎだ。ただの好奇心の筈。

 

「おい、ヨモツ。……顔色が悪いぞ。やっぱり解剖するつもりだったんじゃねーだろうな」

 

 ようやく、俺の言葉が届いたのか、ヨモツはハッとしたように一度大きく瞬きをした。それから、おもむろに自分の両手で、自らの頬をパァン!!と、凄まじい音を立てて叩いた。

 

「……っ、いったぁ……。少し、気合を入れすぎました」

 

 真っ赤になった頬をさすりながら、ヨモツは涙目で「いたたた」と小さくこぼす。さっきまでの底知れない神の気配はどこへやら、そこにはただの、少しおっちょこちょいな女がいた。……が、その一撃で何かが切り替わったらしい。ヨモツはスッと背筋を伸ばし、いつもの、人を食ったような余裕のある笑みを無理やり口元に張り付けた。

 

「失礼。少しばかり考え事をしていました。……さぁ、約束です。剣バカ、そこに座禅を組みなさい。貴方のその『中身』、隅々まで拝見させてもらいますよ」

 

 アイツは再び、余裕のある師匠のような口調で命じてきた。俺は毒気を抜かれながらも、言われた通り橘の木陰で胡坐をかき、目を閉じる。

 

 背後に回ったヨモツの気配を感じる。ふわりと橘の花の香りが強くなり、俺の背中に、冷たくて柔らかな彼女の手の平が添えられた。

 

「……動かないでくださいね。変な所に触れたら、それこそ魂がバラバラになってしまいますから」

 

 そんな物騒な冗談を、コイツは鼻歌でも歌うような軽やかさで口にする。だが、背中から流れ込んできた神気は、先ほどまでの暴力的な嵐とは似ても似つかないものだった。細く、鋭く、それでいて絹糸のように滑らかな力が、血管の裏側から骨の髄までを、指先でなぞるように検分していく。目を閉じているせいか、触れられている場所が熱を帯びる感覚だけが、妙に鮮明に伝わってきた。

 

「ふむ…蓬莱人と違い、魂が主体というわけではないようですね」

 

 独り言ちるヨモツの声が響く。彼女の指が、俺の「半分」――背後で浮遊している半霊との境界線を探るように動いた。神気がそこを通過するたび、自分の存在が薄皮一枚剥がされるような、奇妙な浮遊感に襲われる。

 

「やはり、魂魄が繋がっておらず、魂が現出している形…一体、なぜこんな面妖な形に」

 

 彼女の指先が、今度は俺の首筋のあたりで止まった。そこは、生者であれば命の鼓動が最も強く感じられる場所だ。

 

「なんとなく解かってはいましたが……魂と魄を繋ぎ止める『二欲』が、この器には根本的に欠落している。生への執着も、死への羨望もない。文字通り、半分死んでいて、半分は生きている。千引岩を通り抜ける絡繰りはこれですか」

 

 彼女の声から、いつもの余裕の中に理解したという響きが混じり始める。俺の身体を調べているはずの彼女の神気が、何かに触れることを躊躇うように、一瞬だけ止まった。

 

「…なるほど。魂は後付けのモノなのですね。となると、元の魂はどこに行ったのでしょう。まぁ、いいです」

 

 ヨモツはそこで一度言葉を切り、深く、重い吐息を漏らした。背中に触れている彼女の手の平から、ドクン、と一度だけ大きな鼓動が伝わってくる。

 

「となると、刀が姿を変えた特異性は魄や肉体ではなく、この魂にある。では、私を通し、魂と剣バカを繋げれば…」

 

 ヨモツは、俺の周りをふわりと彷徨っていた「半分」を、逃げられぬように優しく、けれど断固とした力で捕まえた。彼女が触れたその瞬間、俺の魂の端に冷たい火花が散るような衝撃が走る。

 

 

「……っ、が……あ、あぁ!!」

 

 座禅を組んでいた俺の意識が、内側から爆ぜた。視界が白く塗りつぶされ、脳髄に直接、身に覚えのない「声」と「熱」が流れ込んでくる。それは情報の洪水であり、俺という器が到底抱えきれないほど巨大な「かつての誰か」の記憶だった。

 

 

 

 

 

 

 見えたのは、俺の知らない、けれど俺の魂が震えるほどに「知っている」光景だった。

 

 目の前には、巨大な岩がある。千引岩。それは単なる石の塊じゃなかった。俺が、いや、俺の魂である「誰か」が、その手で据えた、生と死を分かつ絶対的な拒絶の法だ。

 

『……動け。動け、動け動け動け動けッ!!』

 

 一人の男が、その岩に文字通り体当たりをしていた。男の肌はボロボロに剥がれ落ち、表情は泥のような後悔に塗り潰されている。彼は岩を押し、爪を剥ぎ、血を流しながら、自らが定めた「法」を呪っていた。

 

 岩の向こう側は、暗い。かつてそこにいたはずの愛しい人の気配は、男自身が作り出した境界によって、一寸先さえ届かない深淵へと追いやられている。

 

『謝らせてくれ……。あんな無様な逃げ方をした俺を…殺してくれても構わない、許して貰わなくても良い。だから、この岩を……誰でもいい、この岩を!』

 

 何度も何度も破壊を試みる。剣を手に取り、斬りつけても、傷一つ付かない。

 何度も何度も体をぶつける。幾十、幾百と…骨が折れ、臓腑が傷ついたとしても、やめない。

 

 だが、男は終に千引岩の前で倒れた。

 

『もう一度、会いたいんだ』

 

 滴る幾つもの雫。

 

 男は気づいていた。神のままでは、この岩は越えられない。自らが引いた境界を、自らが越えることは、世界の理が許さない。死んで、この岩を越えることも考えた。だが、不確実。この岩は自分が立てた決別の証、自身を拒絶してもおかしくない。自分の…気質を、永遠を切り裂くこの刃が斬れないのだ。おそらく、自身が死んでもこの岩は越えられない。

 

 考え、考え、男は一つの案に行き着く。

 

 男は幽宮に戻り、儀式を進め始めた。

 

 神としての地位、記憶、不変の肉体。それらをバラバラに解体し、世界の法則の目を欺くための儀式。

 

 魂を二つに分け、一つは輪廻の輪を渡り、転生をするかのように思わせる。もう一つは現世に留まり、形なき半霊として機会を伺う。

 

 そうして彷徨い続けた魂が、幽宮のある島の渚、死ぬ寸前であった「無名の剣豪」の骸に辿り着き、その器に憑りついた。

 

 それが、この俺の正体だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……貴方はそんな事の為に、自分という存在をそこまで蹂躙したのですか」

 

 ヨモツの声が、耳元で震えていた。彼女が捕まえている俺の半霊……現世に留まり続けた「男」が微かに震える。

 

「一つを輪廻に投じ、もう一つを半霊として現世に繋ぎ止める……。そうして世界の検閲を掻い潜り、死した肉体に憑依することで、ようやく『半人半霊』という歪な体を手に入れた。……すべては、ナミに謝るために」

 

 彼女の神気が、俺の魂の最深部に触れる。そこには、俺自身の意志など介在しない、根源的な叫びが刻まれていた。

 

『―――もう一度、会いたい。会って、謝りたい』

 

 魂を切り裂く苦痛も、記憶を失う恐怖も、他者の肉体を奪うという業も。そのすべてを切り捨てさせるほどの狂気…いや、覚悟。

 

 ヨモツはそのまま力なく回り込むと、膝を折り、地面に溢れた橘の花びらをすくい上げるようにして拳を握りしめた。

 

「……遅い。……遅すぎるんですよ、ナギは」

 

 その声は、地響きのように重く、それでいて今にも消え入りそうなほどに震えていた。

 

「なぜ、もっと早く来なかったのですか。……なぜ、すべてが手遅れになってから、そんな無様な姿で現れたのですか。……もう、ここには誰もいませんよ、貴方が謝りたかったナミも、貴方を許したがっていたカグも、貴方に会いたがっていたスサノオも…誰もいない」

 

 ヨモツは顔を上げない。ただ、赤くなった目を隠すように俯き、絞り出すような彼女の声が、静まり返った墓所に響く。

 

 掴んだ肩から伝わる彼女の震えは、もはや誤魔化しようのないほどに激しくなっていた。掴んでいた肩の震えが、指先から俺の心臓まで伝わってくる。ヨモツは、逃げ場をなくした子供のように、絞り出すような声を漏らした。

 

「……っ……ばか」

 

 ポツリと雫が渇いた大地に染みを作る。彼女は自分の手のひらを、爪が白くなるほどの強さでギュッと握りしめた。

 

「……ばかなやつ。……本当に、ばかなやつ、です……っ」

 

 鼻をすすり、震える吐息と一緒に紡がれるその言葉には、かつての神としての怒りなんてどこにもなかった。そこにあるのは何万年も、何十万年も続いた、言葉にならない愛着と、やり場のない恨み言。

 

「勝手にいなくなって……勝手に壊れて……。何ひとつ覚えていないだろうに……。謝りたいだなんて……うっ、ひぐっ……」

 

 ヨモツは顔を上げない。しゃくり上げながら、何度も、何度も、壊れた玩具のように同じ言葉を繰り返す。

 

「ばか……。本当に、ばかです……。世界で一番、救いようのない、大馬鹿野郎……っ」

 

 俺は何も言わず、ただその震える背中を見つめていた。慰める言葉など持っていない。ただ、彼女が流す涙が渇いた大地を濡らす音だけが、耳の奥にこびりついて離れなかった。

 

 

 

 

 

 

 …やがてヨモツは、ゆっくりと顔を上げた。 目は真っ赤に腫らし、鼻を赤くしたその顔は、「黄泉の主」の面影はどこにもない。けれど、その瞳の奥には、確かな光が戻っていた。

 

「……酷い顔ですね、私は」

 

 ヨモツはふいと顔を背けると、服の袖で乱暴に目元を拭った。次にこちらを振り向いた時には、その赤い目元こそ隠しきれてはいないものの、唇にはいつもの、人を食ったような不敵な笑みが戻っていた。

 

「さぁ、湿っぽいのはこれで仕舞いです。……貴方に渡さなければならない物が増えましたね」

 

 彼女はそう言うと、またもや石を使い、今度は大太刀を創り出した。

 

「……そいつは?」

 

「受け取りなさい。その魂の非礼と感謝の印です」

 

 ヨモツはその大太刀を、まるで日常の道具でも渡すかのような無造作な動作で俺へと差し出した。俺がそれを受け取ると、ずしりと重厚な手応えが掌に伝わってくる。

 

「……悪かったですね、剣バカ。私の弟が暴走したばかりに、貴方を巻き込んでしまって。本来ならば、安らかに死んでいるというのに」

 

 ヨモツは少しだけ申し訳なさそうだった顔をしていたが、俺が刀を腰に帯びると満足そうに頷き、ふわりと衣を翻した。

 

「さぁ、もうお行きなさい、またいつか、どこかで出会えますように」

 

 彼女が指差した先には、いつの間にか薄暗い霧が晴れ、現世へと続く細い道が伸びていた。

 

「なぁ、ヨモツ。また会えるか?」

 

「貴方が望むのならば、きっとその道は拓かれますよ。さぁ、早く行きなさい」

 

「……ああ。達者でな、ヨモツ」

 

 そう言い、俺は歩き出し、現世へと戻った。後ろ(黄泉)から聞こえる啜り泣きを聴こえないふりをして。

 

*1
東方錦上京 魔理沙 赤石 Stage5 参照




博麗→魄霊→魄(肉体の魂)と霊(精神の魂)
魂魄→天に還る魂と地に還る魄

神主曰く、元々、妖夢は霊夢のライバルポジションとしてデザインされたキャラだそうです。それに基づいた結果、独自設定モリモリにされたのが今作の妖忌です。
それと、魂魄について詳しくなったせいで、以前の感想返しが間違っている可能性出てるのでお気を付けください。なるべく調べ、考えて、感想返してるつもりですが、話半分…八割程度でお願いします。マジで「作者が言っているだけ」程度でお願いします。

最初は妖忌が慰める形でしたが、やはりヨモツは独りで泣くのが似合う…
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