ちなみにヨモツとこころはかなり似通っている関係だと勝手に考えてます。収斂進化みたいな?サメとイルカが種が違うのに、流線型の体をしているみたいな?
「正面の虎、背面の猿」
目の前の好敵手がスペルカードを告げる。
前門には最強である
絶体絶命。こちらはスペルカードである憂符、怒符、奥義の『仮面喪心舞――暗黒能楽』を使った。奥義をスペカ無しで凌がれたのが悪かった…そのせいでアドバンテージは相手側に渡り、窮地に立たされている。
スぺカを使って、夕雲のを相殺するか。それとも、回避に専念するか…
(夕雲の手札が読めない…)
彼女の手札はどこからともなく取り出した宝船による攻撃、大量の弾幕を扱う技量と霊力の多さ、そして今見せている神降ろし。そして、最も謎めいているのは…
(私の暗黒能楽の最終弾を避けた時の不自然な動き…あの時の夕雲は私の仮面で動きを止められているはずだった)
となると、外部から無理やり体を動かした?協力者?いや、彼女のなにかしらの『能力』や伏せている手札が関係している可能性が高い。とりあえず、彼女は自身の体を無理やりにでも動かす方法を持っている。
(
私が持つ「感情を操る程度の能力」やマミゾウの「化けさせる程度の能力」を思い出す。研鑽を積んだ能力ならば、自分以外にも相手を対象に出来てもおかしくないのだ。
以前、戦った時の記憶があれば推測できたかもしれないが、生憎とその記憶は無い。今の私にできるのは、現象から逆算して「最悪」を想定することだけ。その最悪は、あの不自然な動きを私に強制させ、無理矢理弾幕を当てるなんてことをしてくること。
それをさせないためには、私が攻撃側に回るしかない。
つまり、アドバンテージを取り返すには自分もスペルカード無しでこのスペカを乗り越えるしかないというわけだ。
上等。最強の称号を得るためにはこれぐらいの試練を乗り越えなければ。
私の周囲を漂う六十六の面が、恐怖に震えるどころか、かつてない高揚感にカタカタと鳴り響く。
「さぁ、勝負だ!夕雲!河勝!!!」
私の宣告と共に、世界が弾幕の海に沈んだ。
背後の「後戸」から放たれるのは、視界を焼き切るような極彩色のレーザーと、逃げ場を埋め尽くす無数の米粒弾。私は薙刀を旋回させ、後方から迫る光の筋を、舞踏のステップで切り裂いていく。
それと同時に、前方からは夕雲が放つ黄金のお札が、まるで獲物を追い詰める虎の爪のように襲いかかってきた。
(お札が……円を描いている!?)
直線ではない。夕雲が放つお札は不規則な螺旋を描きながら戻ってくるのだ。避けたはずの弾幕が、背後から牙を剥く。ただ一回避けてもだめだ。その後も注意しなければならない。
避けて、避けて、避け続ける。だが…一瞬、頬にレーザーが掠った。
(このままではジリ貧。何か手を……
私は面の集合体だけど、あくまで「付け替えるもの」か、あるいは「弾丸として放つもの」として扱っていた。けれど、今は違う。数多の強敵たちと戦い、自分が何たるかを理解した今の私なら、私たちをもっと信じられる。
私は、自らの感情を六十六の欠片へと細分化し、周囲に浮かぶ面たちへと一気に流し込んだ。
「……行って!」
私の叫びに呼応し、六十六の仮面が爆発的な勢いで散開する。つ一つの面が意思を持ち、独自の演舞を始める。
「般若」と「大飛出」が、後戸から放たれる極彩色のレーザーを、その強固な殺気で正面から受け止めて霧散させた。
「姥」と「福助」が、空中で複雑な円を描いて飛来する夕雲の黄金のお札に対し、まるで盾のように割って入り、その回転ベクトルを無理やり捻じ曲げて弾き飛ばす。
視界の中で、私の面たちが独立した役者として舞台を支配していく。
右で火花が散り、左で爆光が弾ける。
私はその中心で、薙刀を正位置に構え直し、静かに呼吸を整えた。面たちが弾幕を食い止めている一瞬、私と夕雲の間を遮る弾幕が消失した。
「へぇ、仮面が自立させて弾幕を迎撃するなんて……面白い使い道をしますね」
夕雲の声が届く。
黄金のお札を指先で回しながら、彼女は驚き以上にどこか愉快げな感情をしている。無表情だけど、なんかわかる。
「けど、いいんです?感情を分けてしまったら、
「…そんなことない。私はもう仮面に頼らなくても感情を持てる。それに、、、私たちは信じてるから。私が勝つという『希望』を」
私が被るのは『希望の面』。借り物の希望ではない、私たちの内から湧き出た希望。
「へぇ、そう来ましたか!魅せてくれますね!」
正面から放たれる弾幕に針弾が織り込められる。
背後の後戸から放たれるレーザーが、さらに速度を増す。
面が一つ、お札と衝突して落ちてく。
また一つ、レーザーに焼かれて動かなくなる。
正面の弾幕が視界を真っ白に染め上げるほどの密度で押し寄せる中、私は面たちが作り出したわずかな「道」を見据えた。
「ここだぁ!」
一歩
私は薙刀を半円に薙ぎ払い、最短距離を突っ切る針弾をまとめて弾き飛ばした。
二歩。
背後で後戸のレーザーが交差し、私の影を焼き、袴の裾を僅かに焦がす。けれど、私は振り向かない。
三歩。
螺旋を描いて戻ってくる黄金のお札の群れが、虎の牙のように左右から挟み撃ちにしてくる。私は希望の面から溢れ出す光を爆発させて、推進力で無理やり加速する、
(――近い!)
夕雲の顔が、驚くほどはっきりと見えた。
その双眸には、私という「役者」が舞台を壊し、自身の想定を超えて肉薄してきたことに対する、剥き出しの『歓喜』が揺らめいている。
「……素晴らしいですよ、こころさん。ですが――これはどうします?」
夕雲がいつのまにか持っていた大幣をくるりと大きく回した。
その瞬間、私の平衡感覚が狂ったように歪んだ。
(風か……!?)
大気そのものが糸車にかけられたように回り、それに伴い私の感覚がひどく掻き回される。私を取り囲む空気が竜巻の様に回り、私の動きを制限させているのだ。
「……負けない。私は、私たちは、ここで終わる『道具』じゃない!!」
私は薙刀を逆手に持ち替え、自身の「希望」を薙刀に籠め、竜巻を切り裂いた。
借り物の希望ではなく、内から溢れ出す純白の熱量が、世界を縛る不可視の回転を真っ向から両断した。
「これで終わりだぁ!」
純白の光が渦を両断した瞬間、あれほど世界を埋め尽くしていた黄金のお札も、背後から迫っていた極彩色のレーザーも、まるで幻であったかのように霧散している。
スペルカードの終わり。弾幕が止んだ。
「これで、終わりだぁ!」
私はその勢いのまま、無防備に立っているはずの夕雲へ。
勝利を、あるいは彼女という「最強」に届いたという確信を掴むために。
――だが。
「……っ、いない!?」
薙刀の刃が空を切る。
つい先程までそこにいたはずの夕雲の姿が、陽炎のように掻き消えている。
驚愕に目を見開いたその瞬間、ヒヤリとした感触。
私の首筋に、夕雲の大幣がそっと、けれど逃げ場を封じるように添えられていた。
(…少々見くびりすぎていたかもしれませんね)
内心でそんな言葉をこぼしつつ、私は乱れた空気の余韻を羽織で払うようにして、優雅に立ち振る舞います。
正直なところ、私はこころさんを下に見ていた節があったのでしょう、意識的にしろ、無意識にしろ。きっとそれは、前回の暴走していた彼女との戦いは苦戦しなかったことが大きいのだと思います。
ですが、今回のこころさんと前回のこころさんは別人のような…いや、別モノのような強さでした。
まさか、分霊とはいえ隠岐奈を降ろした実質隠岐奈との合同弾幕と言っても差し支えのないスペルカードを、技量と力で突き切り、あまつさえ反撃してくるとは。流石に強くなりすぎです。
暴走状態はそれほどまでに弱っていたのでしょうか?報告書では異変解決後に霊夢、神子、白蓮さん相手に互角の勝負をしたとは聞いていましたが。三人が手加減したのだろうと勝手に決めつけていましたが、案外本気だったのかもしれませんね。
(それでも、何とか勝ててよかったです)
私は首筋から大幣を引き、ふぅ、と小さく息を吐きました。表向きは余裕たっぷりを演じていますが、視界の端ではまだ弾幕がぶつかり合う火花がチカチカと踊っています。
「……お見事。ですが、まだまだ最強の称号を譲れません」
私は努めて涼しげな声を絞り出しました。
目の前で呆然としているこころさん。彼女の瞳には、敗北の悔しさよりも、自らの「希望」を出し切ったことによる清々しい光が宿っています。それに、満足してのか、なんだかお肌がツヤツヤしてますね。
「こころさん。弾幕ごっこに私が勝ったという事で、簡単なお願いを聞いてくれません?」
本来ならば、スペルカードルールは「勝者は決闘前に決定された報酬以外のものは受け取らない」という決まりがありますが、今回は報酬を決めていないのとあくまでも「お願い」ですから、セーフセーフ。
こころさんは面霊気と言う名の付喪神。もしかしたら、付喪神仲間みたいなのがいるかもしれませんし、少し話を聞いてみましょう。
「こころさんが知っている、付喪神のなりかけの道具……心当たりはありませんか?」
私は、足元に落ちていた「ひょっとこ」の面の欠片を拾い上げながら問いかけました。おそらく、地面に落ちて少し欠けてしまったのでしょう。その欠片は私の指先が触れた瞬間、淡い光となって空気の中に溶け、あるべき場所――こころさんの背後で漂う面の群れへと「回帰」していきました。
「むっ? いくつか知っているが、どうかしたのか?」
こころさんは、不思議そうに首を傾げました。彼女の周囲を漂う六十六の面たちも、彼女の戸惑いに呼応するように、静かな潮騒のような音を立ててゆらゆらと揺れています。
「ええ。実は今、幻想郷に怪しげな魔力が蔓延しておりまして……。それが道具、特に付喪神のなりけのモノに、あまり良くない影響を与えているらしいのです」
それにしても、一体どのような仕組みで道具たちが変質しているのか。正直なところ、今の段階では確証はありません。ですが……。
(……そう言えば、レイラの夢が脳裏に引っかかりますね)
私には、稀に「予知夢」を見る体質があります。
とは言っても、理論として説明できるものです。些細な違和感を覚え、その解決のために長年の経験から答えを導き出し、それが夢として無意識に現出する。それが、私の見る予知夢の正体。いわば、脳が勝手に行うシミュレーションのようなものです。
(私はつい先ほど、レイラの夢を見ました。彼女と切っても切り離せないのが『打ち出の小槌』…もしかすれれば、打ち出の小槌ならば今回のような現象を起こすことも可能かもしれません)
私は黄泉の国を蘇らす手段として、幾つかの打ち出の小槌を製作しました。しかし使うには制限も多く、使用を断念したため黄泉の国に放置していたのですが、もしかすると幻想入りしたのかもしれません。
(念のため、後で賢者たちに連絡を入れておきますか)
「それで、そういう道具知ってます?こころさん」
「…教えたら、また勝負してくれるか?」
期待に満ちた純粋な瞳。彼女の何が『最強』という称号を求めるのでしょう?
「ええ、相手しますとも。ですが、時間があるときですよ?」
「里の…楽器が付喪神になりそうだった気がする。確か…琵琶と琴?後は竹林の屋敷が怪しい」
ふむふむ。人間の里と竹林の屋敷…永遠亭ですか。永遠亭は永夜異変まで輝夜の能力で変化を止めていたはずですが…確かに、なんか変な反応をしていてもおかしくはありませんね。
とりあえずは近い人間の里をパトロール。異変が起こっていなければ、永遠亭に向かいましょう。
「ありがとうございます、こころさん。おかげで、目星が立ちました。…再戦についてもスケジュールと相談しておきますね」
私は、こころさんに丁寧に一礼しました。
彼女はまだ戦いの余韻を惜しむように、背後で面たちを小さくカタカタと鳴らしていましたが、深追いはしてきませんでした。
「……じゃあ、また。次はもっと、すごい舞をする」
その言葉を背に受けながら、私は独り、人間の里へと続く夜道を歩き始めました。
東方二次創作者にとって、スペカをどう描写するかは永遠の命題だと思う。
自分は、
1. 基本
攻撃側: スペルカードを叩き込み、相手を追い詰める。
防御側: 迫りくる弾幕を「回避」するか「防御スペカで相殺」するか選ぶ。
2. 回避した場合(カウンター成立)
条件: 防御側がスペカを使わずに、自力で全て避けきった場合。
結果: 攻守が逆転。次は防御側が「攻撃スペカ」を唱える権利を得る。
3. 防御スペカを使った場合
条件: 弾幕が避けきれず、防御側が身を守るためにスペカを消費した場合。
結果: 攻撃側が主導権をキープ。攻撃側は続けて別の「攻撃スペカ」を撃つことができる。
みたいな感じで書いてます。これだと枚数も同じになりそうだし、かなり良いのでは?とは言え、あくまでも基本。相殺しながら攻撃も兼ねるスペカや妨害スペル、ずっと俺のターンみたいな耐久スペルなんかもありますし、スペカを二重に重ねて相手を追い詰めるなんて事もあるかもしれません。