東方備忘録   作:電子の妖精になりたい

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あれ???癖に従って書いたらめちゃ長い…

後、独自設定です。原作では白玉楼の料理は幽霊がやっているのですが、この作品では妖夢にやってもらいます。
自分、今まで妖夢が料理してると思ってたのですが、実際はやってないんですね。なんでそう思ってたんだろ…検索してみよ。

数時間後の自分「みょんな料理作りたくなってきた!」


第120季/春 白玉楼with腹ペコ亡霊お姫様

 やっと西行妖との弾幕ごっこが終わりました。

 西行妖が吸収していた幽霊も全て吐き出させましたし、幹にもより強固な封印を施しました。

 

 で、どうやって帰るんです?

 私の友人が私を羅万館に連れ帰ってくれるとは思いますが…それにしても、彼女は私に借りを作りすぎでは?永夜事件の宴会では私の食事を盗み、西行妖の封印、他にも以前のものが幾つかと。借りを返してもらうためにもモフらせてもらわないと…おっとと、疲労のあまり思考が飛び飛びになってますね。

 うーむ、どうせどっかで私を見てるんでしょうし、帰らせて貰いたいのですが…眠たいですし。

 口から欠伸が漏れ出ます。朝起きてから、妖怪の山まで歩き、登った後は知らない館にスキマで連れて来られ、西行妖と戦闘を繰り広げ…結構動きましたからね、体が疲れを感じてます。

 このまま、先の見えない階段を降りるのも面倒ですし、お迎えが来るまで少しのんびりとしますか。

 私は縁側に座り、紫桜が風で舞うのを眺めます。そうしているうちに私の瞼は次第に重くなり…

 

 

……

………少女睡眠中

 

それで幽々子様、この方はどなたなんです?

私も詳しくは知らないのだけど、紫曰く… あら?

 誰かが話してるのが薄らと聞こえてきます。

 まだ眠いですね、布団にくるまりたいです。ですが、喋ってる誰かが私に頬をつんつんして起こそうとしてます。

それより見て見て、妖夢。ほっぺたの沈み具合がすごいわ!

 意識をどうにか手繰り寄せ、重い瞼を持ち上げます。

 真っ先に視界に映るのは風に揺れる桜の花びらのように柔らかく、彼女の動きに合わせてふわりと揺れる薄いピンク色の髪。

「あら、起きたのね。おはよう、確か夕雲さんでしたっけ?」

「おはようございます…?えっと、どなたです?」

「私は西行寺幽々子、こっちは魂魄妖夢」

「お、おはようございます!」と頭を下げるのは、半人半霊の女の子。短く切りそろえられた銀髪は滑らかで光沢があり、まるで雪を纏った白樺のような美しさを持っています。…以前も似たような感想を持ったような?

 

「私たちもさっき白玉楼に帰ってきたのよ、帰ってきたら紫色の桜が落ちてるし、貴女は縁側で眠りこけてるし…」

「あっ、それと妖夢、ご飯の準備を続けてくれる?」

「はい!承知しました」

 妖夢さんはそう言うと、私にもう一度軽く頭を下げ、部屋を出て行きました。

 

「ごめんなさいね、起こしちゃって。でも、いつまで経っても起きないから、つい構っちゃった」

 幽々子さんは、私の頬を指でツンツンしたことを悪びれる様子もなく、くすくすと笑います。

「いえ、起こしてくれてありがとうございます。じゃないと、私もいつまででも寝てしまいそうだったので…」

「後、それと、そろそろ足が痺れてきたからどいてほしいのだけど…」

 その言葉で私の意識が覚醒します。ふかふかの枕だと思ってましたが、幽々子さんの膝で私は眠っていたようですね。

 ふむ、普通の人ならば頬を赤らめて、飛び起きるのでしょうが、私は違います。

「すいません、疲れて思った通りに体が動かないんですよ。もう少しこのままでいいですか?」

「えっ、でも本当に痺れてきちゃったのだけど…」

「そうですか。じゃあ、頑張って動きますね」

 そう言い、私は頭を動かそうと体を起こしますが…あら、残念。頭を少し浮かせたところで私の力は尽き、幽々子さんの膝にカムバックします。

「うっ…」

「西行寺さん、すいません!まさかここまで力が出ないとは…」

 きっと幽々子さんの膝にとてつもない衝撃が襲ったでしょう…くっ、なんと私は無力なのでしょう!

「…やっぱこのままでいいわ」

 幽々子さんは私に膝枕を諦めさせるのを諦めたようですね.これぞ、諦めないど根性、いや策略寄りの行動ですけど。

 

「それでここは…?」

「ここは白玉楼。私と妖夢が住んでいる場所よ」と私の頬をつまみながら幽々子さんが答えます。

「白玉楼、聞いたことがあります。確か冥界にある屋敷でしたっけ?」

「ええ、ここは冥界にあるの。死んだ人が行き着く場所、って言えば分かりやすいかしら?」

 幽々子さんはそう言いながら、私の頬で遊ぶのはやめ、髪を指で梳き始めます。その指先は驚くほど柔らかく、まるで春風が髪を撫でているかのようです。つまり、心地が良すぎる。

 幽々子さん、私の友人にいない性格なのでなんだかとても新鮮ですね。私の友人達は謀略とか陰謀が大好きな伏魔殿のような連中だとか、何も考えずに力こそパワーだと思ってる連中だとか、まともなのは私だけですよ、全く。

 強いて言うならば、華扇と少し似ていますね。ですが、華扇も今じゃ大人しいですけど、昔は外の世界でぶんぶん言わせてました。今こそ幻想郷の良心!みたいな子ではありますが、少し目的のためなら手段を選ばないとこもありますし…やはり、少し違いますね。

 

「そういや、西行寺さんは私をここに連れてきたあの子とは友達で?」

「幽々子でいいわよ。そうね、もう1000年以上前からは知り合ってるわ」

「あら、長い付き合いになるんですね」

 もっと前から紹介してくれてもいいでしょうに、なぜ今になって…なんか顔合わせさせたくない理由でもあったのでしょうか?

 

「幽々子様ー、ご飯出来ましたよー」と妖夢さんの声が聞こえます。

 すると、雷が轟くような音が部屋に鳴り響き渡りました。その音に思わず飛び起きてしまいます。

「い、今のは?」

「め、冥界でも雷が鳴るのよ。どっかで雷でも落ちたのかしら?」

「外は晴れてますけど…」

 部屋から外を見ると、快晴で、雲一つありません。

「まぁ、そんなのいいじゃない。ほら、早く行きましょ」と立とうとする幽々子ですが、足が痺れて動けてない様子。私は能力で幽々子に血液の通りを良くさせます。

「あら?」

「さ、行きましょ。妖夢さんはどこです?」と幽々子に手を差し出し私は言いました。

 

 

 

 

 

 

 今日は、60年に一度の特別な日だという。紫に連れ出され、幻想郷中で花見をしていた。普段は冥界に引きこもりがちな私も、今日ばかりは外の空気を満喫している。

 ほとんどの花は死を予期できなかった人たちの魂がなんとか生きようと花に取り憑いたもの。どの花も必死に生きようと立派な花を咲かせ、幻想郷に花が満ち溢れている。

 

「紫、そろそろ白玉楼に戻りたいのだけど」

 私は空を見上げながら紫に告げる。太陽は既に高い位置につき、午後の光が地上を照らしていた。

「あら、もう帰るの?まだ、見ていない場所もあるのに」

「ええ、少し疲れちゃったし、妖夢も心配。それに、お腹も空いちゃった」と私はお腹をさすりながらそう言った。移動は紫のスキマだからそこまで動いてないけど、それでも朝から何も食べてないせいかお腹が空いた。

「そう、なら仕方がないわね」

 紫は顎に手を当て、少し考え込むような仕草を見せた。その表情は何かを企んでいるようで、少しばかり怪しい。

「うん、紫。今日はありがとう。私とっても楽しかったわ」

それはともかく、私は紫に感謝を述べ、笑顔を向けた。きっと私に損になることではなさそうだし、それほど気にしなくていいだろう。

「ならよかったわ。それと幽々子、白玉楼に私の旧友がいるから」

 紫はそう言い、意味深げな笑みを浮かべた。もうすごい黒幕みたいな笑顔。紫、悪い子じゃないけど誤解されやすいのはこう言うとこだと思う…

「旧友?どなた?」

「夕雲、私が時々貴女に話してる子よ」

「あぁ、あの夕雲さん!一度会って見たかったのよね。どんな方なのかしら?」

「ふふ、会えばわかるわ。一つ言うなら、夕雲は貴女とはまた違った癖のある子よ」

「癖?」

「ええ、まあ、それは会ってからのお楽しみね。それと、夕雲は少し疲れているかもしれないから、優しくしてあげてね」

 紫はその言葉を最後に私を白玉楼に移動させた。

 

 白玉楼の玄関に入ると、ちょうど妖夢が帰ってきた。

「幽々子様!なんか紫の桜が咲いてたみたいです!」

 そう言い、妖夢が私に紫桜の花びらを見せてきた。

「階段は普通の桜だったんですけど、一枚だけ階段に落ちてたんです。もしかして今回の異変に関係が!?」

「異変?」

「そうです。今、幻想郷中に季節問わずにいろんな花が咲いてるんですよ!」

 …妖夢は今回のは異変ではなく、自然現象だと言うことを知らないらしいわね。確かに60年に一度の自然現象、前回は冥界に影響がなかったから知らなくてもしょうがないけど…長年、幻想郷に住んでるのだから知っていてもおかしくない。剣を振るだけじゃなく、少し勉強させた方が良いかしら?

「妖夢、今回のは異変じゃなくて自然現象。外で死んだ魂が幻想郷で花に取り憑いてるだけだわ」

「そうなんですか?じゃあ、この紫の桜の花は?」

「紫の桜は罪深い人間の霊が宿る花。もしかしたら迷い込んだ霊がいたのかしらね」

 私は妖夢から花びらを受け取る。やはり幽霊によって咲いた花のようだ。けど、それにしては妖気が強い気もする。

「それで妖夢。私お腹空いちゃった」

「わかりました。すぐ用意しますね!」

 妖夢は駆け足気味で台所に向かった。

 

 それから暫くもしない間、大体一、二分もせずに

「ゆ、幽々子様〜!!!」と叫び声が聞こえ、妖夢がドタバタ走りながら、私に駆け寄ってきた。

「縁側に知らない人とさっきの紫の桜がものすごく散ってます!それに庭の桜ってこの間封印した西行妖ですよね!」

「あらあら、落ち着いて妖夢。まず、その方は客人よ、寝ているならお布団に寝かせてあげなさいな。紫の桜云々は客人が起きたら聞いてみましょう」

「わ、わかりました!」

 さてと、迎え入れる準備は妖夢に任せ、私は縁側に行き、夕雲さんと紫桜を見るとしましょ。

 

 縁側に行くと、1人の女性がスヤスヤと熟睡していました。

 烏の濡れ羽色のしっとりとした黒髪、その髪を留めるのは月のような形の髪留め。また、その名の通り夕雲の如き橙色の服に黒色の前がけをしています。

 彼女が紫の言っていた夕雲さんかしら?

 普通の女の子にしか見えないのだけど…あら?

 私の「死を操る程度の能力」は何がなんでも生命を宿すモノならば死に至らせる能力。だけど、彼女には全く意味を為さないと直感的に理解する。

 私の能力は蓬莱の薬を飲んでいなければ、あの月の賢人さえも私の能力の範疇。よほど彼女が実力者なのか、なんらしかの能力で死から逃れているのか、それとも妖夢みたいにそう言う種族なのか…うーん、全然わからないわ。

 

 私は冷たく硬い床の上にある頭を私の膝に乗せ、興味深く見つめる。彼女の体に触れることで、その身に秘めた暖かい力?にようやく気づく。妖力でもなければ、霊力でもない。多分、これは…あら、柔らかそうな頬…つんつん。「ん…んん」と夕雲さんはくすぐったそうに眉をひそめ、少しだけ顔を歪めた。その表情が何とも言えず愛らしい。

 

「幽々子様、そのお方のお食事は準備しますか?」

 そう妖夢が「また幽々子様が変なことしてる」みたいな顔を浮かべ、聞いてきた。

「うん、準備してちょうだい。一緒にご飯にしたいもの」

 私は続けて、夕雲さんの頬を撫で始める。おぉ、なんたる極上の肌触り。

「それで幽々子様、この方はどなたなんです?」

 妖夢は興味津々といった様子で、夕雲さんを見つめている。特にほっぺたを、妖夢も触りたいのかしら。

「私も詳しくは知らないのだけど、紫曰く… あら?」

 私がそう言いかけた時、夕雲さんの意識が覚醒しようとしてる。んー、まだほっぺた触りたいのに…

「見て見て、妖夢。ほっぺたの沈み具合がすごいわ!」

 私は自分の指と夕雲さんの頬を交互に指しながら、妖夢に無邪気に話しかけた。

 

「おはようございます、えっと誰です?」

 やっと起きた夕雲さんですが、やっぱり普通の女の子にしか見えないわねぇ。けど、状況証拠からして新たに西行妖を封印したのは彼女だし…

 

 それにしても、起きたら私の膝から離れると思ったけど、いつになったら離れるのかしら?




夕雲さんは何を考えているか実は良くわからないし、作品によっても立ち位置が異なるから、見る人によって全然変わります。

にしても、幽々子の話し言葉わからぬ。

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