東方備忘録   作:電子の妖精になりたい

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第119季/夏 鈴奈庵with妖魔本大好き少女

 香霖堂から出て、鈴奈庵に向かいます。魔法の森から人間の里は少し遠いですが、きっとお昼過ぎには着くことでしょう。

 

 歩くこと数十分。鈴奈庵に到着します。

 

「あっ、師匠!本を返しに来てくれたのですね!」と元気な声で小鈴ちゃんが挨拶してくれます。

 

 小鈴ちゃん。

 本名は本居小鈴。

 自称、幻想郷一の妖魔本コレクターを目指している女の子です。

 彼女は親が経営している貸本屋の鈴奈庵の手伝いをしており、「あらゆる文字を読める程度の能力」とも言える力を保持しています。

 とは言え、つい最近目覚めたばかりで、その力を十全には発揮できてないようです。練習あるのみですね。

 

「師匠!師匠!今日は何の本を貸してくださるのですか!」

 と目を輝かせて聞いてきます。

 

「まずは借りた本を返させてくださいね」

 

 借りた本であるアガサクリスQの本を数冊取り出し、小鈴ちゃんに差し出します。このアガサクリスQの本はなかなか面白く、次回作がいつ出るのが楽しみで堪りません。

 

「はい、大丈夫だと思いますが、拝見しますね」

 

 しばらく経ち、確認を終えたのか小鈴ちゃんが駆け寄ってきます。

 

「師匠!今日は!今日は!」

 と語彙が消え失せた様子で私に問いかけてきました。

 

「はいはい、今日は異聞ホツマツタエって本を持ってきましたよ」と一冊の妖魔本を差し出します。

 

「むむ、聞いたことのない本です」

 

「この本はよく伝わってる古代日本神話とは少し違う伝え方がされてて…まぁ読んだらわかりますよ。それでは、いつも通りわからない所があったら質問してください」

 

 そう言うとともに目の前にあった彼女の頭をひと撫でし、私は目についたベルリンの壁崩壊について書かれた本を本棚から抜き出します。

 そして、小鈴ちゃんの近くにあった椅子に座り、その本を読み始めました。

 

 

 しばらくすると、私に小鈴ちゃんが質問を始めました。

 

「師匠、この本が日本神話について書いてあるのはわかったのですが、聞いたことない神様が一柱いるんですよ」

 

「ふむふむ、どこに記述されてますかね」

 

「造化三神の次に生まれて、宇摩志阿斯訶備比古遅の一つ前に生まれた神様なんですけど…」

 

 

 

 

 

 

 しばらく質問に答え、ふと窓を覗くと、陽が暮れ始める時間帯でした。

 そろそろ帰らなければいけない時間ですね。

 

「小鈴ちゃん、読み終わりましたか?」

 

「…後、少し。後少しかかるかもです」

 そう言いながら、彼女が開いているページは未だ前半。読み終えるのにはもう少し時間がかかるでしょう。

 

「その後少しは後1日、2日かかったりしますよね」

 その言葉に小鈴ちゃんはギクリと顔を歪ませます。その顔がどうにおかしくて、私は思わず、くすりと笑ってしまいます。

 

「そう焦らなくても大丈夫ですよ。その本は何日か貸してあげます。但し、貴重な本なので無くさないでいてくださいね」

 代わりに何冊か興味深い本を借りて行きますけど…

 

「あ、ありがとうございます!師匠」

 そう言い、小鈴ちゃんは太陽のような笑顔を浮かべました。

 

「それと、その本は妖魔本なので勿論注意しなければならない点があります」

 

「その本は神や妖怪を呼び寄せやすいので、その本を持って人間の里に出ないことです。その本は妖怪とかが封印されている訳でもないので、持っているだけで害はありませんが、一応気をつけてくださいね」

 

 

 読んだ本を片付けて、家に帰る準備をしてる最中に、小鈴ちゃんが「今日、うちで食べて行きませんか?」と聞いてきます。

 

「せっかくのご厚意は嬉しいのですが、家に帰らなければいけないので」

「んー、それじゃあ仕方がないですね、じゃあ次は一緒に食べてもらいますよ」

「善処します」と言いながら、扉を開きます。帰る用意は万端で、いつでも帰れますね。

 

 すると、小鈴ちゃんがお見送りに来てくれました。

 

「来週も新しい妖魔本持ってきてくださいね〜」

 小鈴ちゃんは扉からひょっこりと顔を出して、そう言います。

 その小動物の様な可愛らしい動作にほっこりしながら、「分かってますよ」と微笑み、私は帰路に着くのでした。

 

 

 

 

 夕雲さん。

 私の師匠で鈴奈庵の昔からの常連の一人で、博麗の巫女である霊夢さんとは別方向で頼りになる人。

 

 彼女は幻想郷一の知識人だろう。

 おばあちゃんの知恵袋みたいな日常に使える知識から私が求める妖魔本の知識まで。彼女に聞けば、知りたいことに加え、それを応用し発展させたことまで面白く教えてくれる。

 それに彼女は知識を持つだけではなく活用する術にも長けている。

 一度、私が妖魔本の取り扱いを失敗して怪我しそうになった時には、偶々その場にいた彼女が、その知識を以って、私を助けてくれた。

 それから、私は彼女を師匠と呼び、妖魔本について教えを請い始めた。 

 

 そう言えば、私が彼女と出会ったのはいつだったか。

 彼女と最初に会った事については覚えていないが、店の手伝いを始めた時には既に知り合っていた気がする。

 

 彼女の姿は私の幼少の時の記憶から変わらず、ずっと綺麗なままだ。何年か前に一度、「もしかして妖怪ですか?」と恐る恐る聞いたら、「違いますよ〜」と笑ってた。あの顔がどうにも嘘には見えないし、妖怪ではないのだろう。

 以前読んだ妖魔本に記載されていた老化を止める魔法である、捨虫の術を使ったのだろうか。それとも、実は仙人かも?…彼女には謎が多いが、良い人あるのは間違いないのは確信している。

 

 そんな事を考えながら、私は借りた本のページを捲った。

 

 




小鈴の口調わからなくて、東方鈴奈庵を何冊か買いました。
それでも違和感あるなら…主人公にはこの口調ってことで、何卒
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