星霜の影を踏みしめて   作:アメリカ兎

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 ──選抜レースの翌朝も、柊は日課をこなそうとコースへ足を運ぶ。そこではやはり、相変わらず黒いウマ娘…ドゥラメンテが走っていた。

 どことなく表情に緊張が見える。

 柊は変わらず、声をかけるわけでもなく観客席に腰を下ろして星を見ていた。

 それほどまでに有名な一族なのか、と疑問に思い、號に聞いてみたところ本気で驚かれた。

 

『兄貴、それはマジで言っているのか? いや、ドゥラメンテは知らずとも彼女の一族は……まぁ、でも兄貴だしなぁ……』

『俺も知らねぇけど、そんなすごいのか?』

『この人と同レベルになるぞ』

『おいこら號、そりゃどういう意味だ? 裏までツラ貸せテメェ』

 スポーツの知識を聞きかじったものなら誰もが耳にするほどの有名な一族らしいが、それでも柊にはピンとこなかったものは仕方ない。

 

 星が見えなくなってから視線を下ろすと、いつのまにかドゥラメンテはじっとこちらを見据えていた。ぼんやりと考え事をしていたせいで、早朝のトレーニングが終わっていたことに気づくのが遅れる。

 そして彼女は何かを言いたげにしていた。だがやがて、口を開く。

 

「……先日の選抜レースで、貴方はどうして私が勝てないと言ったんだ?」

「聞こえていたのか」

「いいや。ただ、私に声をかけてきたトレーナーが言っていたんだ──」

 

 ──変なやつがいたよ。君が一着になれないって言って、結果も見ないでどっか行っちまったけどさ。フードかぶった、なんか暗そうなやつ。

 

「それで。そのトレーナーが声をかけたということは、君は一着だったのか?」

「……いいや」

 レースの結果は、惜しくも二着だった。出遅れただけでなく、能力を万全に発揮することができずに敗北を喫した。それでも声をかけてくるトレーナーは後を絶たなかったが全て断ったとドゥラメンテは話した。

 

「教えてほしい。貴方はどうして私が勝てないと断言したのか」

 どこか責めるような口調に、柊はしばし言葉を選ぶ。

 

「むしろ俺は、あんな状態の君が勝てると信じていた他のトレーナーの方が信じられない」

「……」

「ゲートに入る前の君の気迫は、武者震いなんかじゃない。あれは君の強がりだったんだろう。あんな身体が強張った状態で能力が発揮できるとは到底思えなかった」

 身体は自分が思っている以上に素直だ。意識して筋肉を動かすのと、そうでないのとではトレーニングの効果も変わってくる。

 ドゥラメンテは俯き、耳を伏せて何かをこらえるように拳を握っていた。

 

「他のみんなは君の家柄や名声ばかりに目がくらんで、肝心の君自身を見ようともしていなかった。君の家系がどれほど偉大な一族であるか、俺は興味がない。それが君の“誇り”であったとしても、俺には関係のない話だ」

「…………」

「だから、あの時の君の状態だけを見て。俺はそう判断した」

 あのままでは勝てない。そう即決したからこそ、選抜レースの結果を見ることもなかった。

 

「そんな状態でも二着になれたのなら、君は勝てるよ。俺から言えるのはそれだけだ」

 柊が立ち上がり、日課を終えて戻ろうかとした矢先に、消え入りそうな声で呼び止められる。

 

「……待ってほしい」

「どうかしたか?」

「……実は、折入って貴方にお願いがある」

「言ってみてくれ」

「その……ダンスはできるだろうか?」

「苦手だ」

 即答した。

 

 

 

 ──なぜそんなことを聞いてきたのか。柊が尋ねると、週末にドゥラメンテの家でダンスパーティーがあるらしい。そこでは名家の者やURAの関係者各位への顔見せもかねて集まる。ダンスタイムには本格化を迎えた名家の娘全員が参加することになっている、らしい。

 そのダンスは当代のウマ娘たちによる時代を担う宣言であり、その先頭に立つのが自分であると話してくれた。

 

「君は本当に新人のトレーナーなのか?」

「ああ。まさか中央に配属されるとは思ってもいなかったが」

 トレーナー資格の取得に際しても何か妙な根回しをされていた気がしたが、些細なこととして柊は気にしないことにしている。

 ドゥラメンテから社交ダンスの基本的な型を教わり、都度休憩を挟む。しかしその間隔が少し短いことに眉をひそめていた。

 

「まだほとんど練習できていない。苦手と言っても、休憩ばかり挟んでいたら仕方ない」

 ドゥラメンテの叱責に、柊は考える素振りをみせる。

 

「……どう話したものかな。まぁいいか。今から話すことは、あまり気に留めないでくれ」

「? わかった」

「端的に言うと、俺は心拍数が上がると死ぬ」

「──────」

「過去に一度、事故でウマ娘に殺されかけたことがある。その後遺症で、俺は医者から激しい運動が禁止されている。心停止のリスクが高まるからだ」

「それならどうして、私の誘いを受けてくれたんだ?」

「君は“最強”を目指すんだろう。なら、俺はそれが見てみたい。だからデビューしてもらわないと俺は困る」

 自分勝手な都合を押しつけるようだが彼女にとっては苦でもないはずだ。もとより目指すものはそれなのだから。柊は深く息を吐き出し、エスコート役の手ほどきを受けようとした。しかしドゥラメンテは戸惑った顔をしている。

 大抵の場合、自分の事情を話すと敬遠されるのでその反応には慣れていた。

 

「気にしないでくれ。遅かれ早かれ、いつか死ぬ。俺はそれが他人より身近なだけだ」

「……君は、怖くないのか? 自分が死ぬかもしれないというのに」

「そういう星の下で産まれたと思うことにした。だが」

 自分の胸を握りしめながら、柊は続ける。

 

「だが──俺は、自分の運命を神様に委ねるつもりはない。俺の命の使い方は俺が決める。たとえ相手が神様であろうとも、俺の“人生ゲーム”のサイコロは俺が振る」

「君は……思った以上に強いんだな」

「……昔、約束したんだ──お前が世界に自慢できるような星になる、って」

「それは君の弟と?」

「あぁ」

 ドゥラメンテの手を取り、ステップの足取りを確かめるようにゆっくりと動く。

 

(だから君は、毎朝……)

「子供の頃の約束だ。アイツは覚えているかわからない。だけど俺は……」

 

 ──初めて、彼の表情が曇るのを見た。

 この人は氷のように冷たくて、機械のようだと思っていたから。

 

「──俺は。弟の夢を奪ったことを今でも後悔している」

 

 だから。その言葉が余計に忘れられなかった。

 

 

 

 ──ダンスパーティ当日。

 そこではシンボリ家、メジロ家、サトノ家、華麗なる一族……レース界を代表する名家の姿があった。

 新人トレーナーである柊にとって馴染のない場と顔ぶれではあるが、中央トレセン学園で見かけた顔がいくつか見える。

 シンボリルドルフの隣、壮年トレーナーの姿があった。白髪混じりの綺麗なオールバック、スーツもシワ一つない完璧な着こなしだ。長身の男性は柊の視線に気づくと会釈すると間もなく歩み寄ってくる。

 

「こうして話すのは初めてかな。はじめまして、私はルドルフのトレーナー、神無月(かんなづき)國弘(くにひろ)だ」

「霜天路柊です」

「君の弟さんとは何度か話したことがあるんだ」

「やかましいやつでしょう、俺の弟は」

「ハハハ、いや。若くていいじゃないか。元気ハツラツ、という感じで」

「体力が有り余っているだけですよ」

 問題はその使い方が幼稚園児レベルなことだ。使い切るまで全力疾走、使い切ったら電源オフ。実にわかりやすい。

 

「ところで君は……担当する子は決まったかな? この会場にいるのだろう」

「いえ、まだ担当する相手は決まっていませんが。ここにはドゥラメンテのエスコート役として招待を受けました」

「なるほど。君の目に彼女はどう映ったかな」

「……素質は十分ですが、精神面での未熟さが目立ちますね。それ以外は、特に」

「良い観察眼だ。君は良いトレーナーになれるよ」

 それでは、と片手を挙げて去っていく頼もしい後ろ姿に柊はなんとも言えない心地になった。

 

(良いトレーナー、か……)

 以前、同じ言葉を言われたことがある。

 だがその言葉はあまりに無責任で、自分が招いた結果はチームの解散だった。

 

「柊トレーナー。そろそろ君の出番だ」

「……ああ」

 ドゥラメンテに呼ばれて、ダンス会場へ向かう。

 

 衆目に晒され、期待を一身に背負って舞台に立つ。場所は変われど、抱く感情は変わらない。

 あの頃に比べれば、この程度の衆人環視の中に立つことなど慣れている。

 しかし、ドゥラメンテの手を取り──その手が、小さく震えていることに気がついた。

 

「っ……」

「……ドゥラメンテ?」

「いや、待ってくれ……大丈夫だ。私は……、っ」

 すぐに手を振り払い、深呼吸を繰り返す姿を見つめて立ち尽くす。

 ──選抜レースの時と同じだ。

 あの時の“武者震い”のようにドゥラメンテは誤魔化している。緊張するのも無理はない。今自分に向けられているのは先人たちと同じくレース界の歴史を変えるという期待。無数の視線に晒されているのだから。

 

「……────」

 ウマ娘に興味はない。

 彼女たちに関心も抱いてはいない。

 霜天路柊が求めるのは彼女たちの覚悟の証明。

 

 ──ただ。それだけのこと。

 目の前に立っている子どもが震えて耐えている姿に、気づけば手を差し出していた。

 

「ドゥラメンテ」

「……?」

「正直なことを言うと、踊れる自信がない」

「──、は?」

「俺は割と思ったことは言うタイプだ。だからはっきり言うが、君がエスコートしてくれた方が助かる」

「な、何を言っているんだ?」

 ダンス会場で立ち尽くす二人のもとへ、近づく姿があった。

 

「ドゥラ、どうしたんだ? 体調でも優れないのか?」

「──! お父さん」

「……君は?」

 ドゥラメンテの父親はまるで値踏みするように柊の姿を頭から爪先まで見つめ、それから顔を見て視線を止める。

 ダンスの手ほどきを受けていたときに、彼女が父親をどう思っているか聞いた。──理想とする完璧の象徴だと。

 柊は頭を下げる。

 

「大変申し訳ありません。こういった場でダンスを披露するのは初めてで緊張してしまって」

「……」

 険しい表情の父親にドゥラメンテは今にも泣き出しそうだった。しかし、柊は視線を真正面から受け止める。

 険しかった表情から、まるで確かめるように怪訝な表情でドゥラメンテの父親が呟いた。

 

「────もしや、君は“暁”くん?」

「……俺を知っているんですか」

「あぁ、やはり君か。驚いたよ」

「失礼ですが、どこかでお会いしたことが?」

「いや、君と会うのは今日が初めてだ。だが私は君を知っている──“無敗の暁”と呼ばれていた頃の話だがね」

「……無敗の、暁?」

「そうか。ドゥラは知らないのも無理はない。ふたりとも、少し話がある。こちらへ来てくれ」

 

 

 

 ──『アスリート・ファイターズ』にはモデルとなった選手達がいる、と。そういった内情を耳にしたことがあったが、それがよもや、ドゥラメンテの家系であったとは柊も思わなかった。

 父親が見せたのは、昔のビデオ。それは初めての挑戦に足がすくむ幼い頃の姿。今は娘から完璧の象徴と奉られてこそいるが、最初から完璧などではなかった。少しずつ、一歩ずつ、成長を重ねて今の姿があるのだとドゥラメンテに諭し、それから謝罪と感謝の言葉を柊に向ける。

 

「お父さん。彼のことを知っているんですか?」

「ああ。──ドゥラ、『eスポーツ』というのを知っているかね」

「eスポーツ……いえ、存じません」

「『エレクトロニック・スポーツ』のことでね。まぁ、有り体に言ってしまえばコンピュータゲームを競技として捉えた言葉なんだ。我々の一族もスポンサーとして参加している物もあるし、スポーツ界へ参入する切っ掛けになればと多額の投資もしている。そのひとつが『アスリート・ファイターズ』と呼ばれる対戦型格闘ゲームだ」

 シリーズ発売当初から正統進化を遂げてきた今や世界的に代表される作品とまでなっており、プレイヤーの総人口は一千万を超えるとも言われていた。

 ヒトとウマ娘が対等に渡り合う世界線。それはレースを諦めた彼女たちにとっても新たな兆しでもあり、女性プレイヤーが多いことも起因している。実際ウマ娘部門の大会も開催されていた。

 

「彼はその世界チャンピオンだ。それも一度や二度ではない、前人未踏の五連覇を無敗で達成した生きた伝説。公式戦全勝無敗であることから“無敗の暁”と呼ばれていたんだ」

「…………」

「スポーツ界の歴史を変えてきた我々の一族が唯一、『eスポーツ』界への参入を断念した理由でもある」

「────」

 その一言は、ドゥラメンテにとってどれほどの衝撃だっただろうか。

 当時の映像がある、とドゥラメンテの父親がビデオを再生する。

 それは柊にとって三度目の王座防衛戦。それにはドゥラメンテも食い入るように画面に集中していた。

 理想とする完璧の象徴、その父親から畏敬の念すら感じさせる存在。

 一族がどれほどスポーツ界に貢献してきたか。どれほどの存在感を放っているのか。どこの、どんなスポーツでも“顔”があるとさえ知られていた。

 

 ──だがドゥラメンテがそこで見たものは、“完璧”を完膚なきまでに叩きのめす修羅の姿。

 一族が送り出した精鋭。勝利を信じて、誰もが疑わなかった。

 ──三冠がかかった決勝戦の場で柊は変わらず仏頂面のまま画面と向き合っている。しかしその手元は常軌を逸脱した緻密な計算のもとに成り立つ指捌きで反撃すら許さなかった。

 

 『アスリート・ファイターズ』には複数のガード方法がある。その中には相手と攻撃を合わせる“相殺”システムがあった。攻撃ボタンを押すことで発生する打撃判定に対し、同等の攻撃を当てることで打ち消すものだ。通常攻撃だけでなく、それは必殺技も例外ではない。

 通常攻撃には通常攻撃か必殺技。必殺技には必殺技でのみ相殺システムが作用する。画面下のゲージを消耗することで放つ強化技や超必殺技などもあるがそれらを相殺させるのは“理論上可能”というレベルの話だ。

 一秒、一フレーム、寸分違わぬ神業に等しいそれを──映像の中で無敗の暁はやってのける。

 ──会場が沸き立つ。解説の熱が入る。誰も見たことがない光景に、割れんばかりの喝采が巻き起こっていた。

 相手の超必殺技の連続攻撃に対して、パリィと強化技を織り交ぜた相殺で無理矢理コンボの始動技をねじ込み、瞬く間に完走することで大きく体力の優位を取る。

 ダウンした相手の起き上がりに重ねるようにしてさらに追撃。相手の攻撃をわざと受けることでゲージを回収してからのカウンター。それは偶然やまぐれによるものではなく、超越的な管理能力による試合運び。

 まるで攻めるも守るも手のひらの上。主導権を一切譲らないままの決着。

 

「……まさに“圧倒的”だろう。戦った彼は言っていたよ──「勝てる未来が浮かばない」と」

 三冠を達成した無敗の暁──柊の表情は、やはりどこか浮かない顔をしていた。それでも優勝を讃える言葉に礼を述べるだけの礼儀を弁えている。その顔がどこか寂しそうに見えたのは、彼がいつも憂いを感じる顔をしているからだろうか。少なくともドゥラメンテにとってその映像は、到底信じられるものではなかった。

 

「君は、この試合のことを覚えているかね」

「……いえ。申し訳ありません、今日まで忘れていました」

「だから私はとても驚いているんだ。君が王者の座から降りたこと、そしてトレーナーを目指したということに」

「ひとつお尋ねします。俺は短期講習コースでトレーナー資格を取得しましたが、その俺が中央に配属されたのはもしかすると……」

「ああ、君の考えている通りだ。とはいえ、試験に合格したのは紛れもなく君の実力だ。安心してくれたまえ」

 ──自分がなぜ中央に配属されたのか合点がいく。これほどまでに強大な一族の“お声がけ”があったからこそ、あれほどまでにスムーズに事が進んだのだ。

 

「確信めいたものがあったからこそ、君が中央に配属されるようにしてもらった。だが正解だったようだ。かつての“最強”が、私の娘のトレーナーとなるのならこれほど心強いものはない。君は担当する子はもう決めているのかね?」

「いえ、まだです」

「それならば、どうだろうか。ドゥラのトレーナーになってはくれないか」

「それは、俺や貴方の一存で決めることではありません。彼女の意思です」

 ドゥラメンテは血の気が引いた。誰に向かって言っているのか理解しているのか。そんな不遜な物言いが許されると思っているのか。父は激昂するのではないかと戦々恐々とするドゥラメンテの思いとは裏腹に、父親はますます嬉しそうな顔を向けていた。

 

「俺は彼女が“最強”を証明するのであれば、担当できなくても構いません。ですがもしその時は、俺は俺が選んだ運命で彼女に挑みます」

「……ドゥラ。お前が決めなさい」

「お父さん──」

「彼の言う通りだ。大事な三年間、誰と歩むかはお前が決めるんだ。彼は強い、一切の忖度なく私に向けて発言するだけの意志と覚悟がある。きっとお前にとって良きライバルになる」

 それと同じくらい良い指導者になってくれる。そんな期待が込められた父親の言葉に、ドゥラメンテはしばし考えた。

 

(……お父さんは、彼の持病のことを知っているだろうか? ──いや、待て)

 ドゥラメンテの脳裏によぎるのは、ダンス練習の会話。

 ──俺は心拍数が上がると死ぬ。

 あまりにもさりげない、何気ない言い方だった。死を感じさせないほどに。

 

(──世界大会でさえ、君は平常心を保ったままだったのか?)

 王座に君臨して、“最強”を降しても。緊張も、興奮も、感動も、何も感じずに。

 それほどの功績を残しても心が揺れ動くことはなかったのか。

 

「私は……」

 緊張に恐れて、闘争心で上塗りにして誤魔化してきた。

 だけど彼はそれをひと目見ただけで看破した。家系や名声ではなく、名家の娘などではなく──彼の目には一人のウマ娘、ドゥラメンテとして映っていた。正直、どんなベテラントレーナーであっても下心がなかったとは考えられない。あわよくば、などと考えていたのだろう。

 彼だけは違った。興味がないと言ったあれは、本心からの言葉。

 “最強”を求めるという目的は一致している。

 

「私は──、君にトレーナーになってほしい」

 知りたいと思った。

 彼がどうしてそこまで強さを求めるのか。

 何が彼をそうさせるのか。

 “最強”を求めた先に、何があるのか見たいと思った。

 ──あの夜明け前の空に浮かぶ星のように、孤高の存在である君と。

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