ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【復刻版】 作:月日は花客
「うおおおお! 15パック入りBOX!? 太っ腹だなこのバケモノ!!」
パッケージに何も書かれてないオリパっぽいけど、これだけあれば1枚くらいは使えるやつが入ってるはず…………入っててくださいお願いします!!
俺のゴーティスデッキがさらに高みに行くために!
大興奮で浮かんでるペイシスとハイタッチして喜び合う。お前の仲間候補だ。
しかしこれはどこかゆっくりできるところで腰を据えて開けたいな…………。ネカフェ探すか。
なんて悦になってたらなんか話しかけられた。
アッアッアッなんですかなんですかってかなんでこんなところにいるんですか。
「あなたは何者ですか?」
「エッアツでゆ、決闘者です…………」
「デュエリスト?」
「ひえっ、えっと、なんでこんなところに」
「それはこっちの台詞なのですが•…………」
コミュ障──ッ!!!
やめてこっち見ないでデュエルスペース以外では会話は本当に無理なんです決闘
者としてデッキを手にしてる時以外でまともに話せた試しがないんですマジで。
「ねぇこの子綺麗だね! なんていうの?」
「灰原ァ!」
「アッアッアッゴーティスの灯ペイシスって言いますありがとうございます」
なんか黒髪の子は呑気なんだけど、金髪がそれを諫める保護者的な関係なのかな。
関係性が見えた様な…………ペイシスめられて嬉しそうでかわいいねウフフ。
「はぁ.……とにかく、助けてくれたのはありがたいです。ですが、貴方の正体がわからない以上、私たちと共に来てもらえませんか」
「どこに」
「東京呪術高専です」
「アッ無理す」
「は?」
睨まないで!! なにその呪術て怖い! 生費1? 生贄なの!? 俺リリースされちゃうの!
あのバケモンと何か関係あるの!?
というか俺は早くこのパックを開けたいんだよ久々のBOXでしかもオリパだよ
ワクワクしてんだよはやく満足したいんだよ!
というわけで俺は逃亡を選ぶぜ!
「イーノック頼んだ!」
《ゴーティスの守人イーノック》を呼び出す。
大型のエイやマンタのような姿をした彼は、俺を乗せてあっという間に空に飛び立ってくれた。
バイバイ怖そうな人たち! でもペイシスを褒めてくれてありがとー!
さぁ早く開封の儀するぞオラァ!!!
*
産土神事件から一日。危機に陥っていた七海と灰原の前に現れた、謎の式神を操る青年について、彼らは話し合っていた。
夜蛾にはすでに通達済みであり、未知の術式を持つ以上看過はできないと捜索が組まれることになる。
今日の会議の議題にも出るだろうが…………灰原には彼が悪い呪師とは思えなかった。
「でもさー、結果的には助けてもらえたわけじゃん?」
「あれは助けたというより・•……私たちのことが視界に入っていなかった様に思えます」
「なーんか悪そうには見えなかったし…………呪霊をバケモノって呼んでたよね」
「呪霊を知らない、術式が発現したばかりの一般人の可能性.ですか」
この人物はすぐに周知され、警戒網が敷かれるだろう。しかしなにか箱を手にしながら式神と笑い合うあの顔にはあまりにも毒が無かった。
「ではなぜ同行を拒否して逃げたのか••••……やはりなにかある様な気がして」
「怖かったとか?」
「まさか」
そのまさかなのだが•••……七海はあの産土神を相手にしながらただの呪術師である自分を怖がっているとは夢にも思っていなかった。
青年は人間に耐性の無いコミュ障なのであるが。
一級レベルの仮にも神を相手に動じず、一撃? で仕留めてみせたあの力は、高専にとって毒にも薬にもなる劇薬だ。
特級レベルの術式の可能性も高く、ただ放っておく、なんて措置はできない。
なぜ、あの時あの場にいたのか。なぜ、自分たちから逃げたのか。
その答え合わせをする為にも、早く彼の身柄を捕まえたいと思うのだが…………。
「また、厄介なことに…………」
あの男が簡単に捕まってくれるということは、当然あり得そうに無いのである。