ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【復刻版】 作:月日は花客
「捕まえた」
「捕まりました」
「余裕そうだなお前…………」
いやーおっかないねこの兄ちゃん。俺の《No。37希望織竜スパイダー・シャーク》が一撃で木っ端微塵よ。その分のダメージで吹き飛ばされた俺は、楽々と捕まえられこうして学校みたいな所に連れてこられたわけだ。
目の前にはこの前《ゴーティスの灯ペイシス》を褒めてくれた黒髪の子とそのお友達らしき金髪の子や、厳ついサングラスのおじさんがいる。
俺これからどうなるんだろう…………。
「まず、お前の名前を聞いておこう」
「ヒェェ遊海宙です…………」
このおじさん、サングラスも相まって完全にヤのつく自営業の人! 怖い!
やっぱ俺コンクリに詰められて東京湾に沈められるのかなぁ!? ここ東京らしいし!!
うう…………というか今の俺、両手縛られてるんだよね……カードを出す手が塞がれてるのは痛いぜ。
「では遊海、お前は何者だ?」
「一般決闘者です…………」
「デュエリスト?」
「えーと、カードで戦う人の名称? 肩書き? すね」
「ふむ・•……カードというのは?」
「あ、あの綺麗な子はそのカードの力なの?」
「灰原!」
灰原って呼ばれたあの黒髪の子しか癒しがいねぇ!!!
まぁデュエルじゃなくて喚び出すくらいなら両手を使わないでもできるし、俺は灰原くんと金髪の子が知ってるであろうペイシスを喚び出す。
突然現れたオーロラカラーのメンダコに、一同は一瞬身構える。…………灰原くんはしてなかったけど。
「あ、この前の…………ペイシスだっけ? 久しぶり!」
「なんでそんな呑気でいられるんだ灰原……!」
「あ、それ俺と戦った時にも出してたタコじゃん」
ペイシスは白髪の男をチラッと見るとそっぽを向いた。そりゃ仲間がやられてるし自分も貶されてるからいい気はしないよな…………逆に灰原くんには愛想を振り撒いている。
おじさんもちょっとウズウズしてるけど、かわいいもの好き?
「これがお前の式神か?」
「式神? まぁかわいい相棒ですね。これ以外にもたくさんいますが」
「ふむ……札を利用した式神の召喚がお前の術式か」
「ザコじゃんね」
「煽るな五条」
カチンとくるわ~、確かに俺のモンスターはお前に一撃でやられたけどよ!!! 何も言いませんけど!! ねぇ!!
宥められてはいるけど、何も反省してなさそうだし。なんだあコイツ。罠カードガン伏せ降臨エルドリッチみたいな傲慢さがあるな。
ペイシスにさらに嫌われることになるぞ。モチモチさせてやらんからな!
「それで、なぜあの時呪霊を祓っていたのですか?」
「呪霊? あのバケモノのこと?」
「呪霊を知らないのか?」
「ヘーあれ呪霊って言うんだ…………いや、なんか突然見えるようになったんでよく知らないです」
まじで半月前に突然だったもんな~。ビックリしたわ、今はもう慣れたけどさあ。
あのキモさ、どうにかならんもんかね。パック落としてくれるからいいけど。
俺の答えについて、おじさんや金髪の子たちは黙って考え込んでしまった。なんかマズいこと言ったかなぁ。
「ふむ……その術式が判明したのは?」
「術式?」
「その子を喚び出す力のことだ」
「半月前くらいかな? 呪霊が見えるようになったのと同時に」
「ふむぅ………………」
あらら、さらに考え込んでしまった。
この人たちはその呪霊とか術式に対するエキスパートなんだろうか? それで俺
が素人の仕事をしてたから困ってたとか………….
うわ、だとしたら申し訳ねぇ~~。
「何も知らない一般人なのだとしたら、高専に入れるべきだろうな」
「そうですね。呪詛師等に狙われたりする前に保護するのが最善かと」
「え? ここ高専なんでしょ? 俺もう21だから入れねぇよ」
「21!? ……ここ呪術高専は呪術師の組織でもあるので、生徒になれずとも問題はありませんよ」
21には見えないって言いたいのかコラ。
なんかあれよあれよと制服だの寮だの呪術に関する授業だの話が進んでいく。
あれ? なんか完全に俺がここに入る流れになってない?
「入らないっすからね?」
「は?」
「なぜ?」
「いや初手で大事な仲間消し飛ばされてんのに仲間になるほうがおかしくないすか?」
「抵抗するお前が悪いんじゃん」
「元はといえばお前がペイシスをキモいとか言ったのが原因だわ!」
「五条お前…………」
「五条さん…………」
カードとして消えてはいないけど、召喚して即破壊されたのとその後に喰らったダメージかなり痛かったんだからな!!
てか灰原くんくらいしか信用できそうな人がいねーんだもん!
せっかく東京に来れたんだし、実家に一旦帰ってここが俺の住む世界なのか確認したいし。
てかどこかに所属するのって好みじゃないから、いままでもフリーの決闘者としてやってるわけだし。
「その場合、お前は要注意人物として俺たちに監視されることになる。命を狙われても文句は言えないぞ」
「ははっ、闇のゲームには慣れてるもんでね! 《次元の裂け目》!」
そうして俺は次元の裂け目を発動させる。
このくらいなら両手塞がれてようが簡単だぜ。
足元に現れた裂に、俺は落ちていく。デュエリストたるもの、突然の垂直落下にも即座に対応できなければならない! ってね!
「つ!?」
「じゃーな!」
「待て!!」
待つかよ! 俺は自由が好きなんだっつーの!